スーパーロボット大戦 とある蛇使い座の日記   作:破戒僧

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第13話 そして時は動き出す

 

 

【○月○日】

 

 ここ2年と少しの間に、僕の会社はぐんと大きくなった。

 

 ちょっと不謹慎なことを言うようだけど、再び世界各地で勃発した戦争や紛争、そしてその後の復興のために、次から次へと製品その他の受注が舞い込んできて、一気に社の勢力を拡大することができたからな。いわゆる、『戦争特需』って奴だ。

 

 手放しで喜んでいいことかどうかは、倫理道徳を考えるとちょっと微妙ではあったけど、ビジネスチャンスに変わりはないので、この機会にさらに僕の会社は力を増したのである。

 

 世界に名だたる大企業に……とまでは行かないけど、国内有数の複合企業グループと呼べる立ち位置にはのし上がれたと思う。

 

 支社のみんなの企業努力もそうだし、僕自身も『バースカル』を最大限生かして成長戦略には貢献した。

 

 加えて、秘書として陰から僕を支えてくれたミレーネルの働きも大きい。

 

 事務仕事や僕の補佐はもちろんだけど、彼女はジレル人特有の精神干渉能力を使って、悪意を持って僕や会社に近づいてくる人や、潜り込んできた産業スパイなんかを、片っ端からあぶりだして排除してくれたから。

 中には、会長である僕の暗殺や誘拐を未然に防いでくれたことまであった。

 

 味方になると、ホントに心強い能力である。

 

 あ、今さらっと言ったけど、今の僕は『社長』じゃなくて『会長』になってます。

 

 このおよそ1年で、我が社はさらに業務を拡大し、色々な分野に手を伸ばした。

 製作系をメインにしているのは相変わらずだけど、作れるもののレパートリーもぐんと多くなり、自動車や重機類、さらには、ノウハウはまだまだだが、機動兵器類まで作れるようになった。

 

 また、製作系以外の業種にも手を出している。

 食料品の生産や、飲食業、あとは……元々あった運送業や輸出入の貿易業、人材派遣の規模も、ぐんと拡大した。

 

 それから、自社グループの警備強化もかねて、警備会社系や民間軍事会社とも提携し始めた。

 

 今では国外にもいくつか支社を作り(そんなにまだ多くはないけど)、現地企業と協力して運営している。

 

 あとは、他社の株式の買い入れも行って、持株会社って言う立ち位置にもなったな。

 それをパイプにして、色んな業種に関する経営ノウハウも手に入れてる。

 

 そして少し前に、役員会議で経営形態を今のわが社の実態に合ったものに変え、僕の肩書も『会長』に変わることが決定した。

 まだ20歳にもなってないってのに僕、大出世だな。

 

 ……ただ調べてみた結果、世の中には15歳で、しかもうちより何百倍も大きな、世界最大規模の会社の社長やってるスーパーティーンもいるらしいんだけど。

 上には上がいるってことだな……そこまでくると嫉妬心もわかないや。

 

 あと、企業全体の名前も、『星川製作所』から変わることになった。

 新しい名前も僕が考えることになったんだけど……ここまでになると、何かこう、個人名つけるのもアレだなと思ったし、M&Aとかして取り込んだ事業もいくつもあったので……思い切って全然違う名前にすることに。

 

 その際、参考にさせてもらったのは……例によって、『アスクレプス』がいたであろう、Z世界に存在した組織の名前だ。このくらい大きく、力強い組織に将来なればいいなと思って。

 ……敵組織の名前つけるのもどうかと思ったんだけど、語感がよかったから。

 

 会社の皆には、このくらい燦然と輝く一大企業を目指そう、っていう理由にして説明しておきました。ホントにそういう思いがないわけじゃないしね。

 

 というわけで、今日からわが社の名前は……

 

 

 

 ……『サイデリアル・ホールディングス』だ。

 

 

 

【○月×日】

 

 このくらい会社が大きくなると、そこそこ厄介事……とは言わないまでも、ちょっと対応が面倒な案件なんかもちょいちょい舞い込んできたりする。

 

 この間は、アジア全域でトップクラス、世界でも有数の工業メーカーである『ネルガル重工』から、業務提携……に見せかけた企業買収じみた話があったし。

 あそこの会社、表立ってブラックな要求とかしてくるわけじゃないけど……あくまでビジネスの範疇であっても、結構油断ならないんだよなあ……

 

 戦艦とかも色々作ってるだけあって、技術レベルはトップクラスだし、件の『ボソンジャンプ』についても一家言有するだけの技術・知識を有してるようなんだけど……今下手にあそこに近づいたら、下手したら吸収合併とかされかねないような気がする。

