スライムですが、なにか?   作:転生したい人A

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き、君は・・・・・・

 修行を始めてかなりの時間が経った。

 しかし、蜘蛛子ちゃんからの連絡が全くない。

 どこで何をしているのかも分からない。

 こちらから連絡しても『大丈夫』『しばらく会えそうにない』くらいしか教えてくれない。

 

 蜘蛛子ちゃんのことだから私を巻き込まないようにしてくれているのだろうが、何も教えてくれないのは悲しい。

 

 しばらく会えないというので、私は修行の頻度を減らして町に行く機会を増やした。

 魔物に目を潰されたもと冒険者の旅人という設定でいろんな国を回って食べ歩きをしている。

 目を糸で作った布で隠し、口の中を見られないように気を付けながら美味しい食べ物を食べ歩いている。

 

 お金?お金ならスキルでいくらでも作れるので問題ない。

 

 恐怖を齎す者も何か聞かれたら昔獲得した称号の影響と言って誤魔化している。

 結構雑な設定だと思うが、意外とバレないものだ。

 

 まあ、蜘蛛子ちゃんにバレたら謝るしかないけどねぇ。

 経済的な問題に関しては私は人じゃないから知らない。

 こんな世界で製造元が分からない硬貨を使っている法が悪い。

 

「さーて、今日は修行しますかねぇ」

 

 いつものように神重鉛の腕輪を付け、重魔法を複数掛けて下層を歩いて回る。

 こんな修行を続けたせいで普段は体が異常に軽く感じる。

 そもそもまともに動けないレベルの負荷を常時かけ続けているのがおかしいのだけどねぇ。

 それでも最近ではほとんど日常になっている。

 そんな日常となった修行で下層を回っていると、私の探知に一匹の魔物が引っかかった。

 

「!?まさか・・・・・・」

 

 私は出来る限りの全力で走り、探知に引っかかった魔物の場所に急ぐ。

 その魔物を目視で確認出来る距離まで近づいて私は動きを止めた。

 そして魔物を目視で取られた私はスライム形態に戻り、着ていた服や神重鉛の腕輪などを空納に放り込む。

 重魔法や魔神法、神龍力を解除して魔物に近づく。

 そして私は転生してから初めて出会ったスライムに念話で話しかける。

 

『君、生まれたて?』

 

 念話に対して何も帰ってこないので意思の疎通は出来ないようだ。

 

 Dの話だとスライムはかなり希少な魔物らしいし、このまま放置してると死んじゃいそうだしねぇ。

 取り合えず、食べ物上げればなつくかな?

 

 空納から適当に魔物の死体を取り出して与えてやる。

 スライムは私が出した死体を警戒しながらも食べ始める。

 それを見ながらどうすれば眷属とかに出来るか考える。

 

 ん~、私の体を一部分けてあげればなれるかな?

 まあ、試してみる以外に方法がないし、思いついたことを試していこう。

 

 体の一部を伸ばして切り落とし、スライムに乗せる。

 

『取り込んで』

 

 伝わらないだろうが、一応念話で話しかける。

 すると、スライムの水色の体に私の薄い黒で青系統のグラデーションがかかった体の一部が溶け込んでいく。

 魔物を食べる時とは様子が違い、一体化していくようにスライムと私の体の一部が混ざり合う。

 そしてシステムが眷属支配のスキルを獲得したことを伝えて来る。

 

 よし、成功したぞ。

 さて、君のステータスはどんな感じかな?

 

《スモールレッサーアストラル・スライム LV1 名前なし

ステータス

HP:120/120(緑)

MP:210/210(青)

SP:124/124(黄)

 :124/124(赤)

平均攻撃能力:155

平均防御能力:110

平均魔法能力:132

平均抵抗能力:124

平均速度能力:105

スキル

『HP自動回復LV1』『MP自動回復LV1』『火耐性LV1』『風耐性LV1』『水耐性LV1』『氷耐性LV1』『雷耐性LV1』『光耐性LV1』『闇耐性LV1』『外道耐性LV1』『重耐性LV1』『大地耐性LV1』『凍結耐性LV1』『酸耐性LV1』『腐食耐性LV1』『状態異常耐性LV1』『衝撃耐性LV1』『打撃耐性LV1』『斬撃耐性LV1』『破壊耐性LV1』『貫通耐性LV1』『蜘蛛糸LV1』『金属生成LV1』『酸攻撃LV1』

スキルポイント:200

称号》

 

 耐性スキル多いなぁ。

 そして私の眷属なのに随分とバランスのいいステータスしてるなぁ。

 まあ、私が攻撃に特化し過ぎてるだけなんだけどねぇ。

 ん~、レベルが低いしレベル上げ手伝ってあげようかなぁ。

 このままだと下層で生きていけないしねぇ。

 

『ついておいで』

 

 念話で私が呼びかけると、スライムは私について来る。

 そしてスライムを連れて猿を探して回る。

 猿を見つけると、糸で身動きを封じてスライムの前に置く。

 

『倒して』

 

 私の言葉にスライムは猿を酸攻撃で攻撃し始める。

 攻撃力はそこそこ高いおかげで問題なく猿を殺す。

 レベルが上がったようだが、1レベル上がった程度では意味がない。

 そして猿が殺されたことでやって来た大量の猿を全て糸で拘束する。

 上位種だろうが関係なく糸で身動きが取れないように拘束してやる。

 かなりの数を殺したあたりでスライムのレベルがカンストして進化が可能になる。

 スライムと猿の群れを連れて巣に転移で戻り、スライムに進化するように命令を出す。

 

 流石にアストラル・スライムにはなれないだろうなぁ。

 スモールレッサーアストラルってなってたけど、レッサーアストラル・スライムから何に進化出来るんだろう?

