FGORPG仮面ライダーセイバーDLCカリバールートRTA 作:かかむりょう
書いてるうちに、マルタがヤバい感じのキャラになってしまいましたが、原作でもヤンキー気質なところあったし……ま、大丈夫っしょ!
ステゴロ聖女とドンパチかますRTAはーじまーるよー!
さて、前回はマルタをピキらせたところで終わりましたね。
では続きをやっていきましょう。今回は対マルタ戦です。とは言っても、カリバーに変身して戦えばすぐ終わる戦いです。さっさと倒して洗いざらい情報を吐いてもらいましょうか。
>あなたは懐からワンダーライドブックを取り出す。
「悪いけど、その力は使わせないわ」
>しかしブックを取り出した瞬間、目の前にいたはずのマルタは地面にひび割れを作りながら、瞬時にあなたの目の前まで距離を詰めてきた。
>マルタは拳を握り、あなたの手に持っているワンダーライドブック目掛けてストレートに打ち込んできた。
ちょ、ちょっと待って!変身中は攻撃しちゃいけないというルールを知らないのか!生身でマルタの攻撃なんて喰らったらひとたまりもないって!急いで躱すんだホモ君!Hurry!
>あなたは加速魔術を使用して、間一髪でマルタの拳を躱す。
「……ふぅん。今のを躱すなんてなかなかやるじゃない。伊達にここまで戦い抜いてきたわけではないようね」
>マルタは指の骨を鳴らしながら、あなたをまっすぐ見つめてくる。
「せっかくここまで足を運んだんだもの。存分に楽しませて頂戴ね?」
ヒェッ。マルタネキの顔がどんどん怖い顔になっていくんですけど……。クーフーリンも真っ青なレベルで獰猛な笑み浮かべてますって!マルタってこんな戦闘狂だったっけ!?
と、とにもかくにも、今のマルタはとんでもなく強いです。どこかで隙を見つけてカリバーに変身できなければ、ここでゲームオーバーもあり得ます。まずはマルタに膝をつかせなければ。気合入れていくぞ、ホモ君!
>あなたは闇黒剣月闇を構え、まっすぐにマルタの目を見た。
「……行くわよ」
>マルタはそう口にした直後、再び即座にあなたとの距離を詰めてくる。マルタは拳を……
「はぁっ!!」
>構えず、そのままの勢いであなたに強烈なタックルを喰らわせた。
ファッ!?なんだそのタックル!?ホモ君がボウリングのピンみたいにすっ飛んでいったんだが!?
>あなたはその場から吹き飛ばされ、数メートル先の木の幹をへし折って停止した。
>タックルの余りの威力に、あなたは意識が朦朧とする。
「私のタックルはどう!?」
>マルタはあなたに近づいて頭を鷲掴みにすると、あなたに言い聞かせるように大きな声で叫ぶ。
痛い痛い!割れる!ホモ君の頭が割れちゃうよマルタネキ!もう頭蓋骨がミシミシ言ってるって!あんた仮にも聖女でしょ!
「私は祈りの聖女よ!そこらへんにいるシスターとは鍛え方が違う!一緒にされちゃ困るわね!」
祈りって鍛える物だっけ?(困惑)その祈りって祈りという名の暴力だったりしませんか?
