スーパーロボット大戦 とある蛇使い座の日記   作:破戒僧

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第45話 コロニー落としとありえない再会

 

 

【□月¥日】

 

 ……ちょっと、コレを書いている今も、状況を頭の中で整理できていない僕がいる。

 そのくらい、今回起こった騒動は、最初から最後まで激動なもので……それ以上に、わけがわからなかった。

 

 短時間に色々なことが、それも、ありえないことが起こりすぎて……処理落ちしそうだ。

 

 順番に書き連ねていこう。もともとこの日記は、そういうのをきちんと整理して理解するためにつけはじめたものでもあるし。

 

 

 

 こないだの日記にも書いた気がするけど、ここ最近の穏やかな時間は、まあ予想通りというか、見事に『嵐の前の静けさ』だったわけで。

 『嵐』はある日、突然やってきて、その平和をぶち壊してくれた。

 

 ネオ・ジオンの連中が『コロニー落とし』をやるつもりだという情報が入ったのである。

 

 幸い、補給は既に万全に終わっていたので、独立部隊は一気に宇宙に上がり……既に地球の重力圏間近にまで迫っていたスペースコロニーと、それを護衛しているネオ・ジオンの連中を視界に収めた。

 

 あ、もちろん僕とミレーネルも一緒に上がったよ。『アルデバル』で。

 

 一応説得しようとしたが、まあ当然、向こうは聞く気がなかったので、戦闘開始。

 さっさとネオ・ジオンを全滅させて、コロニーを破壊あるいは軌道を変えて落下阻止しなきゃ、ということになったわけだ。悲しきかな、予想通りというか、予定通りである。

 

 ここまではまあ、うん、予定通りだったんだけど……その後にね、色々と予定外のことが。

 

 まず最初に、援軍が現れた。こっちにも、敵にも。

 

 こっち側に来てくれた、味方の援軍は、マリーダさん達やジンネマン艦長といった、ユニコーン組。そしてさらに、カミーユもいた。

 そこにさらに、オードリー……もとい、ミネバ・ラオ・ザビも一緒に来ていた。この戦いを終わらせるために、って今まで隠していた素性も明かして、ここにきて、ネオ・ジオンを説得した。

 

 残念ながらその言葉は届かず、戦闘は続行となってしまったわけだが、向こうも覚悟はしていたみたいで、動揺は少なかった。

 こっち側も、オードリーがザビ家の末裔だってことに驚いてはいたものの、仲間として受け入れることに異論のある者はおらず、そのまま協力体制に。

 

 ここまでで終わってくれればどれだけよかったか……。

 

 しかしその後、今度は敵側にも、わんさか援軍が来た。

 

 まず現れたのは、ガミラスの艦隊。

 連中、補給や艦隊の修繕のために、ネオ・ジオンと一時的に手を組んでいるらしいので。

 

 そして、元の世界に戻るためにヤマトをしつこく狙っているらしい。

 ただし、具体的にどうやって帰るかっていうビジョンはなく、『ヤマトの波動エンジンさえあればなんとかなるはずだ!』という、なんともふわふわした目的だけで動いているそうで……それを語ってくれたメルダ少尉、呆れながら言っていた。

 

 あと、あの艦隊のボスが、メルダ少尉の上司を殺した仇でもあるんだって。そら辛辣な言い方にもなるわな。

 

 次に、アマルガムの連中。

 ボスであるレナードに加え、クルツの狙撃の師匠であるカスパーや、その他幹部クラスも揃って妨害のために襲い掛かってくる。

 

 その中には、攫われたと聞いていたかなめちゃんもいて……しかし、以前の彼女とは別人のような、冷徹な雰囲気で、しかもレナード達に恭順するようなことを言っていた。

 

 それを見て、宗助君達は『精神制御でもされたのか!?』って動揺してたけど……これはえーと……亡霊みたいなのが取りついてるんだっけ? ソフィアとかいう。

 あれはかなめちゃんじゃなくて、その亡霊。その自覚は今彼女にはないけど。

 

 精神干渉関係の専門家である、ミレーネルにちょっと聞いてみたら、案の定、感じ取れる思念がおかしなことになってる、って返答が帰ってきたし。

 かなめちゃんの体を動かしている思念が、体になじんでいない。ブレているような重なっているような感じになってるって。確定とみてよさそうだ。

 

 あと、なんかレナードの方も性格変わって、ガラ悪い感じになってた。ああ、そういやそんな展開もあったな。かなめちゃんに撃たれて死にかけてああなったんだっけ?

