スーパーロボット大戦 とある蛇使い座の日記   作:破戒僧

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ランキング11位感謝!!
思わず二度見して変な声が出て、職場の隣の人に『何してんのコイツ』的な目で見られました破戒僧です。

これからも楽しんでもらえるように頑張りますので、どうぞよろしくです!


第12話 明かした事実と、気付けた事実

【□月□日】

 

 ミレーネルが働き始めてから、およそ2ヶ月が経った今日、彼女から『大事な話がある』と呼び出された。

 

 いや、先に言っておくと……別にその、愛の告白的な何かじゃないか、なんて期待はしてなかったよ? ホントに。

 ……そういう話をするような雰囲気じゃなかったからね。なんかこう……思いつめてるというか、なんというか……そんな雰囲気だった。

 

 で、聞かされたのが……彼女の記憶と、素性について。

 『今まで黙っていてごめんなさい』という謝罪と共に、それは始まった。

 

 少し前から、彼女の記憶はいくらか戻っていたらしい。

 

 彼女が、やはりというか地球人ではなく、『ジレル人』という種族であるということ。

 

 地球から遥か遠く離れた――具体的にどのくらい離れたところにあるのかは知らないらしいが――どこかの宇宙にある、アケーリアスとかいう場所(惑星の名前ではないらしい)に住んでいた種族で、僕から見れば宇宙人にあたること。

 

 大マゼラン銀河にある、ガミラスの収容所に入れられ、酷い暮らしを強いられていたこと。

 

 気が付いたら僕に保護されていた(inタブレット)こと。

 

 自分には、人の心に干渉する特殊な能力があり、ジレル人特有のその能力が理由で、彼女達は迫害される身の上だったこと。

 

 思い出せている限りではあったが、全部話してくれた。

 

 その上で、『どうかこれからも、私をここにおいてください』と。

 

 今言ったように、彼女達『ジレル人』は、宇宙のどこにいっても迫害されて居場所がなく、数少ない同族だけでひっそりと暮らしているしかなかった。……その同族も、彼女が知るかぎりでは、彼女ともう1人、姉のような人の2人だけになってしまったそう。

 

 そんな自分が、こんな風に受け入れられて、仲間達と呼べる人達と一緒にいられる。

 それだけで自分にとって、ここは楽園のような場所だから、と。

 

 それを与えてくれた僕には、本当に感謝していて……しかしだからこそ、自分の目的のためにそのことを話さず、記憶が戻ったことも隠して、利用するような真似をしていたことが、ずっとつらかったのだと語ってくれた。

 

 1日、また1日と、会社の皆と一緒に過ごし、仲良くなっていく中で、どんどん罪悪感がこみあげてきて……そして今日、耐えられなくなったそうだ。

 

 もちろん、これを話したことで、僕から追い出される可能性を考えなかったわけじゃない。

 それでも、最初に私を信じてくれたのはあなただから、居場所をくれて、想像もできなかったほどの幸せな時間をくれたのは、あなたの方だったから……と。

 

 ……そうして、全て彼女から聞いたわけだが……僕の方からは、特に何もない。

 

 彼女が心配していたような、追い出すとかそんなことをする気はない。

 むしろ、話してくれてありがとう、と。そして、これからもよろしく、と言わせてもらった。

 

 僕からすれば……僕の方こそ、暗示とかGPSとか体に仕込んでいた分、罪悪感あったんだし……あ、それについてもこの機会にカミングアウトさせてもらった。

 ちょっと驚いてたようだけど、気にしてはいないそうだ。自分の身の上や、知ってしまった事情を鑑みれば当然のことだって。むしろ、優しいくらいだって。

 

 だからまあ、隠しごとをしてたことについては、それでお相子ってことになった。

 

 その他にも、色々と言いたいことをこの機会にお互い全部ぶちまけて、堅苦しい関係の下になる隠し事は極力ゼロにさせてもらったよ。

 そうしてから見る彼女の笑顔は、今までで一番かわいかったと思えた。

 

 そんなわけで……これからもよろしく、ミレーネル。

 

 

 

【▽月☆日】

 

 ミレーネルのカミングアウトからおよそひと月。

 

 今日付けでミレーネルは秘書課に移動。

 僕の秘書、すなわち『社長秘書』になってもらうことにしました。

 

 彼女の場合、僕が外部に隠してる色々な事情についても既に知ってて、連れ歩くには都合がいい立場だし、地球外の技術や知識についても造詣があるから。

 

 これから先は、必要に応じて彼女も連れて転移し、『バースカル』を用いた部分の僕の組織運営についても、助けてもらうことになっている。

 前にも言った気がするけど……あらためてよろしく。

 

 ところで、そのミレーネルに聞いた話で、聞き捨てならないことがあった。

 

 彼女が以前入れられていたという、『惑星レプタボーダ』なるところの収容所なんだけど……そこを管理していたのが、『ガミラス』だという点だ。

 

 前回の日記ではしれっと流しちゃったけど、つまり彼女は……僕と同じ世界から転移してきたということになる。

 どうして、一体彼女に何があってこの地球に、しかも精神体で転移してきたのかはわからないけど……まあ、今はそれはいい。

 

 そして彼女は、叶うならばいつか、その世界に帰りたいらしい。

 

 ただそれは、ここでの生活を捨てたいってことじゃなくて――むしろ、生活基盤はずっとここに置いておきたいそうだ。今の生活がすごく好きだからって――探したい人がいるらしい。

 

 前にもチラッと話した、ただ1人の同族。彼女にとって、姉みたいな人だという……『ミーゼラ・セレステラ』という人を。

 

 もし、今も彼女がひどい目にあっているなら助けたい。助けて、今自分がいる、この楽園のような場所で……一緒に暮らしたい。

 