>マルタはあなたの首を掴みあげる。
>聖女とは思えないほどの強烈な力で締め付けられ、あなたは息ができずにもがき苦しむ。
「わたしが本気を出せば……相手が竜だろうが、ぶっ飛ばせるってのっ!」
ものすごい力でホモ君が宙に向かってぶん投げられたっ!?あかん、これじゃホモ君が死ぬぅ!強化魔術で何とか耐久を…
「ステゴロ聖女なめんじゃねぇ!」
>空中に投げられて無防備なあなたの腹部に、マルタの強烈な蹴りが直撃する。
>あなたは木々をへし折りながら、先ほどよりも遠くへと吹き飛ばされる。
ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(絶叫)
>あなたは受け身もろくに取れずに地面に転がる。体中に痛みが走り、全身の筋肉や骨が悲鳴をあげる。
>あなたは口から血を吐きながら、フラフラになりながらもなんとか立ち上がる。
今のマルタネキの攻撃で、ホモ君の体力は一気に7割ぐらい減少しました。見た感じ多分内臓が少しやられてます。ホモ君の比較的高い耐久値と強化魔術を肉体強度の強化のみに特化してかけていたおかげで何とか助かりましたが、普通ならミンチになっていてもおかしくありません。というかさっき耐久値上げといて本当によかったですね。上げてなかったら多分もっとひどいことになっていました。
にしてもマルタネキ、邪ンヌによって狂化されているにしたって、少しばかり気性が荒すぎませんかね?もしかしてマルタって名前を借りた別人だったりしませんか?
「とっさに魔術で体の強度を高めたのね。なかなかしぶといじゃない」
あの、なんだろう、指をぽきぽき鳴らしながら近づいてくるの、やめてもらっていいですか?(ひろゆき風)
とにかく、このままやられっぱなしではいけません。今度はこちらから仕掛けます。
>あなたは闇黒剣月闇を構え、痛む体に鞭打ってマルタに突撃する。
「あら、やぶれかぶれの突撃かしら?そういうの、嫌いじゃないけど」
>マルタは拳を構え、迎撃の体勢を取る。
ここだっ!
>あなたは空中へ闇黒剣月闇を放り投げると、そのまま全速力でマルタに突っ込む。
「何を考えているのかしら?武器を放り出して突っ込んでくるなんて、気でも狂ったの!」
>マルタはそのままあなたを沈めようと、拳を思いっきり振り抜く。
>その直後、あなたはマルタの拳を躱しながら、空中へと飛び上がった。
「っ!?」
>あなたは空中で闇黒剣月闇を掴むと、そのままマルタの頭上目掛けて月闇を振り下ろす。
「くっ!」
>マルタは後ろに下がって回避を試みる。
>その直後、あなたはマルタの目の前から姿を消す。
甘いなステゴロ聖女!本命は後ろだ!
「なっ!?」
>あなたはマルタの後ろに転移すると、そのままマルタに向かって全力の突きを放つ。
>マルタはすんでのところで腕を交差させて防ぐも、突きの威力を殺しきれずその場から大きく下がる。
よし!今の攻撃でなんとか隙を作れたので今のうちに変身します。
『ジャアクリード!』
「変身!」
『闇黒剣月闇!』
『ジャアクドラゴン!』
ふぅ……なんとかカリバーに変身できました。正直、マルタの隙を突けるかは賭けみたいなものでしたので、うまくいってよかったです。さぁ、ここからはホモ君のターンですよ!
「……やるわね。だったら、私もそろそろ本気を出していくわよ!」
>マルタはそう言うと、突如自分が来ている聖衣に手をかけ、思いっきり脱ぎ捨てる。
>脱ぎ捨てた聖衣の下からは、水着のような服装となったマルタの姿が露になった。肉体は絶妙なバランスで引き締まっており、女性らしい魅力を振りまきながらも、鍛え上げられた戦士のような力強さも見せている。
ファッ!?いきなり服を脱いだと思ったら、そこから水着姿のナイスバディなマルタが出てきたんですけど!水着姿となると、このマルタはライダーではなくルーラーかもしれませんね。あるいは、単純に水着の上から着こんでいただけかもしれませんが。
ていうか今さらっと聞こえたけど、あなた本気出していくとか言わなかった?ここからさらに強くなるの?もう勘弁してくれません?もし本当にルーラークラスだとしたらマルタ自身の鬼耐久とルーラー時のスキルの関係もあって、本当に人間対戦車の戦いになっちまうよ!それに加えて不可能を可能にするスキルすらも持っていたら、マジで詰む可能性があるんだって!
