スーパーロボット大戦 とある蛇使い座の日記   作:破戒僧

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第18話 アルゼナルで顔合わせ

 

【○月#日】

 

 結局、昨日、戦艦のその他が帰還してきたのは、割と遅い時間になってからだったので、翌日……すなわち今日になってから、運んできた物資の受け渡しを行うことになった。

 

 そしてその受け渡しの場で、『独立行動部隊』との顔合わせも一度に行うことになった。

 ほぼ全員――総司さんとナイン、そして舞人社長以外は全員だな――初対面なので、まあ簡単に自己紹介とか、色々な説明も済ませることに。

 

 ただ、なんか聞いていたよりも随分と人数が多い上に、何人かは見たことがあるような方も(僕が一方的に、だけど)いるようなんですが……。

 

 事前に聞いていた『ナデシコ』のメンバー各位。……思ったより少ないのね。

 戦艦に乗ってるくらいだから、人数は多いと思ってたんだけど、『電子の妖精』ことホシノ・ルリ艦長に、補佐?のハリー君、リョーコさんとサブロウタさんに……少人数編成なのね。

 

 あと、勇者特急隊の方々……は、舞人社長以外は、『超AI』なる人工知能を搭載したロボットの方々だったけど……何か、全員揃って熱血というか、正義感MAXな感じだな。

 それに、ロボット相手に話してるって感じがしない。ほぼほぼ人間相手の会話である。目を閉じて会話したら、あるいは電話越しだったらわからないんじゃないかと思うほどに。

 

 それから、私設武装組織『ソレスタルビーイング』の方々。

 刹那君にロックオンさん、アレルヤさんにティエリアさんの、ガンダムマイスター4名。刹那君とティエリアさんは、あの次元断層の戦いでも見たな。いや、直接は見てないが。

 母艦である『プトレマイオス』に乗る、スメラギさんを中心としたバックアップ組の方々とも挨拶した。皆さん、案外気さくに接してくれるようで助かった。

 

 それから、ソレスタルビーイングではないけど、行動を共にしているらしい、トビア君という人にも挨拶した。なんと、彼もガンダム乗りなんだそうだ。

 次元断層の時に見た、胸にドクロマークがあるガンダム。『クロスボーンガンダム』という名前らしいんだが、アレに乗っていたのがトビア君だそうで……え、元宇宙海賊? マジですか。

 

 さて、ここまでは聞いていた範囲内だったんだけど……問題はこれ以降の、存在を聞いていなかった方々についてだ。

 

 というか、ぶっちゃけて言ってしまうと、傭兵団『ミスリル』の皆さんがいました。

 あの潜水艦……ええと、長い名前の……『トゥアハー・デ・ダナン』だっけ? それに乗ってやってきたらしい方々である。

 

 相良宗介君に、マオさん、クルツさん、クルーゾーさん……さらに、上官であるテスタロッサ大佐とマデューカス中佐、カリーニン少佐も。さらには、護衛対象兼ツッコミ担当の千鳥さんも。

 そりゃ、潜水艦ごとこっちに来てるんだから、一緒にいるわな。

 

 もちろん、各自の愛機であるAS……アーム・スレイブも一緒である。

 宗介君の愛機『アーバレスト』には、これまたAIらしからぬジョークセンスが光る『アル』ももちろん一緒だったし、謎テクノロジー『ラムダ・ドライバ』もきっちり搭載されているようだ。

 

 そして、彼らと一緒に来たらしい、ハサウェイ・ノア君。

 愛機である『Ξガンダム』(読み方:クスィーガンダム)と共に来たそうだ。

 

 ハサウェイ、って……え、ブライト艦長の息子さんの?

