白髪蒼眼の未成熟合法少女が雪山で寒さに震えながらあまり得意ではない魔術で肉体を虐めつつ命がけで熱を作りほんの少しだけしか暖まれない中で吹雪が止むのを待つ描写っていいよね。(語彙貧)

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リハビリ作です。
微妙だったけど腕が鈍ったということで投稿。
たった7000ぽっちだけど許してね。
気が向いたら続き書きます。




冬へ至りて此処に在り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつからか冬が終わらなくなった。

そういう山の奥深く、とある掘っ立て小屋の中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寒い。

 

痛い。

 

 

体は熱源を守るように縮こまったままだ。

少しずつ垂れ流す魔力でデバイスを媒体に熱を発生させ、

なんとかこの大寒夜を耐える。

 

意識は落ちそうだった。

落ちれば死ぬ。私の技能では意識無く魔術の行使はできない。

熱を失い。更に体力を削られ、

凍死、もしくは餓死、衰弱死だろう。

死ねば、その遺体は飢える亜森の獣の餌だ。

この大吹雪の中とはいえ、この掘っ立て小屋への襲来が無いこと自体が幸運である。

 

私の生命線である、魔力残量の減少も想定内。

生命力変換と活性、熱エネルギーへの変換。

最低レベルの三重の魔術行使に、このへっぽこ杖7世はよく耐えてくれている。

何回か作り変える予定だったが、嬉しい誤算だ。

もしかして、私にデバイス(魔術媒体)を作る才能があるのだろうか。

.....冗談である。学院にも通えない身だ。

 

ハリボテの屋根と壁が、雪と霜だけでも防いでくれるのはありがたかった。

窓ガラスも欲しかったところだが、直に吹き込む雪が勝手に壁を作るだろう。

それで雪風も防げる。

こんな隙間だらけの板壁より優秀な風避けが雪とは、皮肉なものである。

しかし、この小屋自体が雪の重みに沈まないことこそが最重要である。

積もる雪は頑強で、ゆえに重いのだ。

痺れきった体には、凍った鼻水すら折り取る力も残っていないけれど。

朝になったら、早く屋根の雪を降ろそう。

 

後、何時間で夜明けなのだろうか。

時間の感覚はとうの昔に消え失せた。

空を見上げるために顔を上げれば瞬時に凍って体力を使う。

曇天の空では空の白み加減などわかるはずもなく。

 

後、どれくらい耐えればいいのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝だ。多分。そういうことにしておこう。

 

いつの間にか、風と雪は弱まり、ちらほらと降る程度に落ち着いた。

魔力残量を確認。

魔力消費、生命力、熱変換出力共に最低ラインで乗り切れている。

 

無理矢理起き上がる。

痛い。

凍った冬用ローブがパリパリと派手な音を発てる。

 

さてと。

 

 

 

炉心、通常稼働、開始。

 

魔力弁解放。生体回路活性。

神経回路直結。各部感覚器情報取得にエラー。

 

身体の奥深いところで、何かが軋む。

 

自律最適化失敗。潜在意識制御基盤、自動構築システムに問題発生。

全プロセス、非潜在意識制御基盤へ移行。

 

心臓が、肺が、魔素を魔力へと築き変える。

 

魔素変換、問題なし。魔力制御、問題なし。

魔力伝達率、±0.04を維持。

魔術補助デバイス『GratiaⅩ』A2端子、第36番回線と接続。

 

吐息に薄く魔素が混じり、大気と混じり掻き消える。

 

神経伝達情報にエラー。精査中....

生体回路末端部位に修復措置、失敗。一部共有回線遮断。

第42番回線と接続。神経伝達情報、問題なし。

フィールドバック送信。入力及び出力、問題なし。

 

視界がぶれる。

音が八つ裂く。

肌が泡吹く。

脳に刻まれる、直接的な結合感覚。

式が、思考が、カチリカチリと組み上がる。

 

魔術補助デバイス、限定待機状態解除。

起動状態へ移行完了。

制御基盤より『GratiaⅩ』へ。術式展開要請。承認。

『GratiaⅩ』、身体補助及び身体強化術式展開。

必要魔力量充填終了。

第一術式、構築完了。第二術式、構築完了。

 

さてと、

 

