スーパーロボット大戦 とある蛇使い座の日記   作:破戒僧

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第86話 エル・ミレニウム

 

 エル・ミレニウム。

 それは、『多元世界』に存在した、『御使い』の戦力の名である。

 

 全身がクリスタルでできた、怪獣のような姿をしており……一見すると生き物のように見えなくもないが、その正体はれっきとした兵器。

 

 文明がある一定の技術レベルに至った惑星に『御使い』によって1体から3体が送り込まれ、極点で休眠。

 その星の文明が、『御使い』の意に反した進化を遂げると、それを感知して覚醒……破壊と殺戮の限りを尽くして暴れまわり、その星の全てを滅ぼすまで止まることはない。

 

 その無慈悲なまでの戦闘能力から、銀河の伝承の中では『審判の巨獣』という名で恐れられている。

 

 その怪物が……惑星レプタボーダに眠っていた。

 そして、エンブリヲがそれに干渉したことにより覚醒、目覚めた己の使命に従い……その星の全てを滅ぼすべく動き出した。

 

 

 

「こちら古代! ユリーシャさんからの情報によれば、あれははるか昔に存在した文明が作り出した古代兵器! 非常に戦闘能力が高く危険な存在で、決して戦ってはならない、直ちに脱出するべきだとのことです!」

 

「古代兵器……確かに、まともな生物の見た目はしてねえが……」

 

「ユリーシャさんがそこまで危惧するなんて……本当にやばそうですね」

 

 通信で古代からもたらされた情報を聞き、総司やトビアは、画面に映っているクリスタルの怪物を見て呟いた。

 

 映像越しだというのに、見ているだけで心にずしんと重圧を感じるようなその威容は、数々の戦いを潜り抜けた彼らであっても、いや彼らだからこそ、危険だと感じ取れてしまうものだった。

 

 エンブリヲの話が本当なら――当の本人はいつの間にか消えていた――あの怪物がいるのは、この星の『極点』とのこと。それであれば幸い、今いるここからは大きく距離がある。

 奴がここまで到達するより先に、ここにいる者達を救出し、避難させる必要がある。ガーディムとの戦いをこなしながらゆえ、簡単ではないだろうが……やるしかない。時間との戦いだ。

 

 沖田艦長がそう判断し、全艦に号令を出そうとした……その瞬間、

 

 モニターに映っていた『極点』の景色の中から……その姿が突如として消えた。

 

 そして同時に、『地球艦隊・天駆』が展開している、その目の前の空間に……その、クリスタルの巨体が現れ……大きく地を揺らして降り立った。

 

「「「……は?」」」

 

 突然のことに、そこにいる面々の理解が追いつかない。

 今の今まで、数百キロではきかない距離を離れた位置にいたはずのそれが、いきなり目の前に現れたのだから……無理もないことではある。

 

 その怪獣が、『次元力』を使った転移による瞬間移動を使うことができ、少なくとも同じ惑星にいるのであれば、その裏側にいようと油断できない……などとは、知らなかったのだから。

 

 だがしかし、その一瞬の隙は……この戦いにおいては、致命的というほかないもので。

 

 ――――――――ッ!!

 

 モニター越しではない、直に彼らの耳に届いたその咆哮は……歴戦の勇士である『地球艦隊・天駆』の心にすら畏怖と動揺を与え……それ以外の、レプタボーダにいた者達には、それだけで心を折るほどの甚大なダメージをもたらした。

 

 そして、それだけで終わるはずもなく……エル・ミレニウムは一歩を踏み出すと、大きく息を吸うような動作とともに、体内で膨大なエネルギーを練り上げ……

 

「避けろぉぉおおぉおっ!!」

 

 直感的にその危険を感じ取った竜馬の号令に、前線にいた機動部隊各機が全力で回避に動く。

 

 その直後、エル・ミレニウムの口から、次元力でできた虹色の光炎が放たれ……その射線上にあったもの全てが焼き滅ぼされて消滅した。

 

 建物も、兵器も、大地も……人も。

 収容所の敷地内の一角をかすめた炎は、直撃せずともその余波だけで、その周囲の建物を崩壊せしめ、地面をえぐり地形を変え、そこにいた人々の命を奪い去ってしまった。

 