 Zシリーズにも出てたけど、ぶっちゃけ影薄くて全然覚えてなかったんだけど、あのハサウェイ君ですか!? 君、ガンダム乗るようになったの!? くっそ、派生作品か? 全然知らない……

 

 そして、また独特な名前だな……『Ξ』って……初見じゃ絶対に読めないぞ、こんな文字。

 

 この、ミスリルメンバー+ハサウェイ君だが、彼らはなんと、僕や総司さん、トビア君と同じように、並行世界から……しかも、僕らとはまた違う世界からやってきたそうだ。

 現状を分析すると、そう結論付ける他ないそうで。

 

 理由は不明だが、突然この世界にやってきてしまい、右も左もわからない上、出てきたところではちょうど独立部隊がドラゴンと戦っている所だった。

 状況が全くわからないが、とりあえずドラゴンよりは話の通じる『ナデシコ』のルリ艦長と簡単に交渉した上で、そのまま共同戦線を張り……以降、行動を共にしているらしい。

 

 彼らからすれば、ここは、というかこの世界そのものが全く未知の場所だ。

 行き当たりばったりで行動するのは危険どころじゃないし、それなら運よく協力関係になれた人達と一緒にいた方が、色々と安全だろうしな。

 

 そんな感じで顔合わせをした上で、『今後は物資の補給とかで色々と関わって行く機会も増えると思うのでよろしく』と、ミレーネルと一緒に挨拶しておいた。

 

 それと、あの次元断層で一緒に戦った『白い機動兵器』の中身が僕だと明かしたら、あそこでそれを目撃していたトビア君や刹那君、ティエリア君が驚いていた。

 総司さんに話したように、要点だけざっくり説明はしておいたけど。そういう縁もあるから、積極的に協力させてもらうつもりだってことも付け加えて。

 

 色々と言いたいこと、聞きたいことはありそうだったものの、ひとまず納得してくれたらしい。

 『こちらこそよろしく』『頼りにしてる』と言ってくれたのは嬉しかった。

 

 あと、ミレーネルはクルツさんとサブロウタさん、そして総司さんに速攻でナンパされていたが、いつも通りの営業スマイル100%の笑みで無難に応対していた。

 ミレーネル、可愛いからね。そういう感じに絡まれるのはしょっちゅうだから、慣れてるのだ。

 

 ちなみに、今現在彼らが拠点として使っているここ『アルゼナル』には、他にも……というか、元々ここに住んでいる『メイルライダー』と呼ばれる面々がいる。

 というか、昨日ドラゴンと戦っていた面々そのものである。

 

 が、彼女達はこの『独立部隊』そのものに協力ないし参加しているわけではないので、顔合わせには来なかった。

 

 その後、物資も無事に受け渡して受領のサインももらった。

 これで、ひとまず今回の仕事は完了である。……また定期的に運ぶことにはなるんだろうけどね。

 

 それと、次に来る時に何か準備してほしい物資とかあれば、可能な範囲で要望聞きます、って言っておいたら、早速各自色々と希望を言ってきた。リストに入れておかないとな。

 ミスマル中将に話して、問題なければ次の機会に追加して持って来よう。金出すのはあの人……というか、連邦軍だからね。許可は必要だ。

 

 

 

 そんな感じで独立部隊の面々への挨拶は終わった。

 

 そして僕らはその後、改めてこの基地『アルゼナル』のボスである、ジル司令のところにも挨拶に行った。短期間とはいえ滞在させてもらうわけだからね、こういうことはきっちりしておかないといけない。

 

 本当は昨日のうちにそうしたかったんだけど、忙しそうだったので無理だった。

 ……恐らくその忙しさは、昨日のドラゴンとの戦いの後処理その他が無関係ではなかったんだろうとは思う。

 

 ジル司令は、見た目一発気の強そうな、眼光鋭い黒髪美女だった。

 会話の間中ずっと、油断なくこっちを観察、ないし値踏みしていたようだ。この2年で、交渉事も少なくない数こなしてきたし、多少こういう空気にもなれたつもりだったんだが……それでも緊張する相手だった。

 