「かかってきなさい!あなたが本当にこれから先の戦いを生きていけるか、私が見極めてあげる!」
>マルタは弾丸のようなスピードで、あなたに迫る。
>それに対して、あなたは闇黒剣月闇を水平に構え、迎撃の体勢を取った。
「ハレルヤ!」
>マルタは魔力を込めた拳を、あなたの顔面目掛けて振るう。
>あなたはそれを、闇黒剣月闇の腹で受け止める。
はっはっは!その程度ではホモ君には傷一つ付けられんよ!ステゴロ聖女も所詮はこの程度――
「ちっ!相変わらず堅いわね!なら!」
>マルタは拳の連撃を剣の上から容赦なく浴びせていく。
>怒涛の拳の連撃を浴びせられ、あなたはついに剣を弾き飛ばされてしまう。
あ、やばい。剣どっかいった。やっぱマルタネキ強すぎ。
「砕けろ!」
>剣を弾かれ、無防備となったあなたに追い打ちをかけるように、マルタは拳を振るった。
ええい!死んでたまるかぁぁぁ!一か八か、カリバーの鎧で拳を受け止めてそのまま腕を掴んで動きを封じてやる!
>あなたはマルタの拳を仁王立ちで正面から鎧で受け止める。拳の衝撃があなたの全身に伝わるが、カリバーの鎧はマルタの攻撃を一切通さず完全に受け止めた。
>あなたはこの機を逃すまいと、マルタの腕を掴んで動きを止める。
「しまっ……この、離しなさい!」
そう言われて離す奴はいません。お返しだステゴロ聖女!
>あなたはマルタの腕を掴んだまま、片方の腕でマルタに連撃を喰らわせる。
「がふっ!」
>マルタは全身に拳の連撃を浴びるも、あなたの拳を掴んでカウンターを試みる。
おっとそうはさせませんよ?膠着状態に持ちこまれたなら、がら空きになった後ろから仕掛けるまでです。
>あなたはマルタの腕を掴んでいる手を放し、その流れでブックのページを押し込む。
『ジャアクドラゴン!』
「っ!?後ろ!?」
>マルタがとっさに後ろを振り返ると、そこにはあなたによって呼び出されたジャアクドラゴンが、マルタの体を食いちぎろうと迫っていた。
「ちっ!タラスク!」
>マルタもそれに対応するようにタラスクを呼び出し、ギリギリのところでジャアクドラゴンを押しとどめる。
>タラスクとジャアクドラゴンは、互いの主を守るために咆哮を上げながら激しい攻防を繰り広げる。
なんかすごいことになってきました。ジャアクドラゴンとタラスクの一騎打ちとか、なかなか見れるものではないですね。互いに噛みつきあったりブレスをぶつけ合うところとか、もはや某モン〇ンの縄張り争いのような展開です。あ、今タラスクが尻尾で吹っ飛ばされた。
「せぁぁぁぁぁぁ!」
こっちはこっちで互いに一歩も譲らない戦いを見せていますね。気が付けばホモ君もマルタも殴り合いしてます。互いに殴り殴られの応酬です。しかしさすがにこちらがマルタを押してますね。マルタは鎧をずっと殴っていたせいか、拳が血がにじんで砕ける寸前になってます。このままいけば競り勝てそうです。
「はぁ、はぁ……ったく、鎧は堅すぎるし力は強いしで、本当にキツイわね」
>マルタは肩で息をして口に溜まった血を吐きながら、血だらけになった拳を構える。顔には脂汗がにじんでおり、痛みにこらえているのがわかる。そんな状態にも関わらず、マルタの目はいまだに戦意を失っていない。
こちらからしたら、素手でホモ君を殺しに来るあなたの方がよっぽど怖いですけどね。生身で戦ってたらとっくに死んでます。なんなら鎧すら砕いてきそうでひやひやしてますよ。一撃一撃が強くて拳が鎧に当たる度に鈍い音が鳴りますし。
