___ああ、こわいよ。
_____こわい目が、くるよ。
脳漿を月夜に撃ち抜かれたフクロウは、目を覚ます。
報告書 No.████
作成者:████ 作成日:██月██日
詳細:
██月██日████市にて市民約████名が呪殺される事態が発生。
事態を発生させた呪霊を一級呪霊『ミネルヴァ』と認定、同日2級術師3名を派遣するも派遣した術師及び補助監督全員と連絡取れず。
██月██日第二次派遣隊として1級術師1名及び2級術師5名の派遣を行ったものの2級術師一名を除き全員死亡が確認。
██月██日2級術師からの情報により一級呪霊『ミネルヴァ』を特級呪霊に認定。
『ミネルヴァ』の特性は以下の通りである。
・視界内に入った人間及び呪霊に対して目や耳などから侵入する呪毒を飛ばす。
・情報媒体に目が映った場合、自らの分体をその媒体に作成する。(この分体も本体と同じように呪毒を飛ばすため、2級呪霊相当である。)
・時速340㎞を超える速度での高速飛行。
備考:見た目は幼い少女に翼が生えたような見た目をしているようだが、眼球は大きく常に血のような赤い液体を流している。なお、真後ろに立っていても首の可動域が360度あるため視認される可能性が高い。
また、生存した2級術師が張った結界を呪毒は一秒も経たずに破壊しているものの、結果として2級術師は生き残ったことから、結界の有効性は高いと考えられる。
追記:
第二次派遣隊の呪殺後、特級呪霊『ミネルヴァ』が████市からの移動を開始。
目標は不明であるが派遣隊の持ち帰った『ミネルヴァ』の呪力によって呪物となったと思われる物品数点のうちのどれかを目標にしている可能性が高く、回収された呪物の市街地からの移送を開始し特級術師の派遣を上層部に要請する。
―――――
「…ふぅーん。で?」
報告書を読み終わった五条悟はつまらなそうにつぶやいた。
車を運転している補助監督は特級術師に緊張しているのか無言である。
「こんなやつさあ、遠いとこから止まってるところ狙っちゃえばいいじゃん。バァンッ!ってさ。」
補助監督の反応なんて最初から求めていない悟はそういいながら手を拳銃の形にして撃つような動作を行う。
「…」
「ん?なんか言った?」
五条悟は気づかない。最強であるが故に気付こうともしない。
そのあと補助監督が五条悟に反応をすることは一切なかった。
―――――
「ふぅー。…ここら辺にいるんだったっけ?その『ミネルヴァ』ってやつ。」
「…はい。この車の中にアレの目標物は入っているはずです。」
車の中から呪力の染み込んださまざまな呪物が五条悟の前に並べられる。
ネズミのおもちゃや巣に使われたであろう木の枝、挙句の果てには
「…では、私はこれで。」
「バイバーイ!…うわっこのネズミのおもちゃまだ動くんだ!」
森の中、さまざまな呪物に囲まれながら無下限術式を体の周りに展開する悟は隙だらけのように見えて隙はない。
それでも補助監督はこうつぶやく。
「狙い撃った術師は殺気を『見られた』。分体を使おうとした術師も町ごと焼こうとした術師も『見られた』。…なら、あの特級も、」
どうなるのかはわからない。
『最強』はかつて別の世界で420万の人命を一瞬で奪った『災厄』を倒せるのか?それともその慢心が命取りになるのか?
幕切れを知るものなどいない。
だが、ひとつわかるとすれば、自然を畏れぬ者には勝ち目など端からない。それだけの話である。
続かない…?