ぬぉぉぉぉぉぉぉ!!
終っわんねえ!
え、なにこれ。なんなの?なんで穀倉地帯の干ばつ放っといてんの?
運河の氾濫に土砂崩れ、インフラもめちゃくちゃ。
そりゃあ雨で物流が滞るわ。
なんなら地震が来た日には国が滅びるわ。
いくらなんでも平和ボケしすぎだろ。
見た感じ軍需と民需はちゃんと管理されてるわりに、インフラを調べたらビックリするくらい放ったらかしよ。
どんくらいかって?
「人が通れる幅があったらもう道じゃん」「馬車が通れる幅があるなら大丈夫、そのうち踏み固められて車道になるでしょ」ってレベルで涙が出るね。
下手すりゃミッドランドの方がちゃんとしてたまである。
考えられるか?100年戦争やってる国の方がインフラしっかりしてんだぞ。
金も人も資源も戦争に注ぎ込んでるはずなのに。
「アドン!」
「…なんだ。もういいでは無いか、内政権など返上してしまえ」
「なにだらけてんだ起きろ、新しい任務だ。都市部と穀倉地帯を結ぶ主要街道の整備の責任者にお前をあてる。隊を連れて現地にいけ」
「寝かせてくれ」
「あ?毎日寝かせてやってるだろうが」
「ああ…3時間な」
「街道が完成したら好きなだけ寝ろ。さっさと行け」
「ぬう…」
これで街道整備は良し、あとは──
「ロシーヌ」
「私もなんかするの?」
「そうだ、お前ももう15歳、それに同年代の子達より才能に恵まれてる。土砂崩れの対策をするんだ、そうだな…補佐にカルテマを連れて行くといい。自然災害の抑え方は教えたろう?」
「うん。お金とか人は?連れて行っていいの?」
「いや現地で雇うんだ、金は幾らでも送ってやる。嫌がるようなら金と技術を与えて動員すればいい。詳細はお前に任せるぞ」
「分かった、任せて」
「気を付けて行くんだぞ。何かあったらすぐに報せを寄越すんだ、いいな?」
「ん」
よし、残るこの水害と干ばつは俺がやるしかないか。
いくら貿易黒字とはいえ、こんなに湯水が如く金を溶かしてたらそのうち俺、闇討ちとかされそうだな…w。
見張りか護衛か知らねえけど最近、バーキラカの連中がコソコソ動いてるっぽいし。
ダイバのジジィめ、人が余ってんなら寄越せってんだ。
「ジャリフ!」
「はっ!」
「先に運河の調査に行くから道具と荷馬車の用意をしとけ。俺は隊をまとめてくる」
「分かりました」
ジャリフと別れて兵舎に向かう道すがら考える、この国を、世界を再び戦火につつむ薪とする計画。
はたから見たら国と民に尽くす政策だが本質は全く違う。
国民という大多数の兵力となる者たちの心を、感情を操作しやすくするための布石。
来たるべき
背を向けあった冷戦。
国内ガタガタのミッドランド、国内バラバラのクシャーン
互いが向き合えるようになった時、全ての布石が機能する。
「───ふっ、ははっ」
「ガンビーノ将軍!」
「…なんだ」
「ジャリフ殿より
「すぐ行くと伝えろ」
「はっ!」
悪く思わねえでくれよ、ガッツ