「……このまま戦っていても埒が明かないわ。次でケリをつけるわよ」
マルタネキが拳を強く握りしめました。これまでとは比べ物にならないほどの力で握り締めているのを見る感じ、次の一撃で確実にこちらを仕留めるつもりのようです。
ならばこちらも次の一撃にすべてを懸けます。おそらくここでマルタを逃がしてしまうと、もうマルタを倒すチャンスは訪れないでしょう。
>あなたはジャアクドラゴンが口に咥えて持ってきた闇黒剣月闇を受け取ると、ドライバーからブックを取り出して闇黒剣月闇にリードさせる。
『必殺リード!ジャアクドラゴン!』
『月闇必殺撃!習得一閃!』
>あなたは月闇のトリガーを引くと、必冊ホルダーに納刀し、キックの構えを取る。
律儀に月闇を口に咥えて拾ってきてくれたジャアクドラゴン君はすごくいい子ですね。これが終わったらちゃんと労ってあげなくては。
「愛を知らない哀しき竜……此処に」
>あなたとマルタは、互いに全力の一撃を放つための力を溜める。気が付けば、あなたの傍にはジャアクドラゴンが、マルタの傍にはタラスクが寄り添っていた。
「星のように……
>そしてあなたとマルタはほぼ同時に飛び上がる。マルタは聖なる光を纏った拳をタラスクと共に、あなたは深い闇を纏ったキックをジャアクドラゴンと共に、己の全力の一撃を相手に叩きこんだ。
うぉぉぉぉ!頑張れホモ君!負けるなホモ君!ここで負けたらリセットになってしまうから絶対に負けちゃだめだ!
>最初こそ拮抗していたあなたの足とマルタの拳だったが、次第にあなたの闇がマルタの聖なる光を呑みこみ始める。そこにもう一押しと言わんばかりに、ジャアクドラゴンがあなたの足に纏わりついた。
「ぐ、ああああぁぁぁぁぁぁぁ!」
>やがて、ジャアクドラゴンを纏ったあなたの足がマルタとタラスクを貫き、直後に大きな爆発が起こる。
>少しして、全身傷だらけで瀕死状態のマルタが地上に落ちてきた。
よぉぉぉぉし!なんとかマルタに勝利しました!いやぁ~本当にギリギリの勝利でしたね。本当、カリバーに変身できてなかったら詰んでましたよ。
ホモ君も決して軽くはない怪我を負ってしまいましたし、戻ったら道満に治療を頼まないといけませんね。
というわけで、今回はここまでです。
ご視聴ありがとうございました。
***
私にとって、あなたは頑張り屋な弟のような存在だった。あなたに初めて召喚された時のことは、今もはっきりと覚えている。
『マルタって言うんだ!これからよろしく!』
最初はどこにでもいる普通の男の子って感じだった。
『マルタって、どことなく総長みたいだよな!スケバンってやつ?』
『はぁ?誰がスケバンですって!?アタシは聖女よ!せ・い・じょ!』
『いだだだだ!ちょ、頭が割れるって!』
生意気で、いっつも私をからかってきて、でも私はそんな彼が好きだった。聖女ではなく、聖女になる前の町娘としての私を受け入れてくれる彼が。そしてそんな私を見ても聖女と慕ってくれる彼が。そんな彼と過ごす日々が、好きだった。
『こんなところで……負けられない』
『……マスター』
『マルタ、力を貸してほしい。あいつをぶっ倒す』
