刀オタクが異世界転移したので剣豪を目指します   作:かんせつ

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第六十二話

王都の冒険者ギルドが騒がしくなってから二日が経った。ダンさんの言った通り携帯食の値段は上がり、また冒険者ギルドにいる人も増えたような気がした。これはダンさん曰く「緊急事態はある意味稼ぎ時でもある。地方から話を聞いて来た奴らもいるんだろう」と。

そして少し経った時、慌ただしくギルドの職員さんが声を上げた。

「魔獣の平原の奥地にてタイタンの兵団が観測されました!!難易度はDランク以上からの参加をお願い遺体します!!」

「タイタンって?」

「硬い皮膚を持つ巨人の一種だ。大抵が武装していて群れを作る。その様から兵団と呼称されている」

「とりあえずウチは全員Dランクだから参加可能だけれど・・・」

「正直今回はどうなるかわからん。参加する冒険者の数を見て進退を決めた方がいい」

「そんなに強いの?」

「皮膚も硬く、簡単だが鎧兜も着ている。並みの冒険者じゃ歯が立たん」

それから少し待って様子を見たが、どこも私たちと同じように様子見をしているようだった。

「どうしよっか・・・」

「こうなると、国の対魔府が出てくるな。そうなると稼ぎはゼロになるな」

「うーん・・・経験は積んでおきたいし、行こう?反対の人は?」

静音の問いに対し反対はいなかった。まぁ安全策は取りたいが、ここで動けば立場は良くなる可能性が高かった。

「アイアン・イグニス、人数15人。参加します」

静音が大声で参加を表明。すると釣られるようにゆっくりとではあるが参加する冒険者が増えていった。

「うーん。これでよかったのかな?」

「誰かが動かにゃならんかった。んで動いたのはウチのリーダー。まぁ評判は上がるんじゃねぇかな」

出発は明日。とりあえず今日は休むことになった。

 

そして次の日。人数分の馬車が用意され、魔獣の平原の前哨地、フォロムへと向かった。

こういう時に湧いた魔獣の群れは見境なく生き物を襲うらしい。だからフォロムも安全とは言えなかった。

だが心配は杞憂に終わった。無事にフォロムには到着し、フォロム自体も無事だった。

そして観測班からの情報では兵団は奥地から少し浅い場所へと移動しているとのことだった。

数はおよそ30ほど。集まった冒険者は50人程度。数では少し上くらい。正直勝てるかはわからなかった。

んで、指揮系統なんだけど・・・一番に名前を挙げた私たちが取ることになった・・・。どうしてこうなった・・・。

「とりあえず様子見で行ってみよう」

私たちは一路兵団を探して魔獣の平原に入った。今回も移動は馬で行った。タイタンは足が遅いと聞いたのでこれなら緊急時に逃げることもできる。

そして平原を駆けること少し。何か物々しい雰囲気が漂っていた。

「この先に何かいるのかな」

「多分兵団だろう。全員、気を付けな!!」

足りないところをみんながフォローしてくれていた。ほんとに助かってる。

そして少し進むと影が見えてきた。しかし遠目で見ても大きさが異常であった。

「間違いなく巨人だな。対抗策は覚えてるか?」

「確か膝の裏が弱いんだったよね?」

「そうだ。人間の鎧と同じく関節の部分は弱い。そこを叩いてから保護されていない首を狙う」

そんな話をしていると巨人の群れがこちらに気づいたようだ。しかしかなり距離は遠い。

どうやら魔獣によって探知範囲が違うらしい。そして巨人は探知範囲がかなり広いらしい。

ここまで聞こえるくらいの雄たけびを上げて巨人が駆けだした。

「迎撃準備!!」

馬から降りてみんな自分の獲物を手に取る。

そしてついに巨人と肉薄する。いざ近くに来ると威圧感がすごかった。でも怖気ずに戦わないといけない。巨人は鉄のこん棒を振るっていた。しかし動きは遅く、避けるのは容易かった。そしてでかい図体のおかげで股を潜り抜けて背後に回れた。そして魔力を込めて膝裏を切り裂いたのだが・・・。

「ほろ?」

なんと足もろとも切断してしまったのである。まさかこんなことになるとはつゆ知らず。以前レオ王子から武器の依頼を受けた時に一緒に時雨にも対魔獣のエンチャントを施したからだろうか?

ともかく足と分離して倒れた巨人の首を裏から突き刺し抉り、切り裂いた。悲鳴が聞こえたがあまり気に留めなかった。行為が終わってから気づいたのだが、私には魔獣に対して良心が働かなくなってしまっているみたいだった。悲鳴も、何も聞いても感じるとこが無い。ちょっと怖くなった。でもそんなのは襲い掛かってくる巨人のせいで消えてなくなった。

こん棒の下振りをジャンプで避けて偶然そのまま巨人の頭に肉薄した。そのまま渾身の魔力を込めて振り下ろした。

「おー・・・」

すると巨人は兜の上から股まで綺麗に両断された。

「おい、なんだあの女。巨人を真っ二つにしやがったぞ!!」

「確か今回のまとめ役じゃなかったか?」

周囲がざわめくが気にしない。そして様子を知ったみんなが集まってきた。

「どうやらリーダーがかなり火力を出せるようだな。ならリーダーを主軸に動くぞ。幸いアリムスも魔力を幾分使えるようだからリーダーほどじゃないが活躍できるだろう。俺たちで周囲の巨人を相手取ってリーダーは浮いた奴を各個撃破だ」

作戦が立つと私たちは一斉に動いた。私は戦場を駆け、巨人の頭に肉薄しては時雨を振り下ろしその命を絶っていった。みんなの方も慎重に動いて巨人を倒していた。

そして作戦開始からどれだけ経っただろうか。いつの間にか巨人は消えていた。

「勝った!!勝ったぞー!!」

そんな声が聞こえて我に返った。どうやら勝てたらしい。とりあえずまとめ役の仕事をしないといけない。

「怪我人の有無の確認を!!それから容体も確認してください!!」

とりあえず参加者の状態の把握を始めた。どうやら怪我を負った人はいるらしいが重症者や亡くなった人はいない様子。とりあえずホッとした。

そして怪我人は馬に乗ることは難しいので数人にフォロムに馬車を取りに行ってもらった。

馬車が到着してから私たちはフォロムに帰り、一日休んでから王都に帰った。




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