スライムですが、なにか?   作:転生したい人A

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目的達成!?

 漸く、私達がUFOの中に入ると、先に乗り込んでいたポティマスが佇んでいた。

 

「ふむ。生き延びたか」

 

 そんなことを言って来たが、正直どうでもいいので無視してUFOの中を見回す。

 今のところ侵入者である私達に対処する部隊は出て来てないようだ。

 それでも、これだけ派手に壁をぶっ壊して侵入しているわけだし、出て来るのも時間の問題か。

 UFO内に結界の効果がないからスキルも問題なく使える。

 問題はどれだけのロボットを残しているか。

 アリエルさんが居るから余程ふざけたロボットが出てこない限り問題ない。

 地上の部隊を見た限りでは、戦車クラスが量産型では一番だろうから、問題ない。

 

 さて、そろそろ終わったかなぁ。

 

 私が視線を白ちゃん達に戻すと、白ちゃんとアリエルさんがポティマスを踏みつけていた。

 先ほどまで私がバズーカに巻き込まれて怒って大鎌で襲い掛かっていたが、今はアリエルさんによって地面にめり込んでいる、ポティマス。

 そして今は動けないポティマスを白ちゃんが踏みつけている。

 

「青ちゃんも踏んどく?」

「私は良いですよ。白ちゃんが代わりに踏んでますし」

「遠慮しなくていいんだよ」

「いえ、遠慮してるわけじゃないですよ」

「そう。いいなら、いいけど」

 

 アリエルさんの提案を断り、未だにポティマスを踏みつけている白ちゃんに視線を向ける。

 アリエルさんは私が断ったのが意外だったようだが、そもそもこんなのに興味が無い。

 バズーカの仕組みも予想通りだったし、どうせこの後も何かしてくるのは分かっている。

 

 そんなことより、私が驚いたのはいつの間にか改造されていた和服の方だ。

 あの邪神の気まぐれな行動の方が気になってしょうがない。

 

 全く、私の最高傑作を何度も改造しないで欲しいものだねぇ。

 

 最高傑作を改造されたことに落ち込みながらも、性能が上がったことは嬉しい。

 何とも言えない感情がこみあげて来るが、今は感情を殺そう。

 そんなことを考えていると、白ちゃんがポティマスの尻に足を突き刺していた。

 そしてポティマスはサイボーグの体に立派な尻穴が出来る。

 アリエルさんはそれを見て爆笑し、龍達は完全に引いている。

 ポティマスは屈辱からかなり怒っている。

 

「ねぇ、どうでもいいから、早く進もうよ」

「どうでもいいだと!?」

「時間がそんなにないんだから、どうでもいいことでもめないでくれる?」

「ぐっ!確かに、今はその時ではない。隙あらば貴様らの命を狙いはするが、優先順位は事態の解決の方が上だ」

「なら、さっさと行きますよ。アリエルさんも、笑ってないで進みますよ」

「そうだね、じゃあ進みますか。と言っても、どうやらその前に歓迎会が開かれるぽいけど」

「見たいですねぇ」

 

 アリエルさんが奥を睨みつける。

 私もアリエルさんと同じように視線を奥に向ける。

 そこから侵入者を迎撃するための部隊が出て来た。

 ロボットの数は多いが、UFOに潜入した私達が強すぎるせいで暇だ。

 私が腕を伸ばして薙ぎ払うだけで、かなりの数が減る。

 そこにアリエルさんと白ちゃん、ついでにポティマスも居る。

 壊してもどんどん出て来るので、ほとんど流れ作業になっている。

 白ちゃんに関しては大鎌に糸を括り付けて鎖鎌にして遊んでいる。

 

 はあ、私も遊ぼっと。

 

 流れ作業が続いたせいで、飽きてしまった。

 空納から大鎌を取り出し、白ちゃんと同じように鎖鎌をしてロボットを壊す。

 暇を潰していると、白ちゃんが大鎌から黒い靄を出して薙ぎ払った。

 黒い霧に薙ぎ払われたロボットと戦車は塵になって消えていく。

 

 もしかして、腐食属性って結界で無力化されないのか?