通常トリガーをセット、安全装置、問題無し。術式制御問題無し。

術式起動要請を承認。

『GratiaⅩ』第一術式、続いて第二術式の発動を開始。

 

演算完了。実行開始。

 

へっぽこ杖(Gratia)10世に魔力を流し込み、

起動させた身体補助、強化魔術で兎に角体を動かす。

心臓が張り裂けんばかりに痛い。

節々の痙攣が治まらない。

解析魔術なんて扱えないが多分私のバイタルデータは滅茶苦茶になっていることだろう。

 

死に体を騙して動かす。それは寿命すら削る行為。

 

知ったことではない。

今生きなきゃ先はないのだ。

私は今を生きることを優先するのみ。

 

凍りついた靴を熱でゆっくりと融かし、床には靴型の凍り後が二つ残る。

同じように、凍りついた扉も解凍する。

 

開ける前に、探知魔術を起動。

熱源感知方式主体なので雪に埋まっている系の獣の探知に弱いが、

そこに魔力感知をサブに置くことでカバーしている。

雪に埋まっている、そういう獣から排出される排気魔素は、

どうしても雪の中で停滞する。それを魔力感知で捕捉するのだ。

 

周囲150m....中型生物以上の生体反応無し。

小型のは...動き的に雪ウサギかいたちかってところだろう。

問題なさそうなので、壊さぬように扉をこじ開ける。

 

 

一面真っ白。

とにかく眩しい。

 

小屋に戻る。少し扉を開けたまま、目をならす。

 

探知魔術は切らない。

下手したら、この魔術行使を感づかれて襲われるケースをある。

 

耳も鼻も麻痺していてほとんど意味をなしていないからこそ、

魔術が命の綱となる。

 

目がなれて、動けるようになったら食料を掘り起こす作業から始めよう。

前代未聞の猛吹雪、何があるかわからないため、

ほとんどの食料を地面の中に埋めといたのだ。

軍用ローションだしこの寒さだ、

五日間ほど埋めっぱなしでも普通に食べられるだろう。

...解凍すればだが。

 

 

 

 

目がなれた。

耳は未だに麻痺している。

鼻も言わずもがな。

慎重に外に出る。

新雪に足を捕られないようにゆっくりと。

 

探知魔術を切り替える。

 

探知モード変更。対象はマーカーC6。

 

食料には目印をセットしてある。

それを見つけるために探知範囲を細く長く設定し、円を描くように杖を一周させる。

 

発見。情報更新完了。探知モード変更。通常索敵に移ります。

 

脳内地図にピンが打ち込まれる。

そう遠いところではない。しかし雪山は方向感覚が狂う。

身体中が不全状態であれば尚更だ。

 

足周りの疎水性を強化、姿勢制御を司る脳部位を補助。

雪の上を踏みしめる。

この付近は確か地形の高低差が大きかったはず。

穴や崖を踏み抜かないように液性反発術式を調整。

 

ベクトル管理精度がもう少しあれば雪の上を滑るように進めるのだが、

それを可能にする術式構築の余裕は無い。

 

一歩一歩、適切に進んでいこう。

 

 

 

着いた。

 

埋めた場所は大樹の根元。

やはり周囲には真新しい足跡が点在している。

 

足跡と排気魔素から獣の種を識別し、集積データから徘徊ルートを予測演算させる。

その時、へっぽこ杖17世に嫌な音が走る。もう限界が来たか。

直ぐ様バックアップを自身の生体回路に圧縮保存、

凄まじい頭痛と血液が沸騰したかのような幻熱を無視。

手近な大樹の枝をへし折り、魔力を無理矢理流し込んで枝を構成する魔素の流れを統一、

必要な魔術補助演算機構を魔力で刻みこみ、

保存したバックアップデータの強制インストール開始。

遂にへっぽこ杖17世が限界を迎え、

ハラハラと端から魔力と魔素へと還元されていくのを感じながら、

大樹の枝改めへっぽこ杖18世で予測演算の続きを開始する。

 

 

.....ん、大丈夫そうだ。

獣種の特性、雪の状態、痕跡、魔素の流れ、地形的特性、気候、風向き、植物の群生等々から算出される回答によると後40分は帰ってこないらしい。

自分の縄張りにこんな危ない匂いのするものがあることに興味はあるようで、

それでも近づきたくないからこそ周辺を入念にぶらついているようだ。

 

