やはり筋肉!筋肉は全てを解決する…!!
今回で終わりです(又の名を打ち切り)
シンジュクゲットー壊滅作戦は中止された。部隊の大半をねじ伏せられたクロヴィスは打開策が無かったからだ。本来俺の邪魔するスザクのランスロットはスザクの気絶により妨害。とは言えあいつの意志を捻じ曲げたくはないのでゼロとして勧誘するに留めた。
「枢木よ。私はブリタニアをも倒せるパワー!…違う、力と頭脳を持つ。君も私と共にブリタニアからの日本人解放に協力してくれないか?」
「…テロでは、暴力では何の解決にもならない!君とは手は組めないよ。ルルーシュ」
こうなるとスザクは頑固だ。粘り強く説得しよう。…待て、今なんて言った?ルルーシュ?
「…君なんだろう?ルルーシュ」
「…よくわかったな。スザク」
俺は諦めて正体を明かした。
「僕の蹴りを止めて意識を刈り取れるのなんて君以外に居るとは思いたくないからね」
スザクは半ば自嘲気味に笑った。結局その後の説得も虚しくスザクは首を縦に振らず去っていった。
テレビを見て驚いたのがスザクの処刑報道。よりにもよってクロヴィスはシンジュクゲットーでの作戦失敗の責任を一兵士であるスザクに押し付けたのだ。どう考えても無理がある。
『枢木容疑者は軍の情報をテロリストに流し、物資の横流しをしてテロリストを補助した疑いが…』
何ということだ。クロヴィスの奴は死んでも生きてもスザクを犯罪者にするらしい。一緒にテレビを聴いていたナナリーは悲しそうだ。
「スザクさん、せっかく生きてたのにそんな…」
「あのスザクがそんな不正を働くはずがない、あんなのは嘘だよ」
俺は片手で優しくナナリーを抱き上げ、ベッドへと連れて行く。ちなみに空いた手はナナリーの頭を撫でるために使う。ナナリーを寝かしつけつつ俺はスザクの救出を心に決めた。
しかし、ただスザクを救出するだけではあいつは一人で戻り、裁きを受けようとするだろう。日本人や名誉ブリタニア人への弾圧を恐れてだ。殺しなら俺が名乗り出るだけで容疑はあやふやにできるのだが、情報の横流しはただ俺が名乗り出ても容疑者が増えるだけだ。こうなればもっとド派手にやるしかないだろう。
適当な軍人を殴り倒して変装する。俺のような屈強な男が軍服を着ていれば誰も軍人であることを疑うまい。
「おい貴様!止まれ!」
「なんでしょうか?」
「お前本当にここの所属か?お前みたいな筋肉隆々な兵士なんぞ見たこと…」
勘のいいやつだ。手刀の薙ぎ払いで意識を刈り取り、その辺の物陰に適当に隠しておく。
その後は堂々と基地の中を歩き回っていた。
「…何だあのトレーラー?」
基地の中にあるトレーラーは正直周りに比べ浮いていた。近づいて聞き耳を立てると中から男の声が聞こえてくる。
「他のパイロットは所属がガチガチで…しかもスザクくんほどの数値は見込めないし…」
しめた。このトレーラーの中にランスロットがあるはずだ。ひっそりと近付くと中にランスロットがあるのが見える。あの男はミレイの婚約者だったな。
「失礼します。ロイド伯爵」
「んぇ?だぁれ君…」
「は!ロイド伯爵が枢木一等兵に代わるパイロットをお探しとのことで志願しに参りました!」
「ふーん?それなら、数値見たいからさっさと乗ってよ」
やはりこの男は典型的な研究者、ランスロットの開発のために代わるパイロットが現れそうなら細かいことは気にせず飛びつくと思った。
一通りシミュレートを終わった俺はロイドから結果を言われる。
「うーん、全くダメってわけじゃないんだけど、やっぱ枢木一等兵と比べちゃうとなぁ」
「ちょっとロイドさん!彼に失礼ですよ!」
「いえ、過ぎた申し出でした!失礼します!」
ランスロットの起動法は覚えた。これで作戦の前提条件はクリアされた。
スザクの処刑は決まり、罪人の輸送が行われた。護衛は純血派が主なようだ。今回の枢木スザク救出作戦は簡単。
「何!?盗まれたランスロットがこちらに向かっているだと!?」
『なんとかして取り返して下さぁい!僕の、僕のランスロットが!!』
ランスロットを強奪し、スザクの周りのナイトメアを全て破壊しての強行突破!これしかない!
