刀オタクが異世界転移したので剣豪を目指します   作:かんせつ

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第八十五話

調査から帰ってきた静音たちは昼食を取っていたのだが、開拓拠点が徐々に騒がしくなっていくのを感じた。

「何があったのかな?」

「大変だー!!アーマー・インセクトの集団を率いてジャイアント・マンティスが出たぞー!!」

「アーマー・インセクト?ジャイアント・マンティス?」

「アーマー・インセクトは鉱物を食べる虫です。そしてジャイアント・マンティスは巨大な虫を従えて現れる強敵です。その鎌は薄い鉄盾を破るとか」

「ほー。虫ってことは魔獣じゃないってこと?」

「そう言うことになります。ですのでアーマー・インセクトの甲殻は良い鎧になります。自然由来の物なので加護も付与しやすいとか」

「なるほどー。じゃ、稼ぎに行きますか」

静音はクランメンバーを率いて虫の集団が現れたという場所に向かった。

「ふむふむ、あれがアーマー・インセクトか。なんかダンゴムシみたい」

「姿かたちは似ていますが甲殻の強度は恐ろしく違いますからね」

「そんなに硬いならどうやって倒すの?」

「そりゃぁ、力任せにひっくり返すんだよ。殻は硬いが軽くてな。力に自信がある奴は簡単に転がせるわけだ。んで柔らかい胴体を斬ってシメだ」

「なるほどー。確か甲殻は鎧に良いんだってね?じゃぁできるだけ傷つけないようにしてくれるかな。

全部私が買い取るから」

「おっしゃ。こりゃ誰が一番稼ぐかレースだな」

「金に釣られたわけではありませんが実力を証明するにはいい機会ですね」

「ふむ、一つやってみるとするか」

メンバーのテンションが上がる中、静音は虫の集団の中心を見た。

「あれがジャイアント・マンティス。体格はともかくかなり大きい鎌だなぁ・・・ま、いっちょやりますか」

静音を先頭にメンバーーは虫の集団へと突っ込んでいった。

大剣や槍、大盾を使って力任せにアーマー・インセクトを転がし、鋭利な武器を持っている者がトドメを刺す。途中、アーマー・インセクトにぶつかりそうになった静音。思わず時雨を振るったのだが・・・。

「うそっ弾かれた!?」

数多の魔獣を斬ってきた時雨が弾かれたのだった。全力で振るったわけではないがそれでも弾かれたのは事実だった。時雨は対魔獣に関しては加護で強化してあるが、生物に対しては何も強化要素は精々玉鋼による鋭利さくらいであった。

「うーん、とりあえずデカブツを処理しよう」

静音はアーマー・インセクトは放っておいてジャイアント・マンティスに突貫する。

「やぁぁぁ!!」

静音は雷と炎の魔力で強化された肉体から放たれる強烈な一閃を放った。

「キシャァァァ!?」

その一閃はジャイアント・マンティスの腕を切断し、大きな鎌が音を立てて地面に落ちたのであった。

「うわぁ・・・気持ち悪い・・・」

しかし切断面からは生物特有の体液があふれ出ていて、わずかながら時雨にも体液が付着していた。

それを静音は時雨を振るうことで体液を飛ばし、さらに踏み込んで一撃を放とうとする。

「キシャァ!!」

静音の時雨を脅威だと悟ったジャイアント・マンティスは羽根を広げて空へと離脱した。

「あんな図体で飛べるんだぁ」

しかし静音は動じずにそのまま剣を脇に構える。静音は時雨の刃に雷と炎の魔力を宿し、それを全力で振り抜いた。雷と炎を纏った斬撃波は飛行して逃げようとするジャイアント・マンティスの背中を両断し羽根を燃やし尽くし撃ち落とした。

「ふぅ・・・何とかなった。みんなの調子はどうかな?」

静音が後ろを振り返るとメンバーが血眼になってアーマー・インセクトを転がしていたのであった。

「うーん、精が出るのは良いけど、ちょっと怖いかな?」

そのまま狩りは一方的に終わったのであった。

 

――――――――――

 

「ふむふむ、アーマー・インセクトの甲殻が30揃い、うん、どれも綺麗で助かったよ」

「しっかし団長は武器屋だろ?甲殻なんぞ何に使うんだ?」

「ふふーん。それは秘密なのだ。と言っても試してないからわからないけど」

「?」

「とりあえずアーマー・インセクトの甲殻の値段は王都に帰ってから調べるから報酬はその時ね」

静音はよいしょとアーマー・インセクトの甲殻を≪空間収納≫に放り込んでいった。

「それにしてもジャイアント・マンティスが現れるなんてよっぽどですよね」

「そうですね。ここは魔の歪みに近い地域。通常魔獣の餌になるような巨大虫が出て来るなんて、何かあったのでしょうか?」

エラムとアリムスの知的な会話は放っておいて静音は結論を待つのであった。




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