最強になれと言われても他の妹姉の方がずっと強いので無理と言ったら両親に泣かれ、じゃあ修行に行きますと言ったら姉妹に泣かれたんだがどうしろと言うんだ?   作:ジラフ

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槍王様のお気持ち

「っ!?」

 

 飛び起きる、それだけの動作に痛みが伴う。これは代償、過ぎた力を行使した自分に下された罰。それは別に良い、予想通りだ。問題は俺の意識が夢の中にある間に何が起こってしまったかだ。最悪の場合、俺の首が飛びかねない。

 

「ここ、は」

 

 景色の情報を得る。見覚えはない、なぜかふかふかのベッド。天蓋付きの超高級品。少なくとも来賓クラスが泊まるような部屋だ。今の俺をこんなところに入れる相手はもう1人しかいない。槍王ロン以外には考えられない。

 

「城か? んぁっ!?」

 

 爆発音、そして震動、この爆発はカタハか!?

 

「こっちだ!!」

 

 城の造りは分からなくとも、方向と震動でどっちから爆発が起きているかは分かる。大事になる前に、大事になる前にぃいいいいい!!!!

 

「ここだぁあああああああああああ!!」

 

 なんか豪華な扉があったが、それを蹴り開ける。

 

「カタハァアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

 

 え?

 

「ふははははは!!! そうかそうか!!!」

「分かっていただけたようで何よりでサ」

 

 円卓を囲んで談笑と来たか。どういう状況?

 

「起きたか夫よ」

「……カタハが何か失礼を」

「ん? 失礼と言うならば余を1度殺した夫の方が失礼では?」

「あれは戦闘の結果です。失礼にはあたらないかと」

「勇ましい答えだ。余の夫にふさわしい」

 

 うーん、夫扱いか。

 

「カタハは何を話していたんだ」

「あてはシンの旦那のことを話していたのサ」

「具体的に」

「ははは」

「はははじゃねえ。それに身体のサイズ戻ってんじゃねえか」

「シンの旦那が無茶したせいで、戻ったのサ」

「そんな事ある!?」

「あるからこうなっているのサ」

「……証拠が目の前に居ると何も言えねぇな」

 

 ん? という事は俺の目は今潰されたままを晒しているのか。

 

「っ!? お見苦しいものを」

「何を言うか。正面の傷は戦士の誉れだ。それに、光っていてかっこいいぞ」

「光って?」

「うむ。眼窩が緑色に光っているが。そもそも余に放った一撃の際から光っていた。面白い義眼があるのだな」

「入れた覚えがないですね? なぁカタハ」

「何の事やら」

「お前以外に誰がこれをやれるのか教えて欲しいんだけど?」

「や、これは本当にあての仕業じゃないのサ。シンの旦那があの槍を使うと決めた時に勝手に生成されたものなんだナァこれが」

「勝手に?」

 

 熟練工の効果範囲に入るか?

 

「あ、いけそう」

 

 これが何の結晶なのかは分からない、見えるようになっている訳ではない。その代わり、自分の身体を焼くようなエネルギーを通すときにこれを介して負荷を減らすものみたいだな。勝手に埋め込まれたらしいが、これがなかったら俺の身体はもっと酷い状態になっていたのか。

 

「ふーん、ということはつまり」

 

 余分なエネルギーはこれを介して放出することも可能と。待てよ、つまりやろうと思えばこんな事もできるのでは?

 

「あ、地面じゃないから今は無理か」

 

 あとで試してみよう。きっと1発芸くらいにはなる。

 

「さて。夫よ、本題に入ろうではないか」

「本題、とは」

「ん? 婚礼の儀式の話だが」

「結婚ならしません」

「よく聞こえんな? もう一度言ってもらえるか」

 

 わー、次はないぞという圧を感じるな。

 

「そもそも私の姓はビクトリウスです。そんな血みどろの家と王が結ばれるなど到底ありえない話です」

「ほう、傭兵のビクトリウスとな」

「そうです、ですから」

「だからなんだ」

「や、体裁とか」

「だからなんだと言っている」

「え」

「王は余だ。余を越える権力はこの国に存在しない、余を越える戦力もだ。誰に何を言われても覆す理由などないのだ」

「すみません。言葉が1つ足りていませんでした。私は別に陛下の事が好きでは無いので結婚はできません」

「そんな遠慮をしなくとも良い? 余と夫の仲ではないか」

 

 あって数時間で婚姻とか、流石に無理だろ。政治的にも危ない匂いがぷんぷんする。

 

「あの、ごめんなさい」

「え」

「本当に好きじゃないんです」

「え、そんな事がありえるのか?」

「ご覧の通りです」

「余だぞ?」

「槍王ロン陛下であることは存じ上げております」

 

 まあ、今も鎧姿だから素顔とかは存じ上げていないけど。

 

「そ、そうだ。余の姿を見れば気が変わるはずだ!! 見るが良いこの美貌を!!」

 

 ん? 鎧が崩れ落ちて。違う方から声が

 

「余がロンである!!」

「……子ども?」

「違う違うちがーう!! 余はそういう種族なだけだ!! 舐められるからいっつも鎧姿で人前に出ているのだ!!!!」

「あー、なるほど」

「どうだ!! 麗しかろう!!!」

 

 麗しい、というか可愛らしいかな……

 

「これで気が変わっただろう!!」

「いや全く変わりません陛下」

「なんでぇ!?」

「すみません、ご期待に添えません」

「そんなぁ……」

 

 そこまでへこまれると対応に困る、というかこれ俺って生きて槍王の領土出られるのか……?

 

「うう……助けてパック」

「へいへい、お呼びでデスカ」

「夫が結婚してくれないって……」

「それは困りマシタね」

 

 なんだこいつ、ダボダボの白衣に濃いクマのある顔。大臣か何かか?

 

「ん? ンン? へぇ、随分集めたものデスネ。スカイフィッシュに人形工房、あとはオケアノスの子機と来ましたか。そりゃあ王サマも負けるわ」

 

 

 

 

 

 

 




【排熱機構・翡翠】
どうも皆様こんにちわ、この度は賢者の石製品を更にアップグレードさせる追加パーツのご案内でございます。
こちらの緑色の宝石はなんと組み込むだけでエネルギー効率を跳ね上げる代物でございます。商品の中にはこちらを組み込まないと上手く起動しないものもございますので是非ともお買い上げいただきたく思います。

一部の製品には初めから組み込まれていますが、必要になった際に駆動するようになっております。流用は非常に危険ですのでご注意ください。
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