間に合ったから投下…バタッ。ミ(o*_ _)o➰◇
ガッツを拾ってから3年が経った。
俺の前世の記憶は霞がかかったように殆どがうろ覚え状態になりつつある。きっと更に時間が経てば忘れちまうんだろう。
だが今年は前々から準備してきた物がある。
ペストに関する情報集め、そして予防策だ。
旅人や行商人を捕まえて命と持ち物を保証する代わりに知りうる情報を洗いざらい喋らせてきた。
今は何処の地方が酷いか、病状はどんなか、治療の成功例はあるのかetc…。
結果としては上々、致死率は高いが不治の病では無いのが分かった、治療薬に関しては入手済みだ。
治療薬と言っても特効薬じゃない。
あくまで病状が悪化してない早期患者に対してのみ、
だがやはり運命の力ってのは強いらしい。
城攻めに雇われている俺たちは疫病が迫ってるからと契約を無視して退く訳にもいかない。
まさにペスト拡大域のギリギリで戦っている。逃げたくても逃げられない状況にあった。
戦況が停滞してる今、この地でペストが広がる可能性が高い。いくら俺が声高に危険を訴えたところで他の傭兵団は勿論、騎士共が聞くとは思えない。
ならどうするか?
簡単だ。俺は俺の団員だけを守ればいい。
「ウルバン、薬の備蓄は?」
ウルバン・キリターナ。新しく設立した団内の新兵科【衛生兵】の部隊長。
対ペスト部隊まで編成して日夜訓練を続けてさせている。
「およそ全員分確保済み。だけど人手が足りてない、増員して欲しいんだけど……」
「無理だな、医術の心得のある奴は全員てめぇの隊に投じてる。何も知らねぇド素人は寧ろ邪魔だろう?」
「そりゃ…まぁな」
「いいか?俺ァなにも団員全員の治療しろとは言ってねぇ、奴らには十分気を付けさせてるからな。それでも発症しちまった奴を隔離、治療すりゃ良いんだ。出来んだろ?」
出来るはずだ。なにせコイツは腕がいい。
なんで傭兵なんてやってんのか不思議なくらいに。
頭を掻きながら困った笑みでウルバンは続ける。
「あーー、そう言われちゃやるっきゃねーですわ。ま、期待にゃ答えてみせますけどね?なんで──」
「ん?」
「──いや、何でもねぇですわ。んじゃ俺はこれで」
何か言いたげなウルバンだったがアッサリと出て行った。なんだったんだ?
まぁ何でもいい、明日からはまた総攻撃が始まんだ。さっさと寝ちまうか…。
ベッドに入って考える。
今の俺ならシスにもしもの事があってもガッツを憎みはしない、でももしガッツが俺を憎んだら?
疫病を知ってて何もしなかった。だから母さんが、シスが死んだんだってなるかもしれない。
有り得る、十分に。
疲れた体に、脳に睡魔が襲ってくる。
やれる事はやった、後は野となれ山となれだ。
「ああ…くそッ、シス…ガッ…ツ……」
〜〜〜◇ウルバン◇〜〜〜
「こっちの奴はダメだ!!もう死んでる!」
「おいッ薬!追加のヤツもってこいッ!」
「ああ…くそッ!死ぬな!!」
「衛生ーーッ!早くッ!早く来てくれ!」
「死体を連れてくんなッ!次ィ!」
まさに地獄だ。
傷病兵で溢れる野戦テントの中で軍医と衛生兵が懸命に働いている。
交代で休ませていてもその顔は疲労の色が濃い。
俺はペスト患者隔離用の天幕に向かった。
ガンビーノが前々からうっとおしい程に警戒を促してたおかげで発症者は少なかった。
だが0じゃなく、その中にはシスも含まれていた。
俺はガンビーノにシスの治療を命じられている。必ず助けろ、と。
「おい、交代だ。シスの様子は?」
ガンビーノの手配でシスはテントで治療していた。
「良くは無いです、ただ他よりはマシ…ってくらいで」
だろうな、見ただけでヤバそうだ。
ふとテントの入り口付近でシスを、俺達をじっと見つめてるガッツが目に移った。
なんでここにいんだ?
「おいガッツ!これはペストってんだ!伝染るやべぇ病なんだ近寄るな!おいお前、ガッツ連れて行け」
交代する軍医に連れて出るように指示を出す。
「……ガッツ…」
小さくそう聞こえた。ガッツと。
それはガッツに聞こえたとは思えない小さな声だったのにガッツは反応した。
連れて行こうとした軍医からするりと抜け出すと震えながらもシスの手をしっかり握りしめて座り込んでしまった。
「お、おい行くぞガッツ」
「いや待て、いい。好きにさせてやろう」
手で制して軍医を止める。
ガッツは自分の意思で母親のそばに来た。ペストの怖さを理解してないとしても無理に引き離すのはガッツにもシスにも良くないかもしれない。
それに…
「ガッツ、よく見とけ。お前の親父は外で、お袋は目の前で戦ってんだ。
「……。」
ガッツは黙って、目に涙をためて頷いた。
よし、なら俺は俺のすべき事をやるまでだ。
話の長さ調節に御協力を(今は大体1500くらい)
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これでいい
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も少し長く