 だとしたら、私のブレスで一掃出来なくもないのか。

 まあ、下手にブレスを撃って爆弾が爆発したら困るからやめておこう。

 

 先ほどの攻撃に驚いたアリエルさんとポティマスが白ちゃんに視線を向けるが、動揺しないようにポーカーフェイスを保っていた。

 

 さっきのは偶然だったわけねぇ。

 まあ、一緒に作った私でもあんな効果知らないし、当然か。

 

 白ちゃんが頑張ってポーカーフェイスをしていると、ロボットが追加される。

 どうやらまだまだいるらしい。

 

「白ちゃんが本気をみせてるのに、私がいつまでも温存してるっていうのは割に合わないかな」

 

 アリエルさんが物凄いスピードで新手のロボットや戦車に近づいて一瞬でスクラップにしていく。

 力によるごり押しであっという間にロボットを殲滅する。

 ポティマスを警戒して余力を残していたのだろうけど、さっさと本気を出して欲しかった。

 

 まあ、本気を出してない私が言えたことではないんだけどねぇ。

 

「追加はなさそうだな。行くぞ」

 

 追加のロボットが来ないのを確認して、ポティマスがさっさと歩きだす。

 私達もその背中を追っていく。

 そこから先はポティマスの案内で進み、出て来たロボットや戦車をアリエルさんが瞬殺する。

 なので、私と白ちゃんはほとんど何もしなくて良くなった。

 それでもUFOが無駄に大きいせいで移動に時間がかかったが、目的の場所に到着した。

 扉の先に爆弾があり、ポティマスが爆弾をロックする。

 その間に私達が防衛システムに対処することを決めてポティマスが扉を開く。

 扉の先は殺風景な円形の部屋で、中心にごてごてとした感じの柱がある。

 

「はあ、最悪」

「馬鹿な」

 

 ポティマスが驚いているということは状況を理解したようだねぇ。

 予想していた中で一番最悪なパターンだ。

 

 ごてごてしたものが、展開されて無数の銃口になる。

 そして立ち上がり、歪な柱が歪なロボットに変わった。

 ポティマスは歪なロボットに心当たりがあるのか何か呟いてアリエルさんに説明している。

 正直、あのロボットが何なのかなんて興味が無い。

 私達にかかればロボットを倒すことは難しくないだろうが、今回は訳が違う。

 あの歪なロボットの中に爆弾がある以上、下手な手出しが出来ない。

 ポティマスが状況を説明し、最悪な状況だと言うことをアリエルさんと白ちゃんも理解したようだ。

 

「作戦ターイム!」

 

 歪なロボットが攻撃して来ないのをいいことに、堂々と目の前で作戦会議を始める。

 作戦会議を始めたは良いもののアリエルさんもポティマスも良い案が無いようで黙り込む。

 そして白ちゃんが少し不自然な動きをしたので視線を向けると、スマホを手に持って耳に当てていた。

 

 どうやら、あの邪神が干渉して来たみたいねぇ。

 だとしたら、ギュリギュリは助けに来ないね。

 それにしても白ちゃんをあまり虐めないでくれるかなぁ。

 会話が終わったら慰めてあげよう。

 

 白ちゃんの持っていたスマホが消えたのを確認して私は白ちゃんに近づく。

 

「白ちゃん、大丈夫?」

 

 私が白ちゃんに問いかけると、何を思ったのか白ちゃんが抱き着いて来た。

 

 そんなに怖かったのかな?

 よしよし、もう大丈夫だよぉ。

 

 心の中で適当なことを言いつつ白ちゃんを抱きしめて頭を撫でてあげる。

 白ちゃんが落ち着くまで優しく頭を撫で続ける。

 

 全く、Dは余計なことばかりしてぇ。

 本当に許せないねぇ。

 

「そろそろその茶番を終わらせたらどうだ?」

 

 冷ややかな目で私達のことを見て来るポティマスを睨みつける。

 

 一体何が茶番だって?

 そんなに塵にされたいのかな?

 

 ポティマスが余計なことを言ったせいで白ちゃんが離れてしまった。

 

 よし、後で塵にしよう。

 

「さて、白ちゃんが落ち着いたところで、作戦会議を再開しようか」

 

 作戦会議なんて言っているが、作戦何て一つしかないだろうに。

 

「先に言っておくけど、ギュリギュリは助けに来ないですよ」

「どういうことだ?詳しく説明しろ」

「ギュリギュリにはどうしようもない奴からの干渉を受けただけ」

「ギュリギュリは大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ。助けにこれないだけです」

 

 あの邪神も言うことを聞いているうちは殺したりしないだろう。

 まあ、ギュリギュリが余計なことをすれば殺されるかもしれないけどねぇ。

 

「そんなことより、ポティマス。あれをハッキングして無力化してください。その間の護衛は私達でやります」

「分かった。ただし、ハッキングにはそれなりに時間がかかる。その間、ボディとコードを守れ」

 