残留する獣の排気魔素と一致する熱源及び魔力源の捕捉が完了。

脳内地図のピンが更に増える。

ピンはゆらゆらと移動予想の更新と最適化を繰り返しながら移動している。

 

よし、掘りおこそう。

ここら辺一帯は例の獣の縄張りの中心に近いエリアだ。

中型の上位ランクにおさまる大物で、滅多に他所の中型がここに顔を出すことはない。

警戒すべきは大型。特に隠密系の獣だが、

不運にも山から降りられなくなる五日前までの狩猟ギルドの情報掲示板にそんな情報は入っていなかった。隠密系故に未だに見つかっていないケースはあるが、そういう特性だからこそ警戒され、逆に良く見つかることの方が多い矛盾的、もしくは逆説的な獣である。

 

兎に角、他の獣の警戒は最低限にしつつ、例の獣が帰ってこない内にことを済ませよう。

 

穴掘りは楽だ。

私の特性も相まってどんどん雪の層を抜け、土の層へ。

なんせ端から魔素を統率し、雪や土を流動的に変化させて押し出せばいいだけなのだから。

少々魔力消費と肉体(回路)負荷がキツイのは仕方のない出費だ。

 

 

 

軍用ローションを掘り起こす。

それらには獣に盗られないように、包む麻袋に各種の猛毒草の匂いを刷り込んである。

毒草を食える獣すら寄り付かない、周囲の土壌をも汚染する類の猛毒。

まあ、匂いだけなので、今回は土壌やローションに毒が移る心配は無い。

 

匂いのついた麻袋だけを同じ場所に戻し、埋め直す。

魔術行使の残滓、排気魔素を手で散らし、できるだけここで何かあった痕跡を消す。五感と直感、魔力感(知)に優れる獣に対する効果は保証できないが、多分気休め程度にはなるだろう。

 

警報。

 

例の獣がこちらの方向に動き出したようだ。

痕跡の処理は程々に、『夕狼(魔術装備)』の[雪隠れ]を完全起動させすぐさま雪に紛れて走る。

そろそろ体力と空腹に眠気、精神状態の維持が厳しい。

自己暗示も破綻しかかっている。

[氷牙現象]で氷柱を生成。デバイス化完了。

手の内で簡易な発熱術式を展開。

カチンコチンのローションを解凍しながら走り滑る。

袋に入っていたそれを全てしまわずにおいといたのが幸いした。

口から漏れる排気魔素を『夕狼』の魔術効果で隠蔽しながら半溶けローションを口に含む。

 

舌が上手く動かない。

呼吸が邪魔で上手く飲み込めない。

焦るな。大丈夫。少しペースダウン。

 

.....よし。

味は、わからない。

けど、不味くないのはいいことだ。

 

 

[雪隠れ]の効果範囲を外れたようで、あの大樹の方向から獣の活性状態への変化を感知する。

私が残してしまった気配を嗅ぎ取ったようだが、もうそこには私はいない。

[雪隠れ]を起動しているので追跡も困難なはず。

 

大丈夫。大丈夫だ。

 

生体回路の8割は既に生命維持の補助(主にローションの完全吸収とエネルギー化)に回し、残りは『夕狼』の制御に回している。

 

このローション分で体は町まで持つ。

このまま一気に下り切る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様です。今日は空いてますか。」

 

冬の夜は早い。町の防壁の門は閉じられ、営みの灯火は少しずつ数を減らしていく。

 

「....まさか幽霊までも泊まりに来るとはな。嫌な吹雪だよ。」

 

狩猟ギルドの裏口が開き、奥から暖かな酒場の空気が漏れている。ハンターは眠らない。夜に活動する獣がいなくならない限り。

 

「誰が幽霊ですか。ぶちますよ。」

 

その空気を吸い込んで、ほっと息を吐く。

張り切った神経の糸がほつれていく。

 

「立ってるだけで精一杯が何言ってやがる。さっさと入れ。まーたシスター様に叱られるぞ。」

 

ふわふわする体から、さらさらと軽口が漏れる。

 

