刀オタクが異世界転移したので剣豪を目指します   作:かんせつ

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第八十一話

開拓地開発の依頼を受けた静音たちは参加する冒険者たちが揃ったこと、開拓団の行動表を受け取った。

「なるほど・・・今回はゼロから町を作るって訳か~」

「一から町を作るとなると相当な時間がかかりますよ」

「まず予定表を見てみようよ」

ウェイル・プレイン開発計画

・まず拠点となる基地の建設、および周辺地域の魔獣の生息観測

・基地の増設及び魔の歪みの調査

・魔獣の生息数に応じて人員を派遣もしくは基地の遺棄

 

「・・・なんとも大雑把な計画書だね、これは・・・」

「しかし魔獣が蔓延る地に建築をするというのはたやすいことではないでしょうに・・・」

「まぁ、ある意味複雑に書いて行動を強制するよりも簡単に書いて現地の判断に任せるってことじゃねぇか?」

「うーん、とりあえず私たちは魔獣を基地に近づけなければいいわけだし、基地の方はそっちの人に任せようよ」

結構あやふやな始まり方だったが時間は過ぎ、出発の日を迎えたのであった。

朝。王都の門には大勢の人、物資が集まっていた。

「これよりウェイル・プレインへ向かう!!かの地には大量の魔獣もいるであろう。冒険者の諸君、ぜひともその実力を発揮してくれたまえ!!」

大勢の前で話しているのはこの計画の頭だろう。どこかの商団の長らしく見える。静音は店をアルとミーナに任せたものの、少し心配でもあった。

「それでは出発!!」

長い行列が王都を出発した。

「しかし数か月単位の依頼とは改めてみると面倒ですね」

「まぁ仕方がないな。だが依頼料は奮発してもらえるし、完成すれば新たな狩猟場ができる。まぁ生活品質は多少落ちるのが難点か」

「まぁ仕方ないよね」

「しかしいまいち腑に落ちないのが一つ」

「あぁ、アレね」

この計画の内容に一つだけ決定事項というべきことがあった。それは食糧は自前で用意、調達することであった。

「一番大事な食事をおろそかにするってなんだかなって思うよな」

「まぁ食糧の保存とかを考えれば合理的と言えるでしょうが、正直難しいところですね」

「まぁ、今回はそのために食糧輸送のための馬車をあらかじめ数か月単位で借りて待機させているわけだし、場所も馬で走れば二日とかからない距離だからなんとかなるでしょ」

色々と不安もあるが、開拓団は歩みを進めた。ゆっくりと進む開拓団は三日目の昼に予定地に到着した。

予定地に着くとすぐに建築班が仮の防護壁となる木柵を建て始めた。それに合わせて冒険者たちは周囲の警戒に動くことになった。

静音たちも馬に乗り周辺を駆けまわったが大した異常は見えなかった。

「うーん、これと言って魔獣は見えないなぁ。まぁ町の町近くに現れるようじゃ安全んとは言えないから当然と言えば当然か」

そして作業は夕暮れまで続けられ、夜になると休める。そう思っていた・・・。

「は?夜の見張りだと?」

「はい。私たちの依頼内容は開拓団の護衛ですので」

「そんなの聞いてねぇよ。アンタらは知ってたんだろ?事前に知らせなかったアンタらが悪い。俺たちは知らねぇよ」

そう言って集められていた冒険者の大半が勝手にテントなどを建てて思い思いに食事、飲酒などを始めてしまった。

「どうします?団長」

「仕方がないよ。一応開拓団の人に伝えて有事に備えよう。夜は魔獣が活発になるからね。それに食事の匂いに寄ってこないとも限らないし」

静音はアリムスを連れて開拓団の幕舎に赴いた。

「なるほど、事情は分かりました。事前に夜警のことを伝え忘れていたのはこちらのミスです。しかしどうしますかな・・・」

「私たちのクランは総勢16人。八人一組で警戒には何とか当たれるでしょう。もし魔獣の夜襲があれば例え夜警を知らなくとも身の危険は明らか。他の冒険者も戦うでしょう」

「ありがたい。ではそのようにお願いします。明日からはしっかりと担当を決めることにします」

こうして長い夜が始まった。夜なので馬で駆けることもできないため、松明を持って徒歩で警備に当たることになった。

「うーん、魔獣からすればこんな暗い中で明かりを持ってるなんていい的だよなぁ・・・」

あくびをこらえながらなんとか警備に集中する。

「団長。交代の時間です」

そうして交代時間前に交代組がやってきてくれた。

「ありがとね。何かあったら遠慮なく叩き起こしてね」

そう言って静音たちも何とか眠りにつくことができた。

長い依頼が始まったのであった。




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