静音がいるスペリア王国。そこからかなり遠方の国で異変が起こった。
魔獣が出てくると言われる歪みから大量の魔獣が出てきたのだ。現れた魔獣は多種多様であり、想像を絶する数た現れた。冒険者ギルドが言うスタンピードを超えていた。
さらに現れた魔獣にも異変が起こっていた。二足歩行をする魔獣は漏れなく金属の武具で武装し、ワイルドウルフなどの四足歩行の魔獣でも身を覆うような鎧で武装していた。
現れた魔獣は農村、町、都市関係なく襲撃した。国にいた冒険者、兵士が対応にあたるも現れた魔獣は一国が対応できるような数ではなかった。そして戦っていった者たちは一人、また一人と倒れ、ついに国は燃え尽きたのであった。
そして奇しくもその国はスペリア王国の勇者ラークとウィリアムが修行の旅で訪れた国だった。
魔獣の侵攻で国が燃え尽きてから一週間が過ぎた日。スペリア王国の国内でもようやく情報が伝わり、国内は騒然とした様子であった。冒険者ギルドにもちらほらではあるが町などからの護衛依頼が増えてきていた。
そんな中静音の工房にもより良い武器をと注文する冒険者が少しではあるが訪れるようになっていた。
そのため三人は今日も鋼を叩いていた。
「なぁシズネ。この国も魔獣にやられるのかな?」
「どうだろ。勇者様もいるしウィリアムさんもいるし、大丈夫・・・とは言えないなぁ。どれだけの魔獣が来るのかもわからないし。というより魔獣はどうやって現れているんだろうね?」
「も、もし魔獣が現れたらどうするんですか・・・?」
「うーん、この国って歪みがいろんなところにあるって聞くからどこに逃げればいいのかさっぱりだね・・・。でも大丈夫。二人は私が守るから」
「ミーナは俺が守る。だからシズネ。時間があるときでいいから訓練をつけてくれないかな?」
「うーん、いいけど。まだアルには早いんじゃないかなぁ」
「早いとかじゃないんだ。やらないと大事な時に何もできない。それを俺は知っているんだ」
「まぁ確かにそうだね。わかった。でも訓練したからって依頼とかには連れていけないよ?」
「わかってる」
こうして有事に備えてアルの訓練が始まった。
訓練は結構簡単な始まりであった。
まずは素振りや走り込みなど基礎体力作りから始まった。
でも何時魔獣が襲ってくるかはわからないため、実践形式の訓練も同時に行った。
訓練所は同じように有事に備えようと兵士、冒険者が集中しているためまともに訓練はできそうになかった。
だが静音の工房には玉鋼製造のための炉を作るための広い空間があったため、そこを仮の訓練所としていた。
「やぁぁぁ!!」
直線的にアルは木剣を持って静音に斬りかかる。しかし結構戦い慣れた静音は軽々とアルの攻撃をいなしていった。それをミーナは心配そうに見ていた。
「はぁ・・・はぁ・・・まったく当たらねぇ・・・」
「兄さん、汗を拭いてください」
「ありがとう」
「私には?」
「シズネさんもどうぞ」
二人は汗を拭いてミーナが作った昼食を食べる。
「シズネはどうして冒険者になろうって思ったんだ?」
「うーん・・・成り行きかなぁ・・・。ちょっと色々あってね・・・」
「ふーん」
そうして休憩を挟んでから静音によるアルの訓練は続いたのであった。
ありがとうございました。評価やコメントでの感想を頂けると投稿者が喜びます。