ドモ、とりあえずストックが五個できてるので、六個目のストックができた時に一個射出投稿するって感じで行こうと思うます。
それでは、どうぞ…
うーん。
「弱い」
「修行六日目でド直球に酷いこと言われたァ!」
僕の言葉に泣き喚く諏訪子。
いやでも、本当に弱い。能力を使わないとここまで弱体化するとは思わなかった。
諏訪子の能力は『坤を創造する程度の能力』。
岩石、土、水、植物、溶岩とかを無から創造、操作出来ることができるらしい。
これを聞いた時僕も『おー?』ってなったけど、一回試しに溶岩で攻撃してもらったけど…
軽い拳の一振りで跳ね返せちゃって、溶岩の攻撃が全部諏訪子の方に雨みたいに降りかかって…
『あぢゃぢゃぢゃぢゃッッッ!!!』
三日間くらい修行の密度を下げないといけないくらいの火傷を負ってしまうという事件が起きてしまった。
ともかく、今の諏訪子は能力込みでは勝率三割、能力なしでは勝率一割までには持ち込めたけど…まだ弱い。
「…明日…なんだけど…」
「…明日、私の勝敗でこの国の存命が掛かってるんだね…」
そう、先ほども言った通り、諏訪の国の命運を決める戦いは明日だ。
僕が諏訪子に内緒でひっそりと大和の国に密偵に行ったのだが、相手はどうやら僕が「お?」ってなった女性の神が出るらしい。
完全な肉体派であるため、諏訪子には肉体を鍛えながら能力も鍛えて貰おうと思ったんだけど…
「やっぱり弱い」
「唐突にまた酷いこと言われたァ!」
僕の言葉にまた泣き喚く諏訪子。
諏訪子が地面を叩く度にちょっとだけ地面にヒビが入っていくが、相手は恐らく神力による身体強化も含めると恐らく山脈を崩す程の一撃を持っていると言っても過言じゃないかもしれない。
諏訪子はまだ神力強化込みで“山を砕く程度”しか威力が出ないから、もうちょっと山脈を揺らすくらいの威力は欲しかったけど…これ以上は時間的に高望みかな。
あとは本人が努力の成果を発揮するしかない。
僕の役目はここまでだろうね。
「…明日に備えて今日はもう寝る?」
「うん…もう疲れたよ。精神が」
「ん…じゃあ、おやすみ」
「おやすみぃ…」
寝転んだ状態から起き上がった諏訪子その場で別れ、僕は自室…いや、中庭兼僕の修行場へと向かう。
やけに長く感じる廊下を渡り、辿り着いた先には僕が拳の風圧で舞い散らかす度に『修復』で咲かし直していた立派な桜の木があった。
僕は縁側に座り、桜と、それに重なるように夜空に浮かぶ三日月を眺める。
「…」
そういえば、永琳達は下から火の噴き出る筒に乗って空を飛んでいた。
それこそ、空の果てまで、僕からしても驚異的な速さで。
もしかすると、永琳達は月にまで飛んでいったのかもしれない。
だけど、空というのは上に行けば行くほど空気が薄くなって、終いには無くなってしまう。それは実際に体験したから間違いない。
でも永琳達の技術力だと、そんなものは些細な問題なのかもしれない。
…いつか、無理をして月に行ってみよう。呼吸なら数時間は持つし、空高くから落ちて燃えても、僕の身体なら傷一つなく耐えることができる。落下込みでもだ。
問題は呼吸による制限時間だけ…いつか頃合いを見て、永琳達を見つけに行こう。
僕は三日月を見ながら…静かに決意した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あわわわわわわわついにきちゃった来ちゃったよこの時ががが」
「落ち着いて。まずは僕の脚から手を離して」
決闘当日。
諏訪の国を後ろに立つ僕らの前には、夥しいほどの兵士、馬、戦車。
それらは諏訪の国を取り囲むように静止しており、一寸たりとも誰も動いていない。
そして、その先頭に立つ注連縄しめなわを背負った女性の神…八坂神奈子。
彼女は一歩だけ前に進み、腕を組みながら声高らかに声を放った。
「諏訪の国、総大将“洩矢諏訪子”!私は大和の国総大将“八坂神奈子”!簡潔に言う!我々に降伏する気はないか!!!」
「ないッッッ!!!」
おぉ、さっきまで泣きそうだったのに急に…それだけ国を渡したくない覚悟があるってことね。
「ならば、双方が決めた通り、これより“大将戦”を行う!両陣営の大将の一騎討ちだ!大和からは私が出る!さぁ、私の相手は誰だ!」
「私だッ!」
神力での身体強化状態のまま諏訪子は前に歩み出て___まるで絡繰のようにぎこちない歩みで___、八坂神奈子の前に立った。
「私の国は、渡さない…!」
「ふ、ふふ…良い、研ぎ澄まされた強大な神力…お前は強いな!」
「それほどでもないよ…まだまだ私は、師に及ばないからね」
開戦の合図は無かった。