「それは勘弁です。彼女は苦手ですから。なんとか逃してください。」

 

彼女は、少々涙脆い。どうもそれは身に堪えるのだ。

 

「嫌なこった。さっさと体を直して叱られろ。」

 

部屋の中へと一歩を踏み出そうとして。

 

 

「それはてきびし_______

 

 

 

 

 

 

「おいおい....こりゃあまずい。

「おいお前らシスター様を起こしてこい! 一杯は奢ってやる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

警告。

 

 

 

 

 

 

 

警告。生体回路への侵入を感知、排除機構の効果認めず。最終自己防衛措置を実行____

 

頭が固いな、潜在意識制御基盤。宿主の強制覚醒措置を中止しろ。今の彼女の状態では死ぬぞ。

 

警告____警告_____

 

喚くな。

 

......措置を中止。通常稼働状態へ移行します。

 

良い子だ。

■■■の催促が特に酷くなってな。私としても早くウルルの回路に因子を転写したいところだが、如何せん容量が足らない。未だ存在規模の拡張と昇華も4割止まり。ままらぬなと。

 

要件。

 

ん?

 

要件をどうぞ。

 

.....これは驚いた。

ただの機構であるはずの制御基盤が「要件をどうぞ。」とはな。

素晴らしいな。類を見ない新たな発見だ。

 

要件を、どうぞ。

 

そう力むな。私にもう少し感動を享受させろ。

.....そう圧をかけるな鬱陶しい。

 

生贄としての最終調整と契約の更新準備をな。

私の()()息子も近くに来ている。

都合のいいことに狙いは私を殺した復讐だろうから、

アレをトリガーに最低7割位まで引き上げる細工を...と。

....息子などと認めておらんのにな。

 

_______魔力弁解放。生体回路活性。

 

探知魔術では無理だろうな。

もう、あと、そうだな...一日は待て。

 

探知方法の情報開示を要求。

 

機構の一つ、()()()()()()()

 

理解不能。探知方法の______

 

そろそろ寝たらどうだ?

私が侵入したとはいえ、これ以上の酷使は毒だ。

 

______承認。休眠状態への移行を開始。

 

物わかりが良いな。進歩を感じる。

さすが、私を()()()者の回路だな。

では、帰るとするか。また来る。

 

拒否。拒否。拒否。拒否。拒否。

 

うるさい。

とっとと寝ろ。

 

拒否___________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

声が聞こえた。

 

 

「おはようございます。ウルル。」

 

視界には天井が広がっている。

横を向けば、笑顔のシスター様が。

 

「おはよう。カナン。」

 

懐かしき金木犀の香り。数ヶ月ぶりだろうか。

 

「魔術学院から帰ってきていたの。」

 

「ええ、しっかりと卒業してきました。このように杖も。」

 

指差す方を見れば、窓辺に朱金と青銀の立派な杖が立て掛けられている。

 

「いい杖だね。これならそこら辺の獣にも問題なく立ち回れると思う。」

 

「当たり前です。そういうときのための杖ですもの。...ま、こんな帰ってきてすぐに全力稼働させるとは思いもしませんでしたが。一週間以上もこの異常気象の中、雪山にいるなんて何考えてるんですか!!」

 

「.......むう.....ん?」

 

誤魔化すために、前のように頭を撫でようとして、手が動かない?

芋虫のようにもぞもぞと動く。足も...駄目だ。遂に寒さでイカれたか?

 

「む、体は動かせませんわよ。生体回路を術式制御に使いすぎです。生体維持のためのものをそう酷使し続けていたら体が持ちませんの。現に回路が神経に癒着していましたわ。あの状態で魔術なんて扱ったら、神経が炎症を起こすことになりかねませんわ!」

 

「あー....小屋で回路がショートしちゃってさ、代用のために神経使ったんだよね。めっちゃ痛かった。」

 

神経も一応生体回路の一種だ。魔術なんていう自傷行為に使える代物ではないが、魔素を循環、結合でき、魔力を生成できる機関なのだ。少々痛い以外問題はない。

 

