鉱石集めの旅から帰ってきた静音。一日ほど休んでから直ぐに行動にを起こした。
まずアルとミーナが運び込んだ鉄鉱石と魔導鉱石をたたら炉に放り込み、三日間の戦いを制して大量の魔導玉鋼を手に入れることに成功した。
続いて三日の戦いの疲労を癒した後、工房に入り、黙々と刀を打った。
大きさは全て同じにし、特別な意匠を凝らしていた。珍しく刀にノミなどを使って何かの紋様を描いているようだった。それをアルとミーナは不思議そうに見ていた。
そして刀が完成すると今度はそれぞれの柄を作り始めた。今回は色鮮やかな刀を作るということで柄はそれぞれ別の色に仕上げた。
これで刀が完成したわけだが、まだ作業はあった。静音はあらかじめ注文した属性魔石を取り出すと魔石に
宿ったそれぞれの属性を解放し、その魔力を刀に吸い込ませていった。この作業は魔導鉱石の性質上一度しかできない作業なので慎重に進めた。そして基本の火、雷、水、氷、風、光。さらに竜の巣から抽出した特殊属性の龍の七属性を宿した刀が七振り揃った。
ここまでで一週間ほど経過している。
その後は静音考案の技術の最終調整に時間を費やしてついに御前試合の日を迎えた。
その日は王都はどこを見ても人、人、人だらけであった。出店が多く立ち並び、人々は祭りを楽しんでいた。
そんな中を静音たちは歩いていた。最初は祭りの雰囲気にあてられて楽しんでいたが、国王の宣言の時間が
迫っていることを知らせる銅鑼が鳴ったため、この日のために揃った猛者たちは闘技場に勢ぞろいしていた。
そして闘技場の一番高い王の席より、王が姿を現した。
「今日この日のために集った王国の猛者たちよ。我はこの日を迎えられたことを嬉しく思う。諸君らが如何様な力を示すか、楽しみにしている」
王の言葉に冒険者たちは歓声を上げた。
「ここに、御前試合の開始を宣言する」
盛大な拍手と共に王は下がり、運営委員と思われる人物が話し始めた。
要点は二つ。まず膨大な数をふるいにかける予選を行う。そしてその後、四つのブロック戦に移行してそれぞれの勝者が準決勝、決勝を戦うとのこと。
そして肝心の戦闘方式だがいくら何でも殺し合いをするわけではない。だが判定は汚職の元になる可能性もある。よって特殊な魔方陣を使い、競技者の魔力を疑似的な防護壁に変換してそれをゲームなどで言うHPにするとのこと。
これは魔力を多く持っている魔法使い系に有利に働くかもしれない。だが魔法使いは近接戦ができる者は少ない。だからそれなりの差は生まれないはずである。
そして説明が終わると自分の名前を書いた紙を集められて、そこから予選の組み合わせが発表されることになった。
「よぉ団長」
静音が振り返るとクランのメンバーが揃っていた。
「そっちは上手く準備は整えられたか?」
「うん。バッチリ」
「それは良かったです。でもそれはこちらも同じ。戦うとなったら手は抜きませんからね」
「さーて誰が一番残れるか。面白そうだな」
思い思いの会話は交わし時間を潰していると、予選の組み合わせが発表された。正直人が多すぎて予選もブロック制らしい。そして見事に静音のクランはバラバラに散っているようだった。
栄光ある勝利は誰の手に渡るのか。闘いの祭りが始まったのであった。
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