スーパーロボット大戦 とある蛇使い座の日記   作:破戒僧

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新年あけましておめでとうございます。
元日にどうにか間に合いました……(汗)

今年もどうぞよろしくお願いします。



第30話 独立部隊の帰還

【△月☆日】

 

 今日は、かねてから研究・開発を進めていた……その中でも、特に力を入れていた2つの強化パーツが完成した。偶然にも、同じ日に。

 『D・エクストラクター』と、『リヴァイヴ・セル』。どちらも、次元力と大きく関わりを持つアイテムであり……かなり取扱注意な品である。特に後者。

 

 折角なので今日は、整理する意味も込めて、これら2つについて話そうと思う。

 

 まず、『D・エクストラクター』は、動力部となるパーツの一種だ。

 モビルスーツやASにおける核融合炉、マジンガー系列における光子力エンジン、ゲッターロボにおけるゲッター炉みたいなものと考えればいい。メインの動力として使うこともできるし、サブの動力として追加搭載することもできる。

 

 詳細な仕組みは省くけど、これは、乗り手の意思に応えて『次元力』を生み出す。

 しかも、ある程度その『次元力』を指向性を持たせて使うことができる。

 

 次元力は、恐ろしく汎用性の高いエネルギーであり、単純に動力として使えるのはもちろん、今ある兵装の性能を強化して攻撃力・防御力を高めたり、破損した機体を、ビデオの逆回しみたいにして修復し、ダメージを回復することもできる。

 もちろん、どちらも限度はあるけど、常識的に考えれば破格の能力だろう。

 

 ……スパロボでは割と、そういうのよくあるけども。

 プレイヤーの気合とか友情……もとい、精神コマンドでダメージが回復するし……いやまあそれはおいといて。

 

 限定的ながら、そういう、動力としても戦闘補助としても破格といっていい優秀さのエネルギーを扱えるようになるわけだ。

 

 もっとも、次元力の本質は決してそこじゃなく、今言ったのはあくまでその片鱗に過ぎないんだけど……これについてはすごく長い+ややこしい話になるので、ここで語るのはよそう。

 

 欠点としては、このエネルギーは発動に人の意思を必要とするため、AIで動く無人機には搭載できないってことかな。

 いや、出来ないこともないけど、その場合は正真正銘、ただの動力ってだけのものになるし、既存の動力炉と性能的に変わらないかむしろ低くなるから、コスパ考えたらもったいないしね。

 

 そしてもう1つ……『リヴァイヴ・セル』。

 これは、一言で言ってしまえば、『人とマシンをつなぐ』ことができるものである。

 

 ボソンジャンプとA級ジャンパー、サイコフレームとニュータイプのような関係性を、機体の種類を選ばず作り出すことができる。

 

 これも詳細な仕組みは省くけど、パイロットが装着するパーツと、機体に組み込むパーツの2つを一組で運用する仕組みになっていて……それぞれが送信機であり、受信機でもある。

 

 パイロットの『こう動かしたい』という意思が、ある程度ではあるが、ダイレクトに機体に伝わり、操作性の向上が見込める。本来は、キーボード入力や操縦桿を使うことでしかできない、『機体を動かす』という作業を、人の意思でやることができるのだ。

 訓練すれば、理論上は遠隔で機体を動かすことさえできうる。言ってみれば、ニュータイプでなくても使えるサイコフレームみたいなもんだ。

 

 もっとも、この装置を使えるかどうかに、人間にも機体にも向き不向きがあるみたいなので、そこまで汎用性が高くて便利なものじゃないけど。

 

 ただこのパーツ、『人の意思』を媒介にしているだけあり、『次元力』の運用と非常に相性がいいので、さっき書いた『D・エクストラクター』と合わせて使うことで、相乗効果じみた強化を実現することができる。

 ポイントは、神経電気を受容して『こう動け』って命令を機体に伝えるんじゃなく、あくまで人の『意思』をダイレクトに伝えることだな。その意味では、自分の体以上にダイレクトに命令が伝わるものだと言っていいし、同時にその分扱いが難しい。

 

 どちらも一癖も二癖もあるパーツだけど、使いこなせば非常に強力な武器だと言える。

 

 ちなみに、『リヴァイヴ・セル』には、同名で違う効果を持つアイテム?が、スパロボのとあるシリーズには登場する。

 詳しい説明は省くが、その効果は、ちょっとどころじゃなくエゲツナイもので、人道倫理上どう考えても使えるようなものじゃないため……そっちに転ばないよう、開発時は最大限気を使った。

 どっちにも実は『ナノマシン』が関係してるからね……万が一を考えるとね。

 