 戦艦の主砲による砲撃、あるいはそれ以上の威力があるのは明らかだった。

 

 そのことに気づいて義憤に燃えたのは、この中で誰よりも強く『正義』を心に燃やす、旋風寺舞人とグレートマイトガイン、そして彼とともに修行してきた、神勝平とザンボット3だった。

 

「それ以上はさせないぞ! 行くぞガイン!」

 

「ああ! 動輪剣ッ!」

 

「俺たちも行くぜ、やめやがれ怪獣野郎!」

 

「待て舞人! 勝平! 不用意に近づくな!」

 

 鉄也が止めようとするも、既にブースターに火を入れて加速を始めていた2機は、両側から挟み込むように攻撃を加える。

 

 グレートマイトガインの剣が、横一線の太刀筋で首を刈り取ろうとするが……その瞬間、鈍重そうな見た目に似合わず素早く動いたエル・ミレニウムは、その刃をつかみ取って防いでしまう。

 

 反対側から放たれた、ザンボット3のムーンアタックは……直撃したにもかかわらず、まるで効いていない様子だった。

 

 その無機質な瞳がこちらをとらえた瞬間、舞人はまずいと直感し、グレートマイトガインに剣を手放させ、大きく飛んで後退するが……その一瞬後には、既に目の前にその巨体が迫っていた。

 

「なっ……ぐああぁあっ!?」

 

「舞人さんっ!?」

 

 翼もないのに、当然のように飛翔して追いついた巨獣。

 振り下ろされた爪の一撃で叩き落され……グレートマイトガインは地面に激突してしまう。

 

 サリーの悲鳴が上がる中、エル・ミレニウムは追撃とばかりに口の中に再び光を蓄え始める。今度の標的は……地上に落とされたグレートマイトガインのであることは明らかだった。直撃すれば……ただでは済まない。

 

「やめろーっ!!」

 

 その背後から飛び蹴りを放って攻撃をやめさせようとするザンボット3。

 しかし、後ろに視線も向けずに振るわれた尾の薙ぎ払いで吹き飛ばされ、くるくると回転して宙を舞い……こちらも地面に叩き落された。

 

 しかし、その一瞬の間に、素早く回り込んだマジンエンペラーGが、真下で倒れていたグレートマイトガインを救出していた。

 

「全員気をつけろ! イスカンダルの姫さんの言った通りだ……こいつ只モンじゃねえぞ!」

 

「グレートマイトガインが一撃であんな風に……しかも、あんなに大きいのに、とんでもなく速いし、ザンボットの攻撃が直撃してたのに全然効いてないし……」

 

「レプタボーダの古代人ってのはどえらいもん作ってたみたいだな……エンブリヲの奴、とんでもないものを目覚めさせていきやがって!」

 

「あいつは絶対いつか地獄に落とすとして! こいつ放っておいたらホントにこの星の全部を滅ぼしかねないわ! あいつが暴れる中で救助活動なんでできっこないし……」

 

「ならさっさと倒すしかねえだろ! 覚悟決めろ、行くぞお前ら!」

 

 言うが早いか、真ゲッターが真っ先に飛び込んでいき……それに続いて、マジンエンペラーGとダイターン3も飛ぶ。

 マジンガーZとエヴァンゲリオン初号機は、それぞれ姿を変え、ZEROと覚醒形態になってそれに続く。

 

 反対側からはヘリオースとヴァングネクス、グルンガストにヴィルキスが回り込み、モビルスールやAS各機は離れた位置からファンネルやドラグーン、遠距離での砲撃で援護に移る。

 

 真上からトマホークを振り下ろして頭を両断しようとする真ゲッターだが、エル・ミレニウムはそれを全く意にも介さずに、頭でそのまま受け止めて弾き……腕を振り上げて真ゲッターめがけてたたきつける。

 しかしその瞬間、真ゲッターは一瞬で分離して再合体……白い機体が特徴的な『真ゲッター2』となり、腕のドリルで地中深く潜ってしまった。

 

 続けてマジンエンペラーGが手にした剣をふるい、幾度もフェイントを織り交ぜた一撃でエル・ミレニウムの防御を潜り抜けて斬り付ける。

 しかし、その体にはほとんど傷がついたようには見えず、ちっ、と舌打ちしてその場から離れた。

 

