勇者にはなれない   作:高円寺南口

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7 戦士と魔法使い

「驚いたな……あのドロシーが、あんなに小さな女の子だったなんて」

 

 周囲の喧騒が落ち着きを取り戻しつつある中、エルがそうこぼした。

 あどけない顔立ちに、彩度の低いダークブルーの瞳。勝負に備えるドロシーの姿を遠巻きに観察しながら、俺はエルの言葉に同意した。

 

「あのナリじゃ、十代前半ってトコか。クロノアより年下っぽいな」

「だろうな。けどあの子、本当にゴライアスに勝てるのか? どれだけ体格に差があるんだよ……こう言っちゃなんだが、ゴライアスの間合に踏み込んだ瞬間、終わりだと思うんだが……」

 

 エルの懸念は、観衆も意を同じとする所だったようで、あちこちで失望の声が上がっていた。

 

「やっぱ貧弱な魔法使いじゃ、屈強な戦士相手にタイマンで勝てるはずがないよなあ」

「残念だけど、あっけない勝負になりそうだねえ」

「守ってくれる前衛がいてナンボの職業だからな。ギルドマスターも、意地の悪い試合を組んだモンだぜ」

 

 俺は二杯目の麦酒(ルービー)を呷りつつ、ゴライアスとドロシーの様子を交互に眺めた。

 なるほどゴライアスが勝つのが大方の予想らしいが、俺はそう思わない。

 

 戦士に戦士の戦い方があるように、魔術士にも魔術士の流儀がある。タイマンじゃクソザコナメクジ役立たずと、散々他の職業から嘲笑を買ってきた魔法使いだ。

 ドロシーとて、何の策もなしにこの場に臨んでいる訳ではないだろう。彼女は彼女なりに勝算があって、この勝負を受けたに違いない。

 しかし……

 

 ドロシーをちらりと見て、俺は「我が心既に空なり、空なるが故に無」の境地に達した。

 

(おっぱい、全然ない……)

 

 まだ幼いこともあるのだろうが、哀しいかな。

 あれは貧乳は貧乳でも、輝かしい未来(ボインボイン)への展望が暗く閉ざされているタイプの貧乳だ。おっぱいに飽くなき探究心を抱き、日々研究に勤しんできた俺にはそれがわかってしまう。

 

 すまんなドロシー。

 

 俺は別に年下や妹系が嫌いな訳じゃない。ただ、大人のお姉さんが好きすぎるだけなんだ……登山家は海が嫌いだから山に登ってる訳じゃない。山が好きだから山に登っている。それと、同じことなんだよ――

 

 などとアホなことを考えているうちに、アリシアがバトルフィールドの中心に姿を現す。

 

「それでは皆さん、お待たせしました~。これより御前試合を始めさせていただきます! 私は本日審判を務めさせていただきます、イリヤ教団司祭のアリシアと申します。よろしくお願いします~♪」

 

 特段声を張り上げている訳でもないのに、音が確かに伝わってくる。

 強化魔法の一種だろう。俗に言うバフだ。音圧や指向性に働きかけるとかナントカで、昔から為政者の演説などにしばしば用いられてきた魔法だ。

 

 個人的に減退魔法(デバフ)は好きだが、バフは嫌いなので、裏で何が走ってるのかはようわからん。

 というか、知る気がない。バフなんぞ覚えた所で、かけたいと思う仲間がいないからな。

 

 その点、デバフはいいぞ。

 相手を不当に貶めることで、相対的に自分の価値が上がるなんて、ホント最高。天上天下唯我独尊の気分が味わえるぜ。まあその結果、そして誰もいなくなるんだけどな。

 

 正しくは、そして誰もいなくなったんじゃなくて、そして俺だけがいなくなった――

 

 以上、真実の鏡は、それを覗くものによって如何様にも姿を変えるというお話でした。

 