 私の言葉にポティマスはハッキング用のコードを部屋の中に伸ばしていく。

 

「白ちゃんと青ちゃんはポティマスを守ってて。私はコードを守るから」

 

 アリエルさんは部屋の中に伸びて行ったコードを見ながら言う。

 そして歪なロボットは部屋の中に入って来たコードに対して攻撃を仕掛けるが、一瞬で部屋の中に入っていったアリエルさんが暴食で全ての攻撃を捕食する。

 

 うわー、やっぱり、暴食チートだなぁ。

 いいなぁ、チートスキル。

 私なんて成長チートしかないってのに。

 

 コードだけでなくこちらにも攻撃が飛んでくるが、私が腕を伸ばして握り潰し。

 私が防ぎきれなかったものを白ちゃんが扉を盾にして気力付与と魔力付与で強化して防ぐ。

 コードが歪なロボットに繋がると、アリエルさんが糸で拘束する。

 作戦会議をしていたが、予想外に呆気なく終わった。

 

 後は、そろそろポティマスが裏切るころだろう。

 

「白ちゃん!青ちゃん!」

 

 アリエルさんの叫び声が聞こえたが、それよりも先に違和感に襲われた。

 以前に白ちゃんに聞いたポティマスが魔法を無力化する結界に取り込まれたようだ。

 

 予想通り、裏切ったねぇ。

 

 ステータスが下がったせいで普段より、体が重く感じる。

 背後でポティマスが動くのを感じ、白ちゃんをかばおうとした。

 しかし、私より先にアリエルさんが白ちゃんを突き飛ばし、私も一緒に突き飛ばして光線に貫かれる。

 

 全く、アリエルさんはお人好しだねぇ。

 白ちゃんとは因縁があるだろうに、わざわざかばうなんて。

 私なら白ちゃんを助けられるって分からなかったのかなぁ。

 はあ、嫌になるなぁ。

 

 心の中でため息をつきながら倒れたアリエルさんを見る。

 私達をかばったことで窮地に立たされているアリエルさん。

 歪なロボットとポティマスがアリエルさんに銃口を向ける。

 白ちゃんがアリエルさんをかばうために動き出そうとしている。

 

 全くもって嫌だなぁ。

 借りを作るなんて、初めてだ。

 馬鹿だよねぇ、アリエルさん。

 かばったて見捨てられる可能性の方が高いのに。

 まあ、恩を売ろうって、下心のある行動なら見捨てたかなぁ。

 

 命がけで助けてくれたんだ。

 私も久しぶりに本気を出そうかな。

 

 無駄を一切排除し、気配を完全に消した動きでポティマスの背後に回り込む。

 動けないアリエルさんを撃とうとしているポティマスの両腕両足を一瞬で砕き、頭を掴んで歪なロボットにぶん投げる。

 私の行動にポティマスだけでなく、アリエルさんと白ちゃんも驚いているが気にせずに地面を蹴る。

 ポティマスは歪なロボットの攻撃を受けて体を砕かれる。

 それにより、違和感が消える。

 

 結界が解けたようねぇ。

 

 結界が解けたのを確認し、神龍力と魔神法を発動させて歪なロボットを壁まで吹き飛ばす。

 壁に叩きつけられた歪なロボットを大鎌で斬り裂いて塵にする。

 その塵の中に二つの丸い物体を見つける。

 

 みーつけった。

 

 私は背後から白ちゃんが近づいてきているのを気にしつつ塵の中にある丸い物体を一つ手に取る。

 私が手に取ったからか、白ちゃんも落ちていたもう一つを手に取る。

 持ち上げてから爆弾だと言うことに気づいたようだ。

 爆発しないのに気付いて胸をなでおろす。

 

「やってくれたな」

「それはこっちのセリフだってーの」

「いけると思ったのだがな。ままならないものだ」

「ざんねんでしたー!私達の友情パワーの前には敵わんのだよ!」

 

 友情パワーねぇ。

 まあ、歪なロボットの流れ弾から白ちゃんがアリエルさんを守ってたみたいだし、間違ってはないのかな?