 とりあえずまあ、スペック上は心強い武器が完成したってことで……今後、適切に運用していきたいと思います、まる。

 

 あ、もちろん商品としては使わないけどね。

 こんなもん、流通させていいものじゃないから。使うなら自分でか、仲間内でだ。

 

 

 

【△月★日】

 

 旋風寺コンツェルンから、『大至急力を貸してほしい』という呼び出しがあった。

 

 なんと、行方不明になっていた独立部隊の面々が戻ってきたというのだ。

 話を聞くと、ごく最近、というかむしろ、ついさっきこの世界に帰ってきたらしい。

 

 はい、『この世界』という部分が気になったそこのあなた、後できちんと説明するから、まずは落ち着くように。

 

 ひとまず僕は、連邦軍のミスマル中将にもこのことを報告し……たんだけど、既に知ってた。

 そりゃそうか、旋風寺コンツェルンから報告行ってるわな。あそこもうちと同様に、独立部隊のバックアップしてるんだから。

 

 そのミスマル中将からの指示もあり、僕も補給物資その他を手配した後、青戸工場に急行し、物資その他の補給を行った。

 余程の激戦を潜り抜けてきたのか、どの機体も結構なダメージやら、部品の損耗が起こっていたので、割かし大仕事になりそうである。

 

 パイロットの方々は? と聞くと、機体と同じでかなり疲れているようだったので、今は休んでいるとのことだ。挨拶したかったけど、今日はそっとしとこうかな。

 

 代わりに応対してくれたのは、疲労とは無縁なAI組だった。

 勇者特急隊のロボ達と、総司さんのパートナーであるナインだ。

 色々と聞きたいことがあるので助かる。彼らが相手なら、変な話、整備しながら雑談的に話を聞いたりすることもできるからな。

 

 ……具体的には、同じくAI組である、アル君がいない理由とか。

 というか、ミスリルメンバーまるごといなくなってんだけど。

 あと、モビルスーツ部隊も一部いないし……何より、宇宙では確かに合流していたはずの、ヤマトその他の面々が一緒じゃないことも気になってた。

 

 それで話を聞かせてもらったんだが……彼らの旅路は、こちらの予想以上にとんでもないことになってたようだ。

 

 

 

 まず話は、『火星極冠遺跡』での戦いで何があったかに遡る。

 

 あの時、『火星の後継者』の拠点を壊滅させるために戦いを挑んだ独立部隊の面々だったが、そこになぜかガーディムとドラゴンが追加で現れ、三つ巴ならぬ四つ巴の戦いに発展。

 

 それもどうにか切り抜けて――総司さんはその際に、ガーディムのグーリーを討ち取ったらしい――火星の後継者に降伏を迫ったらしいんだが、その際、今度はまたしてもドラゴンと、なぜかドラゴンの中に、パラメイルらしき赤い機体が混じっていた。

 

 さらにほぼ同時に、今度は黒いパラメイルが6機も現れ……そいつらが放った攻撃により、次元震が起こった。

 

 しかし、それに部隊丸ごと飲み込まれてしまいそうになった際……推測だが、ユリカさんが皆を逃がしたらしい。ボソンジャンプでどこかに飛ばして。

 

 そうして飛ばされた先というのが、なんとまたしても並行世界。

 しかも、ミスリルの面々やジュドー達、そして竜馬さんがいた世界だったというのだ。

 

 その世界で、新たな仲間を迎え入れたり、新たな敵と戦ったり、紆余曲折あった末、『パラレルボソンジャンプ』なる技術を獲得することに成功し、こうして帰ってこれたんだとか。

 

 並行世界へ跳躍可能なボソンジャンプか……機体への負担は大きいみたいだけど、すごいもん身に着けたな。

 そして、その鍵になったのは、限定的にではあるが、次元の壁を破る技術を備えていたヴィルキスだという。あの機体、そんな機能も持ってたのか……ただのパラメイルじゃないのか?

 

 そして、『紆余曲折』で済ませてしまったけど、その世界でもまあ、色々あったようで……

 

 なんか、恐らくは自分達と同じように飛ばされてきたと思われる、ガミラスの艦隊とも遭遇したらしい。木星帝国や、ネオ・ジオンと手を組んでて……おい待て、あいつらいるのか。

 地球連邦とネオ・ジオンで争ってる? 少し前まではインベーダーも襲って来てた? へー、そうなんだー(遠い目)。

 

 加えて、飛んだ先の世界は、数年前だかに世界規模の災害が起こり、海が赤く染まってしまった世界らしくて……うん、もうこの時点で嫌な予感しかしない。赤い海って……あれじゃん。

 

 そしてその予感は、すぐに現実となった。

 うん、その世界で新たに仲間になった、けどこっちの世界には来なかった面々について聞いたんだけどね?

