これからもどうぞよろしくお願いいたします。
第8話、どうぞ。
第8話 流れ着いた先は……
【×月△日】
……上手くいきませんでした。
いや、ホントに、もお……何コレ。
何、この……次元断層に落ちた時以上の異常事態は?
いやでも、スパロボで考えれば割と起こり得ることと言えばそうなのかもしれないけども……。
それにしたって、いきなり異世界、ないし並行世界って何なんだよぉ……(泣)
【×月□日】
ショックのあまり1日無駄にしてしまったけど、とりあえず昨日……いや、一昨日か。あったことをまとめようかと思う。
ついでに、今日確認できた色々な新事実その他についても。今日の日記は長くなりそうだ。
まず、次元断層を出ようとしたところまで話は遡る。
ヤマトが波動砲でぶち抜いて開けてくれた出入り口は、ガミラスの戦艦が余裕で通れるくらいには大きかったし、閉じる気配もなかったので……ちょっと緊張しつつも、僕はそこを通過した。
が、通過する瞬間、前方に……すなわち、出口の向こうに、かなり大きな次元震の発生を感知した。その余波ないしエネルギーが、ここまで届くレベルのものだった。
それを受けて、たちまち艦のコントロールは利かなくなり、レーダーやバランサー、その他の正常に航行するためのシステムも、全てが狂っていく。
これはマジでやばい、と直感した僕は、とっさに格納庫に走り、アスクレプスに乗り込んだ。
そして次の瞬間、艦は発生した次元震に引き込まれて次元の流れに巻き込まれ……激流に流されるゴムボートのように、上下左右にこれでもかと揺れながら押し流されていった。
戦艦と言えども耐えきれず、崩壊していくガミラスの艦。
システムをいじって、アスクレプスのコクピットからでも艦の操作はできるようにはしてたんだけど……明らかに、操作テク程度でどうにかなるようなもんじゃなかった。
もうこれはダメだ、ここにいたら死ぬ。
そう思い、意を決して僕は、格納庫の扉をぶち破ってアスクレプス単体で脱出した。
その数秒後か十数秒後に、ガミラス艦は後ろの方で爆散したのが目の端に見えたけど……それを悲しんでいる暇も余裕も僕にはなかった。
次元流の中、必死でアスクレプスを操って落ちないように(落ちる、ってどこに落ちるのかは分かんないけど、そういう表現がふさわしい気がした)……サーファーが波に乗る感じで、流れをつかんで渡って行く。
サーフィンとかしたことないので、ただのイメージですけどね。悪しからず。
けどそれも限界に来そうになったところで……いわゆる『火事場の馬鹿力』って奴なんだろうな。
僕は、今までできなかった『次元転移』に成功した。
正確には、スパロボでアドヴェントが見せたような『次元転移』そのものではなかったと思うけど……一瞬、ふっと気が遠くなった次の瞬間、かあっと頭が熱くなったと思ったら、急に体の中から力が湧きあがってくるのを感じた。
そして同時に、『今ならいける』という感じもした。
その感覚に任せて次元力を開放……そして僕は、アスクレプス単体の力で次元震を起こし、次元の壁をぶち破り、外に出ることに成功したのだ。
こうして通常空間にどうにか復帰した僕だったが……ほっとしたのもつかの間、何かが、いや、何もかもがおかしいことに気づいた。
目の前に、青い海が広がっていたのだ。
そう、地球にはもはやないはずの、青い海が。
アスクレプスのレーダーその他で確認してみると……ここは、地球だ。地球で間違いない。
空間座標はもちろん、大気組成その他、調べられるもの全てスキャンして見てみても……ここは地球である、以外の結論は出てこない。
しかし、僕のいた世界の地球は……『遊星爆弾』を落とされまくって干上がってしまっていたはずで……こんな風に水が残っているはずがないのだ。
加えて、まき散らされたガミラスの植物によって、空気は汚染が進んでいるはず。
何もかもが違うのに、『地球』であることは間違いない……ということは、だ。
どうやら僕は、太陽系の外ですらあったはずのあの位置から、一気に地球にまで戻ってきた上に……地球は地球でも、並行世界の地球に来てしまったらしい、とその時気付いた。
ここまでが、一昨日の出来事。
この後、昨日一日はショックで呆然として、何もやる気が出ずに、アスクレプスのコクピットでぼーっとして過ごしたので、省略。
今日になって、このままぼーっとしていても仕方がないと思い立って、行動開始。
……と言っても、行き当たりばったりで動き出すのもどうかと思ったので、まずはこの世界の世界情勢?みたいなものを調べようと思った。
アスクレプスには、ネット回線に接続する機能も備わっていたので、それを使ってみたんだけど……出るわ出るわ、目を疑うような情報の数々。
この世界にどんな年があるか、ここさいきんどんな事件があったか、そして何より、どんなロボットが存在するか……その辺を重点的に調べてみたんだけど。
『オーブ』
『プラント』
『ソレスタルビーイング』
『ガンダム』
『コーディネーター』と『ナチュラル』
『イオリア・シュヘンベルグ』
『メガノイド』
……少なくとも、SEED系と00系の2つのガンダム作品が混在していることがわかりました、はい。
あと、なんか『ダイターン3』もいそうですね?
しかもなんか、今まさに各地で戦乱真っただ中、あるいは終わったとしてもその直後で、世界情勢がかなり不安定って感じなんですけど!?