「警備網のど真ん中で愚か…ぐわぁ!?」
スラッシュハーケンを叩き込み、倒したサザーランドからライフルを奪う。ランスロットの驚異的マニューバと運動性能を持ってすれば両手にライフルを持って暴れ回ることすら可能!更に後詰めとしてC.C.を呼んでいる。
『盗んだナイトメアではこのジェレミア・ゴッドバルトは止めら…ぽへっ!」
「どけいオレンジ!!」
スザクを真似たクルクルキックでサザーランドの首を刈り取りライフルをブチまける。
『何故私がこんなことを!』
C.C.は鹵獲したサザーランドからの援護射撃及びスザクの救出を命じている。因みに扇達には断られてしまったため、現場の駒はC.C.しかないのだ。
追手諸共破壊し、正面からスザクを奪い取った俺はスザクと話をしていた。
「この機体はお世話になってる人の大事な機体なんだ。返してもらうよ。」
「嫌だと言ったら?」
「力ずくでも取り返すさ」
「この前俺に負けたお前がか?」
スザクは構えるが俺にその気はなかった。スザクが望むならと思い、ランスロットを明け渡すとスザクはランスロットに乗って帰っていった。
後日の報道ではスザクのような名誉ブリタニア人の一等兵が戦況を左右する軍事情報を手に入れられるわけがないこと、スザク一人に物資を奪われる杜撰な体制に問題があるという指摘、捕まっていたスザクを助けにきた人間がおり、その人物もナイトメアを強奪するという強硬策をとった事でスザクへの処刑は一旦見送りにされた。更に正しい捜査を行うためにとクロヴィスは本国へ戻され、代わりにコーネリアが来ることになってしまった。クロヴィスを泳がせて準備する計画は中止だな。
サイタマゲットーでの戦い。俺は親衛隊が出でくるまでは同じように作戦を進めた。
『全軍後退せよ』
コーネリアの指示を受け、今回はコーネリアの元へは行かず生き残りのテロリスト達を掻き集めた。
「コーネリアの親衛隊相手に勝てるわけねぇだろ!?」
泉と呼ばれるサイタマでのテログループリーダーが弱音を吐く。
「勝てるわけがない?ならばどうする?」
「今から降伏を…」
「甘いな!コーネリアは降伏を認めずお前達を殺すだろう!生き残るには…親衛隊を倒すしかない!」
生き残るために必死なテロリスト達へと指示を送る。まずは敵の分断、爆弾や銃撃で敵を一体孤立させることに成功した。そこからは簡単である。
『馬鹿な!サザーランドでこのグロースターを…!ぐわあ!』
「まずは一機!」
相手がランスロットでないならばサザーランドでも十分に勝ち目がある。
爆散したグロースターから槍を奪い構える。
「P ナンバーは敵部隊に一斉射撃!Bグループはポイントαで待ち伏せしろ!こいつは俺が叩く!」
槍を持つグロースターとの一騎討ち。
『私は姫様の騎士、ギルバート・GP・ギルフォード!いざ尋常に!』
ギルフォードのランスの突きをバックステップで避けつつ、牽制のスラッシュハーケンを放つ。同じく相手もスラッシュハーケンを放ち相殺される。
「こいつ…できる!」
ギルフォードと呼ばれる強敵をなんとか撒き、テロリスト達と共に包囲を抜けた。
スザクをも制し、コーネリア親衛隊にも勝てる俺の最大のピンチが訪れていた。
「ルルーシュ、あなたがゼロなんでしょう?」
「な、何を言ってるか分からないな」
カレンと学園内で二人きりになった時のことだ。カレンは俺の正体を見破ったのだ…一体どうやって!?
「あんな筋肉盛り盛りのマッチョマンなんてそうそういてたまるもんですか。」
ギアスで黙らせようとも思ったが、カレンは強力な駒だ。変なことにギアスを使うわけにはいかない。
「…俺がゼロだとして君はどうするつもりだ?通報でもするのか?」
「通報?しないわよ。でもなんでアンタがブリタニアをぶっ潰したいのか聞きたいだけ。」
「ナナリーの為だ。ブリタニアの弱肉強食…ナナリーが生きるには難しい世界だ。だから…!」
「そう…」
俺がそういうとカレンは納得したようだ。その後現れたナナリーにカレンは「良いお兄ちゃんね」と可愛がっていた。そう言えばアイツにも兄が居たんだったな。
俺は今河口湖に来ている。途中で中継車の一台を拳で奪い取り、コーネリアの前へと進む。
「この前の屈辱返させてもらうぞ!」
前回も銃を向けられたことから万一の可能性として想定していたからこそ、コーネリアが発砲を俺はなんとか弾丸を掴むことで無力化に成功する。
「馬鹿な!?お前本当に人間か!?」
「コーネリア!どちらを選ぶ?自分のプライドと、妹のユーフェミア!」
「!!」
コーネリアは自分よりもユーフェミアを優先する甘ちゃんだ(※この時のルルーシュは自分もナナリーを優先する甘ちゃんだというブーメランに気が付いていない)俺はコーネリア達を抜け、日本解放戦線の草壁の元へ赴いた。