 

 ユニコーンガンダム。

 マジンガーZ。

 エヴァンゲリオン。

 

 ……ロボット的にも作品的にもやべーのが大挙して加入していらっしゃった。

 ネオ・ジオンとか、赤い海とか聞いた時点で半ば覚悟はしてたけどさあ……いや、仲間になってくれたこと自体に文句言うつもりはないけどね? いい人たちなのは知ってるし、皆もそう言ってるし。

 

 ネオ・ジオンはガッツリ地球連邦のこと敵視してるみたいだから、戦争自体が苛烈になってて……その分地球連邦の方も強烈にネオ・ジオンのこと敵視してて、滅ぼしたいと思ってて、滅茶苦茶居心地悪そうな世界だ。

 事実、独立部隊も圧力やら実力行使で戦力として接収されそうになったらしいし。

 

 しかし、それ以上にヤバいのは、エヴァとマジンガーだよなあ……。

 

 エヴァは、使徒どうにかしないと世界滅ぶし……マジンガーは作品ないし展開によっては、終盤でヤバい連中が復活する展開が待っていたはず……。

 あしゅら男爵もいたみたいだし……これは多分……ああ、不安だぁ……。

 

 それともう1つ、よくわからない話も一緒に聞けた。

 

 マジンガーZの仲間加入と時を同じくして、なぜか鉄也さんが離脱して、しかもその後、敵として皆の前に現れたんだとか。

 しかもなぜか、甲児君に『マジンガーを降りろ』とか言ってきたらしい。

 

 その時は、竜馬さんが真ゲッターに乗り換えて撃退?したらしいけど、『どうして?』って、勝平君や舞人社長もショックを受けてたようだ。ロボット操縦の先生してもらってたもんね。

 

 どうやら記憶喪失も嘘だったみたいだし……いまいち行動原理が読めないな。何を狙って行動してるんだろう? マジンガーに何かあるのか?

 

 ちょっと見ない間に、面倒事も謎も増えたようで……お疲れ様です。

 細かいことは全部こっちでやるから、ひとまず休んでくれ。

 

 

 

 追記

 

 これは独立部隊の面々接触する前、ミスマル中将から言われたことなんだけど……彼らには、つい先日、ユリカさんを救出したことは話していない。

 

 旦那さんのアキトさんもいることだし、教えた方がいいんじゃ、と思ったけど、ミスマル中将は首を横に振り、説明してくれた。

 

 曰く、『火星の後継者』は今ほぼ壊滅寸前の状態ではあるが、首魁である草壁や、シンジョウやヤマサキといった幹部、そして北辰率いる実行部隊は未だ健在。

 

 今のところは何重にもセキュリティをかけて隠して守ってるけど、もし察知されればユリカさんを奪い返しに来る恐れがある。それだけは絶対に避けなければならない。

 アキトさんやナデシコ部隊なら守ってくれるかもしれないが、相手も決して油断していい面子じゃないのも事実。

 

 ただ……極端な話、連中にとっては、A級ジャンパーなら誰でもいいわけだ。

 

 アキトさんがこの世界に帰ってきたと知れば、そっちを狙う可能性が高い。そうして動き出せば……それに乗じてこちらも動き、今度こそ連中を壊滅させる決定打にもできる。

 早い話が、アキトさんを囮にするわけだ。

 

 聞いていて気分のいい話じゃなかったけど、筋道が通っているのも、有効打足りうるのも事実。

 加えて、ミスマル中将からは、『いざという時は全ての責任は私が取る』とまで言われた。

 

 その覚悟を買い、ひとまずその指示に従い、ユリカさんの救出は隠しておくことにした。

 全部片付いたらきちんと会えるようにするので、どうか勘弁してほしい。

 

 

 

 

 追記その2

 

 なんか、プトレマイオスの格納庫の隅っこに、『ボン太くん』が置いてあったんだけど、何アレ?

 

 しかも、きっちりパワードスーツに改造済みで、武装も色々持たされた状態の奴が。

 

 ……え、やったの? あれで戦ったの? ふもふも叫んで着ぐるみで敵機に突撃したの!?

 

 み、見たかった……ッ!!

 

 

 

 




Q.なんでボン太くんこっちに来てんの? ミスリルの皆さん、向こうの世界に残ったはずなんじゃ……?

A.陣大高校に置きっぱなしになってたボン太くんをプリティ・サリアンが魔法で召喚(という名の拾得物横領)したから。
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