 

 これだけでも結構大変な感じなのに、ここにさらにエンブリヲまで現れた。

 うん、やっぱり生きてやがったよあの野郎。『あの程度のことでは私は殺せないよ』とかなんとか言って、余裕そうだった。

 

 しかも今度は、奴の乗る『ヒステリカ』と同じ、黒いパラメイル……『ラグナメイル』というらしい機体を、6機(・・)も従えて。

 エンブリヲの『ヒステリカ』も合わせれば、合計7機(・・・・)

 

 それだけでも戦力的にかなりヤバそうではあったんだけど……僕らをさらに混乱させたのは、その『ラグナメイル』に乗っていたのが誰がかわかった時だ。

 

 6機のうち5機には……なんと、アルゼナルでの戦いで行方不明になっていた、サリア、クリス、エルシャ、そして別部隊の2人……ターニャとイルマが乗っていたのだ。

 

 後の2人に関しては、第一中隊じゃなかったから、あんまり関わりはなかったんだけど……名前は知ってた。『アルゼナル支店』にも時々来てたし。

 

 彼女達が、なぜかエンブリヲを慕うようなことを言って、ラグナメイルにのってこっちに攻撃を仕掛けてきたのである。

 『ダイヤモンドローズ騎士団』とかいうユニット名までつけて。親衛隊か何かか?

 

 アンジュやヒルダ、ロザリーの言葉にもまるで耳を貸す気配はない。

 

 かなめちゃん同様、洗脳とか精神制御されたのかと、皆疑ってたが、受け答えの様子からはそんな気配は感じられず、ミレーネルも精神波の以上なんかは感じ取れなかったという。

 じゃあ彼女達、本当に自分達の意思で寝返ったと? 一体何があったらそんなことになる!?

 

 ……そして、残る1機のラグナメイル。

 それに乗っていたパイロットが……一番わけがわからなかった。

 

 だって、その娘は…………

 

 

 ☆☆☆

 

 

「ちょっとサリア!? あんた何でそんなところにいるわけ!?」

 

「私達は『ダイヤモンドローズ騎士団』! エンブリヲ様の騎士よ!」

 

「しかも名前が妙にダサい……あんたでしょそれ考えたの!?」

 

「うっさい、悪かったわね! あなたもすぐに、叩き落して平伏させて、私達の一員にしてあげるわ……エンブリヲ様のためにね!」

 

 

「クリス!? クリス、おい!? 嘘だろお前、お前が裏切ったなんて……エンブリヲは、アルゼナルを襲って、私らのことも殺そうとしたんだぞ!?」

 

「違うわ……エンブリヲ君は、エンブリヲ君こそが私の友達なんだ! あんた達なんかもう知らない! エンブリヲ君の敵は、私が討つ!」

 

「ああそうかよ! わかった、私らの邪魔するんなら覚悟しろよクリス! ちくしょう、一体どうなってやがる……何が『エンブリヲ君』だよ!」

 

 

「エルシャー!? なんでそっちにいるの? エンブリヲ、敵だよ? 生きてたんなら、また一緒にこっちで……」

 

「ごめんなさい、ヴィヴィアンちゃん……でも、私はあなた達と戦わなければいけないの」

 

 

 サリア、クリス、エルシャ……かつて仲間だった彼女達が、『ラグナメイル』に乗り、エンブリヲの尖兵として自分達に刃を、銃口を向けてくる。

 

 その事実に、アンジュ達は、エンブリヲが生きていたこと以上に衝撃を受けていた。

 

 彼女達が生きていたことは喜ばしいとはいえ、一体何があったら、こんな風に敵同士として再会することになるというのか。

 仲間に聞いた限りでは、精神制御や洗脳を受けている気配はないという。ならば本当に、心からエンブリヲの仲間になってしまったのかと、考えたくもない可能性が頭をよぎる。

 

 しかし、それらについて考えている時間はない。

 敵となったサリア達は容赦なく襲ってくるのはもちろん、それ以外の敵……アマルガムやガミラス、ネオ・ジオンからの横殴りが飛んで来ないとも限らない。

 さらに、こうしている間にも、コロニーは地球に向かって落下しつつある。

 

 そしてしかし、困惑に包まれているパラメイル第一中隊の中で……とりわけ大きな衝撃を受けていたのは……ミランダだった。

 

「う、そ……なんで……!? なんで……あなたがここに……!?」

 

 彼女が今相対している、最後の1機のラグナメイル。

 コクピットのモニターに……映像アリの通信で映し出された、そのパイロットの顔を見て……ミランダは、まるで幽霊でも見たかのような、愕然となった表情になっていた。

 

 混乱しながらも応戦に移りつつあるアンジュやヒルダ達と違い、ミランダは困惑のあまり、機体の動きどころか、思考すらほとんど完全に停止してしまっている。

 

 しかし、それも無理のないことだった。

 何せ、彼女がモニター越しに対面しているのは……

 

 

 

「どうして、あなたが……!? 本物なの……!? 生きていたの―――

 

 

 

 

 ―――ココ!?

 

 

 

 

 

「もちろん、本物だよ……久しぶりだね、ミランダ」

 

 

 

 かつて、彼女達にとっての初陣で、目の前で戦死したはずの……親友だったのだから。

 

 

 

 

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