今年もよろしくお願いします!
フォーツ、リーチェ、ザックの3人が治療室に運ばれて一週間が経った。
リーチェ、ザックは既に全快し、立ち上がれるまでに、フォーツは骨折の方は治ったがまだ立ち上がれず、ベッドから身体を起こせるまでに至った。
そのタイミングでサカキが病室に独立支援部隊クレイドルのメンバーとブラッド隊を集め、その謎のアラガミを発見したと思われる3人を重要参考人としてこの治療室を選んだ。
「皆、よく集まってくれた。それと近々行われる大規模アラガミ討伐作戦の為に中国支部から来てくれたが、その際に謎のアラガミの襲撃に遭った3人も回復して何よりだ。それでそちらの隊長は…」
「私です。中国支部第一部隊隊長のフォーツ・エンジェです。こちらの白髪の男性が同じ神機使いのリーチェ、黒髪の方が神機整備士のザック・ホーヌです」
横になりながらフォーツがそう答え、紹介されたリーチェとザックも軽い会釈をする。
「さて、紹介もされたので早速本題に移ろう。彼等3人が襲撃された件だが…ソーマ君」
サカキに促されソーマが口を開く。
「一週間、彼、神薙ユウが採取していた棘を元に彼等を襲ったアラガミについてだが…3人を襲ったのはアラガミ────では無い事が判明した」
ソーマの言葉にサカキを除く全員が耳を疑った。
「アラガミでは無い…?感応種でも無いという事ですか?」
「あぁ、様々な方向性からあの棘を調べたがオラクル細胞の残骸すらも確認されなかった。それにそう断言出来る理由もある」
ジュリウスの問いにソーマはそう言ってベッドの簡易テーブルにその棘を置く。
「これを見て気付かないか?」
ソーマの質問に全員が疑問符を浮かべる。
「いや…見てって言われても…」
「なら────仮にこの棘の持ち主がアラガミだったとしてなぜこの棘は消滅しない?」
ソーマのその言葉に気付かされる。
アラガミは元々地中から生まれてきて、死ぬと例外無く地中に還る。
だがこの棘は消滅しない時点でアラガミでは無いとソーマも断言出来たのだ。
「計器の故障…じゃないよな?」
「俺もそれを考えて極東支部の整備士である楠リッカに計器を見てもらったが故障では無かった。…そしてもう一つ…────絶滅した生物の遺伝子についても照合してみたがその全ての生物に該当するものは見付けられなかった」
リンドウが計器の故障を疑うも楠リッカと呼ばれる整備士の名前を出されてそれなら違うか…と納得してしまう。
「ちょっ…ちょっと待ってくれ?じゃあ彼等が遭遇したのは何だったんだ?まさか感応種を超える新種とか…」
「だとしても何かしらのオラクル反応がある筈だ。けどこの棘からは何のオラクル反応も見られなかった」
アラガミでも無ければ絶滅した生物でも無い。
それもそうだろう…彼等は目にしたのは新大陸からこの世界へやってきた”居るはずの無い”古龍なのだから…
「それで君達3人に聞きたい事があってね。君達を襲ったその”何か”の特徴を聞きたいんだ」
「分かりました」
3人は頷き、それぞれを説明を始めた。
◇◆◇◆◇◆
「ふむ…全身が棘だらけで頭には2本の巨大な角…発達した四肢に翼…」
「改めて聞いても訳が分からねぇ…何なんだよそいつは…」
あ、それと…とリーチェが補足をする。
「そいつに遭遇した時、その棘は白かったんです」
「?どういう事だい?」
「その棘は戦闘中に次第に黒くなっていきました」
「次第に黒くなる…と…」
ますます正体が訳が分からなくなっているクレイドルとブラッド隊のメンバー。
「というか翼のあるアラガミっていたっけ?」
「ザイゴードとかはいたが…あの巨体をあの小さな羽で飛ぶ訳じゃねぇし何より棘がない」
「じゃあ以前戦ったディアウス・ピターは?」
「あれは攻撃に使う刃翼だ。それに3人が言ってた双角がない」
皆で色々と特徴が合いそうなアラガミを挙げていくがそのどれもが一致しない。
これ以上話しても埒が明かないと思ったのかサカキが切り替える。
「うん、今日はここまでだね。クレイドルとブラッド隊のメンバーには特務としてこの…そうだね…仮名としてその存在を"アルディラ・ビジター"とでも名付けておこうか。そのアルディラ・ビジターの捜索を行って欲しい。第一発見者のフォーツ・エンジェとリーチェの2人も体調が良くなり次第、彼等と合流してくれ」
サカキの言葉に全員が「了解」と返事をして緊急のミーティングは終了となり、解散された。
「アルディラ・ビジター…か…」
参加していたソーマも仮名となったアルディラ・ビジターという名前を呟きながら治療室を出る。
他のメンバーをお互いに色々と話しながら治療室を出て行った。
(アルディラ・ビジター……っ、マジかよ…そんな事が…?)
それに気付いたのはソーマ自身が治療室を出て自室に戻ろうとした時だ。
アルディラ・ビジター。
新大陸───いわゆる別世界から来たが為、アラガミでも、絶滅した生物でも無い故にそう名付けられた滅尽龍ネルギガンテ。
その名前を日本語に直訳すると──────
「"異界の訪問者"…か…」
ソーマはそう呟き、エレベーターへと消えた。
という訳で今年も色々と執筆しますのでよろしくお願いします!
次回は21時に投稿します。