スーパーロボット大戦 とある蛇使い座の日記   作:破戒僧

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第59話 ZERO

 

【▽月&日】

 

 ちょっと昨日は、その……動転しすぎて、

 というかいろいろありすぎてまともな日記が書けなかったため、昨日の分も今日のこの日記に書き記しておこうと思う。

 

 正直、思い出すのも疲れるようなことが……ことばかりが起こったんだが……きちんと記録しないわけにはいかないし。

 

 結論から申し上げますと……戦いの前に僕が懸念していた『嫌な予感』について……『半分』当たった。

 当たったとも、外れたとも言える結果になった。

 

 けど率直に言って、あれならもう、なんか……普通に当たってくれたほうがまだよかったんじゃないかと正直、思う。

 

 何が起こったか、具体的に説明しようか。

 

 

 

 まず、Dr.ヘルとの戦いは、予定通りに進み……ブロッケンもあしゅらも倒すことに成功した。

 

 その後さらに、首領であるDr.ヘルも出てきたけど、集結した独立部隊の力の前には、自慢の『地獄王ゴードン』も及ばず……あえなく撃墜。

 

 このへんの戦いについては……特に描写することは、正直、ない。

 普通に戦って、普通に勝っただけだからな……それなりに激戦だったとは思うけど、正直、順当にいった結果以外の何物でもない、とも思うし。

 

 しかし……その直後、ついさっき倒したと思っていたあしゅら男爵が、『お前下がってろ』というDr.ヘルの命令を無視して戦場に舞い戻ってきた。

 

 再度の命令違反をとがめるヘルだったが、すでにその時、あしゅらの洗脳は解けていたため……『よくもだましてくれたな!』っていう感じのあしゅら男爵の一撃によって、地獄王ゴードンもろとも、Dr.ヘルは退場させられた。

 

 ……で、まあ、あしゅら男爵が戻ってきたあたりで『やばいなあ……』とは思ってたんだけども……案の定この後、あしゅら男爵は、乗っていた『機械獣あしゅら男爵』を自爆させ……いけにえの儀式を強行。

 

 光子力研究所の近く(敷地内?)にどでかいクレーターができ……その中心に、巨大で、禍々しい体を持った『神』が姿を現していた。

 ミケーネ三大神の一柱『ハーデス』……そしてそれに付き従う、ミケーネの神々が。

 

 持っている武器は、剣とか鎌、あるいは素手ですらある、原始的な戦い方ではあるけど……ある世界では『高次元生命体』とも呼ばれる存在だった彼らが振るうそれらの武器は、前情報通りに強力無比であり……機械獣なんかとは比べ物にならないレベルの脅威だった。

 

 Dr.ヘルの軍勢をたやすく退けた独立部隊であっても……連戦であるということを差し引いても、目に見えて苦戦する相手だったからな……。

 

 もちろん僕も、『ヘリオース』を開放し、SPIGOTも使って全力で戦ったものの……それでも、一度にはミケーネ神の1~2体を相手にするので精いっぱいだった。

 あいつらの戦い方、シンプルだからこそ厄介なんだよなあ……サイズもでかいし、タフだし。

 

 しかも、1対1以上で余裕のある戦いをしてみせたり、なんなら何体か撃破すらしたからか……この部隊の中で最も警戒すべきは誰かってことで、マジンガーZに並んで脅威判定されて、他からもさらに手の空いてるのが襲ってくるようになっちゃったし。ほんとに大変だった。

 

 最後には、奥で仁王立ちして笑っていたハーデスも参戦してきたし。

 そのハーデスが、いけにえになって死んだあしゅらを、パワーアップさせて復活させたり、腹心である『勇者ガラダブラ』を召喚したり、まあ混沌が加速する加速する……

 

 そして、そのハーデスが標的に定めたのは、僕ではなく……『まずはお前からだ』的な感じで……マジンガーZだった。

 

 もちろん、マジンガーも……それに乗っている甲児君も、全力で立ち向かいはしたものの……力及ばず追い詰められ、もはや絶体絶命というところまできて。

 

 これは、多少無理してでも、次元力を全開にして介入したほうがいいか……なんて僕が考えた、その時だった。

 

 ……予想だにしなかった、特大のイレギュラーが姿を現したのは。

 

 

 

 ……何、『マジンガーZERO』って?

 

 何なの、あのやばいどころじゃない戦闘能力?

 

 てか、思いっきり暴走してどっか行っちゃったんだけど!?