ごく普通の会話が数瞬途切れた刹那の間に…諏訪子と八坂神奈子の拳は人の目に捉えられない速度で合わされた。
けたたましい音を立てながらぶつかり合った拳同士は弾かれ…そのまま乱打での応戦と成り代わった。
相手の顔面をどうにかして殴りつけようと我武者羅に振るう諏訪子の拳はものの見事に八坂神奈子に合わせられており、必死な表情の諏訪子とは裏腹に相手はまだ余裕の表情で戦っている。
「どうした洩矢諏訪子!それが限界か!」
「んぐぅあああああああああああああああッッ!!!」
益々激しくなる諏訪子の猛攻を未だに合わせる八坂神奈子は笑みを引っ込め…落胆の溜息を吐いて拳を固めた。
「残念だ、諏訪の神。…これで、終わりだ」
___あ、これはやばいかも。
「諏訪子、避け___」
ズトムッと鈍い音を立てて、八坂神奈子の拳は諏訪子の腹を抉った。
深々と埋まった拳の威力に諏訪子は血を吐きながら吹き飛び、受け身も取れずに転がった。
「かはっ…!」
「神力の割には大したことがなかった…ふん、所詮は信仰だけの国か。神でこれなら人も大したことはないだろう。簡単に墜とせそうだ」
…こいつ。
僕がその言葉に怒りを覚えて前に出ようとすると、諏訪子が立ち上がる。
「…気絶させたと思ったが、まだ浅かったか。すまんな、今度こそトドメを刺そう」
と、また拳を握る八坂神奈子の前で、諏訪子は言った。
「…私は肉弾戦は嫌いなんだ。だって、能力があまり使えないから」
「なに?」
「私は“祟り神”…あまり私を痛い目に合わせると…お前を祟っちゃうよ」
ふらふらだけど、二の足をしっかり地面につけて拳を握って…地面に叩きつけた。
どこからともなく地響きが鳴り、そして…“それ”は姿を現した。
「…これは…」
「『蛇威しへびおどし』…こっからの私は、一味違うよ」
見上げるのも億劫な巨大な蛇の上に諏訪子は乗り、口についた血を拭いながら八坂神奈子を見下ろす。
八坂神奈子の後方で待機している兵士達の狼狽がハッキリと見え、中には逃げ出す者もいた。
「なるほど、お前は大地を操るのか」
「いいや、私が操るのは『 坤こん』さ。大地も溶岩も…全ては私のもの!」
「へぇ、まるで私とは真逆だ。私が操るのは『乾けん』。…空は私のものだ」
八坂神奈子の能力であろう。
晴天の空は瞬く間にして暗雲が広がる空になり、雷鳴と嵐が広がる魔境となった。
「“地”と“天”。どっちが強いか決着をつけようじゃないか」
「臨むところだ。私の国は、絶対に渡さない!!!」
風の力で空に浮かんだ八坂神奈子に、諏訪子は岩の大蛇を操って突撃した。
〜〜〜〜〜〜〜〜
はっきり言って、諏訪子は劣勢を強いられていた。
「ふはははは!その程度か洩矢諏訪子!」
「くっぅ!まだまだぁぁああああ!!!!」
蛇を操って空に行くのは良いものの、天から降る雷や切れる風に翻弄され、ようやく近づこうとも、また八坂神奈子から放たれる雷や風のせいで攻撃できずに引き、多少攻撃は与えられども決定打が繰り出せないでいる。
「『蛇威しへびおどし』!!!」
「甘い!『天津風あまつかぜ』!!!」
諏訪子の巨大な岩蛇による突撃は八坂神奈子の生み出す強風に押し返され。
「『天穿ちあまうがち』!!!」
「『雷豪八卦らいごうはっけ』!!!」
地面から放たれる先の尖った巨大な岩も、天から落ちる巨大な雷によって撃ち落とされる。
まさに天と地の、極端に位置するもの同士の戦い。
その戦いに…ついに終止符が打たれた。
___八坂神奈子の手で。
諏訪子がようやく八坂神奈子の懐に入り込むことができ、拳を握る。
だが八坂神奈子はそれに慌てた様子もなく、口を歪め、
「かかったな、洩矢諏訪子」
「な___」
パチンっ___と、その手に生み出した雷撃により、諏訪子は意識を失った。
Q.神力とは?
A.人間を含め、生物から信仰された生物及び人間の信仰によって産み出された神が持つようになる“神の力”です。本来ならばその性質上妖怪である鈴八くんは神力に蝕まれるのですが、とある存在によってそれは起こり得なくなっています。
Q.結局古代から何年経ってるの?
A.核爆発により核汚染が数百年程度。地上の核汚染が自然経過により鎮まるが、核に汚染された土壌が分解者によって正常に戻されるまで約二千年。土壌汚染が解消されたとはいえ不毛の大地となったその地に鳥や虫が種を全域に撒き終えるまで数百年。普通の森林ができるまで数百年。森林から樹海になるまで数千年。そして樹海が出来てから鈴八君が起きるまで数千年。合わせて一万年と二千年以上は過ぎております。尚鈴八君は無意識化による妖力の防御と『修復』により全くの無傷とする。
それでは、次回もお楽しみに…