いや〜乱世乱世。おっボスコーン将軍じゃん、ご機嫌いかが?
なんて軽口叩ける状況じゃないんだよなぁこれが。
え、なんなん?なんで将軍直々に来ちゃってんの?見てみーよ俺の後ろを。
バーラン冷や汗かいてるしバーナーのしかめっ面よ。カルテマに至っては目すら合わせようとしてないよ?アカンわ、こりゃアカン。交渉失敗する気がしてきた
まあカルテマが目ェ合わせないのってボスコーン将軍が怖いってよりは彼の後ろにいる副官だか護衛だかのコボルトイッツだかコボルイッツだかの騎士の意味深な視線を避けてるからだと思うんだけどな。
うーん……カオス。
互いに無言で
そんな中、先に口を開いたのはボスコーン将軍だった。
「それで、なぜこのタイミングで我等チューダーへ寝返りを申し出たのだ?貴様らの名や活躍は聞き及んでおる。故に分からぬ、不利だからと裏切るような輩では無いはずだ」
そりゃな。勝てる戦で勝てなくなったからって理由でこんな事はしない。あくまでミッドランドに愛想が尽きただけの事。
これを上手く伝えなきゃイカンのが今回の難点よ。
今こそ俺の乏しいコミュ力をかき集める時!
コミュ力総動員令発令!欲しがりません勝つまでは!
相手に緊張を気取られぬように少し胸を張って、顔に余裕を浮かべて…はい完成。
「ミッドランドに愛想が尽きたからだ」
「……?…それだけか?」
そうだよ、悪かったな上手い理由考えつかなくて!
いいかおまいら。コミュ障ってのはな、コミュ力総動員したところで上手く口が回るわけじゃないんだよ。
ましてや重い空気の中でなんて…。くっ!
そんな真剣無垢な俺の考えを察してくれたのか
『( ˙ㅿ˙ )ポカーン』的な表情のボスコーン将軍は何度か唸ったのちにチューダー軍への参加を許してくれた。
ホンマええ人やでぇー。
「その代わりにお前達にはドルドレイ要塞攻略の先鋒を務めてもらうぞ」
「ああ、任せてくれ。もとよりそのつもりだからよ」
初めに俺達の価値を見せとかないとな。
ある日後ろからブスリなんて笑えもしねぇ。
ちなみにだがこの場合の "先鋒" は時代劇で見るような私が!いや某が!ってものじゃない。直訳すると『矢面に立って死を伴う忠誠を見せろ』ってなる。
別に「寝返った奴に払う金はない」とか言われなきゃ問題は無い。言われた通りに先鋒を務めるまでよ。
「攻略方法は俺に一任してくれんのか?」
「む、構わぬが…出来るのか?」
あたぼーよ、こちとらドルドレイの周囲の地理はパーペキに把握してんだ。簡単に落としてみせるっての!
「期待してくれていい、なんなら一夜でぶんどってやるぜ。そんときゃ声かけるから軍の用意しといてくれや」
「ほう…」
うん、見た感じ納得してくれたボスコーン将軍の期待には答えんとだからなぁ。
ふふふっアンタにゃ簡単に死なれちゃ困るんだ。
俺の
俺ァな、自分の全てをこの瞬間に賭けるんだ。
悪ぃが利用させて貰うぜ?ボスコーン将軍さんよ…。
「良かったのか?あんなタンカを切って」
「んだよバーナー、俺が信じきれねぇのか?」
会議解散後、未だに眉間に皺を寄せてるバーナー。
まぁ負けりゃチューダーに捨てられてミッドランドにも帰れなくなる賭けだからな。心配になんのも分かる。
だけど俺は勝ち目のない賭けはしねえんだ。
「ドルドレイをどう攻めとるか考え付いてんのはマジだぜ?あとはちょっと編成しなきゃイケねえだけだ。いいかバーナー。戦が、戦争が、この世の戦場がどう変わってくかをテメーに見せてやる!だからよ…俺を信じろ。信じてついてこい」
「うむ……」
ホントに頼むぜバーナー。
いくら命賭けたつったって何処ぞの本能寺はゴメン被んだ。チューダーなんてタダの足掛けでしかない。
本命を掴む為に必要な過程、道程。
笑えよ神様。
テメーの使徒のシナリオを引き裂く人間の足掻きを。
運命を歪める人間の足掻きを。