スーパーロボット大戦 とある蛇使い座の日記   作:破戒僧

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第48話 ルート分岐、再び

 

【□月:日】

 

 はい、毎度おなじみスパロボ名物・ルート分岐の時間がやってまいりました。

 

 今回の分岐はなんと三択。宇宙ルート、地上ルート、そして西暦世界ルートです。

 

 

 

 なぜそんな展開になったのかと言えば、だ。

 

 イネスさん主催?の『なぜなにナデシコ』……もとい、ボソンジャンプに関する説明会が終わった後のことなんだが……そこで、ネオ・ジオンが攻めてきたのである。

 しかも、総帥であるフル・フロンタルが直々に親衛隊を率いて、だ。

 

 彼らはオードリーに対し、コロニーレーザーを自分達に引き渡すよう要求。

 

 しかし、それを地球に向けて撃って戦争の手段とするのではなく、フロンタル曰く、脅しとしては使うが、戦争は別の形で終わらせるとのこと。

 スペースノイドとアースノイド、双方の交流を、戦争を含めて一切を断ち切ることによって。

 

 ネオ・ジオンを含めたスペースノイドは、地球を棄ててコロニーや新天地たる居住可能惑星を求めて旅立ち、地球の者達はそのままさっさと滅びてしまえ、という感じらしい。

 

 今の地球には、こう言っちゃなんだが、すでに戦略的な価値はない。

 セカンドインパクトやらゲッター汚染やらでボロボロで、しかもそんな状態でありながら、Dr.ヘルやら何やらが好き勝手暴れるわ、インベーダーは襲ってくるわ、割と地獄。

 そんな状況であれば、遠からず衰退し、ゆるやかに滅びていく運命にあるだろうと。そんなのは放っておいて、スペースノイドは宇宙で繁栄すると。

 

 言い方はひどいものの、なるほど確かに戦争は終わるな、なんて一瞬思ってしまったけど……オードリーはこれを拒否。

 

 彼女は確かに戦争を終わらせたいと思ってるけど、それは地球と宇宙の相互理解によって、共に歩んでいく未来を望んでのことだから……どちらかがどちらかを見捨てたり見限ったりするような形での終焉は望んではいないと。

 独立部隊の面々もその意見のようだった。

 

 ……さっき、フロンタルの案もありっちゃありかな、なんて一瞬思ってしまった僕だけど、よくよく考えれば、それってつまり……この『宇宙世紀世界』の地球が、『新西暦世界』の地球みたいに……人類が生きていけなくなるくらいに、わかりやすく滅亡に突き進んでいくってことだよな。

 いやまあ、細部は色々違うけど、近い状態ではある気がする。

 

 母星を棄てて宇宙に出て行った地球人……滅亡へのカウントダウンが始まっている星……うん、被る。あの、海が干上がった地球が、被る。

 

 なるほど、そういう風に思うと……寂しいというか、悲しいというか……嫌だな、そういう未来。

 

 そうしてフロンタルの提案を蹴った結果、まあ当然ながら戦闘になった。

 

 なるほど、『赤い彗星の再来』と呼ばれる実力は伊達じゃないね。アムロ大尉が相手をしてたけど、どっちもすごい速さで縦横無尽に動き回って……フェイントやら読み合いやらも無数に火花を散らしていて、とっても割り込める気がしない。すごいレベルの戦いだった。

 

 当然その部下達や、親衛隊も襲ってくる……あと、こっちのメンバーに因縁がある面子も何人かいたっぽい。

 

 その戦いの中では、覚醒したユニコーン(NT-Dの光が赤じゃなくて緑色)を操るバナージや、本来の機体であるゼータに乗り換えたカミーユが大暴れした。

 それに負けじとハサウェイやジュドーも。ニュータイプとサイコミュのバーゲンセールだな。

 

 そのまま押し切り、ネオ・ジオンを撃退することはできた。

 が、息つく暇もなく、さらなるとんでもない知らせが飛び込んで来まして。しかも、2つも。

 

 1つは、コロニーレーザーが、地球連邦軍の手によって奪われてしまったということ。

 ネオ・ジオンがこっちにちょっかいかけている間に、横から、漁夫の利……とはまた違うけど、掻っ攫われてしまった形になる。

 

 間違いなく連中、アレをネオ・ジオンに対する兵器として使うだろうな……これはちょっと、戦争がさらに凄惨なことになってしまうこと請け合いなので、放置はできない。早急に対処すべきである。

 

 そしてもう1つの知らせは……このタイミングで、Dr.ヘルの総攻撃が始まったとのこと。

 地球連邦軍がどうにか戦ってはいるものの、奴の機械獣軍団には、連邦軍の通常配備の機動兵器程度じゃ全く歯が立たないでいるらしい。

 

 ……そんな大変なことになってるんなら、ちゃんとそっちに集中して対応しろや。コロニーレーザーパクったり、こっちにちょっかいかけてこないでさ!