「知れたことを!日本人がまだ死んでいないとい…がはぁ!?」
草壁はしょうもない男なので蹴りをブチ込み黙らせる。
「貴様よくも!」
草壁の手下達からの銃撃はスザクステップで回避し、そのまま回し蹴りで意識を刈り取る。あとは前と同じだ。
「我々は黒の騎士団!世界は我々黒の騎士団が…裁く!」
フロントダブルバイセップスを決めながら俺は宣言した。
「お、お前らまさか噂の!」
「これが正義の鉄拳だ!」
それからも黒の騎士団の活動は続いた。汚職政治家や違法薬物の売人などもれなく拳を叩き込む。俺達黒の騎士団はすぐに人気を獲得した。
「黒の騎士団は人気のようだな。」
俺はプールサイドで入団希望者のリストを眺めつつC.C.と会話をしていた。
「日本人て奴は肯定できる隙を作ってしまえば簡単に靡くからな。みんな好きだろう?正義の味方は」
「その顔と身体で正義の味方は無理があるぞ、この肉ダルマ」
そして遂に訪れたある日。黒の騎士団を囮にブリタニア皇帝の居るペンドラゴンを襲撃。道中の妨害を全て拳でねじ伏せた俺は皇帝シャルルの前にやってきた。そしてゼロの仮面を外し、奴と対峙する。
「愚かなりルッルーシュ!貴様のギアスではワシは殺せ…ん?ルルーシュ?貴様本当にルルーシュか?」
「自分の息子の顔も忘れるとはな」
シャルルの表情はわからないが、声音から察するに相当動揺している様だ。
「どうしたシャルル?貴様もギアスを持っているのなら、それを使ったらどうだ?使えるならの話だがな!」
そう、俺は今回シャルルのギアス対策に目を閉じている。当然こちらからのギアスも使えず、視界すらも無いが問題はない。相手がどこにいるかなど気配や音の反響でわかる。
「ナナリーの未来のため、退いて貰うぞシャルル・ジ・ブリタニア!」
気配を感知し確実に仕留める為、まずは渾身の一振りを腹に打ち込む。しかし、その感触は想像していたものとは異なる。まるで鉄を殴った様だ。
「多少身体を鍛えた程度でワシを倒せるとでも?貧弱なりルッルーシュ!!ワシは皇帝シャルル・ジ・ブリタニア!暗殺され掛けたことなど数知れず、時には守るべきSPが裏切りワシの命を狙うこともあった!銃やナイフ毒にその他etc…この世の如何なるものを持ってしてもワシを殺す事はできん!全ては…無駄ァーーーー!!!!」
突き出された張り手をなんとか感知し回避する…が、避けきれず頬を掠める。プツリと皮膚が切れ血が流れている様だ。
「掠っただけでこの威力…!」
「無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!ルッルーシュ!!!!無駄ァ!!!」
高速の連続パンチを全て受け流し、どうにか打開策を考える。しかし思考をまとめる前に次の攻撃が飛んでくる。銃や刃物でも死なないコイツを素手で倒す方法などあるのか?奥の手のギアスはお互い目を見る必要がある以上使えない…使えない?本当にそうか?
「どうしたルッルーシュ!ワシのサンドバッグになりに態々現れたのか?なんたる愚かしさ!!お前の努力など無駄ァ!!」
振るわれる拳をクロスした両腕でなんとか防ぎ、そのまま距離を取る。
ポタポタと流れる汗を手で拭う。バサリとゼロの衣装を脱ぎ去り、構えをとる。
「たかだか10年ちょっと鍛えたお前の筋肉がワシを上回ることなどあり得ぬ。」
「それはどうかな?」
力がダメなら技だ。この十年間必死に体に叩き込んだあらゆる武術を仕掛ける
「力が劣るなら今度は技か、だがしかし!!技の強さは鍛えた年月に依存する!ワシは皇帝の座を守る為、あらゆる武術を極めてある!即ち!小童の貴様如きの技など無駄ァァァ!!!!」
掛けた技は全て弾かれ、正面からの拳も耐えられる。勝てるはずがない
…そう思うだろう、普通ならば。
俺はゆっくりと目を開け、ギアスを使う。
「死ねぇ!!」
「…良かろう。」
シャルルは自分の拳を高々と振り上げ
「オーーーールハイル!ブリタァァァニアァァァァ!!!!」
そのまま心臓に向け拳を振り下ろし、肉体を貫き絶命した。
ギアスは光情報。故に反射が可能。俺は床に流した汗を集め水鏡を作ったのだ。
こうして俺は第99代皇帝となった。シャルルとの一騎打ちで勝利した俺の力、筋肉に勝てるはずがないと判断した他の皇族達は俺を認めざるを得ない。世界は我が手に落ちたのだ。
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!世界よ…我が筋肉を認めよ!!」
お わ り (またの名を打ち切り)
スザクステップは浄水システムのところでみせたカメラ連動マシンガンを避けたあの動きです。
…思ったより人気が出てしまったので、オマケは打ち切りにして別の一つの作品として書いていこうかと思います。