 

 取り合えず、進化を終えてレッサーアストラル・スライムに進化したスライムに猿の死体を食べさせる。

 限界まで食べたらまた糸で捕らえた猿を殺していく。

 今回の群れはそこそこ大きかったおかげでスライムが進化可能になるまでレベルを上げることが出来た。

 

 流石は猿、数だけは多いからレベル上げにはもってこいだねぇ。

 

 さて、次は何に進化するんだろう?

 

 町で買った果物を食べて進化が終わるのを待つ。

 スライムの進化が無事に終わったので鑑定をする。

 

《レッサーアストラル・グレータースライム LV1 名前なし

ステータス

HP:520/520(緑)

MP:210/610(青)

SP:424/424(黄)

 :124/424(赤)

平均攻撃能力:655

平均防御能力:610

平均魔法能力:532

平均抵抗能力:524

平均速度能力:505

スキル

『HP自動回復LV6』『MP自動回復LV6』『火耐性LV7』『風耐性LV7』『水耐性LV7』『氷耐性LV7』『雷耐性LV7』『光耐性LV7』『闇耐性LV7』『外道耐性LV7』『重耐性LV7』『大地耐性LV7』『凍結耐性LV7』『酸耐性LV7』『腐食耐性LV4』『状態異常耐性LV5』『衝撃耐性LV7』『打撃耐性LV7』『斬撃耐性LV7』『破壊耐性LV7』『貫通耐性LV7』『蜘蛛糸LV4』『金属生成LV3』『強酸攻撃LV1』『剛力LV1』『堅牢LV1』

スキルポイント:1000

称号

『魔物殺し』『無慈悲』『魔物の殺戮者』》

 

 なるほど、グレータースライムになるわけねぇ。

 それに大きさだけなら私より大きく、大体直径二メートルくらいの大きさがある。

 これくらい強くなれば下層でも一人で生きて行けるでしょう。

 

『これからは一人で狩りをするんだよ。後、危なくなったら私を呼びなさい』

 

 分かったという内容の思念が伝わって来た。

 どうやら念話は出来ないが、意思疎通できる程度には知能があるようだ。

 眷属支配のパスのおかげで居場所は把握できるから救援を受ければ空間魔法でいつでも助けに行けるし、問題ないだろう。

 

 さて、人型になって今日は寝よう。

 

 人型になり、和服を着て寝ようとすると、スライムが近づいて来る。

 

「なるほど、上で寝ていいと」

 

 スライムの思念を受け取り、スライムの背中に横になる。

 

 ああ、これはとても気持ちがいい。

 蜘蛛子ちゃんが私を枕にしていたのはこういうことかぁ。

 確かに、これはとても寝心地がいいねぇ。

 

 蜘蛛子ちゃんと一緒に巣で寝ていたころのことを思い出しながら私はぐっすりと眠る。

 眠らなくても問題はないが、ずっと寝ていたくなるほど気持ちがよかった。

 これからは修行の疲れをスライムの背中で寝て癒そう。

 

「さて、今日も修行を頑張りますかぁ」

 

 私が巣を出ると、スライムも私とは違う方に向かっていった。

 

 上層なら何の問題もないだろうが、下層ではあの子のステータスでも危ない魔物が居るので気を付けて狩りをして欲しいねぇ。

 まあ、危ないなら救援が来るだろうし、召喚で呼び出せばいいか。

 

 いつも通りに猿の群れを潰すが、レベルがかなり高くなったせいで群れを一つ潰してもレベルが上がらなくなってきた。

 たまに竜を狩っているが、それでも簡単にはレベルが上がらない。

 

 しかし、これだけ群れを潰しているのになんであの猿絶滅しないの?

 けど、流石に最近は群れを見かけるのが減って来た。

 あんまり狩り過ぎてもあれだし、次からは見かけたら殺す程度にしておこう。

 かなりの期間修行しているけど、蛇程度の魔物も大量に居てくれて修行には困らない場所だよねぇ。

 

 スライムを眷属にしてから私は週に一日程度まで修行の頻度を落としてそれ以外の日は町に行ったり、巣で神金生成で作れる金属で武器の開発などをして過ごした。

 そんな日々を送っていると、スライムがさらに進化した。

 レッサーアストラル・アークスライムになったことでかなり強くなった。

 まだ進化したばかりでレベルが低いがすでに龍より少し弱い程度のステータスがある。

 そして直径四メートルほどに体が大きくなった。

 

「君も大分強くなったねぇ」

 

 心配はいらないだろうけど、私の体もう少し分けてあげようかな。

 人型のまま手いっぱいにスライム状態の体を出してスライムに乗せる。

 スライムは最初の時と同じようにゆっくりと私の体と同化する。

 私の一部を取り込んだことで平均ステータスが四千近くまで上がった。

 

「うん、これで下層でも大丈夫でしょう」

 

 次に進化する頃にはもっと強くなってるだろうなぁ。

 さて、今日はもう寝よう。

 大きくなったスライムの背中に乗り、とても心地の良い感触に包まれて眠る。

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