スライムですが、なにか?   作:転生したい人A

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人助けと転生者

 蜘蛛の魔物達を撃退して食べた後、私達はまた外の世界の散歩を再開した。

 しかし、あんな風に迷宮を出ただけで群れで襲い掛かってくるなんて、蜘蛛子ちゃんも大変だなぁ。

 ブラザー達って言ってたから兄弟なんだろうけど、群れを作る魔物だと群れのルールとか厳しいのかなぁ。

 そういえば、前に中層でやばい蜘蛛に出会ったなぁ。

 あれも蜘蛛子ちゃんの血縁だったりするのかなぁ?

 

『ねえ、蜘蛛子ちゃん』

『ん?どうしたの、スラちゃん?』

『前に中層に居た時に滅茶苦茶強い巨大な蜘蛛見かけたよねぇ。あれも蜘蛛子ちゃんの兄弟なの?』

『ああ・・・・・・あれはブラザーじゃなくてマザーだよ』

『つまり、あの蜘蛛の群れのボスってこと?』

『そういうこと、そして私を連れ戻そうとしてる奴ね』

 

 どうやら蜘蛛子ちゃんは相当やばい奴に目をつけられているようだ。

 龍クラスのアークを複数匹従えるやばい蜘蛛に追いかけられるなんて最悪だ。

 あの時はステータスも確認しなかったが、龍を軽くあしらうほどの力を持った化け物であるのは確かだ。

 

『そんな奴に追われてて大丈夫なの?』

『大丈夫だよ。マザーってあの巨体だから迷宮から出てこれないだろうしね』

『んー、それもそうだね』

 

 あんな体だと迷宮内を動き回るのでも道を選ばないといけないだろうから、簡単には出てこれないだろう。

 今の私達でもあれに勝てるか本当に分からない。

 神を目指している以上いつかは超えないといけないだろうけど、一日二日で超えられるなら誰も苦労なんてしない。

 成長チートを持ってる私達でさえ簡単には超えられなんだ。

 それはつまり、どうしようもない化け物ということになる。

 あんな化け物が人間の国に現れればあっという間に人間は滅びることになるだろう。

 

『出来ればずっと迷宮の奥底に居て欲しいかなぁ』

『近づいてきたら転移で逃げれば大丈夫でしょ』

『そうだねぇ。転移で逃げ回れば追いかけるのは不可能だしね』

『そうそう』

『まあ、逃げ回ってる間に人間の国が何個も滅びるだろうけどねぇ』

『そこは仕方がない。私達にはどうにも出来ないことだよ』

『確かにねぇ』

 

 蜘蛛子ちゃんとマザーについて話していたら探知に人が引っかかった。

 それも複数人数で馬車に乗っている集団。

 しかし、馬車は止まっており、馬車を囲むように武装した兵士達が剣を抜いている。

 

『人間だねぇ』

『お取込み中?』

『お取込みというより、襲われ中』

『ん~、どうする?助ける?』

『まあ、人間は経験値が美味しいから助けてもいいよ』

『確かにねぇ。けど、人と関わるのは面倒なんだよなぁ』

『流石コミュ障』

『うるさいよ!?』

 

 私達が話している間にも兵士達は盗賊に斬り倒されて行っているが、気にせずに話を続ける。

 

『人間助けても私達魔物だよ。今度はこっちに刃向けて来る可能性があるわけでしょ』

『いいんじゃない。それで』

『いや、良くないでしょう』

『私達が盗賊を倒して経験値を貰う。その後、助けた奴らに襲われたら殺して経験値を貰う。襲われなかったらそのまま離れればいいだけだしね』

『そっか。襲って来たのはあっちだから正当防衛だよね』

『そうそう。殺しに来るってことは殺される覚悟はあるってことだよ』

『じゃあ、それで行こう』

『おーう』

 

 馬車の人達を助けることが決まったので、盗賊を圧倒的な力で蹂躙する。

 盗賊と私達のステータスが離れすぎている上に、スキルの数も質も違い過ぎる。

 まともな戦闘など最初から成立しない本当にただの虐殺でしかない。

 それでも入ってくる経験値の量はかなり多かった。

 

 こんな雑魚殺してもそこそこ経験値が貰えるのはいいよねぇ。

 さて、もう生きてる盗賊はいないな。

 

 私が生きている盗賊がいないか確認していると、蜘蛛子ちゃんは盗賊に傷つけられた兵士達の治療を行っていた。

 ああ、助けるってそこまでするのねぇ。

 まあ、私も手伝ってあげるかぁ。

 

 腕を伸ばして蜘蛛子ちゃんが治療してる以外の兵士を治療してやる。

 治療が終わると蜘蛛子ちゃんがこの場所から離れようと、移動を開始する。

 蜘蛛子ちゃんが移動を始めてすぐに、馬車の中から女性が赤ちゃんを抱えて出て来た。

 

 さっき泣いていた赤ちゃんかぁ。

 ん?根岸彰子?

 ・・・・・・ああ、私達と同じ転生者か。

 うわぁ、スキルポイント75000って多いなぁ。

 私なんて転生直後はスキルポイント1000しかなかったのに・・・・・・

 悟りなんてチートスキルがあったから何とかなったけどねぇ。

 ん?そういえば・・・・・・あれ?ん?んん?

 まあ、いっかぁ。

 別に大した問題ではないしねぇ。

 

 なんかさっきから蜘蛛子ちゃんが文句言ってるけど、蜘蛛の言葉なんて私にも伝わらないんだから何一つ伝わってないよ。

 そして急に逃げるように走って離れていく。

 何かショックを受けることがあったようで泣いているが、本当に何があったのだろう。

 

 ん?さっきとは違うのが探知に引っかかったなぁ。

 今日は良く人が引っかかる日だ。

 

『あれって、エルフ?』

『エルフだ!?ファンタジー定番種族キタコレ!?』

『嬉しそうだねぇ』

『エルフとか見るとファンタジーって気がしない?』

『自分の体がすでにファンタジーの塊だからねぇ』

『ああ、そういえば、そうだったねぇ』

 

 スライムこそファンタジー定番モンスターだ。

 そのスライムに転生している私にとってはエルフ程度でファンタジーなど感じない。

 それになんかかなり物騒なエルフだしねぇ。

 

『これからさっきの吸血鬼襲いに行くみたいだねぇ』

『はあ、吸血っ子も大変そうだねぇ』

『まあ、今回はついでだし助けてあげようか』

『そうだね』

 

 木々に隠れて吸血鬼を襲撃しようとしていたエルフ達を皆殺しにしておく。

 ついでくらいの感覚だったが、いい経験値になったので良し。

 さあって、楽しい散歩の続きだぁ。

 

『山の幸を食べつくしたら、海に行ってみない?』

『いいねぇ、海。こっちの世界だと何が釣れるんだろう』

『水龍とかが釣れたりしてねぇ』

『流石に水龍は無いでしょ。けど、水龍の刺身食べてみたいなぁ』

『迷宮の外なんだから、魔物の肉じゃないものも食べたいけどねぇ』

『あー、確かに、果物とかデザート食べたいよねぇ』

『この世界に来てから甘いものあんまり食べてないからねぇ。甘味は捨てられないよねぇ』

 

 というか、最初に食べた蜘蛛子ちゃんが拾って来た乾燥クリクタの実は美味しかったなぁ。

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