私はエラムを連れて王都の図書館に来ていた。
「どうしたんですか?何か調べ物でも?」
「うん。そうなんだよねー」
「一体何を探してるんですか?」
「この前遠征に行ったでしょ?でも体力とかの問題であまり数は狩れなかったじゃん。だから効率よく魔獣を狩れる手段がないかなーって」
「なるほど」
「例えば弓みたいに遠くから一斉射撃をと思ったんだけど弓も引くのに体力がいるし遠くに飛ばすには技術がいるでしょ?」
「ふむ・・・でしたらボルトシューターなんかはどうでしょうか?」
「ボルトシューター?」
「大きな鉄の矢じりを専用の大型クロスボウで発射するんです。矢じりの大きさや使う弦の大きさからかなりの威力を発揮してくれますシューター本体の整備に少し手間がかかりますが、矢じりの方は当たれば刺さったりして回収が可能で再利用が可能です。ただし弦を引き絞るのに時間がかかるので連射性はあまりありません」
「先制攻撃で使えば有効だね」
「実際に戦争となれば専用のボルト隊が編成されて先制射撃を行うとか」
「むむっ。軍が絡むとなると入手は難しいんじゃないの?」
「いえ。元々冒険者が開発した物なので流通はしてますよ。矢じりも本体も高いですが」
「だよねー」
「ですが数を揃えれば草原で言えばミノタウロスやワイルブルの群れくらいは交戦することなく狩ることができるかと。ただワイルドウルフに対しては的が小さいため効果を発揮しないかと」
「むむむ・・・なんか欲しくなってきたぞ」
「十人程度じゃ一斉射の効力は低いでしょう」
「うーん・・・そうなると罠、は後の事を考えて改宗する手間がかかるから却下」
「まぁ、人数が揃ってきたら考えてもいいんじゃないでしょうか?」
「そうだねー。でも遠征とか依頼とかをたくさんこなせば冒険者ギルドの評価も上がって未所属の冒険者に勧めてくれるらしいし結果は作りたいんだよね」
「なるほど。実績を積む、ですか
「そーそー。だからできるだけ一度に多くの魔獣を狩れればねって」
「ふむ・・・魔法でしたら魔力を消費するだけで済むので良いかとは思いますがこれは個人差、力量が問われますからね」
「魔法も考えたんだけど継続的な打撃は労力がかかると思ってね」
「確かに魔力が尽きれば打撃を与えることはできなくなりますからね。あ、でもスクロールがありましたね」
「スクロール?あれって魔法を覚えるためにあるんじゃないの?」
「確かにそう言う用途もありますが、魔術関連の物は魔術を発動させるための物があるんですよ」
「魔術・・・魔法とは違う物だっけ。確か魔法は個人の魔力を使うけど魔術は物に存在する魔術を使うんだっけ?」
「そうです。ですので自然由来の物を触媒に事前に魔力を込めて使うのが一般的ですね。後は魔石を使ったりとか」
「魔石って色々使えるねー。でもそれだと費用が嵩むね」
「魔石は使えばただの石ころ同然になってしまいますからね」
「そうなると・・・今できることは個人の継続戦闘力を高めるしかないか」
「そうですね。ただそれも個人技能が問われますから注意が必要ですね」
「そうそう。全員が同じことをできるわけじゃないからね」
「後から草原について調べてみましたが、隣接する砂漠には動物が少ないため砂漠に生息する大サソリなどの魔獣が獲物を求めて草原にまで足を伸ばすそうです」
「大サソリ・・・怖そうだね」
「実際に強い魔獣です。尾には強力な毒を持ち巨大な腕を振り回したりとかなり狂暴らしいです。他にも砂竜という生物もいますね」
「砂竜?」
「砂の仲に潜むトカゲのような魔獣です。潜んで地上の獲物を襲う性質があるため砂漠を歩くときは要注意ですね。しかしこれは砂地から離れないため草原には来ません」
「ふむふむ」
「後は前回の遠征で失念していましたがワイルドブルやミノタウロスからは骨も採取できたようです」
「骨?装飾品にでもするの?」
「いいえ、燃料になるらしいんです。燃やしたりとか」
「なるほど、金の生る木を逃したわけか」
「それに武器にも使われるとか」
「うん?」
「詳しいことはわかりませんが・・・」
「よしちょっと調べてみよう」
「そう言うのって技術ですから公開していないんじゃないんでしょうか?」
「うーん、一般的な事なら前に見たことがあるしあるんじゃないかな・・・あ、ほらあった『骨の加工技術』」
シズネが取った本にはこうあった。
「何々『戦士が己が力を披露するために大きく、重い剣を好んで使うことがある。しかし鉄の塊を作り加工することはほぼ不可能である。しかし骨を利用した物であれば作成は可能である。一本のやや大きい骨を用意しそれに大小を問わず砕いた骨の粉、それらを特殊な培養液の中で放置すると一本の骨に徐々に骨の粉が集まり大きな骨になることがある。これをもとにし刃の部分を磨いて武器とすることができる』だって」
「なるほど・・・ミノタウロスほどの骨、特に腕などはまっすぐですから武器の元になる骨には十分使えそうですね」
「そう言えばガンさんが使ってた大剣も骨っぽかったな。でもウチで作るのは難しそうだ。変な薬品とか家に置いておきたくないし」
そうしてシズネは本を直して図書館を去ったのであった。
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