ウェイル・プレインでの生活も一か月近くになってきた。
食料問題が起こってから、冒険者の顔は入れ替わるのが多くなった。
最初こそ順調に依頼についても、食糧問題が起きればすぐに身をひるがえして王都へと帰っていくのだ。
生活水準が下がり前線での生活ということでの高額報酬に魅かれてくるのだろう。だから一番大事なところがおろそかになってしまうのだろう。
静音たちは引き続き冒険者の取りまとめを行っていた。
食料問題が起こってから冒険者ギルドに専用の食糧輸送を頼んでは見たのの、輸送の危険さから認可されないでいた。
しかし静音たちが用意している馬車では到底賄うこともできず、進退は冒険者の自由としていた。
それでも基地の整備は進み、石壁も大抵が完成していた。
「では私たちは魔獣の調査へと?」
「そうだ。拠点の整備も整いつつある。そろそろ輪を広げても良いだろうと」
「では早速メンバーの応募と防衛班の選定を始めます」
「よろしく頼む」
こうして静音たちは今後狩場となるであろう地域の調査に赴くことになった。
――――――――――
静音たちは平野を駆けていた。見渡す限りの平野。何度も見た光景。しかし今回はいつもより遠出であった。
「うーん。魔獣の調査って専門の人がやることなんじゃないかなぁ・・・」
「そうですね。大抵調査団とかが組まれるはずですが・・・今回は作成形態が違うからでは?」
「そう言えば町って国が作ると思ってたけど、今回のは商団が作るって言いだしたんだっけ」
「国が作るとなれば調査団を始めとして予算は大きく組まれるでしょうが、今回は商団。利益を優先して支出は減らそうとするでしょうから色々と仕事を回されるのでしょう」
「そうなると、ここで今後狩りをするとなっても西の草原みたいにタダでとは言えなさそうだね」
「でしょうね。町の宿を始めとする設備。それから素材換金所の利率。あまり人気になるとは思えませんね」
「でも何かしら特徴があれば・・・結局は費用対効果が合わないと誰も来ないか・・・」
まだ始まってもいない虚しい話をしながら調査を続けた。こちらには魔の歪みは無いと聞いていた。だがかなり遠くに魔獣の巣窟があるらしく、ここに生息する魔獣はそこからくるという調査結果があった。
「元々調査結果があるなら調査なんて二重にしなくても良いと思うのに・・・」
「調査の内容ではなく、調査することに意味があるのでは?」
「そうだな。調査と言っても国が少しした程度。形、質はともかくしたという結果があれば魔獣がいるということになり宣伝効果にはなるだろう」
つまり国が行った調査のかなり古い結果では実際に魔獣がいるのかも怪しくなる。しかし質はともかく調査をした結果が残ればそれは事実として上書きされるのだ。
「結局いい様に使われているだけかぁ・・・」
「討伐以来でもないですしギルドの評価にはあまり影響しないでしょうね」
「それに商団相手でもそこまでいい影響はでないでしょう。せいぜいよく働いた駒といった感じでしょう」
「うーん、でも開拓団の人はそんな感じはしないけどなぁ・・・」
「それは専門の人を雇ったからで商団とは直接的な関わりが薄いのでしょう」
「世知辛いなぁ・・・」
色々と問題は出てはそのまま滞在する者であった。
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