スライムですが、なにか?   作:転生したい人A

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UFOの中に入るぞ!?

 私は知りたい情報を知り、UFOに潜入する班に選ばれたので白ちゃんと一緒にその場から離れる。

 ロボットの軍勢をどうするかなどの話し合いは四人に丸投げになるが、知ったことではない。

 

 あのロボットの軍勢が相手だと、あの子達は力不足だしねぇ。

 

 あの子達で一番強い個体であるレッサーアストラル・キングスライムでもアリエルさんのクイーンタラテクトより、弱いのだ。

 人形達よりは強いが、一体だけでは全然頼れない。

 戦力としては微妙なところなので、まだ温存しておくべきでしょうねぇ。

 

 会合が終わってから私達はそれぞれの準備を済ませていた。

 まず、メラやソフィアをエルロー大迷宮に避難させた。

 流石に、二人を戦闘に参加させるわけにはいかないし、適当な町に置いておくのも危険だからだ。

 ポティマスが爆弾の処理でUFOに潜入するからといって、その間に二人を狙ってこないとも限らない。

 なので、エルロー大迷宮の下層にある私の古巣であの子達と白ちゃんの眷属に任せている。

 現状、エルロー大迷宮であの護衛を突破出来る魔物はいない。

 二人をさらうためにエルフ達がエルロー大迷宮を突破してくるのも難しいだろう。

 

 あの古巣なら快適に過ごせるでしょう。

 龍並みに強い魔物の群れに囲まれていることを除けばだけどねぇ。

 

 その後は、人形達の攻撃力の強化。

 地下の遺跡で最初に出て来たロボット程度なら問題なく蹴散らせるが、戦車となれば話は違う。

 攻撃力だけでも万を超える戦車の防御力が低いとは思えない。

 私の大鎌が異常だっただけで、人形達が簡単に壊せるとは思えない。

 人形達の持つ武器も業物ではあるが、剣ではあの装甲を突破するのは難しい。

 

 金属の装甲を剣で斬ろうなんて簡単ではない。

 なら、ぶっ叩いて壊せばいいでしょ。

 

 それが私と白ちゃんが出した結論だった。

 そこで私の神金生成で作る神金が十全に使われる。

 打撃力として必要な質量は神重鉛を中に仕込み重くする。

 そして神重鉛を神鉄鋼で包み、柄も神鉄鋼で作る。

 ポティマスの魔法の一切を無力化する結界を張ってくるロボットも居るかもしれないとのことだったが、問題ないだろう。

 神金は魔力で重さが変わったりするが、魔術ではなく金属そのものの性質だから、魔法を消されても消えることはないだろう。

 

 そもそも神鉄鋼は魔力を込めてなくても異常に硬いし大丈夫でしょう。

 仮に魔力を込めたことによる効力が消えたとしても軽くなるだけで、強度は変わらないから問題ないしょ。

 

 人形達は使いなれない武器のためか、重さを調整しながら素振りをして感触を確かめている。

 本番までには慣れてくれるでしょう。

 

 そしてアリエルさんはクイーンタラテクトを四体召喚していた。

 あのマザーと同格の存在が四体もいるのだ。

 アリエルさんの軍勢がここまでとは流石に思っていなかった。

 

「さすがに今回は出し惜しみしてられないからね。最高戦力総出で行くよ」

 

 私は戦力を温存してるので、アリエルさんから視線を逸らす。

 

 クイーンタラテクト以外に風龍率いる龍、竜の群れも居る。

 ここに居る戦力が人族を襲おうものならあっという間に人族は滅びているだろうねぇ。

 教皇が軍を連れてくるために戻ったが、本当に必要なのかと思うのは私だけじゃないはずだ。

 そんなことを考えていると、教皇が三万の軍を率いて戻って来た。

 その後に教皇が行っていた演説によると、大規模転移を行った術者は死んだらしい。

 戦力としては役に立つか分からない軍だけど、士気が異常に高い。

 普通はこんな怪獣大戦争でもするのかって戦力を前にすれば、自分たちの必要性を疑うものだろう。

 全滅もあり得そうなこの状況で士気が落ちないのはすごい。

 

 あの教皇、人心をよく理解してるねぇ。

 仮にも神言教の教皇なだけのことはあるねぇ。

 

「どうやら、私が最後だったようだな」

 

 そして最後にポティマスが機械兵を連れて戻って来た。

 数は歩兵が二千くらいで、そこまで多くない。

 

「これで揃ったね」

 

 ああ、これで漸くUFOに突撃することが出来る。

 

「じゃあ、私と白ちゃん、青ちゃん、あとついででポティマスがあれに突撃するってことでOK?」

「ああ」

 

 白ちゃんは乗り気じゃないみたいだけど、アリエルさんに頷いて返す。

 私もアリエルさんに頷いて返し、次の言葉を待つ。

 

「で、どうやって侵入するの?」

「これを使って外壁に穴を開ける」

 

 ポティマスが指さしたのは、バズーカにしか見えない筒。

 

「一回使い捨ての砲だ。が、威力は保証する。これならばGフリートの外壁にも穴を開けられるはずだ」

「で?これ誰が持っていくの?」

「アリエルかそこの白、もしくは青とかいうのに任せる。このボディでは持ち運ぶことはできるだろうが、照準を定めるのには少々パワー不足なのでな」

 

 ああ、これ明らかに罠だねぇ。

 わざわざ、照準を定めることの出来ない体で来たってことは、私達を殺す気満々だねぇ。

 まあ、私がやった方がいいねぇ。

 

「じゃあ、私がやります」

 

 ポティマスからバズーカを受け取り、空納にしまう。

 私がバズーカを空納に入れていると、白ちゃんが近くにいた風龍の背中に乗っていた。

 それを見てアリエルさんとポティマスも違う龍の背中に乗る。

 私は白ちゃんに手招きされたので、白ちゃんが乗っている風龍の背中に乗るために近づいたら逃げられた。

 

「なんで逃げるの?」

『た、食べないでください!お願いします!』

「大人しく、私達をUFOまで運ばないと食べるよ?」

『はい!喜んで運ばせていただきます!』

 

 そんなに私が怖いのかな?