 バトルフィールドは、あらかじめ定められた一辺50メルトの菱形内。

 勝敗は、一方が二度場外判定を食らった場合、あるいは一方が戦闘不能であると審判がジャッジした場合に決するのだという。

 

「万一、選手の攻撃が場外に及んだ場合は、魔法アカデミーご自慢の自動守護結界がみなさんを守ってくれますので、ご安心ください……それでは早速試合開始といきたいのですが、せっかくなので、ゴライアスとドロシーの両名に、この試合に賭ける意気込みを伺いたいと思いま~す☆ では、ゴライアスさんから! どうぞ~♪」

 

 呼ばれて、ゴライアスが席を立ち、四方に丁寧にお辞儀をする。戦士なのに、まるで武闘家のような振る舞いだった。

 ゴライアスは深く息を吸い込み、よく通る声で言った。

 

「今日は日々の鍛錬の成果を示し、勇者の背中を守るにふさわしい実力を皆さんに披露したいと思います。よろしくお願いします」

 

 たぶん、戦士ギルドの連中だろう。

 人間だけでなく、ドワーフやオークといった厳めしい顔付きの連中が、「うおおおおおおおお!!」と野太い歓声を上げ、銅鑼の音と共に拍手喝采が巻き起こった。

 

 うむ。

 コメントが簡潔だったのは評価に値するが、面白味のカケラもない。真面目か。

 

 続いて、ドロシーが立ち上がる――のかと思いきや、彼女は席に座ったまま、けだるそうに膝の上に頬杖をつき、両脚を組んでいた。

 不意にパチンと指を鳴らすと、被っていたハットがふわふわと宙に浮き、120度くらい傾いた。すると次の瞬間、まるでメガホンみたいに、ハットの凹みから声が飛んだ。

 

「勝ちま~す。以上」

 

 …………え?

 キョトンとしている観客を見て、さすがにマズいと思ったのか、すかさずアリシアがフォローを入れた。

 

「ちょ、ドロシー。もっと愛想よく――」

「別によくない? 御託はいいからさっさとやりましょうよ」

「や、でも」

「しつこい」

「うぐ……」

「ねえアリシア。これは誰のための試合? 勇者? 私? ゴライアス? 少なくとも、貴方のためではないわよね。それとも何? ゴライアスの次は、貴方が私の相手をしてくれるの? いい加減、役不足に飽き飽きしてるんじゃなくて? フフフ」

「……」

 

 何とも形容しがたい空気が流れた。

 それもそのはず、二人のやり取りはドロシーのメガホン(ハット)越しに、観客にも筒抜けだったからだ。

 

 やっべー、半端ねえわ……ドロシーさんの怒濤のラッシュ。年齢立場世間体、一切のバリアをもろともしない圧倒的攻撃力(オーバーキル)。並みのメンタルだと確実に粉砕される。どこの悪役令嬢だよ。

 一瞬、アリシアの瞳に「てめェコラクソガキ遅刻かましといてその態度は何だオラぶっ殺すぞ」みたいな、殺意の波動が宿ったような気がしないでもなくなくない。

 

 ドロシーあいつ、絶対バフよりデバフ派だな……

 

 ついでに言うと、詠唱中に味方が射線に入ると、「邪魔!!」とか叫んで、「射線上に入るなって、私言わなかったっけ?」って容赦なくキレ散らかすタイプだわ。

 俺? 俺はそんな物騒なこと言わねえよ。味方が射線に入ろうがお構いなしにぶっ放して、「ごめ~ん! 集中してたから気付かなかった☆ テヘッ♪」って、しらばっくれるタイプだ。何か文句ある?

 

「まあまあ。そういきり立つな。早く勝負がしたいのは、私とて同じだ」

 

 二人の間に割って入ったのは、我等がゴライアスだ。ふっと笑みを浮かべて、彼が言う。

 

「お手柔らかに。ドロシー」

「あら。話が早くて助かるわ」

 

 ゴライアスの紳士な対応で一触即発のムードはやわらぎ、アリシアがやれやれとばかりに舌打ちする。舌打ち?