 

 

 

 ハーデスに追い詰められたマジンガーから、『魔神パワー』なる未知のエネルギーが迸ったかと思ったその瞬間……マジンガーZの姿が、一瞬にして変わった。

 

 背部に装着されていた、悪魔の翼のような形状の『ゴッドスクランダー』は、数字の『0』のような形で、その中心を斜めに1本の槍が貫いたような形状になり、

 

 機体がどこか有機体じみた、全体的にマッシブな形状に変化し……両腕に『アイアンカッター』の時に現れるそれに似た刃が出現。

 

 目の部分には、さっきまでは確実になかったはずの『瞳』が形作られていて……口のところの、いくつものスリットが走っている装甲だったパーツが、まるで牙の生えた口みたいになって……

 

 他にも、胸の放熱板とか、頭のパイルダーやそのドッキング部分なんかも含めて、全体的にこう……まさしく『魔神』とでも呼べるような、禍々しい変容を遂げた。

 

 その機体は……乗っている甲児君はそれを『マジンガーZERO』と呼び……その目から、十重二十重に発射した馬鹿げた威力の光子力ビームで、ハーデスを一撃で消滅させた。

 ガチの瞬殺である。相手にもなってない感じ。

 

 あと、ある意味当然といえば当然なんだけど……そのやばい光子力ビームの影響というか余波で、地形があのクレーター以上に盛大に変わった上、何体も他のミケーネ神が巻き込まれて消し飛ばされた。

 

 これにはさすがに残ったミケーネ神達も驚いたというか、焦ったようで……あしゅらやガラダブラ、そしてそのすぐ後に合流してきた『暗黒大将軍』なる奴らと一緒になって、その場から退散していった。

 

 さて……まあでも、予想外の変容はあったとはいえ、ここで終わってくれればまだマシというか、むしろ問題なかったかもしれないんだけど……生憎とそうもいかなくて。

 

 なんかしれっと脱出して生きていたらしい、Dr.ヘル(タロスに乗って登場)の余計な一言が原因で――兜十蔵博士は、甲児君をも、その究極のマジンガーのパーツとして考えていたとか何とか――それを聞いた甲児君は、冷静さを失って錯乱状態になり……Dr.ヘルの乗っていたタロスを消し飛ばし、そのままマジンガーごと姿をくらましてしまったのである。

 

 その最後に見た姿は、誰がどう見ても、ただ事じゃないというか……機体を制御できていなくて、暴走したというような状態で……コクピットの中から聞こえた、甲児君の、悲鳴とも慟哭ともとれる声が、やたらと耳に残った。

 

 

 

 こうして、今回の戦いは……Dr.ヘルの一味は壊滅させたものの、今後のことを考えると、問題だらけというしかない結末を迎えたのである。

 

 ……とまあ、ここまでが昨日あったこと。

 

 そして、ここからが今日のできごとである。

 

 昨日は大変なことしかなかった1日だったのは今言ったとおりだが……まったくいいことがなかったかと言われればそうでもなく。

 Dr.ヘルの勢力の壊滅完了、ということ以外にも、成果が1つあった。鉄也さんが戻ってきたのである。

 

 もっとも、状況が状況なので、手放しで喜べるような事態ではないんだけども……どうやら鉄也さんは、あのマジンガーについても何かしら情報を持っている様子だったので、それを聞くためにも話し合いの場をきちんと設けることになった。

 

 というより、鉄也さんが唐突に僕らの元を離れて敵になったり、行く先々で立ちはだかって意味深な言葉を投げかけてきたのは……あのマジンガーの存在に理由ないし起因するところが大きかったみたいで。

 

 鉄也さん曰く、あのマジンガー……甲児君が『マジンガーZERO』と呼称していたそれは、呼び方はともかく……彼が危惧していた『魔神』としてのマジンガーなのだという。

 

 マジンガーはもともと、単なる機動兵器の枠内に収まる存在ではなく、1つの自我を持った生命体に近い存在だとか、人知を超えた『魔神パワー』なるものを操って、あらゆる物理法則を超えた戦いを可能にし、因果すら超越した力を発揮するとか……えらい物騒なワードがこれでもかと並ぶ上に、鉄也さんの顔は真剣そのものなのですよ……。

 鉄也さんは、マジンガーをあの状態にしない……『魔神』として覚醒させないために動いていたそうなんだけど、結局それはかなわなかったと。

 

 そして、このことを甲児君にも僕らにも何1つ告げずに今までいたのは、『このことを説明するという行為自体が、魔神覚醒のトリガーになる危険があったから』だとか。

 

 マジンガーは、『魔神』として覚醒するために……Dr.ヘルの言っていた通り、甲児君をその一部、ないしパーツとして取り込もうとする。そしてそれは、甲児君が絶望したり不安に心を支配されることで、心に隙ができた瞬間に、彼を取り込もうと動く。