 それを追う前にダイターン3の鉄球が打ち据えて動きを止める。

 怯んだところに、アンジュのヴィルキスが目の前に現れ……エネルギーを注いで巨大化させた剣をふるって、目を2つ同時に切り付けた。

 

 普通の生物が相手なら致命の一撃であるが……

 

「ちっ……やっぱ効いてないか」

 

「まあ、兵器だしな……けど、隙はできた!」

 

 目障りに思ったヴィルキスを落とそうとしたのか、腕を振り上げたところで、再びヴィルキスが転移して離脱。

 その死角から、ヴァングネクスが最大出力の陽電子砲を放つ。

 

 その直撃を受けても、巨体はほとんど揺るがなかったが、それを援護射撃に飛び込んだグルンガストが首元めがけて剣をふるい……しかし弾かれる。

 

「ホンット硬い! 何でできてんのこれ!?」

 

「エネルギー砲も実体剣による物理攻撃も効かんとは……だがしかし、これならどうだ!? ブラックホールキャノン、発射!」

 

 局所的な超重力で対象を圧砕する、漆黒の砲弾がヒュッケバインの持つ大砲から放たれる。

 

 それと同時に、突然エル・ミレニウムの足元が崩れ……一瞬その動きが止められる。

 見ると、その巨体を取り囲むように地面にひびが入り……落とし穴のようになっていた。

 

 その直後、離れた位置の地面から出てきた真ゲッター2。あの時地面に飛び込んだのはこのためだったのかと、その光景を見ていた全員が納得した。

 

 そしてその一瞬に、ヒュッケバインの放ったブラックホールキャノンが直撃。

 発生した超重力に空間がゆがみ、周囲の地面や瓦礫の塊を引き寄せ、エル・ミレニウムの体を圧壊させようとするが……その破壊的な空間の中でも、巨獣は健在だった。

 

「っ……光すら捻じ曲げる超重力でも効かんとは……何っ!?」

 

 歯噛みするヴェルトの目の前に、次の瞬間、またしても次元力で空間を超えたエル・ミレニウムがその姿を現し……いつの間にかチャージを終えていた光炎を吹き付けようとする。

 

「させるかぁぁああぁっ!!」

 

 その真下から跳躍してきた初号機が、光り輝く腕で拳を握り、アッパーカットの要領で殴りつける。と、同時にそこから衝撃波を放ち……強引にその口を閉じさせた。

 その結果、光炎はエル・ミレニウムの口の中で暴発し……一瞬遅れて、上向きに頭がカチ上げられてから上空に噴き出し、そらを虹色に染めた。

 

 ゼロ距離での衝撃波に加え、体内で戦艦の砲撃に匹敵する火力が暴発したことで、今回ばかりは少なくないダメージが入った様子である。

 

「よーし、いいぞ……いい位置に来た!」

 

 その時、上空に回り込んでいたヘリオースが、練りに練ってためていた次元力を拳に凝縮し……同時に、目の前に『SPIGOT』を直列に展開。

 以前、ミスルギ皇国で見せた……『暁の御柱』を消し飛ばした時と同じ光景がそこにあった。

 

 直後に解放されたエネルギーの砲撃が、6つのSPIGOTによって凝縮されて……そのまま、口を閉じる直前のエル・ミレニウムの体内に打ち込まれ、内部で爆発を起こす。

 体の中から立て続けに大ダメージを受け、さすがに効いたのか、巨体がわずかによろける。

 

「少しずつだが、効いてるぞ! こいつも不死身じゃねえ、倒せる!」

 

「だが、ちまちま攻撃してたんじゃキリがないな……コーウェン達の時みたいに、一気にでかいのをぶち込めればいいんだが……」

 

「ここは収容施設が近すぎる。戦艦の砲撃や、大威力の攻撃を叩き込もうとすると、確実に巻き込んでしまうだろう。古代戦術長、被収容者達の避難はどうなってる?」

 

 隼人の問いかけに、古代は通信の向こうで苦々し気に答える。

 

「すまない、どう急いでもあと20分はかかりそうだ……!」

 

 戦闘に参加しているメンバーの他は、襲ってくるガーディムの相手や、避難者たちの誘導をしている、その1人が古代だが、状況はやはり芳しくないようだ。

 

