スライムですが、なにか?   作:転生したい人A

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誰だ!?こいつに任せたのは!?

 叡智を獲得してから蜘蛛子ちゃんが異常に強くなり始めた。

 最初は苦戦していた鰻も今では簡単に狩れていることを考えると、本当に強くなったのが分かる。

 中層で出会った火竜も二人で協力すれば余裕で倒せたし、中層なら負けることはなさそうだ。

 しかし、私達はあれに出くわした。

 

 上層から下層まで繋がっているだろう縦穴をそいつは移動していた。

 蜘蛛子ちゃんとは比べ物にならない大きさの巨大な蜘蛛の魔物。

 下層で過ごして日々を入れても目の前の巨大な蜘蛛以上に強い魔物は見たことがない。

 鑑定するまでもなく下層の地龍よりはるかに強いだろう化け物。

 

 私も蜘蛛子ちゃんも巨大な蜘蛛が去るの何もせずに見ていた。

 しかし、そんな化け物に喧嘩を売った奴らがいた。

 

 中層に住む火龍と火龍が率いる無数の魔物が巨大な蜘蛛に挑んでいく。

 しかし、巨大な蜘蛛の一撃で火龍が率いる魔物の軍勢は消し飛び、私と蜘蛛子ちゃんも衝撃波で吹き飛ばされる。

 私と蜘蛛子ちゃんが戻ると、巨大なクレーターにマグマが流れ込んでいた。

 そして新たに出来たマグマの海から先ほど巨大な蜘蛛に挑んでいった火龍が姿を現した。

 先ほどの一撃でかなりのダメージを受けているようだが、動くことは出来るようだ。

 そして怒り狂った火龍の矛先は私達に向けられていた。

 

 私達関係ないと思うんだけどなぁ。

 自分から勝負仕掛けて負けて雑魚に八つ当たりってどうなの?

 取り合えず、やるしかないかぁ。

 

『蜘蛛子ちゃん、スピード的に私かなり危ないんだけど、私を抱えて戦える?』

『出来なくはないけど、糸が燃えちゃうから固定が出来ないよ?』

『固定は私に考えがあるから大丈夫』

『分かった。じゃあ、乗って』

 

 私は蜘蛛子ちゃんの体に乗ると、動きを阻害しないように気を付けて体の一部を伸ばして蜘蛛子ちゃんにしがみつく。

 あんまり強い力でしがみつくと、蜘蛛子ちゃんにダメージが入るから力加減を並列意思に任せて魔闘法と竜力を発動させる。

 蜘蛛子ちゃんは邪眼、魔闘法、気闘法と竜力を発動させる。

 強力な魔法阻害効果があるせいで魔法の効き目が悪いなら、違うことに使うまで。

 

『蜘蛛子ちゃん、回避お願いね!』

『任せて、スラちゃん!』

 

 回避を蜘蛛子ちゃんに任せ、私は幻想金属生成で強度と火炎耐性を最大まで上げて槍のような形をした金属を作り出す。

 作り出した槍を火龍と互角の攻撃力に魔闘法と竜力で上乗せされた力で投げつける。

 未来視のスキルで動きを読み、命中と確率大補正のスキルで命中率はかなり高いが、防御力も高いため削り切れない。

 蜘蛛子ちゃんは火龍の攻撃を何とか避けてくれている。

 しかし、火龍の貫通耐性が低いからそれなりのダメージが入っているが、レベルが上がったら私の攻撃も効かなくなるだろう。

 レベルが上がる前に削り切らないといけないけど、そう簡単に削らせてくれるほど優しい相手ではないよねぇ。

 

『げぇ!?蜘蛛子ちゃん、ブレスが来る!』

『え!?』

 

 未来視で見えたことを蜘蛛子ちゃんに伝えると、火龍がブレスを撃つ体制に入った。

 範囲的に避け切れるかどうか、分からない。

 

 避けれるか心配している私と違って蜘蛛子ちゃんは膨大な量の毒液の球体を作り始めた。

 なるほど、防ぐわけね。

 蜘蛛子ちゃんが作り出した毒液の球体と火龍の間に私は強度と火炎耐性を最大まで上げた金属の壁を作り出す。

 金属の壁はブレスにより吹き飛び、蜘蛛子ちゃんの毒液も蒸発させる。

 しかし、何とか私達はブレスを防ぎ切った。

 その代わりに足場が無くなったので蜘蛛子ちゃんの糸で天井に移動する。

 

 移動の途中でも火龍は火球で攻撃してくるので、金属の槍を投げ返してやる。

 生成してから手?で投げているので圧倒的に手数で負けるのはどうしようもない。

 

『スラちゃん、火龍の攻撃を少しの間止められる?』

『ん?止めるだけでいいなら出来るよ』

『じゃあ、お願い。強力な魔法ぶっ放すから』

『了解!』

 

 蜘蛛子ちゃんに了解の返事を出すと、蜘蛛子ちゃんは地面に降りる。

 それに合わせて私も蜘蛛子ちゃんから飛び降りて幻想金属生成を全力で行う。

 作り出すのは私の体の何倍もある巨大な球体状の金属。

 それもわざと強度と火耐性を落として粘度を増した球体を火龍に投げつける。

 球体は火龍に叩きつけられると、火龍の纏っている火炎の熱によって球体はドロドロに溶けて火龍の体に纏わりつく。

 それも粘度がかなり高いせいでなかなか取れず、火龍の動きを大幅に鈍らせる。

 火球やブレスを吐かせないために頭にも投げつけて口を無理矢理塞ぐ。

 