 それこそ、彼がその時、マジンガーに乗っていようがいまいが。近くにいようが離れたところにいようが、そういうの一切関係なしに。

 

 なるほどね……そりゃ確かに、一切合切秘密にして動くには十分な理由、と言えばそうだ。

 

 話を聞かされた、竜馬さんや舞人社長達も……感情的にはともかく、鉄也さんの行動理念や、その理由の部分は……理屈としては納得できたようだった。

 

 そしてその上でだが……もちろん、とでもいえばいいのか。

 マジンガーとともに去って行ってしまった甲児君の救出に関して、誰一人諦めてはいない。

 

 今はどこにいるのかもわからない状況ではあるけど、必ず見つけ出して助け出す、と心に誓っている。それこそ、鉄也さんも含めて。

 

 鉄也さんもこのまま、独立部隊に復帰することになったし……今まで何も話さずにいたことについては、きちんと謝罪し、そして秒で受け入れられていた(デジャヴ)。

 

 ……言うまでもないけど、僕も同意見なのでよろしく。

 

 せっかく鉄也さん帰ってきたんだし、そんな状況で今度は甲児君離脱、しかもミケーネはきっちり復活して火種はマシマシの状態ってまあ……ホントにこの世界は、素直に問題を解決させてゆっくりさせてくれるってことがない世界だなあ、まったく……。

 

 

 

【▽月*日】

 

 部隊としての方針はすでに決まったってことで……そうなれば今やるべきことは、有事に備えての準備に他ならない。

 

 ただでさえ、Dr.ヘルの軍団からのミケーネ戦で、こちらの部隊に結構な損害がでているわけなので……ひとまずこれを、再度万全の状態にまでリカバリする必要があります。

 

 僕らは、ここ最近もう何度もお世話になっている『第三新東京市』に行き、またNERVのお世話になることになった。

 

 あと、サブでではあるけど、『サイデリアル 宇宙世紀世界支店』もきちんと仕事します。今回もパラレルボソンジャンプでの西暦世界からの物資輸送がうなるぜ。

 

 さて、今後相手にすることになるとすれば……一番警戒すべきは、やっぱりミケーネ。次点でガーディムだろうか。

 

 ミケーネは純粋に戦力として強大だし……仮にも『神』を名乗るだけあって、時にこちらの予想もつかないような力を振りかざしてかかってくることも多々ある。

 

 ガーディムは、戦力的な意味ではミケーネに劣るものの、あいつらほら……ここぞとばかりに、こっちが消耗したタイミングとかで襲ってくるからさ。卑怯な手もじゃんじゃん使うし。ミケーネとは別な意味でたちが悪い。

 

 その他には……『使徒』や『インベーダー』かな。

 出現するタイミングが全く読めないけど、条件次第では今述べた2つよりもやばいこともある。

 

 ああ、あと、エンブリヲがまた復活してちょっかいかけてくる可能性や……ミスルギ皇国以来、音沙汰なしの『アマルガム』にも注意か。

 

 それから、宇宙には……ええと、ネオ・ジオンは和解したからいいとしても……いたな、厄介なのがまだ。

 ガミラスと、その配下の木星帝国が。

 

 これらに対抗することを考えると……先の戦いで受けたダメージのリカバリはもちろんのこと……可能な限りの機体のパワーアップも必要ってことになるな。

 

 そのことについては皆わかっているようで。

 

 鉄也さんっていうコーチが戻ってきたことで、舞人社長や勝平君は、より一層気合を入れて訓練に励むようになったし、拮抗する実力を持つ竜馬さんたちゲッターチームも熱が入っている。

 

 甲児君と仲がよかった、さやかさん達マジンガーチームや、学生つながりで宗介君やシンジ君達もやる気になっているようだ。前に励まされたり、助けてもらったこととかあったみたいだったからな。

 

 より目に見えて気合が入ってるのは彼らが筆頭だけど、その他のメンバーも当然、気合は入っているし、自分にできること、やるべきことを探して積極的に動いている。

 

 もちろん、僕だってそうだ。

 補給役として動いている以外にも、戦力強化の面でできることは全部やるつもりだ。

 

 具体的には、さらなる『SPIGOT』を用いた次元力制御と……それに加えて、新兵器の開発も、だな。

 

 アルデバルのパワーアップや、ココ用に開発を続けている『デモンメイル』……それに、ようやく近く試作品が完成しそうな……アレとか。

 

 ……日記でまでこんなもったいぶった書き方するのもどうかと思ったんだけど、まあ気分ってことで……何がロールアウトするのかは、してみてのお楽しみ、ってことで。

 

 もし実装されれば、大きな戦力になることはまず間違いなし……とだけ言っておこう。

 

 

 

 

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