 

 そうは思うものの、言ったところで聞きゃしないのは目に見えてるので、だったらさっさとこっちにも僕らで対処しよう、ということになった。

 

 ……あと、個人的には……Dr.ヘルより、その部下に約1名、もっとヤバいというか、警戒しなきゃいけない奴がいると思うんだけどね……確証はないから、何も言えないが。

 

 そして、知らせがあったわけじゃないけど……エンブリヲの方もどうにかしなきゃならない。

 

 こないだの第三新東京市の戦い然り、コロニー落とし阻止のための戦い然り……アイツを放っとくとろくなことしないからな。これから先も、絶対邪魔してほしくない戦いの時に乱入してくると思われる。

 

 それに、なぜかエンブリヲに協力してるサリア達や、生き返った(?)ココのこと……アイツ絡みで、色々と確かめるなり、対処しなければならないことは多い。

 

 これは……本格的に、ジル司令の言う『リベルタス』の時が近づいてきてる、と取れるんだろうかな……。

 

 

 

 そんなわけで、

 

 地上組は、Dr.ヘルがバカやろうとしてるので、それを阻止。可能ならこの機会に、完全に決着をつけるというか、機械獣軍団を壊滅させる。後顧の憂いをなくす。

 

 宇宙組は、コロニーレーザーをどうにかして、あとネオ・ジオンもどうにかする。

 やることがふわっふわだけど、これはもう仕方ない。色んな思惑が絡み合ってて、何がどう転ぶかわからないから。その場の判断が重要になる。

 

 西暦世界組は、アルゼナルと協力して、エンブリヲをぶっ潰す。洗脳されている?サリア達も助ける。ココに関しては……もしホントに生き返ってるんであれば、助ける……でいいのかな?

 あと、龍の民の悲願である、始祖・アウラの救出も同時進行でやる。

 

 部隊を3つに分けることになったわけだが……地上組には、マジンガーやゲッターといったスーパーロボットが主体になり、宇宙組には、宇宙世紀世界のガンダムチームが主に当たる。西暦世界には、パラメイル第一中隊とナデシコ、ソレスタルビーイングら、もともと西暦世界にいたメンバーが中心となる予定だ。

 

 地上組にはさらに、母艦の役割を兼ねて、ヤマトが同行。

 また、西暦世界組には、ミスリルが同行することになった。どうもこないだの様子を見る限り、エンブリヲとアマルガムがつながっているようだからって。

 

 総司さんとナインは、宇宙組に行くことが決まった。

 

 そして、僕とミレーネルは、西暦世界組である。

 あっちはほぼほぼ僕らにとってのホームでもあるし……エンブリヲの関係で気になることがいくつもあるから、そうさせてもらった。

 

 それぞれの問題を速攻で解決して、すっきりした状態でまた集まれたらいいな、なんて思いつつ……各艦、互いの武運を祈りつつ……

 

 間もなく、各チーム出発である。準備しなきゃ。

 

 

 

【□月_日】

 

 『パラレルボソンジャンプ』で西暦世界に戻ってきた僕らは、一旦二手に分かれた。

 と言っても、僕とミレーネルが離脱して補給物資を調達してくるってだけで、すぐにアルゼナルで合流するんだけどね。

 

 というか、もうしたし。

 速攻で物資を船に乗せて、『ボソンジャンプ』でアルゼナルにひとっとび。マジで便利だなこれ。

 

 アルゼナル自体は、もうほとんど復旧は終わっていた。

 ボンクラ皇帝が出てきたあの戦い以降は、『始祖連合国』の軍隊が攻めてくることもなく(今あの国それどころじゃないしね)、その間にきちんと復活はできた、とのこと。

 

 むしろジル司令、これからいよいよ反攻作戦『リベルタス』を始める気満々でいる。

 ちょうど奴の……エンブリヲの手駒である『始祖連合国』がガタガタになってるから、攻め込んで討ち取るなら今がチャンスだって、息巻いてる。

 

 やる気があるのは結構だけど、それが空回りしたり、他人に迷惑をかけたり振り回したりしないでくれるとありがたいんですけどね。

 

 ……望み薄だな。この人、目的のためならガチで手段を選ばない感じだし。

 

 『リベルタス』というか、エンブリヲの打倒そのものに関しては僕らも協力するつもりだし、ジャスミンさんやその他、アルゼナルの関係者も乗り気なんだから……そのへん、きちんと考えてほしいとは思う。

 あんまり凝り固まった考えだけで動こうとすると……思わぬ形で折れることになる、なんてこともありうるわけだからね。色んな事が裏目に出たりして。

 

 気のせいならいいんだけど……なんかジル司令、すごく、その……執念を通り越した、妄執みたいなものを感じる気が……時々……いや、僕の気のせいならいいんだけどさ……。

 

 

 

【▽月○日】

 

 ジル司令が今までため込んできた資材やら何やらを放出し、各パラメイルの強化を進めている。

 言うまでもなく、『リベルタス』を見据えた準備である。ロザリーやヒルダに言わせると、『考えられないくらいの大盤振る舞い』だそうだ。

 