「はあ!?????い、痛いなんてもので済むわけがありませんわ!! 神経での魔素の循環は禁止されている拷問の一種に数えられているのですよ!!じ、自分でそれを進んでやるなんて...隔離病棟に押し込められても文句は言えませんよ! 頭の病気か、それ以上の神経の病気か、はたまた痛覚の麻痺か...バイタルデータが全部レッドアラート。どこが異常でどこが正常なのか、私の魔術制御じゃこれっぽっちもわかりませんでしたっ。」

 

「それでも、隔離病棟に押し込まなかったのね。」

 

唾を撒き散らすが如く怒濤の勢いが遂に止まった。瞬間顔を真っ赤にしてそっぽを向く。

 

「あなたのことですから、どうせ大人しく治療を受けないことなんてわかりきったことです。なら私が直々に....」

 

今のうちに.....よっこらしょ。

 

「治った。」

 

「は?」

 

普通に立ち上がって、元気アピール。

 

「は?」

 

凄まじい視線。殺気じみた怒気。胡散臭いものをみるかのような目。

体をなめ回すように見られた後、遂に杖で精密検査までされる。

 

「ほらね?」

 

「だ、騙されませんわよ!どうせバイタル偽装とか痛覚偽装とか神経強化とか意味わからんことしてるのでしょう!」

 

「ん、神経を近辺の回路で再現してる。ちょっと動きがラグるけど、一通り動けるよ。」

 

 

「ね て な さ い っ。無学の癖にそこら辺の院卒が出来ないことをポンポン実行すなぁっ!!!」

 

杖が振り下ろされた。

 

「ひでぶ。」

 

 

ウルルは、目の前が、真っ暗になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うつらうつらと、意識が境界を越える。

 

それは、夢の光景。

 

回路の残滓。不朽の罪。私だけの罰。

 

夢を夢と知りながら、その寒さを受け止めた。

 

凍りついた手が、寒さに泣くいつかの私を撫でて。

 

凍りついた腕が、何も知らぬ私を静かに雪の中へと隠した。

 

その冷たさは、寒さは、私の罰のはずなのに、

 

何も知らぬ私は、何処までも醜い生への足掻きは。

 

『極限状態での生体回路の奮起』という必然の罰を引き起こした。

 

求めるは温もり。火の魔術。発熱作用。

 

使用可能なデバイスを発見。類似した生体回路を保持、強制直結。魔力供給開始。

 

体が悲鳴をあげる。

 

凍りついた手からイヤな音が響く。

 

痛い。痛い。痛い。痛い。

 

途方もなく痛くて、それでも凍りついた手は温かくて。

自分の体がどこか致命的に換わっていって。

そうして私は魔術使いになった。

 

 

終わらない冬の、始まりの夢。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

◉消化するはずの設定が気力が尽きたことで余ったのでここに並べときます。気力が戻ったら書くかもしれないからネタバレ注意とだけ。

 

・夕狼【マーナガルム】

この星における、冬を司る自然災害の獣。概念存在。

四季の獣の一角。

この獣が世界を駆け巡り四季の一つを物理的に訪れさせる。魔素なんていう欠陥機構が定着し、元々の四季が滅茶苦茶になったことで生み出された。

星による苦肉の作。

八つ当たり気味に地表の生物に勝てないように設定されている。

本体が雪山に在るため、ここ数年雪山は春を迎えられていない。そろそろ春担当がキレる。

 

ウルルガチ勢。所謂魂の輝きに惚れている。

姿形は気にしていないが、どうせならと好みに改造した。生粋のロリコンである。いつか本当の意味での子供を産ませたいと考えているが、四季の獣達に話したらドン引きされた。いやお前らも人のこと言えんぞ。

 

なおその他の獣たちの性癖はこんな感じ。

春の獣:TS嫁(元男とか最高)

夏:獣化嫁(デンジャラス☆ビースト)

秋:融合嫁(実質せっk[規制済])

冬:改造幼女嫁(永遠の小○生最高)

 

もう駄目だこいつら....