 先ほどまで、白ちゃんに対して文句を言って振り落とそうとしていたのに、急に大人しくなった。

 まあ、大人しいなら困らないので風龍に乗っている白ちゃんの背中に乗る。

 地上のことは残る者達に丸投げしてUFOを目指して飛び立つ。

 

 さあ、楽しみましょうか。

 

 魔法を封じる結界が張られてもいいように顔を隠している布を取る。

 空を飛んでUFOを目指しているため、当然のように戦闘機が襲い掛かてくる。

 まあ、移動を風龍に任せているので、私と白ちゃんが迎撃している。

 正確には、私が戦闘機の攻撃を全て握り潰し、腕を伸ばして届く範囲の戦闘機を全て握り潰し、貫き落としていく。

 白ちゃんは風龍と一緒に風魔法で戦闘機を撃墜している。

 

 元から存在しているものを操る魔法なら効くんだねぇ。

 

 戦闘機に張られている結界の弱点が分かったが、私は全て物理攻撃で叩き落しているのであまり関係がない。

 私達だけを見ればかなり優勢に見えるだろうが、実際はそうでもない。

 その証拠に私達は未だに戦闘機を振り切れていない。

 

 今のところ五分五分だけど、長期戦になればこっちが不利になるねぇ。

 かなり撃墜したのに戦闘機が減っているように思えないし。

 私が全力で暴れれば一掃できるけど、足場が不安だし、龍が邪魔になる。

 それに、あんまり手の内は見せたくないしねぇ。

 

『青の姐さん』

「姐さん?」

 

 予想外の呼び方に思わず聞き返してしまった。

 

『例の物を取り出しておいてください』

 

 何か風龍が役目だのなんだのいいことを言って特攻をかけようとしている。

 しかし、風龍が特攻をする前にアリエルさんが戦闘機を足場にして跳びまわり、一瞬のうちに大量の戦闘機を撃墜していく。

 

 折角、風龍が良いこと言ってたのに、可哀想だねぇ。

 そして、アリエルさんのステータスの暴力怖いなぁ。

 

 アリエルさんが戦闘機を大量に撃墜したことで、かなり優勢になった。

 戦闘機はアリエルさんを警戒して近づかなくなったために、先ほどのように一気に撃墜出来なくもなったが、それでもかなり優勢だ。

 周囲の様子を探り、UFOが何か準備しているのを確認して全ての龍に念話を送る。

 

『総員全力回避!』

 

 私の念話に従って回避した龍もそれなりにいたが、それでも被害は大きい。

 空が一瞬だけ光で埋め尽くされたと思うほどの極太の光線が戦闘機を巻き込んで龍達を飲み込む。

 光線が消えた後には何も残っていなかった。

 

 ポティマスの奴、危険な武装の情報は共有しとこうよなぁ。

 

『青いの』

 

 心の中で文句を言った張本人から念話が飛んできた。

 

『敵主砲に向けて私が預けたものを使え。それで破壊できるはずだ』

『分かった』

『おう。じゃあ、あの主砲に向けて飛べばいいんだな?』

『いい。邪魔だから少し離れてて』

『は?』

 

 私の予想外の言葉に風龍が間抜けな声で念話を送ってくる。

 白ちゃんも首を傾げているが、気にせずに私は空間機動で主砲に向かって跳ぶ。

 結界で消されるかもしれないが、戦闘機の表面だけにしか張れないようなら少しの間なら大丈夫なはずだ。

 UFOに近づいて自由落下を始めたのを確認してバズーカをUFOの主砲目掛けて撃つ。

 バズーカから放たれた光線がUFOの主砲とその奥の壁を破壊するのを確認して私の上半身はバズーカの持ち手から漏れ出した光に飲まれる。

 光に全身が飲まれる前に、残った下半身の体積が急激に膨張し逆にバズーカの光を飲み込む。

 球状のスライムの体を縮めながら自由落下していくと、風龍の背中に乗った白ちゃんに受け止められた。

 

「青ちゃん、大丈夫?」

『大丈夫だよ』

 

 白ちゃんに念話で返事をしながら人化する。

 人化してすぐに空納から服を取り出そうとしたが、その手を止める。

 

 あれ?和服が消えてない。

 まさか・・・・・・

 

 和服が消えなかった理由に思い当たることがあったが、気にしている状況ではないので鑑定は後回しにする。

 どうせ、どこかの邪神が何かしたのだろうと思考を終わらせて白ちゃんに視線を向ける。

 

「もう全快してるから大丈夫だよ」

『!?』

 

 私の言葉が信じられなかったのか白ちゃんに鑑定をされるが、私の言葉が本当だと分かると変な目で見られる。

 正直な話、予想通りだったので何の問題もない。

 

 けど、白ちゃんに心配かけちゃったなぁ。

 

『大丈夫なのか?』

『大丈夫だから、さっさとあそこに向かって』

 

 風龍にバズーカで開けた穴を指さして言う。

 

 漸く、UFOの中に入れるねぇ。

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