 

 ゴライアスは戦斧(バトルアックス)を手に取ると、仕切り線まで進み出る。目を瞑って呼吸を整え、首元のロザリオを握り、何やらブツブツ呟いている。

 俺の後ろに座る兄ちゃんの解説を盗み聞きしたところ、呟いているのは聖書の一節で、敬虔なイリヤ教徒であるゴライアスは、強敵と認識した相手と戦う際に、必ずあの儀式を行うのだという。つまり、全身全霊で立ち向かうという覚悟の表れなのだそうだ。

 

 なんつーか、野武士面なのもあいまって、戦士というよりモンクに見えるな……いつか聖騎士(パラディン)にでも進化しそう……

 

 一方のドロシーはハットを被り直すと、口元に手を当てて「ふぁぁ……」と小さくあくびをしていた。ワンドが聞き分けの良いペットみたいに、彼女の隣でふわふわ宙に浮いている。

 大事な一戦を前に、そんなしょーもないことに魔力消費するとか余裕だな……

 ていうかアイツ、ここに来るときも、魔王召喚かよって言うくらいド派手な転移魔法使ってたし、大丈夫なんか? 勝つ気あるの?

 

 こういう所作一つ取っても、どこまでも対照的な二人だ。

 元より戦士と魔法使いは水と油の関係で有名だが、両陣営でトップクラスの二人が、こうも両極端な性格とはね。何の因果なんだか。

 

 ドロシーが仕切り線に立ったのを頃合いに、アリシアがすっと右手を挙げる。

 観客が一斉に静まり、にわかに緊張感が高まる。そんな中、俺はクロノアに視線を向けた。

 

 彼は顔の前で両手を組み、天文学者が定点観測のために望遠鏡を覗き込む二秒前のような顔付きをしていた。

 

「それでは――始め!!」

 

 

    *

 

 

 先手を打ったのは、ゴライアスの方だった。

 開始の合図と共に、獲物を狩る獅子の如く、ドロシー目がけて一直線に駆け出す。

 迎え撃つドロシーは、すぐに詠唱に入った。

 

燃え上がれ(アオフ・ローダーン)

 

 パシッと掴んだワンドの魔石が明滅すると同時、火の玉が次々と浮かび上がり、ゴライアス目がけて襲いかかる。

 だが、ゴライアスは速度を緩めない。盾を前へとかざし、斧を後ろに引いた。

 

 押し切る――

 

 着弾した火の玉が爆ぜて、火の粉が舞い散る。

 多少のダメージなどもろともせず、相殺と同時、ゴライアスは力強く前へと踏み込む。躍動感あるバックスイングから、振りかぶった斧を地面へと叩き付けた。

 

「うおおおおお!!」

 

 雄叫びと共に放たれた一撃は、大地を深々とえぐり出し、周囲へ強烈な振動を伝播する。

 まるで地震が起こったかのようだった。砂塵が噴火したマグマのごとく宙へと噴き上がる。

 

 勝負は早々に決まったかと予感させる強烈な一撃に、観客は一様にどよめき、気の早い連中が口笛を吹く。

 

 だが、ゴライアスの表情は冴えない。

 自らの一撃が、ドロシーを掠めてすらいないことは、彼が一番わかっていた。ドロシーの行方を求める彼の元に、背後から一条の光が射す。

 

射殺せ(リヒトシュトラール)

 

 振り向きざまに、眩い光線が鎧の肩当てを貫く。咄嗟に身をかばったゴライアスだったが、すぐに異変に気付く。

 確実に捉えられる位置からの攻撃だったにもかかわらず、自らの肉体は損傷していない。ドロシーが座標を誤った? いや――

 

 フェイント。

 

「こっちだよ」

 