 あと、昨日の戦闘に関しても、協力に感謝する、とお礼を言われた。

 お礼って感じのトーンでは全然なく、あくまで形式的に言った感じだったけど、まあいい。

 

 昨日僕、あの後、もののついでってことで……後始末も少しだけ手伝ったんだよね。

 

 死者と負傷者については、『パラメイル』――あの小型の機動兵器の名前らしい――に乗っていた女の子達が連れ帰ったんだけど、パラメイルの残骸はさすがに回収できなかったので、僕が『グラーティア』に乗せて送り届けたのだ。ほぼ大破してたけど、一応ね。

 

 それと……一番最初に撃墜されて亡くなった女の子(ココ、という名前らしい)の亡骸も、運よく見つかったので回収して、届けた。

 ……状態は……言葉にするのもあれなくらいに無残なものだったけど。

 

 結局昨日の戦いでは、死者2名、負傷者2名、パラメイル4機大破という結果になったそうで……衛生的なことを考えて、死者2名の埋葬は既に済ませたらしい。

 

 負傷者2名のうち、僕が助けた女の子……ミランダというらしい彼女については、精神的なショックが大きいため、療養中。

 死にかけたのもそうだけど、親友だったココの死も大きな理由だと。

 

 出番が来るまでは、訓練も含めて休みを取らせるらしい。もしかしたらとは思ってたけど、ココって子共々、昨日のあれが初陣だったそうだ。

 

 そして、もう1人の負傷者であり……こう言っちゃなんだが、昨日MPKまがいのやり方で散々戦場を引っ搔き回した子……アンジュは、まだ目を覚まさないそうだ。

 一応、傷は命に別状はないとのことだけど。

 

 ……アンジュ、か……なるほど、どこかで見覚えがあるわけだ。

 こないだニュースで言ってた、ミスルギ皇国の、追放されたお姫様、ね……。

 

 ついでとばかりにジル司令が教えてくれたんだけど、やはりというか、ここ『アルゼナル』は、『ノーマ』が集められ、連れてこられる場所なんだそうだ。

 

 『始祖連合国』は、『マナ』という魔法じみた不思議で便利な謎パワーが普及していて、日常生活の補助やら通信やら、いろんな場面で活躍しているんだが、まれにその力を使えない、どころか破壊してしまう『ノーマ』という存在が生まれる。

 

 彼女達――『ノーマ』にはなぜか女性しかいないらしい――は、『始祖連合国』では被差別階級にあたる……どころか、人間扱いされていないらしく、見つかり次第捕らえられて国外追放になる、と、外部の国々には知られていた。

 

 僕がこの2年間で調べて知っている情報は、ほとんどこれで全部である。

 あの国、外部の国々とは全くと言っていいほど国交を持ってないので、国内の実情とか全然耳に入ってこないんだよね。

 

 しかしその実態は、ここ『アルゼナル』に送られて、ドラゴンと戦わされているんだそうだ。ここは、異世界からやってくるらしいドラゴンを迎撃するための前線基地ってことらしい。

 

 そんな事情を雑談の中で――それにしてはやけに詳細に説明された気もするが――聞かされつつ、ひとまずジル司令との話は終わった。

 滞在の許可も正式に書面でもらった。これもミスマル中将に届けて説明しないとな。

 

 ちなみに、『メイルライダー』の子たちと顔合わせはした方がいいか、って聞いたんだけど、『必要があればこちらから声をかけるが、少なくとも今はやめておいた方がいい』とのこと。

 

 ……昨日の一件絡みで、まだ皆ピリピリしてるみたいなので、刺激しない方がいいらしい。まあ……無理もないか。

 

 

 

追記

 

 総司さんから追加で聞かされたことなんだけど……どうやら、ヤマトもこちらの世界に来ているらしい。

 