いつだって前を向いて一生懸命走り続けるあなた。でも、その度にあなたは傷ついて。そんなあなたを見る度に、私は気が狂いそうになる。まだ大人になってすらいないあの人が命を懸けて理不尽に立ち向かうのが、これほど苦しいだなんて。ましてや人理修復などという、常人では到底耐えられないような重荷を背負わされていることが、本当に嘆かわしい。
でも、それでもあなたはどれだけ傷を負っても、笑いながら私にこう言うの。
『こんな傷、どうってことない!俺の体はまだ動く!まだ俺は戦える!』
お願い、やめて。そんなに自分を追い詰めないで。あなたは勇気と無謀をはき違えている。あなたが傷つく度に、あなたの周りがどんな思いをしてるかも知らずに。
だから、私が終わらせる。聖女としての私ではなく、ただのアタシとして。
「……このまま戦っても埒が明かないわ。次でケリをつけるわよ」
そうして私と彼は、互いに譲れないもののために戦った。今目の前にいる彼は、これまでのどの彼よりも強く、逞しかった。サーヴァントである私の全力の拳を、彼は真っ向から受け止めて見せた。それどころか、先の竜の魔女との戦いでも終始圧倒していた。複数のサーヴァントを相手取ったにも関わらず。
これはたまたま運が良かっただけなのでしょうか。それとも奇跡が起こったのでしょうか。
きっとそのどれも違うのでしょう。だって彼は、いつだって最善の結果を求めて足掻き続けているのだから。それは彼の目を見ればわかる。彼は今も、自分の求めた未来のために戦い続けてる。例えどれほどの痛みを受けようとも。
(けれど、あなたのその力は)
彼が持っているあの剣は、途轍もない闇を孕んでいる。私の祈りも、聖なる加護も容赦なく蝕んでしまいそうなぐらいに。そして、その力はいずれ彼自身に大きな災いをもたらすかもしれない。そうなる前に、何としてでもここで止める。
「ぐっ……!」
握り締めた拳が痛い。彼の身に纏っている鎧は、タラスクの甲羅に匹敵するほど堅牢な鎧だ。どれだけ殴っても砕くどころか、傷一つ付けられる気がしない。
それでも――
「……負けられないのよ。絶対に」
私は彼に聞こえないように静かにつぶやき、私は全身に力を溜める。それに対し彼は、何かの拳法のような構えを取る。その周りを彼の僕であろう竜が、彼に寄り添うように飛び回る。
「愛を知らない哀しき竜よ……ここに」
あの魔女に与えられた狂化の加護によって、私の身体能力は飛躍的に向上してる。けれど彼との戦いで必要以上に魔力を行使した結果、私の身体は負荷に耐え切れず限界を超えて少しずつ崩壊を始めている。この一撃で彼を倒せてもできなくても、どのみち私はここで終わるだろう。
私も彼も、互いに深手を負っている身だ。さっき彼を蹴り飛ばした時の感触は、いくつかの内臓が壊れたようなものだった。彼としても、それほど長い間戦うことはできないはずだ。
故に、この一撃にすべてを賭ける。今の私の全力を出し切り、彼をこの手で倒す。
「星のように……
私はタラスクと共に飛び上がり、彼目掛けて突撃を仕掛ける。それと同時に彼も竜と共に飛び上がり、闇を足に纏わせてキックを仕掛けてくる。
「これで終わらせる……
彼がそう叫ぶと同時に後ろにいた竜が口から黒い炎のブレスを吐き、そのブレスを背に受けてその身に闇を纏いながら、彼はキックを放ってきた。
加護によって聖なる光を浴びた私の拳と、絶大な闇を纏った彼のキックが激突し、凄まじい爆発が起こる。光と闇は互いを滅ぼすために潰し合い、その度に攻撃の余波が辺り一面に広がる。
(くっ……ダメ!このままじゃ競り負ける!)
