子供の成長ってのは存外早い。
驚いた事に1年も経たないうちにガッツが歩けるようになった。もちろんたどたどしいが。
俺やシスの元に行こうとトテトテ一生懸命に歩く姿には頬が緩みっぱなしになっちまう。
前世じゃ子供どころか結婚以前の話だったからこんなに早く育つとは思ってもいなかった。
いや正直歩くのは2〜3歳くらいからじゃないかなんて適当に決め付けてた。1歳ならハイハイ出来たら上等だろうって。
驚きはもう1つある。
シスがガッツの名前を覚えたことだ。
初めてシスがガッツの名前を呼んだ時には思わず「お前喋れるのか!?」と詰め寄って威嚇されちまったもんだ。
…あれ?って事はガッツと一緒にシスに文字とか言葉教えたら喋れるようになるんじゃねぇか?
そう考えた俺はシスにも勉強させる決心をした。
「いいか、これが『いぬ』でこっちが『ねこ』だ」
「「いーーう♪」」
「『いぬ』だ、『いぬ』だぞガッツ」
シスの膝の上で『犬』の絵札をパシパシ叩いて遊ぶガッツに根気よく言葉を教えこむ。
シスも一緒に居て興味を持ったらしく、ガッツと一緒になって発音する。
悪くは無いんだが中々に骨が折れる…。
それと余談だがガッツが一番最初に覚えた言葉は『ママ』だった。何故だ、何故なんだガッツ…。
こんなにも一緒に居てお前に言葉を教えてるのは俺だぞ?『パパ』なんだぞ?なんで『ママ』なんだ!?
チクショウメェ!!!
「あははッ、苦労してそうだなガンビーノ。どうだ?息抜きがてらちょっと付き合ってくれねぇか?」
いつから見てやがった…?
相変わらず気配の薄い奴、ウルバンが天幕入り口の柱に寄りかかって笑っていた。
「あ"ぁ?んだよウルバン、俺が禁酒してる事ぐれぇ知ってんだろ。わざわざ誘いにくんじゃねぇよシバくぞ」
「うわ怖ぇ、子供が覚えちまったらどうすんだよガンビーノ」
わざとらしくおどけて見せるウルバンのなんとウザイ事か。
チッ、この野郎後ろ弾してやろうか…。
「ウルバン、医学に関しちゃてめぇが適任なのは分かってる。だがガッツにはまだ早ぇ、今のは聞かなかったから出ていけ」
「…。へいへい分かりましたよ、ボス」
どうやら団の奴らも慣れてきたらしいが、代わりにガッツのそばに居る間は俺が強く出れない事に味をしめたアホ共がここぞとばかりにちょっかい出して来るようになった。
因みにガッツが「かえ!かえ〜(金、金〜)」と言いながら剣を担ぐ仕草をしてたのを見つけた時に、そのクセのある姿から
危なっかしくて目が離せねぇ。
当然だがガッツに剣を教える気は全くない。
俺はガッツに勉学の道を歩んで欲しい、血錆や泥濘にまみれた人生なんか送って欲しくねぇ。
長く子育てしてる内に本気でそう考えるようになっていた。
だから
「ほらガッツ、その果実水飲んだら始めんぞ」
「パーパ」
「……ッ!」
ダメだ!そんな風におかわりねだったって何も出ねぇぞ!
「「パーパ?」」
「……グッ!!」
ひ、卑怯だ!ガッツの野郎、シスとダブルおねだりだなんてやるじゃねぇか…!
そんなんで俺が落ちるとでも!?
「…最後の1杯だかんな」
グフゥ…
評価、感想本当にありがとうですぞ!
お気に入り数が増えててドキドキしてます(*`・ω・´)
まだまだ書いてきますぞ〜!
話の長さ調節に御協力を(今は大体1500くらい)
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これでいい
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も少し長く