 

「まあ、それ以前の問題でしたけどねぇ」

「え?」

「どういうことだ?」

「気付いてなかったんですか?」

 

 私の言葉に全員が私に視線を向ける。

 白ちゃんも不思議そうに首を傾げている。

 

「ここに来るまでのほぼ全てが、私の予想通りですよ」

 

 私の言葉に全員が目を見開いて私のことを見る。

 気づく機会ならいくらでもあっただろうに。

 

「いつからだ。いつからがお前の予想通りだというんだ」

「あなたにGMA爆弾とUFOの話を聞いた時からですよ。細かい内容を除けば大体が予想通りです。唯一、予想外だったのは、アリエルさんにかばわれたことくらいですね」

「なら、貴様は私があのタイミングで裏切ることも分かっていたというのか!?」

「ええ、白ちゃんをかばって反撃であなたを壊そうとしてたんですがねぇ」

「侵入する時のあの砲も分かっていて使ったのか?」

「そうだと言ってるでしょう。ちなみに余剰エネルギーはしっかり吸収させてもらいました」

「!?」

 

 ポティマスの質問に対する私の言葉に全員が何も言えずに目を見開く。

 白ちゃんもアリエルさんも私がエネルギーを吸収できるなんて知らなかったのだろうしねぇ。

 まあ、私がエネルギーを吸収できると分かったのは地下の遺跡でサエルを助けた時だから知らなくて当然か。

 あの時、砲弾を砕いて取り込んだ時にエネルギーを吸収できるか試して成功した。

 エネルギーが吸収できると分かってなかったら、わざわざロボットの銃弾や砲弾を握り潰したりしない。

 

「最初から私はこれが目的だったんですよ」

 

 私は手に持ったGMA爆弾を見せながら続ける。

 

「しかし、これを安全に回収するのは面倒そうだったので、あなたを利用したわけです。今回、あなたの目的は爆弾のロックとUFOの鹵獲でしょう」

「なぜそれを!?」

「馬鹿ですねぇ。あなたは最初から私の手のひらの上で踊ってただけってことですよ。予定通り動いてくれてありがとうございます」

「!?」

 

 首だけになったポティマスを見下し、馬鹿にするような顔で言ってやる。

 余程悔しいのか、白ちゃんに尻に穴を開けられた時と同じように怒りの表情を浮かべている。

 どんなに悔しかろうが、ただ踊らされた馬鹿である真実は変わらない。

 私の表情にアリエルさんが少し引きながら問いかけて来る。

 

「えっと、青ちゃんはそれをどうする気なの?」

 

 どうする気っと言われても答えに悩むよねぇ。

 

 アリエルさんの問いに何と答えようか悩んでいると、私と白ちゃんが持っている爆弾が発光し始めた。

 

「まさか、爆発する!」

「Gフリートが遠隔操作でロックを解除しようとしている。それどころか航行のためのエネルギーを注ぎ込んでいる。自爆するつもりだ」

「ふふ、アリエルさん。どうする気の答えがこれです」

「え?」

 

 アリエルさんの問いへの答えとして私は爆弾を飲み込んだ。

 今までと同じように爆弾のエネルギーを吸収する。

 隣で、白ちゃんがてんぱり過ぎて爆弾を食べていた。

 

 私が食べたから真似したのかな?

 

 白ちゃんがエネルギーを吸収できるか分からないが、白ちゃんならやるだろうと信じてエネルギーの吸収に集中する。

 今までとは違い膨大なエネルギーを一気に吸収することになる。

 吸収しきる前に爆発されたら流石に困るからねぇ。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『神性領域拡張LV9』が『神性領域拡張LV10』になりました。》

《条件を満たしました。神化を開始します》

 

 メッセージが聞こえた直後に、私の体を激痛が襲う。

 痛覚無効を無視した痛みに襲われる。

 痛みに耐えられなかったら死ぬということが本能的に分かった。

 同時に、膨大なエネルギーが体内を満たしているのを理解出来た。

 このエネルギーが馴染めば、私は神になれる。

 

 痛みに耐えるだけなんて、簡単だねぇ。

 

 体内のエネルギーが私と繋がっている大鎌と和服にも流れていく。

 それだけでなく、遠くに離れた何かにも流れていくが洩れるのを止める。

 少し流れて行ったが、少しくらいなら大丈夫だでしょう。

 大鎌と和服にはかなり流れてしまったが、今は良しとしておこう。

 

『緊急措置をしましょう』

 

 Dの声。

 緊急措置ってことは予想外だったのか。

 また、あいつを喜ばせる結果になったわけかぁ。

 

《スキルを還元します》

《ステータスを還元します》

《称号を還元します》

《スキルポイントを還元します》

《経験値を還元します》

《D謹製『神の基本講座』をインストールします》

《神化を終了します。これ以降システムサポートを一切受けられません。ご利用ありがとうございました》

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