『マジです』って素直に言えたらどんなに楽だったか。
5日間ひたすらに炎弾を撃ち込んで、城壁の6割を削り崩して弓兵に2日間ずっと昼夜問わず入れ代わり立ち代わり矢を撃ち込ませた。
抵抗が無くなった7日目に歩兵隊を突っ込ませたらそのままアッサリ陥落よ。
こっちの死者は20人にも届かない程度。
と、ここまでが俺の
ミッドランドじゃオレたち傭兵の
降伏した男爵は後続のガニシュカに身柄を引き渡したし、子爵は戦死したと聞いたから特に何もしなくて済んだが公爵とまで来ればそうもいかないハズだ。
連中はやたらとプライドが高い。
いくら相手がガニシュカ派の軍務総書で、その直下の軍に敗れたとしても肩書きを外せば俺は異邦人になる。
素直に従うとはとても思えない。
なんて悶々としながら掃討戦の指揮をしてた所に届いたのが公爵が自決していたって報告だった。
聞けば踏み込んだ時には既に公爵が嫁さんと息子、娘を道ずれに服毒自殺した後だったとか。ウルバンが確認したって事だから確かだろう。
子供まで
「それで、公爵家の
「それが妙な話で誰1人として残ってなかったらしいんですわ。地下室もくまなく調べてみても痕跡0でさぁ」
「そうか…
「へ?」
なんでもない。と話を切り上げた。
だが妙な違和感は覚えている。
攻城戦は飽きるほど経験してきたがこんなに死体が少ないなんて事は初めての事だ。
それだけ民間人が逃げられたと思えば喜ぶべきなんだろうが、そこがおかしい。
確かに王都へ進軍する俺達の目撃情報を点と線で結べば大体のルートは分かるだろうが、王都の前には公爵領だけじゃなく伯爵領だってあった。
電撃的速度で犠牲を少なくしようとした俺の動きを考えればむしろ王都にもっとも近く、もっとも落としやすい都市の民が、もっとも大きく堅牢なこの公爵領に逃げ込んで然るべきだろう。
それがいざフタを開けてみればこの様だ。
余りにも不自然では無いか。
「考えすぎ…か?」
それならそれでいいが用心に越したことはないよな。
「そこのお前、ジャリフを呼んでこい」
「はっ!」
今は隊長クラスの奴らに気を付けさせるしかない。この戦争が終わったらその辺の対策もしなきゃって事だな。
取り敢えず今はジャリフに各隊に通達させて、ふるいにかけてみるのが一番安牌か。
嗚呼、ただでさえ王様をどうすりゃいいのか頭抱えてるって時に、ホンットに勘弁して欲しいぜ。
王族殺しなんてろくでもねえ結果にしかならんしな。
も〜、やめだやめだ!
そん時になったらふんじばってガニシュカにポイしてやる!
ま、適当に理由付けて何とかしてくれんだろ。
だって言えねえだろ。
『現国王の生殺与奪の事まで考えなかったわ(笑)』
なんて