最初こそ拮抗していたが、次第にタラスクと私の拳が押し負けてきた。このままでは彼の闇が私の光を完全に呑み込んでしまう。一か八か、私が全ての魔力を拳に集中させて押し返そうとした、その時だった。
「なっ!?」
なんと、彼の足にもう一押しと言わんばかりに竜が纏わりついたのだ。それによって彼の身に纏う闇はさらに強くなり、私とタラスクはどんどん押されていく。身に着けたガントレットにひびが入り、骨が砕けていく嫌な音が聞こえてくる。どれだけ押し返そうと踏ん張っても、彼はそれ以上の力を持って私を打倒しようとする。
「ぐ、ああああぁぁぁぁぁぁぁ!」
やがて、彼の足は私とタラスクを貫き、周囲の木々を根こそぎ巻き込んだ大爆発が起こった。体中に痛みが走り、いたるところが傷だらけになる。一目で致命傷を負ったと理解し、それと同時に急速に体から力が抜けていく。完敗だ。
(ああ、負けちゃったのね……私)
私は負けた。奇跡を起こせなかった。その残酷な事実だけが私に残った。そんな無力感に苛まれながら、私は地上に落ちていく。
「……え?」
しかし地面に落ちる寸前のところで、彼は私の身体を受け止めていた。目線を彼の方に向けると、騎士の鎧に身を包み、仮面越しに私の様子を窺っている彼の姿があった。
「……結構イケてるじゃない、その仮面。まさしく騎士様って感じで」
鎧を纏った彼の姿を間近で見た私の感想は、そんな率直なものだった。だけど私がそれを口にした時、ほんのちょっとだけ、仮面の下の彼が笑ったような気がした。気のせいかもしれないけど。
「……にしてもずいぶん強くなったものね、あんたも」
「だからなんの話だ。俺とあんたはついさっき会ったばかりだろ?」
「こっちの話よ。どっちにしても私があんたにまるで叶わなかったのは事実なんだから」
「……そんなことない。あんたはとても強かった。狂化で理性が飛んでいるとは思えないほど、あんたには強い意志と力があった。その証拠に……ここ見てみろよ」
そう言うと、彼は自身の被っている仮面を指さす。一体なんなのかと、私は指がさされている部分を見てみる。
(…………あっ)
それを見て気づいた。彼の被った仮面にほんの少しだけひびが入っていたことに。これまでかすり傷一つ付けられなかったその仮面に、僅かでも傷を入れることができたんだということに。
(……これは、奇跡なのかしらね)
「仮面にひび入れたのはあんたが初めてだよ。ほんとどうなってんだよ、あんたの馬鹿力は」
「…………それは、私が聖女の皮被ったゴリラとでも言いたいのかしら?」
「違うのか?」
「ハッ倒すわよ」
そんなくだらないことを言い合っていると、私の身体から金色の粒子らしきものが出てくる。もうそろそろ、限界が近いみたい。
「ねぇ、剣士さん」
「なんだ?」
「これを、あなたに。ここに来る途中で拾ったものだけど、あなたにあげるわ。きっと、あなたに必要な物でしょうし」
私は消えかかっている腕を動かして、懐から本のような物と十字架の首飾りを渡す。彼は驚いたような声を出して、それを手にする。
「おい、これどこで拾ったんだ?」
「ここに来る途中で通りがかった砦で拾ったの。正直、ただの玩具かと思ってたけど、何故か拾わなきゃいけないような気がして」
「……そうか。それで、この十字架は?」
「それは単純に戦利品のような物よ。持っとけばいいことあるかもね」
「なんだそりゃ……いかにも怪しさしかないんだけど。でも、ありがたく受け取っとく」
「ふんっ……感謝しなさいよね……」
そこまで言うと、いよいよ私の身体は金色の粒子に包まれる。それを確認したためか、彼は変身を解除した。消えていく意識の中で、私が最後に見たのは……
(…………ほんと、変わってないわね…………武)
初めて会ったときから何一つ変わらない、強く、優しく、されどあの時より少しだけ男らしくなった武の顔だった。
捕捉
『月闇・邪龍蹴撃破』:カリブルヌス・ブレイカー。闇黒剣月闇にジャアクドラゴンワンダーライドブックをリードさせてから月闇を納刀し、キックの構えを取ってジャアクドラゴンと共に飛び上がり、ジャアクドラゴンのブレスを背に受けて闇を纏ったキックを相手にお見舞いし、確実に葬り去る。言うなれば、カリバー版ドラゴンライダーキック。
技名のモチーフは、『ブリタニア列王史』におけるアーサー王の剣『カリブルヌス』から。
そういえばカリバーに必殺技と呼べるものがないなと思い、せっかくなのでFate風な技名にしたいなと思ったらこうなってました。後悔はしてません。
マルタはチュートリアルガチャで手に入れた鯖であり、個人的にも思い入れのあるキャラです。ステゴロ聖女、いいよね……。