アルとミーナだけでナイフや包丁を作り出してから一週間が経った。最初の数日は全然人が来なかったけど、日が経つにつれて人がどんどん来るようになった。どうやら先に勝った人が自慢もとい宣伝をしてくれたらしい。
武器の方の注文も途切れず入ってきてはいるので工房は上手く回っていた。
二人が成長していて私も嬉しく思っていた。
それにクランにも変化があった。新たに二つのパーティーが加入したのだ。
カイさん率いるパーティーとメルンさん率いるパーティーだ。これで遠征もかなり楽になる可能性がでてきた。
そう言うことで第三回遠征を開くべく会議を開いたのであった。
「新たに二つのパーティーが加わったことで遠征の効率も上がったと思います。何かこれを活かす考えはありますか?」
「これだけの人数が揃ったのです。馬を利用するのはどうでしょう?今なら馬の守りにも人を割く余裕があるでしょう」
「確かに人数が揃っているなら馬はアリだな」
「では馬をレンタルするということで。これは総収入から費用を算出することで異存はありませんか?」
レンタル費用についても異議は出なかった。今回も遠征先は西の草原となった。
そして遠征日当日。厩舎にはクランメンバー全員が揃っていた。揃いのバンダナを腕に巻いて統一感が出て
胸が躍った。そして馬をレンタルして私たちはフォロムの町を目指した。
馬車と違って移動時間は短縮できたけど、腰へのダメージは大きかった。
一日休んで次の日。私たちは魔獣の草原へと繰り出していた。偵察に慣れているというダンさんたちに偵察を任せて私たちは草原を進んでいた。するとダンさんたちが戻ってきた。
「団長。少し先にワイルドブルの群れがいた」
「よし。まずはワイルドブルを狙おうか」
狙いは決まった。私たちはゆっくりと近づいて、馬を安全な場所に泊めた。馬を守るパーティーは交代制にしてあるのでまずはアリムスさんたちが馬の守りについた。そして私たちは武器を手にワイルドブルに戦いを挑んだ。数は十前後。だが数、経験共に備わった私たちの敵ではなかった。
ワイルドブルに数で当たれるようになり、殲滅速度は上がっていた。
「よーし。無事に倒せたね。みんな怪我はない?」
「こっちは大丈夫だ」
「こっちもよ」
全員の無事を確認してから採取を始める。新たにアルとミーナが練習で打ったナイフをクランメンバーに支給したため、採取はかなり効率が良く進められた。今回は魔獣をおびき寄せる肉は現地調達にすることにした。そのためワイルドブルの肉を馬に乗せて私たちは風上を移動した。
そして匂いに釣られてワイルドウルフやミノタウロスが交互に近づいてきた。私たちはそれを難無く内倒し、かなりの成果を得ることができた。馬による移動で歩きよりもより早く、より疲れずに進むことができ、効率よく魔獣を狩ることができた。まだ昼から少し経った段階で前回の一日の成果を上回っていた。
そのまま狩りを続行しさらなる成果を上げることができた。
「よし。そろそろ日が暮れるし町に戻ろう」
日が暮れる前に町に帰り、肉の売却を行ってから私たちは休むことにした。
次の日も狩りを行ってかなりの成果を得ることができた。今回はまだ余裕がありそうなので三日目まで狩りを行った。そして狩りを終えた私たちは王都へと帰ることにした。
王都に帰ってきて私たちは素材や魔石の売却を行った。三日間の狩りの成果は大体50万ゴールドになった。それからギルド収入と馬のレンタル分を引いたものを十五人で割って一人当たり約三万ゴールドになった。
前回よりも人数と馬による移動のおかげでかなり成果を上げることができた。それに数を狩ったことで成長の方も著しく進んでいる様子だった。
ともかく第三回遠征は大成功となった。帰ってきたその日に少し奮発して宴を開いたけど終わってから財布が軽くなったことに気づいてちょっと後悔した。
ただ少し問題もあった。私がいないのを聞きつけたのか工房組合の連中が店に数度押しかけてきたらしい。ちょっと威圧的なことをされたらしいがともかくアルとミーナが無事でよかった。
工房組合に対しては対策が必要なのかもしれない。これは私が留守の間にもアルとミーナが売り上げを伸ばし、顧客を他の工房から吸い取ってしまったのが原因らしい。
私の店は高品質だが安いを旨としているため一般層への評価が良いらしい。それが他の工房は快く思ってないらしい。まぁ商売敵だもんね。仕方ないや。
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