スライムですが、なにか?   作:転生したい人A

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おいしいものあったんだ

 地龍のせいで強制的に始まった中層攻略。

 中層の熱で糸が燃えるので現在は自力で歩いて移動している。

 蜘蛛子ちゃんには悪いけど、私の速度に合わせて貰ってる。

 

 そんなことを考えていると、探知に引っかかった魔物がマグマから出て来る。

 タツノオトシゴがマグマから出てきて、マグマの中から火の玉を吐き出してくる。

 未来視が使えて速度を頑張ってあげた私と速度がかなり高い蜘蛛子ちゃんは余裕で回避できる。

 タツノオトシゴはあっという間にMPを使い果たしてマグマから出てきた。

 

 よし、殺そう。

 

 私がタツノオトシゴを殴り殺そうと近づく前に、蜘蛛子ちゃんが毒攻撃で殺してしまった。

 タツノオトシゴの体が熱かったせいでダメージを受けているが、問題はなさそうだ。

 

 というか、私いらなくない?

 確かに蜘蛛子ちゃんでも倒せるくらいの雑魚だったけど、少しは私のこと頼ってもいいんだよ。

 

『スラちゃん、こいつ食べちゃおう』

『そうだね』

 

 何もしてないので分けてもらうのは少し申し訳ないが、少しでもSPは少しでもあった方がいいから遠慮なくいただこう。

 タツノオトシゴを食べ終わるころに、近くをナマズみたいな魔物が通りすがった。

 ナマズのステータスを確認したのか、蜘蛛子ちゃんは私の近くに寄って来た。

 

 おお、やっと頼られた!?

 

 蜘蛛子ちゃんに頼られたことを私が喜んでいると、ナマズが私達を見つけてマグマから出てきた。

 

 あ、足あるの!?

 

 どうでもいいことを考えていると、ナマズが近づいて来たので蜘蛛子ちゃんを後ろに隠すようにしてナマズに近づいていく。

 私がナマズに近づいていくと、蜘蛛子ちゃんの背後から違うナマズが出てきた。

 

『蜘蛛子ちゃん、後ろからナマズがもう一匹出てきたから気を付けて!』

『え!?もう一匹!?』

 

 蜘蛛子ちゃんに念話で伝えたので、大丈夫だろう。

 蜘蛛子ちゃんの心配をしていると、目の前にいたナマズが私に向かって口を大きく開けて襲い掛かってくる。

 幻想金属生成で火に強い金属の円柱を生成し、口を開けて飛び掛かってくるナマズの頭に振り下ろす。

 攻撃力が異常に高い私に一撃を受けてナマズはHPの大半を一気に削られて動かなくなる。

 HPがまだ残っているのでもう一度叩いて完全にHPを削り切り、蜘蛛子ちゃんの方に視線を向ける。

 蜘蛛子ちゃんも毒でナマズを倒したようでとどめをさすところだった。

 

『なんだ、倒せるんじゃない』

『スラちゃんみたいに余裕があるわけじゃないけどね』

 

 修行中に少しづつ話しかけ、取って来た食べ物を分けて上げ続けたこともあって大分普通に話してくれるようになった。

 最初の頃はかなりぎこちなかったから仲良くなれるか心配だったけど、何とかなりそうだなぁ。

 

『ナマズ、一匹ずつ食べようか』

『そうだね』

 

 私はナマズの死体に近づいてかぶりつく。

 体が液体金属になったからか、攻撃力が上がったから分からないがかみ切れるようになった私はナマズの体の一部を噛み千切る。

 酸によって溶かされて口の中に広がるナマズの味に私は感動して涙を流す。

 

 うっまーい!?

 なにこれ、最高!?

 この世界にもこんな美味しいものあったんだ!?

 下層でくそまずい虫を食ってた地獄の日々を思い出すと泣けてくる。

 ああ、中層に来て良かったぁ。

 美味しい魔物がいるってだけで幸せだよねぇ。

 

 あれだけ大きかったナマズをあっという間に食べ終わった私と蜘蛛子ちゃんは顔を見合わせる。

 

『蜘蛛子ちゃん』

『スラちゃん』

『『ナマズを狩りに行こう!』』

 

 蜘蛛子ちゃんと一緒にナマズを探して狩りに行くことが決定した。

 ナマズを見つけるのは私の探知でいくらでも出来るので、探知で見つけたナマズを陸地に誘き寄せて狩る。

 何匹かナマズを狩って食べていると、ナマズではなく鰻がマグマから出てきた。

 

 探知で気づいてはいたが、こいつも美味しいのだろうか?

 ステータス的に蜘蛛子ちゃんだと戦闘が厳しそうだなぁ。

 私も攻撃を貰ったらやばそうだけど、逃げ切れる気がしないから倒すしかないか。

 

 未来視のスキルで鰻が放つ火球の軌道を見て回避する。

 

 未来視があるからギリギリ回避できるけど、これは本当にやばいなぁ。

 

 鰻が火球を蜘蛛子ちゃんの方に吐く瞬間を狙って金属の球体を作り出して鰻の顔面に投げつけてやる。

 

 攻撃力は私の方が高いからダメージは問題なく入るが、私に攻撃を集中されると反撃が出来なくなる。

 厄介な相手だなぁ。

 次に反撃するときに一気にHPけずりきるしかないかぁ。

 

『蜘蛛子ちゃん、鰻の意識を一瞬だけ私から逸らしてくれない?』

『任せて、スラちゃん』

 

 私のお願いを聞いてくれた蜘蛛子ちゃんが、鰻の頭に糸を巻き付けて少しの間攻撃を止めてくれる。

 その一瞬の隙を狙って私は気力を付与した糸を鰻の頭に絡ませて力任せに振り回す。

 鰻を無理矢理マグマから引き上げて地面に叩きつけ、金属の円柱を作り出してタコ殴りにする。

 そうすると、すぐに鰻のHPがゼロになる。

 

 ふー、無事に倒せたっと。

 

 鰻を倒したと思ったら、起き上がってHPが回復し始める。

 

『生命変遷:SPを消費してHPを回復する』

 

 そんなスキルがあったのか、確認しておけば良かった。

 

 私がそんなこと考えながら円柱を振り上げようとすると、鰻に向かって蜘蛛子ちゃんが大量の毒を投げつけ回復したHPを削り切る。

 

『ありがとう、蜘蛛子ちゃん』

『どういたしまして』

 

 鰻を倒したことでレベルが上がり進化が可能になった。

 

 おお、もう進化が可能になったのか。

 

『蜘蛛子ちゃん、進化出来そう?』

『うん、スラちゃんも?』

『出来るよ。どっちが先に進化する?』

『この鰻の死体を使えば同時に進化出来そうじゃない?』

『?どうやって』

 

 蜘蛛子ちゃんの意見に首?を傾げて問いかけると、蜘蛛子ちゃんが鰻の頭を持って蜷局を巻いた蛇のような形にする。

 なるほど、あの中に入れば他の魔物に襲われないってことか。

 

『蜘蛛子ちゃん、頭いいねぇ』

『ふふーん、生き抜く知恵はスラちゃんより高いのだよ』

『おお、数々の修羅場を乗り越えてきただけはありますなぁ』

『それほどでもあるかなぁ』

 

 蜘蛛子ちゃんを褒めると、胸を張ったようなポーズを取る。

 本当に蜘蛛子ちゃんはぶっ飛んだ発想がポンポン出てきて面白いわぁ。

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