刀オタクが異世界転移したので剣豪を目指します   作:かんせつ

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第四十三話

遠征二日目。みんな朝早くから集まっていて今日はどうしようか話し合っていた。多分ではあるが一時は共闘した間柄。クランの仲間としての意識が芽生えつつあるのだろうか?

「団長。昨日は地図のこのあたりを探索しました。今日はこのあたりなんか如何でしょうか?」

「同じところにすぐに魔獣が来るとは思えねえな」

「ねぇ、昨日から思ってたけど団長って私のこと?」

「はい。クランの長、団長で間違いないでしょう」

うーむ・・・団長か。

「じゃぁ今日はこのあたりを探索してみようか」

近くに町がある分持っていく物資は軽くて助かっている。私たちは準備を整えて狩猟へと出発した。

「うーん。ここの風は砂っぽいというかなんというか・・・」

「ここはまだ草原ですが西に行くと砂漠が広がっていますからね。土地特有の風といったところでしょう」

「砂漠かぁ・・・」

「砂漠の気候は過酷だと聞く。国をまたいで活動するキャラバンはそう考えるとたくましいと言えるな」

雑談を交えながら私たちは魔獣の痕跡を探した。

「ふむ・・・足跡がありますが大分砂が混じっていますね」

「うーんここにはいないのか・・・」

「ミノタウロスは獲物を探して徘徊するというからな」

その後も私たちは魔獣を探して草原を歩いた。途中休憩を入れはしたけど昨日と違って全然見つからなかった。

「ふむ・・・」

草原を彷徨っているとワイルドブルの死体が何頭も倒れていた。その死体は肉が食べられたような形であった。

「ミノタウロスでしょうか?」

「いや、周囲に魔石が落ちている。どうやらワイルドウルフがやった可能性が高いな」

周囲を見てみると小さな魔石がちらほらと落ちていた。拾ってみると機能拾ったワイルドウルフの物にそっくりだった。

「肉はちぎれているためダメでしょうが牙や皮は売り物になるでしょう。採取しますか?」

「自分で倒したわけじゃないけど、そうしよっか」

私たちは死体から使えそうな皮や角を採取してその場を後にしようとしたのだが・・・。

「何かが近づいてきますね」

「ここから見てもデカイな。ミノタウロスだろう」

「あっちからやってきたってこと?」

「魔獣は血の臭いに敏感だ。このワイルブルの肉の臭いに釣られてやってきたんだろう」

「数は・・・八体か。どうする、団長?」

「全員戦闘準備!!」

私の号令で全員が武器を構える。まずは魔法使い二人が攻撃を開始する。例え遠く離れた位置からの攻撃で魔法の威力が落ちていようと牽制にはなる。魔法が当たったミノタウロスはひるんで他の個体より遅れて進むことになっていた。

「よしまばらに散ったね。各パーティーごとに攻撃開始!!」

各メンバー事に戦闘を開始する。私たちのパーティーもリーシャさんを軸に戦闘を開始する。

いつも通りリーシャさんが敵の大半を引き付けて私がはぐれた敵を遊撃する。ミノタウロスの動きがわかれば簡単で楽に仕留めることができた。そして他のパーティーも順調にミノタウロスを倒していた。

「ミノタウロスは武器を持っておらず、大ぶりなおかげで倒すのは簡単ですね」

「一撃は重たいがな。掴まれたら振り抜くのが大変なんだよな」

雑談を交えながら倒したミノタウロスから角や皮などを採取する。すると土煙を上げて走り寄ってくる影が現れた。

「団長!!ワイルドウルフの群れです!!」

「戦いの音か死肉の臭いに釣られてやってきたか!!」

「よし、そのまま戦闘開始だよ!!」

魔法使い二人の攻撃はミノタウロスより効果的のようで爆発により吹き飛ぶワイルドウルフが見受けられた。しかしそれでもワイルドウルフは向かってくる。

「各自散開、囲まれないように注意して!!」

ワイルドウルフは数の暴力で襲ってくる。数はこちらの方が不利。いくらこちらの攻撃が強くても的が多くては苦戦を強いられるだろう。

「やぁぁぁ!!」

私は時雨を振り回して近づいてくるワイルドウルフを悉く斬り倒していった。数が多すぎてみんなの様子を見ることができないでいた。

(こっちで数を倒してばみんなへの負担が減るはず。がんばらなくっちゃ)

私は夢中で時雨を振り回した。何体倒したのかわからないけど次第に寄ってくるワイルドウルフが減ってきた。そしてようやく剣戟の音が鳴りやんだ。

「ふー・・・疲れたぁ・・・」

「お疲れ、シズネ。あの長物を振り回してワイルドウルフをなぎ倒していたのは圧巻だったな」

「いやはや団長は強いですね」

「団長が強ければ安泰だな」

みんながなぜか私のことを褒めてくれていたけど魔石を拾ってみて理由がわかった。

拾った魔石は32個。そのうち私の近くで拾えたのが15個だったのだ。つまり半数近くを私が倒したことになる。

「うわぁ・・・近寄ってきたのを斬り払っただけだけど・・・なんで私に寄ってきたんだろ?」

「それはわからんな。タンクである私たちを無視しているのが多かったからな。本能で危険だと感じたのだろうか・・・」

「とりあえず採集を終わらせて帰ろっか」

魔石と採集を終えて私たちはフォロムの町に帰った。魔石は何者かに倒されていたワイルドブルの魔石が8個、ミノタウロスのが8個。ワイルドウルフのが32個。占めて約3万2千の稼ぎになった。

皮や角もかなりの数が収納空間に保存されている。前哨基地では安く買い叩かれるから売らないけど価値の換算にはなる。王都で角と皮を全部売れば10万ゴールド近くになる計算だった。二日間でやく15万近い金銭を稼ぐことができた。

「さて、かなりの戦果を挙げることができたわけだけど、どうする?」

「そうですね・・・普通の依頼よりは短期間でかなり稼ぐことができました。スキルを上げたいのでまだ戦いたいところですが休養も大切でしょう」

「いくら戦いを求めても体が着いてこれないんじゃ仕方がない。ここいらで退くのもいいだろう」

「じゃぁ今回はここまでで。では今日は休んで明日王都に帰ろうか」

こうして私たちは一日休んで王都に帰ることにした。途中疲れた体に馬車の旅が堪えたけどまぁ仕方がないかな・・・?

 

んで旅の疲れを一日休んで癒した次の日。私たちは王都の素材屋に遠征で手に入れた角や皮を売りに来ていた。

「なるほど・・・草原のミノタウロスの皮に角。それからワイルドブルの牙や皮か。量はかなりあるな。ちょっと待ってくれ。計算してみる」

店主さんの計算を待っていた。

「待たせたね。合計で17万3千ゴールドでどうだろうか?」

「うーん・・・そうですね。それでお願いします」

ゴールドを受け取って私はみんなが待つ冒険者ギルドに戻った。

「えーっと素材が17万3千ゴールドになりました。魔石が二日間で4万5千ゴールド。合計が21万8千ゴールドになります。ここからクラン規定で7%を引いて約20万ゴールドになります。それを十人で割るので一人2万ゴールドとなります」

「結構いい儲けになりましたね」

「依頼を受けるよりかは良いか。ギルドの評価はあまり変わらんだろうが金にはなるからな」

「ではまた日を開けて遠征を計画するということで」

それでお開きとなった。こうして初の遠征が終わったのであった。




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