「かなり多くの囚人が衰弱していて、思うように動けないんだ。ミレーネルから聞いてはいたが……ここでの待遇は、お世辞にも人道的とは言えないものだったようだな……」

 

「ちっ……ガミ公共、こんなところでまで足を引っ張るかよ……同じガミラスでも、メルダ達とはどうしてこうも違うかね?」

 

「今言っていても仕方ないでしょう。古代戦術長はそのまま避難誘導を続けてください」

 

「くそっ……どうにかして奴を、人のいないところまでおびき出せればいいんだが……」

 

「ルリ艦長! ナデシコのボソンジャンプであいつを宇宙空間に放り出せませんか?」

 

「難しいです。あの大きさと攻撃力では、フィールドを展開して跳躍する前に撃墜されてしまいます」

 

「……僕に考えがある」

 

 その言葉を聞いて、声の主……ミツルに、一斉に視線が集まる。

 

「ちょっとの間、あいつの相手を頼む。ミレーネル、そっち行くから受け入れ準備お願い!」

 

「えっ!? りょ、了解!」

 

「そうか……さっきと同じように、『ソーラーストレーガー』で皆を強化するんだな!」

 

 甲児の言葉に、ちょうどソーラーストレーガーに戻り、コアユニットとして機体を接続した直後だったミツルは、

 

「それもあるけど……それにしたってまずは、周囲への被害を出さないためにも、こいつを引き離さなきゃいけない。ミレーネル、オペレーション……『タウラ』!」

 

「了解! オペレーション・タウラ、実行! 前面防壁全力展開……並びに、周囲の空間への次元干渉開始、ワームホール形成、最大船速・ショックアブソーバー全開……行くわよミツル!」

 

「OK! ヒア・ウィー・ゴーッ!!」

 

 その直後、『ソーラーストレーガー』は膨大な次元力をまとって加速し……同時に、その目の前に、空間をゆがませて作った極彩色の穴が出現。

 

 急加速してそこに飛び込んだ『ソーラーストレーガー』は……次の瞬間、『エル・ミレニウム』の眼前に、同じワームホールを開いて現れ……そのまま……

 

「突っ込んだ!?」

 

「お、おい、大丈夫なのかよ、モロにぶち当たったぞ!?」

 

 そのまま高速で激突。

 その前面に装甲が集中している上、艦全体が矢じりのような形状をしていることや、視認可能なほどの強度でシールドを張ることにより、衝角で激突したような形になり……全くとは言わないが、艦の方の損傷はごく軽微だった。

 

 そのまま『エル・ミレニウム』の巨体を轢いて、押し出すようにして前進し……さらにその背後にワームホールを開いてその中に弾き飛ばし、放り込む。

 その直後にまた別なワームホールを開いて、『ソーラーストレーガー』はそちらに飛び込む。

 

 すると、上空に現れたワームホールから放り出されて『エル・ミレニウム』が出て来て……それをさらに別なワームホールから出てきた『ソーラーストレーガー』が激突して弾き飛ばす。

 ワームホールが開き、放り込まれる巨獣。別なワームホールに飛び込む戦艦。

 

 その繰り返して……まるでドリブルでもするように、『ソーラーストレーガー』は、巨獣を遠くへ、遠くへ弾き飛ばしていく。

 

 が、さすがにそれはいつまでも続かず……何度目かの激突の際、体をひねって回避されてしまい……ワームホールではなく、地面に叩き落すにとどまった。

 

 それでも。その位置は……

 

「よぉし、でかしたミツル!」

 

「ミレーネルさんもお疲れ様! あとは俺達に任せろ!」

 

 十分に、収容所から離れた位置だった。

 多少、地形が変わるくらいの威力の攻撃を繰り出して暴れても、余波で死傷者が出ないだろう程度には。

 

 『エル・ミレニウム』の巨体めがけて……ゲッター線の光を全身に纏った、真ゲッターと真ゲッタードラゴンが、すさまじい勢いで突撃していく。

 

「「「シャイン……スパァァアアァァク」」」

 

「暴れられると思ったとたんにこれだよあの人たちは……」

 

