スーパーロボット大戦 とある蛇使い座の日記   作:破戒僧

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第25話 宇宙までお届け

 

 

【×月◆日】

 

 なんか最近、旋風寺からガンガン依頼が来るようになったなあ、と思う今日この頃。

 

 それも、ほとんど全部が独立部隊関係の仕事であるあたり、総司さん達の仕事の過酷さがわかるってもんだ……こないだの悪人連中の一斉攻撃といい、最近は出番が多いみたいだし。

 

 で、今回また依頼が持ち込まれたわけだが……その依頼の内容はなんと、パラメイルの改造だった。もちろん、独立部隊と一緒にいる『第一中隊』のものを。

 

 なんでも、宇宙空間でも活動可能になるように、コクピット周囲の気密処理その他の改造をしてほしいとのこと。

 あ、何、今度は皆さん宇宙に上がるんですか。

 

 ……正直、この機体構造で宇宙に行こうとすること自体が間違ってると思うんだけど。

 

 だって、パラメイルってコクピットの気密性、はっきり言ってゼロだし……水中に突っ込んだらそれだけで浸水するレベルだよ多分?

 

 そもそも、空飛ぶオープンカー状態の『フライトモード』から、戦闘形態の『アサルトモード』に変形するわけだし……そらまともな機密性があるはずもない。

 パイロットの生命維持が軽んじられてるっていう点では、どこぞの『手足のついた棺桶』と同等レベル……いや、それ以下だな。こっちには宇宙空間用のパイロットスーツもないわけだし。

 

 まあでも、やれと言われればやりますよ。

 小型の機体だから、パーツの追加取り付けを最小限にしないと、機動性に影響が出る……その条件下で十分な機密性を確保するには……同じくらいのサイズのASを参考にして……いっそパイロットに宇宙空間用のスーツ着てもらうのは……動きづらいからダメ? ああそう(嘆)。

 

 

 

【×月%日】

 

 青戸工場やその他の下請け企業さん達と総出で、どうにか納期に間に合わせた。

 ついでにその他の補給物資も渡して、準備万端になった独立部隊の面々は、今朝、宇宙に向けて飛び立ったそうです。

 

 やれやれ、結構な大仕事だったな……無事に終わってよかった。

 

 んで、聞いた話によると、今回宇宙に上がった独立部隊の目的は……どうやら『火星の後継者』に対して打って出るための作戦だそうで。

 詳細な内容までは流石に教えてはもらえなかったけど、そういうことならより一層頑張ったかいがあったってもんである。

 

 あの迷惑連中にはぜひともガツンと鉄槌を降してほしいものだ。ぜひとも。

 ナデシコチームにソレスタルビーイング、ミスリルにパラメイル第一中隊に、ザンボットとダイターンにグレートマジンガーにクロスボーンにΞにヴァングレイに……これだけの戦力がそろってれば、大体の敵はどうとでもできそうだ。

 

 なお、最近はヌーベルトキオシティやその周辺も平和なものである。

 やっぱりこの前の大規模作戦に失敗したことで、しばらくは連中も派手には動けないみたいだ。まあ、色々と補充を済ませればまた動き出すんだろうけど。

 

 なるべく長く続いてほしいなあ、この平和。

 

 

 

【×月+日】

 

 平和はそれなりに続いても、僕の仕事はそうでもなかった件。

 

 独立部隊を送り出してからしばらく経って、また僕のところに……『サイデリアル』に、補給物資輸送の依頼が舞い込んだ。

 

 中継ステーションである『アマテラス』とやらの制圧には成功したらしいんだが、そこからさらに次の目的地を設定して向かうことになったと。

 最低限の補給は、そのアマテラスにあった物資でどうにかなりそうらしいんだけど、恐らく次に向かう先は、『火星の後継者』の本拠地かそれに近い規模の基地である可能性が高い。

 であるならば、可能な限りコンディションは万全にしておきたいと。

 

