あー…先に違うやつをあげてしまいました。
すいません、こちらの落ち度です。
本当はこちらの話です、
では、ご覧あれ…
さて、僕が修行を始めて早一年が経過した。
この頃で僕はやっと木の表皮を削れるようになった。相変わらず拳は砕けるけど。
それで、これ以外進歩らしい進歩はしてないんだけど…『修復』のスピードが少し上がったくらいかな。前は拳一つ直すのに七秒くらい掛かってたけど、今じゃ三秒くらい。
四秒の短縮だけど、これじゃあ進歩って言えない気がする。この能力にはもっと先があると思うんだ。例えば…うーん、感覚で言ってるから言葉で表せない。ま、その時になったら分かるか。
でも、結構鍛えたと思ったのに筋肉だけは付かないんだよね。
それに一年修行して、一回も筋肉痛とか起きてない。毎日汗を掻くほど修行しているはずなのに、それほど筋肉を使ってないていうことなのかな。
相変わらずぷにぷにとした腕だ、とても一年間木を殴り続けた腕だとは到底思えない。もっと殴り続けないと筋肉がつかないのだろうか、妖怪の身体って大変だね。お腹が空かないのは便利だけどさ。
あ、そうだ。うるさい方の“あっち”がもっとうるさくなったんだよね。森の向こう側のお陰か、流石に音は届きにくいけど、僕の聴覚はそれを敏感に感じ取るからうるさいったらありゃしない。五感が良いってのも考えものだね、意識しなくても関係ない音まで拾っちゃうもの。
それと、柔軟も結構捗ってきた。あの頃の痛みはヤバかったけど、今じゃ新体操選手並みに身体を曲げることだってできる。手を使わずに足が肩に着くし、当然のように股を全部開くことができる。
あ、あと気づいたことがあったんだった。この花畑の所って気温が変化しないどころか、“四季が無い”みたいなんだよね。太陽も月も見えないし、あるとしたら朝と夜くらい。
そのせいでこの森の変わり映えしないし、見てて面白く無い。早くこの森を出たい所だけど、まだこの木を破壊するほどの力を持ち合わせていない。
さて、一年前からお世話になってるこの木を、また殴り続けよう。今度は蹴りも交えてみようか、下段、中段、上段って風にして、脚の柔軟性も使った、ね。
それから僕は、蹴りも交えて木を殴り続けた。
起きていれば殴って、疲れ果てたら寝て、殴って、寝て、殴って寝て、殴って寝て殴って寝てを繰り返し、それが合計約三年した頃には、僕は木の表皮を砕くことが出来ていた。
蹴りも上達して、最初の頃は下段、中段は上手く行ってたけど、上段になると身体の柔らかさでからぶっちゃって大変だった。どういう空振り方だって思うけど、思うより脚が上の方にいっちゃうから仕方ないよね。
でも、三年経っても僕の身体は発達しないどころか、成長しない。妖怪の身体って不変なのかな、それじゃちょっと困るなぁ。今も十分だけど、もうちょっと背を伸ばしたいのに。
今は…
さて…今日も殴ろうかな、木を。というか、本当にこの木硬くない?いくら殴っても表皮を砕くぐらいしか壊せないし、そろそろへし折れてもいい頃だと思うんだけど…。
僕が転生して、計五年が経った。
蹴りで表皮を砕く事ができるようになって、更には拳で表皮の内側を砕くこともできるようになって来た。ここまで来たら殴り続ければへし折れるだろって思うでしょ?
出来ないんだよねこれが。どうやらこの木って再生能力が異様に高いらしくて、殴ったら回復、殴ったら回復みたいな無限ループ。これじゃ壊せない。
だからこの木をへし折る方法はたった二つ。木の再生速度が追いつけないほどに早く殴るか、そもそも再生させないで、一撃で木をへし折るかの二択。
前者は、結構難しそう。だってこの木の再生速度って僕の“『修復』位の早さで回復する”し、こんなに硬いものを早く殴って折るとなると最低でも秒間で数千発の拳突きを放たなくちゃいけない。
それに対して、後者はもっと時間をかければ行けると思う。五年間木を殴り続けた結果が目に見えて分かってきてるし、これならもっと時間をかければ一撃で粉砕できるようになりそう。
あ、最近拳が砕けにくくなったんだよね。比率的には、
『修復』の早さも上がって、今じゃ二秒。一秒短縮で、能力も強さも日進月歩中。柔軟も欠かさず続けてるし、今なら頭の上で足のつま先を合わせられそう。
それと、自分の身体が強くなるにつれて、僕の中で何かが強くなってる感覚がしてるんだよね。これを感じ始めたのは一年前くらいで、今じゃその時よりもっとはっきり感じる。
これが“氣”か妖力かなんだろうけど、いかんせん使い方が分からない。もっと強くなれば分かるのかなと思いながら、僕は木を殴り続ける。
どうでもいいけど、最近尻尾の手入れも欠かさずしてるよ。
尻尾の手入れは大事です。
では、また次回…