 遠慮なくそれらを使ってパラメイルを強化している。第一中隊のメンバーはもちろん、その他の……第一中隊以外のメイルライダー達も。

 

 しかし、ただ1人……ミランダだけは、そうしていない。

 戦力アップのために、ジル司令からの資材供与を受けていない。

 

 しかし、戦力アップそのものをしていないというわけでもない。

 

 どういう意味かって? 簡単なことだ。

 彼女の……ミランダの戦力アップに関しては、アルゼナルじゃなく、僕ら『サイデリアル』が請け負っているからだ。

 

 

 

 話は数日前、ミランダが僕の部屋を訪ねてきた時に遡る。

 入るなり彼女は、腰を90度かそれ以上に曲げて、頭を下げて……こう、頼み込んできた。

 

 

『私に、ココを助けるための力をください』

 

 

 先のコロニー落としの時の戦いで、ミランダはココと相対して……困惑しながらも、言葉を交わして、そして確信したそうだ。

 あれは、偽物なんかじゃない。間違いなく、ココ本人だと。

 どういう仕組みかはわからないけど、本当にココがよみがえったんだと。

 

 しかしそのココは今、サリア達同様、エンブリヲによって洗脳され、悪事に加担させられている。

 

 助けたいけど、その為には少なくとも一度はココと戦わなければならない。

 

 しかし、自分の機体……量産機を多少カスタムしただけのグレイブでは、ココ達の乗る『ラグナメイル』には到底届かない。

 

 ヒルダ達と同じように、ジル司令からの資材供与を受けて戦力をアップさせる手もあるけど……自分はヒルダやアンジュと比べると、メイルライダーとしての実力は全く足りていない。多少機体を強化したところで焼け石に水だし、武装を増やしたとしても使いこなせるとは思えない。

 

 そうなると、普通じゃないやり方で力を手にするしかなく……そのために頼れる相手がいるとすれば、僕以外にいない。

 そう考えたそうだ。

 

 邪道なやり方なのはわかってるけど、他にもう、どうしたらいいかわからない。

 

 自分が差し出せる対価なら何だって差し出す。お金も、体も……望むなら、私自身の人生も。

 

 だから、どうか……力がないから強い機体を欲しがるなんていう、バカなことを言っている私を……どうか助けてください。

 どうか私に、親友を、今度こそ助けるための力をください。

 

 今でも鮮明に思い出せる。必死に、本気で、そう僕に懇願してきた。

 

 そこまでの覚悟なら、と、僕はそれを受けることにした。

 ミレーネルに頼んで契約書を用意してもらい……ああ安心して、別に何かヤバいこととか、いかがわしい対価を要求するためじゃないから。

 

 用意したのは、単なる雇用契約書だ。

 

 もともとミランダは、アルゼナルから、というかジル司令から僕に向けて、かなり裁量権が広い出向人員みたいな形で差し向けられている立場であるため、そこを存分に生かさせてもらうことにした。

 

 やったことは極めて単純。ミランダに……期間限定ではあるが、『サイデリアル』所属のテストパイロットとして契約してもらい、その身柄を預けてもらった。

 

 そして彼女に、テストパイロットとして、サイデリアル製の機動兵器に乗ってみてもらう、あるいは、兵器を使ってみてもらう……という形にしたわけである。

 

 わざわざそんな風に立場を用意する必要があったのかと聞かれれば、それはもちろん、ある。

 詳しい説明は省くけど……主に守秘義務とか、秘匿技術とか、そのへんの関係で。

 

 ミランダの乗っているパラメイル『グレイブ』をベースにして、それを改良するような形で作成を進めていくつもりだ。

 あまり操作感が違いすぎると、かえって戦力ダウンになっちゃうからな。彼女が動かし慣れている形、なるべくそのままを保ったものに仕上げるのがいいだろう。何、そうだとしても、いくらでもやれることはある。

 

 ……もっとも、パラメイルじゃなくて、うちで作ってる機動兵器をそのまま使ってもらえれば、それはそれでもっと安定した戦力にはなったと思うんだけどね。

 ミレーネルの『アンゲロイ』とか……あるいは、今丁度開発を進めてる……『アレ』とか。

 

 操作感違いすぎるから無理だろうけどね。大きさ、3倍くらい違うし。

 

 ただ、パラメイルって元々の設計構造が問題ありだからなあ……紙装甲・高機動の機体で、サバイバビリティが完全に最低限以下だから……人命を思い切り軽視した設計だから……。

 それなら、大人しく『アンゲロイ』あたりに乗ってもらった方が、コクピット周りの装甲も分厚いし、安全面も……まあ、今言ったってしょうがないか。

 

 さて、今だけはミランダも僕の『部下』だ。

 彼女の望み通り、強くなるための新たな機体、さっさと用意してあげないと。

 

 

 

 

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