刀オタクが異世界転移したので剣豪を目指します   作:かんせつ

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第六十七話

もう何度この町を訪れただろうか?静音たちクランのメンバーはフォロムの町にいた。

今回も狩場の移動は馬を使う。馬の利用料の分も稼がなくてはならないが、今回は初めて挑戦する平原の奥地。危険で焦るのは禁物である。とりあえず一日休めた静音たちは馬に乗り平原へと侵入した。

「うーん、やっぱ馬で駆けるのっていいねぇ。お尻が痛くなるけど」

とりあえず平原を駆けながら周りの様子を伺う。これといって異常は見えず、エンカウントした魔獣もいない。このまま奥地に進んでも大丈夫だろう。とりあえず後方確認は欠かさないようにと事前に決めてある。

そして一行は奥地と呼ばれる場所に踏み込んだ。聞いた話の通り、平原の奥地は少し土の色が黒くなっていた。

「どうやら奥地に入ったようだな。しっかしなんだ?この肌にまとわりつくようなものは・・・」

「うーん、圧という訳でもないですし、一体・・・」

駆けることはやめてゆっくりと歩きながら探索を進める。すると遠くに大きい影が見えた。

「リーダー、あちらに」

「うん、何かいるね。よし。周囲への警戒を強めて近づいてみるよ」

そろそろと近づいた。しかしアクシデントが起きた。馬が突然鳴き声を上げたのである。

「あ、コラ!!」

「まさか本能で危険だと察知したのでしょうか・・・あ!!あちらも気が付いたようですよ!!」

「全員馬から降りて戦闘用意!!」

仕方なく降りて迎撃の準備に取り掛かる。近づいてわかったのが相手は人型。

考えられるのはミノタウロスレイダーかオーガ。しかし近づいてくるとその異様さがわかった。

「狼の頭に人の身体・・・顔には大きな牙・・・。これは一体?」

「キメラじゃないかな。聞いた話だと平原の魔獣の突然変異で特徴も平原の魔獣に似ているし。ともかく

相手の動きを観察しながら戦うよ!!」

初見の相手はまず相手の動きを見なければ対処はわからないのが普通だ。キメラは何も武器を持ってないから使うのは己の四肢だろう。

しかし、キメラはこちらに近づいてきた時は二足歩行だったが、戦闘態勢に入ったのだろうか、突然四足歩行に変わったのである。

「一体何のつもりだ?」

「狼の要素が強いのでしょうか?」

そしてキメラは大地を蹴って肉薄してきた。

「させるか!!」

リーシャがそれを遮るとように大盾を構える。ものすごい重い音が鳴り響く。キメラの前右足がリーシャの盾を捕らえていた。しかしまだ前左足が残っている。それをリーシャの横から振り下ろそうとしていた。

「危ねぇ!!」

そこへすかさずガンが大剣を振り下ろし前左足の一撃を防いだ。

「助かった」

「気にすんな」

しかしキメラの攻撃は終わらず、間を割って入ってきたガンにめがけて頭から踏み込んだ。

「おわっと」

噛みつきを難無く避けてそのまま頭へと大剣を振り下ろす。しかし上手く踏み込めなかっため威力はあまりでず、少し皮膚を切り裂いた程度だった。

「団長、少しよろしいですか?」

「どうしたの?」

「奥地の魔獣とはまず様子を見るという話でしたが、キメラは個体ごとに姿が違う。つまり戦闘の様子も違う訳で、様子を見ても次のキメラに対して対策は打てないかと」

「そうだね。疲れる前に倒した方がいいか」

「では」

静音から許可を得てアリムスは攻め手の先陣を切った。未だリーシャとガンを相手取っているキメラに難無く近づき、そして身軽な体捌きで一気に背中に上った。そして後ろから首めがけて剣を突き刺した。

「ゴァァァァ!?」

急所を穿たれて悲鳴を上げるキメラ。しかし躊躇することなく、アリムスは突き刺した剣をねじり、そして振り払った。キメラはさらなる悲鳴を上げる前に絶命した。首は地面に落ち、アリムスのひらりと地面に舞い降りた。キメラの身体は消えることなくそのまま残っていた。

「お見事」

「ありがとうございます」

「じゃぁ警戒班はそのまま周囲を警戒。採取班は取れそうな物をちゃちゃっと取っちゃおう」

アリムスが切り落とした首や体の皮などを採取して静音の収納空間に収めその場を後にした。

「しっかし馬が本能か何かで恐怖に対して何らかの動きを取るってんなら注意が必要だな」

「そうだね。でも遠くで降りると馬の護衛班と離れて孤立するかもだからどうしようもないよ」

奥地を進んでいくとまた影が見えた。

「よし、ゆっくりと近づいてみよう」

そして近づいてみると影はミノタウロスのようであった。

「ミノタウロス・・・レイダーでしょうか?」

「肌もちょっと黒いしそうかもね。レイダーは動きはミノタウロスと変わらないって言いうから様子見無しで一気に決めるよ!!」

静音たちは馬を降りて戦闘準備に入る。レイダーも斧を振り上げて戦闘の意を示した。

両者は一気に近づいて剣を混じえた。しかし変異個体のレイダーでも基本はミノタウロス。

平原で何度もミノタウロスを狩ってきた静音たちには慣れていた。静音たちは波状攻撃をしかけミノタウロスレイダーの目を分散させ隙を作り、そこを突くという連携を見せた。もう唐突に現れたレイダーに恐怖していた頃とは違うのだ。そのまま静音の雷の魔力を宿した時雨が首を落として戦闘は終了した。

「あれほど怖かったミノタウロスレイダーもこんなにあっさりと・・・」

「油断も慢心もダメだよ。ここは私たちにとって未知の領域。気を引き締めていかないと」

こうして静音たちはさらに進むのであった。




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