 で、また僕に白羽の矢が立ったわけね……今度は宇宙に物資届けろってか。

 

 いやまあ、やりますけどね。

 『グラーティア』は宇宙空間も航行可能な船だから、まあどうにでもなりますし。あ、でも燃料効率は良くしたいから、マスドライバーは使わせてね。

 

 そんなわけで、今、大至急物資を集めているところ。

 明日中に出発して、そのままぶっ続けで飛んで……火星に向かっているナデシコ達にその途中で追いついて物資を補給する、って感じになる。

 

 やれやれ、突貫工事の次は、極道納期の輸送便か……しかも、独立部隊が行くくらいだから、結構危険な宙域だったりするんじゃないの?

 まあ、事前に拠点壊滅させて『火星の後継者』は粗方撤退してるから、逆に今行けばちょうど安全なのかもしれないか。

 

 しかし、今回用意する物資、いつもよりさらに多い気がするんだが……?

 

 

 

【×月<日】

 

 どうにか仕事完了。

 『アマテラス』から火星に向かっている途中の独立部隊に追いついて、物資の受け渡しを……する前にめっちゃ驚く羽目になったけど。

 

 そういや、作戦の成否については軍の方から情報聞いてたけど、具体的にどんな結果になったかまでは聞いてなかったな……聞いておけばよかったよ。

 でなければ、宇宙空間でいきなり『それ』を目にすることになって、お茶噴き出すほどびっくりすることもなかっただろうに……

 

 まず、びっくりした点その1。

 ヤマトが、宇宙戦艦ヤマトが一緒にいた。

 ナデシコと、プトレマイオスと、ダナンと並んで宇宙を飛んでた。ものすごい存在感である。

 

 聞けば、ヤマトは『火星の後継者』に拿捕された後、『アマテラス』で修理されていたらしく、今回の作戦はその奪還も目的の一つだったらしい。

 それは無事に成功し、クルーも含めて全員無事だった。

 

 さらに、ブラックゲッターの竜馬さんをはじめとした、その他の協力者達も一気に加入。

 こないだ会った、アキトさんまで一緒になっていた。アマテラス襲撃の時に共闘して、その後、『火星の後継者』の本拠地襲撃も一緒に行くことになったんだそう。

 

 そして、びっくりした点その2。

 νガンダムが……アムロ・レイさんが合流していました。こちらも『火星の後継者』に捕らわれる形で、機体共々アマテラスにいたんだとか。

 

 なんでも連中、サイコフレームの研究もしてたみたいで、それに協力させられてたらしい。

 何に使うつもりだったんだか……まあ、ろくなことじゃないのは確かだが。

 

 ……最初、宇宙空間を飛ぶヤマトを見て思いっきりむせて(タイミング悪くお茶を飲んでいた)、ミレーネルに『大丈夫!?』って心配されて……

 

 どうにか落ち着きを取り戻してから、きちんと識別信号を出して、通信も入れて着艦させてもらおうとして……そしたら、ちょうど哨戒に出ていたらしいνガンダムが飛んできて、またむせた。

 いやあ、あの特徴的なシルエットと、特徴そのものと言うしかない『フィン・ファンネル』は……見間違えようがない。

 

 2度目のお茶スプラッシュに、ミレーネルに僕の体調と気管支を本気で心配されながらも、どうにか落ち着いて(二度目)……そんで、そのまま着艦。

 

 初めましてになる方々にきちんと挨拶も済ませた後、物資の受け渡しも行った。

 その際、僕があの『白い機動兵器』こと『アスクレプス』のパイロットであることも話した。

 

 もっとも、これについては総司さんや鉄也さんがすでに話していたみたいで、特に驚かれはしなかったけど。

 

 そしてその際、沖田艦長からあらためて、あの時の加勢と、地球を守ってくれていたことに対して、ということでお礼を言ってもらった。

 ……二度目ではあるものの、前回はメールでのやりとり、今回は肉声で、しかも直接声をかけてもらったってこともあって……超緊張した。

 