 しかし、とある協力者からもたらされた情報によると、ヤマトは今、あの『火星の後継者』に拿捕されている可能性が高いという。よりによってあの連中にかよ……。

 総司さんがナデシコと一緒に連中の拠点を探してるのは、その理由もあってだったか。

 

 

 

追記その2

 

 昨日、顔を見なかったからもしかしたらとは思ってたけど……総司さんはいたけど、千歳さん、来てなかったんだな。

 

 総司さんに聞いたら、何か、色々思うところがあって、日本に残った……というより、戦線離脱したみたいな言い方をしてた。

 

 ……気持ちはわからなくもないけど、なんだろ……やっぱりちょっと寂しいな。

 

 

 

【○月$日】

 

 今日でアルゼナル到着から3日目。

 

 補給は到着翌日には済んだので、その時点でもう帰っても別によかったんだが、僕はまだここ『アルゼナル』に滞在していた。

 

 理由は、独立部隊+αの、物資その他の消費ペースを確認するためだ。

 

 今後も僕は何度も彼らと接触しては物資を受け渡し、という感じで動いていくだろうが、彼らへの物資補充がどの程度の感覚で、どの程度の量を持って行けばいいか、その最適なペースを計算するためのデータを集めてるわけだ。

 

 連邦軍の正規部隊である『ナデシコ』だけならまだしも、『ソレスタルビーイング』や『ミスリル』、その他に総司さん達といった協力者もいるわけで。

 予定になかった人員が増えているのであれば、その分物資の減りも早くなるだろうし、必要になる物資も変わってくるだろうから。

 

 幸い、万が一のことを考えて、今回物資は多めに持ってきてあったので、そのあたりの調整は十分できる。

 

 結果としてここに長居する形になり……そうなれば、特に場を設けて顔合わせしなくとも、ここに住んでいるメイルライダー達との接点は自然に持つことができた。

 

 何の縁か、特によく話せたのは、あの時一緒に戦った『第一中隊』の子達だ。

 

 明るく元気で人懐っこい感じのヴィヴィアンや、穏やかで人当たりのいい性格のエルシャとは、よく食堂で一緒になった。外の世界のことを聞かせてくれって、興味深そうに言われたな。

 

 隊長であるサリアは、あの場で協力してくれたことには礼を言いつつも、一歩引いて距離を置いた感じの接し方だった。まあ、僕はよそ者だし、そういう態度にもなるか。別に不思議じゃない。

 なお、彼女は元副隊長だったんだが、あの戦いで戦死したもう1人が、第一中隊の元々の隊長だったらしく、その後を引き継ぐ形で昇進したそうだ。

 

 それ以上に距離を感じたのは……ヒルダ、ロザリー、クリスの3人。よく3人でつるんでるっぽい子達だが、なんかやたらこっちを敵視……とは言わないまでも、警戒してる感じがある。

 

 僕やミレーネルを特に、って感じじゃなく、仲間内以外に対しては総じてそんな雰囲気なのだ。

 クルツや総司さん達がナンパ目的で声をかけたりしてもそういう対応だし、その他の面々が声をかけてもあまり話そうとしないから。

 

 あと、こないだの戦いで僕が助けた女の子……ミランダ。

 『助けてくれてありがとう』とまずお礼を言って来たものの、それから少し話した後はさっさと戻って行って……ああ、あれはまだ立ち直れてないんだな。周囲に気を使う余裕がない感じだ。

 

 幸いと言うか、立ち直ろうという気はあるみたいなので、訓練とかには復帰して、食堂できちんと食事も摂ってる――無理して詰め込んでいるように見えなくもなかったが――ようだった。

 

 そして、第一中隊最後の1人……アンジュだが、まだ目を覚まさないそうだ。

 バイタルは安定しているので、繰り返すが命に別状はないので、目が覚めるのを待つだけだそう。

 

 ……まあ、彼女の場合……目覚めたら目覚めたで大変そうだけどな……色んな意味で。

 

 

 

 

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