 だから、もしそこに行ける手段があるのなら、そんなチャンスが来たら、自分は探しに行きたい。叶うなら、僕にも手伝ってほしい、と。

 

 そんな時が来るかどうかはわからないし、どんな形で力になれるかもわからないけど……僕はそれに、迷いなくうなずいた。

 

 ……僕にとっても、あの世界……の、地球は、無関係とは言えない場所だ。

 事情が事情なので、果たして故郷とまで言えるかは微妙ではあるものの、全く思い入れもない訳じゃないし。

 

 もうここにきて1年以上。ヤマトが地球を救えたのかどうか……確認するすべがないから今までは放っておいたけど、知りたくないって言えば嘘になる。

 

 だから僕も、その方法については探すし、もしそれができそうだと思ったなら……その時はミレーネルも連れて行くから、一緒に行こう。そう約束した。

 

 ……というかさ、その方法はずっと探してはいるんだけど、未だに見つかってないんだよね。

 あくまでも、一般人が探せる範囲でしか探せないから。

 

 なんか最近は、また再び世間が物騒なことになりつつあるからさ……

 

 少し前から、名前はよく知ってる『アロウズ』が色々とやってるようだし……『プラント』の方もきな臭い。近々、収まったと思っていた戦争やら何やらが再び起こりそうな気配がある。

 更には、何やら宇宙からまた変なのが攻めてきてるっていう話も聞くし……

 

 ……巻き込まれるのだけは勘弁してほしいもんだよ。頼むからよそでやってくれ。

 

 幸いと言っていいのか、それらの火種になりそうな場所からは、いずれもこの会社がある国と離れてるけど(最初にそういう国を選んで起業した僕、偉い)……。

 

 ただここ、位置的には東南アジアに近い位置の小国だから……物価も人件費も安くていいけど、日本や中東でいざこざが起こると、その波がきそうで怖いんだよね……

 

 世界地図で見ると、そう遠くない位置に『アザディスタン』って国があります……。聞いたことあるぅー……。

 

 ……あれ、ちょっと待て?

 今、何か頭に引っかかった。何かがおかしい気がする。何だこの違和感……?

 

 このアザディスタン、というか、この国が舞台の1つになってる『ガンダム00』絡みで、何か見落としてるような……忘れてるような……

 

 

 

【▽月★日】

 

 昨日の違和感の正体が分かった。

 おかしい。時系列がおかしい。

 

 というか、こんなことに何で今まで気づかなかったんだってくらいの特大の矛盾だ。

 

 今の世界情勢は、アロウズの台頭により、世界各地で地球連邦に恭順しない国家や地域に対する弾圧が頻発しており、混沌としている。

 プラント関連ではまた戦争が始まったみたいだし、日本には宇宙からの侵略者的な連中がまた出たっていう話も聞いた。

 

 で、だ。

 

 『アロウズ』は、『ガンダム00』の世界の敵勢力。

 これに対して、刹那君達『ソレスタルビーイング』は、『ダブルオーガンダム』を筆頭とした新型のガンダムや戦艦で応戦したはず。

 後に、『ダブルオーライザー』になって、敵のボスであるイノベイドの金髪野郎と一騎打ちの末に決着をつけた……というストーリーのはずだ。

 

 ……スパロボZの世界のことまでしか知らないので、僕の原作知識はこれが限界だけど……大体あってると思う。違ったらごめん。

 

 問題は、刹那君の乗ってる機体である。

 リボンズとの決戦の時は、彼の機体は『ダブルオーライザー』だったはずだ。

 

 しかし、約1年前、僕が『次元断層』の中で見た時……遠目に見てたからちょっと自信ないけど、彼は『ダブルオークアンタ』に乗っていたはず。

 

 ……あれって、ライザーより後の機体だよね確か?

 で、今まさにソレスタルビーイング戦ってるわけだけど、時期的にダブルオーかライザーあたりだよねまだ。

 

 何であの時、クアンタに刹那君が乗ってて……あ、ティエリアも最新の機体に乗ってたよな。

 

 ……ひょっとしてあの2人は、今のこの時点よりもさらに後、イノベイド連中を倒して、クアンタが完成した後の時間から飛んだってことか?

 

 イノベイド連中とのアレコレが集結した後、クアンタが作られるのは、今から数えて1年くらいは後のはず。

 なのに、今から数えて1年以上前、次元断層でクアンタが目撃された。

 

 この異常な事態を説明できる仮説は……2つ。

 

 1つは、刹那君達が時間を超えて過去に来たということ。

 この世界から、恐らくは僕らが元いた世界に飛んで、ヤマトに合流した際……時間軸にして約2年間、過去にさかのぼって現れたという可能性。

 

 そしてもう1つは……僕の方が時間を超えて過去に来た可能性。

 

 あの次元流の中で、場所と世界だけじゃなくて時間まで狂ったところに出たとしたら。

 刹那君達は、時間は移動しないで現れたとすれば、彼らがクアンタに乗っていた時間こそが、ヤマトがあのあたりに差し掛かっていた時間。すなわち、今から約1年、あるいはもっと後の未来。

 

 と、いうことは……だ。

 

 僕がいた世界と、この世界の間で……今まではなんとなく、時間も同じように流れるもんだとばかり思ってて……もう1年経ったから、向こうの地球も何らかの形で決着がついただろうなと思ってたけど……その話も変わってくるな。

 

 もしかすると、今の時点では、並行世界の地球はまだ、リミットを迎えてない……いや、それどころか、ヤマトが出港するよりだいぶ前の可能性が高いってことか!

 

 これは……ちょっと気合入れてその方法を探す意義が出てきたかもしれないぞ。

 

 

 

 

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