 鈍い音と共に、ゴライアスの腹部に強烈な衝撃が走る。刹那、誰もが目を疑った。

 

 メイス。

 より正確に言うならば、魔力によって具現化した戦棍。

 奇襲に成功したドロシーは、勢いそのままに、ゴライアスへとラッシュをかける。

 

 機敏なステップ、巧みな武具裁き。早い。とにかく早い。

 目まぐるしく変遷していく攻撃は、戦士のそれと比べても遜色なく、とても魔法使いの動きとは思えない。

 

「おいニケ、ありゃあどう見ても――」

「ああ、間違いない。バフだ」

 

 魔力によるパワー及びアジリティの一時的強化……まあそんなとこかね。

 

「お、おい……何やってんだよゴライアス! そんなガキ相手に、どうして反撃しないんだ!」

 

 俺の後ろに座っていた兄ちゃんが、たまらず大声を出す。

 気持ちはわかるがァ、(やっこ)さん。そいつは無理な願いってモンだぜ。ここはむしろ、不意の一撃でダウンしなかったアイツのタフさを称えるべきだ。

 

 盾の防御をかいくぐり、疾風の如く繰り出されるドロシーの連撃は、よくよく見れば喉元に脇の下、膝の裏と、いずれも鎧のつなぎ目を狙った攻撃で、真っ向からの打ち合いをよしとしていない。

 ゴライアスからすれば、ちょこまか動き回られた挙げ句、一向に組み合ってくれず、かといって強引に攻勢に転じようとすれば、致命的な一撃を喰らう可能性が高く、さぞフラストレーションの溜まる相手だろう。

 

 元来、魔法使いとは非力な存在である。タイマンでのクソザコナメクジ役立たずっぷりは、他の職業から散々酒の肴にされてきた。

 バフやデバフになんざ頼っているのは、それを使うことで、ようやく他の職業と対等のレベルに立てるという、哀しい事実の裏返しでもある。

 

 おそらく、ドロシーとて理解しているのだろう。

 

 バフのアシストを借りてもなお、ゴライアスの力には及ばない。真っ向から打ち合って、仮につばぜり合いにでもなれば、途端に形勢は逆転する。

 だからこそ、近接戦に持ち込んだ以上、早急にカタをつける必要があった。おそらくこの局面、長引けば長引くほど、ドロシーにとってジリ貧――

 

 そしてそんな彼女の心理を読み取れないほど、ゴライアスという戦士は馬鹿ではなかったらしい。

 次の瞬間、ドロシーのメイスをゴライアスの盾が弾く。わざと急所を空け、ドロシーの攻撃を誘ったのだ。

 

 受け流し(パリィ)

 

 弾かれた反動で、ドロシーの身体がノックバック。我慢に我慢を重ねてようやく生じた隙を、ゴライアスが見逃すはずがなかった。

 

「もらった!」

 

 斧が右から左へと湾曲し、ドロシーを捉えようとした瞬間――目の前に映し出された光景に、観客は固唾をのんだ。

 

 消えた。

 

 戦斧の切っ先が彼女の身体に触れた瞬間、霧のように実態が消散した。

 言うまでもない。幻影魔法だ。

 

「くっ……!」

 

 意表を突かれる形にはなったが、依然としてゴライアスの優位は揺るがない。

 右足を強く踏み込み、彼方のドロシーとの距離を詰める。そして、先ほどのお返しとばかりに怒濤の速攻を仕掛ける。

 

「おおおおおおッ!!」

 

 右から左、逆手から順手、風を切り、怒濤のラッシュを繰り出すゴライアス。彼が手にしているのが、超重量の戦斧だというのが信じがたいほどだ。

 

 一方のドロシーは、攻守が切り替わったと見るや、バフの重点をアジリティに置き、飄々とした身のこなしで、次々攻撃を回避していく。

 まるで呼吸をするかのように容易く、瞬時にバフのギアを変えていくテクニックもさることながら、真に驚嘆すべきは、その氷のように冴えた冷静な判断力だろう。

 