なお四季の獣同士が遭遇すると、星すら震わす大災害が発生するため、念話での会話である。

 

 

 

・ウルル

今年で18歳の少女。

肉体の成長が11歳前後で停止している。

体質や栄養不足、過剰なストレス、肉体の損傷や重大な負荷、肉体改変が影響している。

 

元々焦茶髪赤眼というこの地方では一般的な色合いだったが、とある時から色素の抜けた白い髪と、一際鮮やかな蒼い瞳を持つようになった少女。

自分ではストレスによる色素幹細胞の枯渇だと思っているが致命的に間違いである。

因みに彼女が取り込んだ或いは生成した魔素は特定波長の光を発する特性を持つ。つまり青色。

 

夕狼に出会わなければ、

明るくて暖かな性格の、炎魔術を扱う魔弓師になっていた。もう辿り着くことない幻想であるが。

 

町民でのお付き合いはギクシャクしている。

狩猟仲間とはある程度交流はある。

両親を亡くさせてしまったことや、

小さい頃から姿が変わらないのに、色と雰囲気がガラリと変わったこと。いつも山にいて偶然狩猟ギルドで会ったとしても挨拶程度。

彼女自身は一切気にしていないので、

溝は大きく広がっている。

 

・ウルルの特異技能

行使可能術式は各種エネルギーの操作と変換と簡易的なデバイス(魔術媒体)の即時作成に特化している。

 

・簡易的な魔術媒体の即時作成

高価な魔術媒体を買うことができなかったため、

そこらへんの枝で何万と施行し、

遂に実現してしまった絶技。国宝級技能。

施行の果てに成功に至った原因は、

彼女の生体回路の不安定さによるもの。

彼女の回路自体が貧弱過ぎて、

元々が微弱な魔素流動の線にしか感じることができず、その魔素流動の回線をそのへんの枝に詰まった魔素に、

得意なエネルギーの操作で流動を与え、擬似的な生体回路を再現。魔術媒体の即時作成へと至った。

 

一般魔術師が同じ方法でやるとそのへんの枝は内部の魔素流動のエネルギー変化に耐えられず内側から崩壊する。どうしても魔素流動時に、許容圧を超えてしまうからである。

彼女の場合、自身の生体回路自体の魔素流動と直結することで最小限の流動という()()()を叩き出し、どうしても許容圧を超える超々微小魔素を熱に変換することで破裂を防ぐ。

結論

魔術媒体としたい魔素を最低限含んだ物体と彼女の回路と直結させ、回路を持つ人間なら必ず持つ、()()()()()()()()()()()()()()()()()に魔素を任せていれば、自動的に魔術補助演算機構が作られるというもの。

 

一般的なデバイスは生体回路が存在する素材を利用して作られる。いちいち回路が無いものを素材にする(回路自体から作り出す)なんてありえないことである。

 

・ウルルの両親

雪山の麓の町から少し離れた家でウルルを産み、育てていた。

母は一級の魔術師。

父は四季の獣の研究者。

ウルルが5歳を迎えて数日後、冬の獣の異常接近が研究仲間から警告され、直様町に避難したが、ウルルの体質が冬の獣の興味を引き、接近予測が大きくずれ、遭遇。

両者は凍死した。

母の手で優先的に張られた魔術障壁によってウルルは凍死一歩手前で生存。更に無意識的に唯一両親から教わっていた発熱魔術をデバイス(両親の氷結遺体)で発動。町の人が発見する時まで生き延びた。

生命危機による杜撰な魔術行使によりデバイス(両親の氷結遺体)、ウルルの生体回路諸共大きく損傷を負った。これが後に後遺症となり、ウルルはデバイスが無いと満足に魔術行使が不可能になった。

母親から()()()()()生体回路はとある魔術媒体に使用されている。

 

なお母親のお腹には第二子がいた。妹である。

 

・潜在意識制御基盤

魔術行使に使用される脳内領域の一つ。

本来ならば魔術行使は一人称視点において制御されるものだが、ウルルの場合、『彼女』視点において制御される。母親の()()生き残りの変質物。

イキモノではあるが、ウルルが生きているから生きているという、そういう寄生存在。

 

 




受験が一旦落ち着き、余裕が生まれたので、
元々設定中段階止まりだったのをゴリ押しして書いた。

好き勝手に書くとストレスが吹っ飛ぶわ。久しぶりに気持ちよく書けた。好きな曲書けながら勢いで書いた一発モノだからヘボいのは許して。





月姫リメイク買いました。
挿絵一枚一枚がとても綺麗すぎて感動しています。
特に直死の魔眼の色が好きです。
蒼色っていいよね。







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