 同じ空間にアムロさんや竜馬さんなんかのめっちゃ有名な面々もいたから猶更緊張した。

 

 その後、無事に物資の受け渡しも済み……これからどうするのか聞くと、予定通り火星に向かうとのこと。

 上手く行けば、それで『火星の後継者』の本陣を叩いて、組織を壊滅状態にできるかもしれない、とのことだった。

 

 うん、数日前にも書いたばかりな気がするが、ぜひ頑張っていただきたい。滅びよテロリスト。

 

 ちなみに、プトレマイオスに荷物を積み込む時、それに一緒に乗っていた、パラメイル第一中隊の面々にも会って……宇宙空間対応になったパラメイルの乗り心地も聞いておいた。

 

 やっぱり地球で乗るのとはだいぶ感覚が違って驚いたそうだし、もともと紙装甲なので、宇宙空間っていう、人間が生身で生きていられない場所で戦うのも、正直最初は怖かったそうだ。

 でもすぐになれたみたいで、今では普通に戦えてるって。

 

 ……その度合いは人によるみたいではあったけど。

 

 ちなみに、コクピットの気密処理とかの改造、僕んとこの会社も担当したって聞いて、驚いてたな。『旋風寺コンツェルンの下請けがやった』ってとこまでしか聞いてなかったんだって。

 

 そしてもちろん、ダナンとナデシコにも物資を届け、任務完了となったわけである。

 

 あと、ナデシコで例のアキトさんにも会えたので、あの時はありがとうございました、ってお礼を言ったんだが、ちょっと素っ気ない感じで対応されてしまった。

 

 その様子を見て……気のせいでなければ、ナデシコメンバーも少し悲しそうにしていた。

 

 ……一体何があってこんな風な関係になってるのか、少し気にはなるけど……明らかにコレ、軽々しく聞いちゃいけない雰囲気だったので、我慢しました。

 いつか聞く機会があればいいな、とか思いつつ、仕事、終了。

 

 さー、あとは地球に帰るだけ。急げ急げー。

 

 

 

【×月¥日】

 

 帰るだけだと思ってたら、変な連中に襲撃された件。

 

 地球に向かってる途中、宇宙空間で変な無人機軍団が襲ってきて……っていうかあいつら、『次元断層』でヤマトを襲ってた奴らじゃん。すげー久しぶりに見た。

 

 かと思いきや、別なデザインの上位版みたいな機体が混じってて……しかもそれには、AIじゃなくて人が乗ってコントロールしているようだった。

 

 それに乗っていた奴……グーリーと名乗ったその男は、僕とミレーネルに、投降して機体ごとこちらにこい、抵抗すれば撃墜してから回収する、と脅しをかけて来たんだけど……まあ当然ながら却下させてもらいました。

 

 その直後、有言実行とばかりに、無人機達を率いて襲って来たが、『こんなこともあろうかと』の精神で『グラーティア』には改造が施されており、シールド機構も複数搭載して防御力を高めていたため、連中のビーム兵器は全くと言っていいほど通じなかった。

 

 防いでいる間に、僕がアスクレプスで出撃。

 無人機の方はほぼ勝負にならないので瞬殺し、グーリーとやらの乗る機体についても、拿捕したり大破させるまでには至らなかったものの、撃退することに成功した。

 

 やたら早く動くから、追いついて攻撃するのがまず大変だったんだけど、スピードならアスクレプスだって決して低くはないのでね?

 

 撤退する際、『また来るぜ』とか言ってたけど……できれば来ないでほしい。

 『火星の後継者』に加えて、正体不明の武装組織なんてこれ以上相手にしたくないって……

 

 ……しかし、久しぶりにあの機体を見て思ったけど……やっぱりあれ、どこかで見覚えが……

 

 

 

 

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