 明らかに、戦い慣れしている。

 それも、相当な実力者を相手に。

 

 幼い彼女が、一体どこでそんな経験を積んだのかと疑念を抱いている俺をよそに、戦局は目まぐるしく動いていく。

 

 袈裟懸けに振り下ろされたゴライアスの一閃を、ドロシーが半身を転じてかわす。当然、逆手からの反撃が来ると読んだ彼女は、バックステップを刻んで距離を取ろうとする。

 が――それはゴライアスの罠だった。

 

 低く構えたゴライアスは、彼我の位置関係をいかし、次の瞬間、逆手から叩き付けるように大地を削った。

 土埃が舞い上がり、まともにそれを被る形となったドロシーが、初めて表情を変えた。

 

「まずい――」

 

 視界を遮断された彼女へ、容赦ない一撃が牙を剥く。砂煙の中、きらりと光った白刃が、彼女の碧い瞳に映し出される。

 

 終わった。

 

 この一撃で勝負は決まったと、誰もが思った。

 

 ゴライアスにあって、ドロシーに絶対的に欠けているもの……

 それは、耐久力の有無だ。驚異的なスタミナと圧倒的なタフネスを誇る戦士とは異なり、魔法使いは持久力、防御力共に最底辺クラス。

 つまり、多岐にわたって攻撃を繰り返すことで、ようやく決着をつけられるドロシーと違い、ゴライアスは一瞬でケリをつけることができるのだ。

 

 一撃必殺。

 

 真剣勝負において、ゴライアスがそのアドバンテージを利用しない手はない。

 ここぞという場面で、会心の一撃をヒットさせれば、ゴライアスはこの一戦に幕を下ろすことができる。

 

 だがしかし……

 やはり天才という人種は、そんな凡人の分析を軽々と踏み潰してこそ、自らの才能を証明する生き物らしい。

 

 ドロシーのハットが風に飛ばされ、ふわりと地面に落ちる。

 土埃が晴れ、その先に広がる光景に息をのんだのは、たぶん俺だけじゃない。当事者を除き、ここにいた全ての人々だ。

 

 凍っていた。

 

 振り下ろされたゴライアスの戦斧は、ブレードから柄、鎧の籠手にわたって、氷漬けにされていた。

 その異様な光景に、隣のエルがごくりと唾を飲み込む。

 

「嘘だろ……二重魔法? あの一瞬で……」

 

 正確には二重じゃない。三重だ。

 右手のメイスの出力を最大限まで解放し、ゴライアスの一撃を受け止める。同時にバフの重点を、100%右腕のディフェンスに移す。

 さらに空いた左手で、氷魔法を放ち、衝撃を相殺すると共に、相手の動きを封じ込める。

 

 召喚魔法と、強化魔法と、黒魔法のトリプル。

 

 魔法は組み合わせる系統にもよるが、二重までは決してそこまで難しくない。

 三重から先は、センスに恵まれなければどうしようもない、残酷非情な領域と言っていい。

 

「狩りと同じよ。獲物は追い詰めた瞬間こそ、最も警戒しなくちゃね――」

 

 ゴライアスがハッとして気付いた時には、もう手遅れだった。

 ドロシーは空いた左手を、ゴライアスの鎧に押し当てる。

 

拒絶せよ(ヴァイガーン)

 

 発動と同時、右手のメイスが消滅して、刹那、ゴライアスの身体が弾丸のごとく吹き飛ばされる。

 

 ミシリと鈍い音と前後して、瓦礫が砕け散るような音が飛来する。気付いたときには、彼は観客席手前の守護結界に叩き付けられていた。

 ひび割れてめり込んだ結界が、威力の凄まじさを物語っている。

 

 沈黙。

 静寂。

 

 そして観客が、一斉に歓声を上げた。

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