 

 今回のプラント絡みの戦争や、アロウズ関係の騒乱で、先に述べた戦争特需のアジアにおけるシェアのいくらかを、僕ら『サイデリアル』が掻っ攫ったのが……もしかしたら面白くなかったのかな? いや、いくら何でも考えすぎか。

 

 突っぱねるのもそれはそれで角が立つから、ある程度は話を進めさせてもらってるけど、その関係の話し合いの時も、ミレーネルがいい感じに相手側の思考を読んでくれたのはマジ助かった。

 

 あと、アジア地域では、最大の取引相手である『旋風寺コンツェルン』を筆頭に、色々と既に提携先がいるから、あんまり大口でのお話はお受けできません、っていう感じの断り文句も使えたのは助かった。

 

 嘘は言ってないしね。あそこの会社には、もう何度かパーツその他を発注してもらってて、大口の取引先、お得意様の1つなのだ。

 

 全世界に通じる鉄道の要所『ヌーベルトキオシティ』に本拠地を置く、これまた世界最大規模の企業であり、鉄道以外にも色々な業務に手を出してるらしい。

 最近では、ロボットやAIの開発に力を入れてるとか、風の噂で聞いたことがある。

 

 こっちは今のところ、ホントに健全な企業同士のお付き合いにとどまっているので、ぜひ今後もこの調子でやっていきたいもんである。

 

 

 

【○月×日】

 

 今日僕は、ちょっと色々と用事があり、『ヌーベルトキオシティ』を訪れていた。

 もちろん、秘書であるミレーネルも一緒にだ。

 

 そこで、ちょっとした……いいや、だいぶ大変な事件が起こった。

 社会的にもそうだけど……何より、僕にとって。

 

 粗方用事を済ませつつ、ヌーベルトキオシティを回っていた僕達。

 あとは細々とした用事も片づけてから、お土産でも買って帰るだけだった。

 

 帰った後に、今さっき連絡が入った、ちょっとしたトラブルないし事件に対する対処が必要になるだろうけど……まあそれは仕方ない。

 全くどこのどいつだよ、うちの工場に忍び込んで、ハッキングと窃盗なんて……

 

 そんなことを考えていた時のことだった。

 突如として、奇妙なロボットの軍団が町を襲って来たのである。

 

 何でも、彼らは『ウォルフガング』とかいうロボット研究者の手下ないし部下達で、乗っているのはそのウォルフガングが作ったロボットなのだという。

 

 ……ウォルフガング……はて、どこかで聞いたような……?

 

 彼らは、自分達の主であるウォルフガングのロボット技術が世界一であることを示すために町を破壊するとか何とか、無茶苦茶なことを言って襲って来たんだが……そこにさらに乱入者が。

 

 それも、見た目的にもテンション的にも、下手したらウォルフガング一味よりも濃い感じのが。

 

 ……『勇者特急隊』って何? 何で新幹線が変形してロボットになるの?

 しかもあのロボット、自発的にしゃべってる気が……え、あれAIなの? すげえ、人間とほとんど変わらないじゃん、受け答えとかも。

 

 一応その名の通り、正義の味方らしく、ウォルフガング一味と戦ってくれている。

 

 一緒に現れた戦闘機?っぽいものと連携してだが、そこから聞こえてくる声も、なんだか熱血っぽかったなあ……

 

 ……いかにも『スーパーロボット』って感じのやり方だなあ……しかもなんか、僕の勘が正しければ、あの『ガイン』とかいうロボ、まだ先があるような気が……?

 

 けど、そんな風に勇敢に戦ってくれるロボット勇者が出てきはしたものの、それでもやはり敵側のロボの数が多い分、大変そうではあった。

 

 ……が、僕にとって本当に大事件だったのは……この後すぐに起こったことの方だった。

 

 なんと、ロボたちが戦っている最中……さらに乱入者が現れたのである。

 

 あの時、ヤマト出港直前の地球で……そして、あの次元断層の中でも見た……ヤマトと一緒にいた、灰色のロボットが。

 

 しかも、その直後に偶然見えたんだけど、なんとロボットのすぐ近くに……総司さんと千歳さんがいたんですけど!?

 

 しかも総司さんの方はそのまま、灰色のロボットに乗り込んで戦いに加わって……え、あの機体って総司さんの機体だったのか!?

 

 というか、総司さんやあの灰色のロボットがここに現れたってことは……

 

 とうとう、来たのかもしれない。ヤマトが……この世界に、今のこの時間に。

 

 

 

 

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