さて、ガッツが15になる前に用意してやる物がある。分かる奴は察しがついただろうがそう、大剣だ。
重武装の騎士のドタマかち割れて、ガッツが振り回せるサイズに抑えた逸品じゃ無きゃいけない。
幸い鍛冶に関しては適任者を覚えていたし、身近にツテがあったのも幸運だった。
バーナーに馬と護衛と休暇を与えて送り出したから、多分暫くは帰ってこないだろう。
フッ、ふふふふふ…フハハ八八ノヽノヽノヽ!
来たぞ俺の時代がァ!
今までやりたかった新兵器開発。金がかかり過ぎるとバーナーの反対で着手出来てなかったが知った事か!頭の中では既に何を作るか決まっているんだ。
颯爽と工兵隊のテント群に向かう。ウッキウキが止まらねえぜ!
「居るか野郎共ッ!前々から言ってた
勢いよく突入して来た
ズカズカと踏み込んで設計台に図面を広げると工兵長が恐る恐るホントに作るのかと聞きに来た。
「あの団長、アレは作った所で運用が難しいとの事でモスヴィラント副団長が却下されたのでは…?」
あ"?あーー、そういやそんな事言ってたな。どうしても作りたくて聞き流してたからすっかり忘れてたぜ。
思い出したからと言って止めてはやらんがな!
工兵長の肩をガシッと掴みながら職権乱用のお手本をカマしてやる。
「いいかよく聞け工兵長、男には浪漫を追求しなきゃいけねぇ時がある。運用がどうこうじゃない、馬鹿みたいに突っ走って浪漫詰め込んだ最高傑作。それをこの世に生みだす事に意味があるんだ」
「は、はあ……」
「よし分かってくれたな?そんじゃあ作ってくれ、頼んだぞ。…頼んだからな?」
困惑している工兵長に念を押してテント群を後にする。
俺が作りたい物、それは自走砲だ。装甲で覆われた上品な物じゃなくていい、と言うかそんなの作れないからな。
大型の荷馬車を4輪から6輪に増やして車輪と車軸を鉄で補強する。
そこに鹵獲してきた大砲を据え付けて完成!って感じの簡易的な代物だ。
もちろん射角調節機を付けるから近距離でも応戦可能
近々ある攻城戦に間に合えばきっと…。
自分の手で動かす戦争、チェスの如く戦局を意のままに動かせる悦び。それが体を支配する感覚。
自然と邪悪な笑みが溢れた。
俺は自分の中にある抑え込めない本能的な狂気をこの日初めて自覚した。
〜〜〜◇名も無きチューダー城主◇〜〜〜
なんだ…何が起きておるのだ?
ミッドランド軍相手の籠城戦、1ヶ月も優勢を保ってきたはずが今日、突然急変した。
血まみれの兵が、腕をなくした兵が、矢を受けた兵が飛び込んできては戦局の急激な悪化を知らせてくる。
「駄目です!これ以上は門が持ちません!」
「報告!城壁守備隊が壊滅、敵が押し寄せて来ております!」
「閣下、お逃げ下さい!このままではお命が危険に!」
頭が回らなくなってきた。
兵士達に急かされるままに館の外へ出ると想像を絶する光景が目に飛び込んできた。
「なんだ…なんだこれは!なんなんだコレは!!」
尽く破壊され凸凹に変形した城壁。
その城壁を飛び越えて撃ち込まれてくる砲弾。投石機でなければ有り得ないような弓なりの弾道で町を吹き飛ばしている。
もはやこれまで。
せめて最後に何が起きているのか確かめる為に最後に残っていた城壁端の物見櫓に駆け上がった。
臣下が止めるが振り払って戦場を見渡す。
「…あれか」
600メートル程先の小高い丘の上に大型の砲台を操る部隊が見えた。
黒地に銀糸で編まれた瑠璃目の蜘蛛。初めて見る部隊紋章と異様な形の砲台だった。
だがそれが火を吹いた瞬間、私はさらに驚いた。
野砲では無い、さらに大型の固定砲を使っていたのだ。
有り得ない…固定砲は重く大きいゆえに持ち運びが出来ない物だ。城下で作ったものを壁上に上げるのがせいぜいの代物のはず。
瞬間理解した、これは王都に伝えねばいかん。と
自分のいる所が格好の的であるのも忘れて懐から用紙を取り出してペンを走らせる。
一刻も早く、あの砲とそれを扱う部隊の存在を知らせるのだ。
書き上げた書を伝令に掴ませた瞬間、轟音と衝撃を受け私の意識は途切れた。
今年最後の投稿です(º∀º*)マニアッタ
お気づきかもですが原作には無かったガンビーノ傭兵団の団旗を作ってみました☆
自走砲とか団旗…浪漫だよねぇ(*^^*)
来年もよろしくですぞ!