『OK!これで少しの間は安全だよ』

『うわぁ、えげつねぇ』

『そんなことより、魔法は?』

『そんなことって・・・・・・もう撃てるからスラちゃんは巻き込まれないように下がってて』

『分かった』

 

 蜘蛛子ちゃんに言われた通りに巻き込まれないように全速力でその場を離れる。

 私が離れたのを確認して蜘蛛子ちゃんが魔法を放った。

 

 深淵魔法 地獄門

 闇の最上位魔法で魂ごと破壊出来る魔法

 

 あれに巻き込まれたら即アウトだろうなぁ。

 移動を補う方法考えとかないと、これから先生きてけないかも・・・・・・

 

 地獄門の効力が消えたのを確認して私が近づくと、瀕死の火龍が私達に体当たりしてくる。

 しかし、残念ながら私がいる以上それは成功しない。

 今まで一番大きく細長い槍を真っ直ぐ突っ込んでくる火龍の頭に突き立てる。

 

 真っ直ぐに突っ込んでくるだけの火龍なんて的と変わらないね。

 

 私が投げた槍が火龍の体力を削り切ると、蜘蛛子ちゃんが拍手してくれた。

 蜘蛛子ちゃんの拍手を聞いていると、レベルアップを告げる天の声(仮)が聞こえて来た。

 進化まで後1レベルのところでレベルアップが止まってしまった。

 そして蜘蛛子ちゃんの地獄魔法の影響で地盤が沈みマグマが押し寄せて来る。

 取り合えず、私は火龍の死体を持ち上げて安全な場所まで避難する。

 

『さて、鱗をはいで食べますか』

『おう!』

 

 私と蜘蛛子ちゃんで火龍の鱗をはいでいくが、ステータスの差か蜘蛛子ちゃんは鱗をはぐのに苦戦しているようだ。

 攻撃力が高いと便利だねぇ。

 ん?空間の歪み?

 何かが来る?

 

 私が空間の歪みに視線を向けると、空間が裂けて長身の男が出てきた。

 黒い鎧に黒い髪、浅黒い肌と黒で統一された男。

 唯一その鋭い眼光だけは異様に赤い。

 そして力の次元が違う。

 生物としての格が違う。

 敵意は感じないけど、絶対に敵に回してはいけない相手だ。

 

「■■■■■■■■■■■■■」

 

 ?

 どうしよう、何を言ってるのか全然分からない。

 隣で蜘蛛子ちゃんが身振り手振りで分からないことを伝えようとしている。

 しかし、全く伝わっていないようだ。

 挙句の果てに三人揃って首を傾げる始末だ。

 さて、どうしたものか?

 

 私達が困っていると、カラっと音を立ててスマホが地面に落ちて来た。

 ん?スマホ!?なんで!?

 

もしもし、管理者Dです(■■■■■■■■■■■)

 

 管理者D!?

 Dって確か蜘蛛子ちゃんに叡智をあげた上位管理者だよねぇ。

 つまり、こいつもDと関わりがあるってことか。

 だとしたら、わざわざこんな場所に出て来る辺りDより下の管理者ってところかな?

 私が考えている間に話は終わったようで、黒い男はスマホを置いて帰っていった。

 

『お待たせしました。蜘蛛さん、スライムさん』

 

 こっちも考え事をしてたから待ってはないんだけどね。

 

『彼には話しておきましたので、今後あなた達に自ら関わることはないでしょう』

 

 もっと早く話して置けばそもそも遭遇することも無かったんじゃあ。

 

『そうですね。私も彼に話すのを完全に忘れていました』

 

 それでいいのか、管理者。

 

『いいんですよ。私はその世界から見れば部外者ですから』

 

 というか普通に心読まないでよ。

 

『普段はあなた達の心までは読みません』

『普段、それって私達の行動を監視してるってこと?』

『監視という言葉は好ましくありません。観戦の方がしっくりきますね』

『何が目的で私達を監視してるわけ?』

『ただの娯楽ですよ。それ以上の意味や目的何てありません。なにせ、私は世界最悪の邪神ですから』

 

 おい、誰よ!?

 世界最悪の邪神に世界の管理任せた奴!?

 任せる相手他にいなかったの!?

 

『本物ですよ。邪神だからこそ人のもがき苦しむ様を見るのが楽しみなのです』

『じゃあ、この世界はあんたの娯楽のために作られたの?』

『それは違いますねぇ。先ほども言いましたが、私はその世界から見れば部外者です』

『どういう意味?』

『ここから先は教えられません。教えてしまったらつまらなくなりますから』

『つまらないってそんな理由で!?』

『これからもせいぜいあがいて私を楽しませてください。その先にあなた達の求める答えがあるかもしれませんよ』

 

 求める答え、ねぇ。

 

『何好き勝手なこと言って』

『では、またぁ』

 

 スマホが蜘蛛子ちゃんの言葉を遮るように消えてしまった。

 そのせいで蜘蛛子ちゃんが何とも言えない顔をしている。

 

『取り合えず、蜘蛛子ちゃん。火龍食べよっか』

『そうだね』

 

 難しいことを悩んでいた蜘蛛子ちゃんと一緒に火龍を食べる。

 世界を滅ぼそうとしてないなら私にはどうでもいいことだしねぇ。

 それより、火龍美味いわぁ。

 これだけ美味しいものを食べ続けると、調味料が欲しくなるなぁ。

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