 ミツルが小声でぼそっと呟く前で、盛大に大地をえぐりながら『エル・ミレニウム』にそのエネルギーを直撃させて吹き飛ばす。

 超巨大化したコーウェン&スティンガーにも大打撃を与えたその一撃に、さすがの巨獣も体がきしみ始め……しかし、それだけでは終わらない。

 

 弾き飛ばされたエル・ミレニウムに、すさまじい速さで飛翔したマジンエンペラーGが追いつき……目にもとまらぬ剣戟の嵐が襲い掛かる。

 

「魔刃……一閃!!」

 

 とどめとばかりに叩き込まれたエンペラーソードの一撃は、真ゲッターの攻撃で傷ついたカ所に寸分違わず撃ち込まれ、その傷を広げる。

 

 それでも、痛覚というもののない巨獣は、攻撃直後のエンペラーに、反撃の爪を叩きつけようとして……その真横から発射された、グレートマイトガインのパーフェクトキャノンが直撃。

 さらに逆方向からは、ザンボット3のムーンアタックと、今度はダイターン3のサン・アタックが直撃し、立て続けに爆発が起こる。

 

 さっきは世話になったな、とでも言わんばかりの逆襲の直後に……空間跳躍で現れたヴィルキスが、その眼前で……ほぼゼロ距離で『ディスコード・フェイザー』を放つ。

 

 吹き付ける次元の嵐をどうにか振りほどこうと暴れる巨獣だが、

 

「うおおおぉぉぉっ!!」

 

 咆哮ととともに高速で突撃してきたマジンガーZEROが、自分よりも何倍も大きいその巨体を持ち上げ、振り回し、なぎ倒す。

 そして、倒れ伏した巨体の上に乗り……真下に、ゼロ距離で、光子力ビームを放った。

 

 小型の天体であれば貫通してしまうであろう、出鱈目な威力の破壊光線の豪雨。

 それが全段命中し、『エル・ミレニウム』の体も……ダメージの限界を超え、ついに砕けていく。

 

 それでも、最後のあがきに光炎を放ち、黒鉄の魔神を道連れにしようとするが……その直後にマジンガーZEROは素早くそこを離れ……

 

 その直上に、まるで緑色の太陽を両手で掲げて持っているかのようにして君臨している、ヘリオースの姿を、巨獣は見た。

 全方位攻撃の『ソール・ネオランビス』や、灼熱の光弾を叩きつける『ソール・インペトゥス』……そのどちらとも違う、明らかにそれらよりも強力で危険。

 

 恐らく、真ゲッターやマジンガー達が猛攻をかけてきている間中ずっと、練り上げてため続けた膨大な次元力。

 

 さらによく見れば、掲げている緑の光球のみならず……ヘリオース自体も、炎のように揺らいで竜巻のように渦巻く、膨大な次元力をその身にまとい、機体を大幅に強化していた。

 

 そして、そこから光球体はさらに変容し……ヘリオースの手元で凝縮して小さくなっていく。

 

 同時に、SPIGOTが飛来し、その光球の周囲で……その姿を『変容』させた。

 『変形』ではない。『変容』である。明らかに構造的に考えられない形で姿を変え……合体し……その光球を軸にした、『剣』になった。

 

「過去も……絶望も……!」

 

 その剣の柄をヘリオースが握ると、そこに光の刀身が出現。

 

 あまりのエネルギー密度に、周囲の空間が歪んで軋む。

 少し動かすだけで、世界が悲鳴を上げる。

 

「その全てを……断ち切る!」

 

 次元力の6枚の光翼を輝かせ、一瞬にして『エル・ミレニウム』のすぐそばに降り立ったヘリオースは、掬い上げるように剣をふるい、その巨体をわずかに浮かせると……それをさらに蹴り上げて空高く吹き飛ばす。

 

 そして、空中に放り出された巨体をさらに連続で斬りつけ、蹴り上げ……とどめに……大上段に振りかぶった光剣の全エネルギーを開放しながら、縦一線に振り下ろした。

 

「ジ・オーバーライザー・アァ―――ク!!!」

 

 その一撃は、城塞のごとき鉄壁を誇っていた『エル・ミレニウム』の体を両断。

 

 その全身から、光の粒子の混じった爆炎を吹き上げ……砕け散り、消えていく。

 星1つを滅ぼしかねない巨獣は、こうしてとうとう、最期の時を迎えた。

 

 

 

 

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