色んな情報が錯綜してて、何が真実で何がダミーないしフェイクか見分けるのめっちゃ大変! てか無理!
おまけに……重要そうなキーワードではあるんだけど、聞き覚えのないものもいくつか。
これらは多分……僕が知らない作品に関するものだな。前にも言ったけど、基本僕、Zシリーズに出てきてくれたもの以外は知らんから。
なんか、火星とか木星で色々やってるっぽいな……『木連』って何だ? 『ボソンジャンプ』……どこかで聞いたことあるような……
それと、『始祖連合国』とかいうよくわからん国もあるけど……何かこの国は、外界とあまり関わってない、鎖国状態の国っぽいな。
特権階級まで存在するみたいだし……その逆の、被差別階級もか。『マナの光』に『ノーマ』、ね……随分とまあ、世界観からして違う。ファンタジー?
これは……ちょっと大変だぞ、この世界を渡り歩くの……
『連合・プラント大戦』と『蜥蜴戦争』とやらの終結直後で、残党とかも各地にいたりしてピリピリしてる時期っぽいし……そんなところを、こんな機動兵器でうろちょろしてたら、即刻目をつけられる。
というかその前に、今僕がいるここはどこかって話なんだが……どうやら、どこかの無人島らしいな。
不時着した場所が、まず誰にも見られない場所だったのは、幸運だったと思うことにしよう。
さて、これからどうするか。
まさか、この無人島でサバイバルなんてするわけにもいかないし……ガミラスの艦は、次元流の中で失ってしまった。食料とか、色々物資積んでたのにな……。
非常時のことを考えて、アスクレプスにも多少なり積んでおいたから、当分はなんとかなるけど……やっぱり何かしらの形で、人里に行くしかないよなあ。
こちとら現代っ子だ。サバイバルの技術なんて持ってない。
あーもう、通常空間に復帰するどころか、元の世界に帰ることもできなくなっちゃったなんて……地球に物資とか届けて、ヤマトが来るまで頑張ってもらおうっていう計画ももうこれでおじゃんだよなあ……。
……っていうか、今更だけどヤマトはどうなったんだ!?
タイミングからして、ヤマトも(そして牽引していたガミラスの戦艦も、恐らく)あの次元震に巻き込まれたと思うんだけど……ま、まさか轟沈してないです……よね?
ネットを今一度見てみても、所属不明の宇宙戦艦が落ちてきたなんてニュースはどこにもない。
ない、けど……ソレスタルビーイングがいるってことは、この世界、『ヴェーダ』あるよな?
あれって、常にネットを監視して、世界規模で情報統制できるくらいの性能持ってたはず……もし故意に隠されてたら、見つける術はない気がする。
時期的にも今は、イノベイド連中が調子こいてる時期だと思われるし……
……考えれば考えるほど、なんかよろしくない状況にいるってことが明らかになって行く気がする……気が滅入りそうだ。
立ち直ったばかりではあるけど、今日のところはこの辺にしよう。
【×月▽日】
地獄に仏、あるいは不幸中の幸い……と言えばいいか。
ちょっと今日は、こんな状況だけど、救いになる、嬉しい事実がいくつか明らかになった。
次元流の中で、『次元転移』を使えるようになったことを思い出した僕は、今一度アスクレプスに乗ってそれを使ってみた。
その結果、『バースカル』に戻れることが判明した!
やったぜ、これで拠点の心配はしなくていい!
アスクレプスに乗りさえすれば、自動車で通勤するかのごとく気軽にあの万能生産拠点兼仮住まいに戻れる!
……ただ、そのバースカルがある『次元断層』から、当初の予定通り、出番が来なかった『DECバリスタ』を使って通常空間に出ようとしたら……それは上手くいかなかった。
なんか、あの時の次元震の影響で、あのへんの時空がおかしな感じになってて、上手く通常空間に復帰できなかったのだ。
加えて、アスクレプスの次元転移は、どうやら僕が『次元転移習得後に行ったことがある場所』にしか行けないようだ。ドラ○エのル○ラみたいだな。
あらかじめ次元座標を記録してたバースカルは例外だけど……コレを使ってもとの世界に戻ることは、やはりできそうになかった。
まあ、あそことこの世界を行き来できるってだけで御の字、ないし十分だと思うことにしよう。
しかしそうなると、結局この世界でどう生きていくかを考えなきゃいけないな。
バースカルには食料生産設備もあるけど、それだって有限だ。何年も引きこもることはできない以上……率直な話、こっちの世界で生活基盤をどうにか確立する必要がある。
色々と面倒な世界情勢っぽいけど、元の世界みたいに、地球人類が滅ぶ寸前まで追い詰められてるって感じでもないので、どうにかなるとは思う。
そのへんに役立ちそうな知識は……幸いにも、この体の元の持ち主である、星川少年の頭の中に色々と入ってるようだし……既に案もいくつかある。
あ、今更だけど、僕は今『バースカル』の自室でコレを書いてます。
明日から行動開始……と言いたいところだけど、明日と、もしかしたら明後日までかけて、色々と準備だな。
ネットを使っての調査がメインだけど、あっちで使える足の確保や、その他色々……やることはいくらでもある。
けど、準備を疎かにするわけにはいかない。
きちんと準備ができたら、動き始めるとしよう。