龍驤は好きだけどカッコカリしたのは瑞鶴。
でもとても愛着があるので提督としては書かなきゃいけないと思った(小並感)
ちなみにこの話に出ない空母は持ってるけど育ててないだけでマイ鎮守府には全員居ます。
テンションが『
遠くから、小さな影がその体を揺らしながら走って近づいてくる。
対する俺は、その影を固唾を飲んで見ているしかない。
そしてその影が俺の目の前まで来てこう言った。
「じゃーん!どや、提督?ウチの改二は?」
「…!…!!」
「ちょ、そんなむせび泣かんでもええんやで?」
感動のあまり、言葉が出なくなってしまった。
息を落ち着かせ、一言。
「…長かった、実に長かったなぁ……!
「うん、うん…!」
その小さな影、というか小さな女の子と一緒にむせび泣く俺。
何を隠そう、今目の前に居るこの子こそ、我らが鎮守府の誇る空母機動艦隊の一人。
『軽空母 龍驤』その改二の姿なのである。
「ホンマに長かったなぁ…うん」
「おめでとう、おめでとう龍驤…!」
「ああほらもう泣かんでいいって…みんなも黙って見てないでさぁ、ほら『
「はーい、ちょっと待ってて下さーい」
俺の涙だらけの顔を見かねた龍驤が、俺の後ろに待機していた人だかりの中の一人に声をかける。
その声に、少し濃い灰色の髪をツインテールに束ねた少女が軽く返事をし、工廠の奥に引っ込む。
彼女も俺の艦隊に所属する
彼女が空母機動艦隊の旗艦なのだが、『今日の主役は龍驤さんだからねー』と言っていた。
…確かにこの祝いは龍驤が主役だが、『今日の』とは何だったのだろう?
「全くもう…ほら提督もいつまでも泣くのやめてな?パーッと行こう?」
「…了”解”…」
号泣で言葉に濁点が混じり、まともに会話もできなくなってきた。
「ほら提督さん、ティッシュ持ってきたよ」
「ズー!…ありがとう瑞鶴」
「どういたしましてー」
そう言いながらまた俺の後ろに下がって行く瑞鶴。
あくまでも今日は俺中心で龍驤を祝わせる気らしい。
…まあ後で瑞鶴からも祝いの言葉を言うらしいが。
「ほら、皆。龍驤に一言」
「え?ええってそんなん、別にさ…」
「いいから聞きなって。うーんとまずは…
「はい」
振り返りながら俺が名前を呼ぶと、サイドテールの落ち着いた雰囲気の少女が一歩前に出る。
彼女は『正規空母 加賀』、瑞鶴の指導役として俺が編入させた艦娘だ。
…いかんせん本人たちは不服のようだが、なんだかんだで仲良くやっている。
「龍驤、改二への改装おめでとう」
「いやいや、加賀に褒められるとは…照れるなぁ…」
「以上よ」
「ホンマに一言!?」
加賀の一言スピーチに流石に肝を抜かれたのか、龍驤がツッコミを入れる。
「冗談よ。念願の改二に改装できてよかったわね、私も自分の事のようにうれしいわ」
「………」
「…どうしたの?まさか私がこんなこと言うなんて思ってなかった?」
「加賀が冗談…!?ウソやろ…!」
どうやら驚くには驚いたが、そのポイントに両者の大きな食い違いがあったようだ。
「龍驤?すこし失礼するわよ」
そう言って加賀が龍驤の目の前まで出て行く。
そして、両の手を握りこぶしにして、龍驤の両方のこめかみをプレスする。
…ああ、あれ滅茶苦茶痛いんだよなぁ…
そんなことを思い出しながらも、俺はスルーする。
彼女たち艦娘にとってこの程度ならスキンシップレベルで済むことだ。
「あだだだだ!?痛い痛いって!ゴメンゴメン冗談やって!」
が、痛いものは痛いようで、龍驤は1秒と経たずギブアップを告げる。
その降伏を受け入れた加賀は無表情でこう告げる。
「私だって冗談くらい言うときもあるわ。分かった?」
「うん」
「ならよし」
若干涙目の龍驤がそう返事すると、加賀は満足そうにうなずく。
そして少し口の端を吊り上げながら、元居た位置へ戻って行く。
「…えっと、加賀の次は…
「…あ、はーい!」
先ほど龍驤が歩いてきた方、つまり改装場…のさらに奥の入渠ドックの方から声が聞こえる。
しばらくして、明るい灰色の髪に赤の鉢巻がトレードマークのロングの少女が走って来る。
『正規空母 翔鶴』。瑞鶴の姉である。
「ごめんなさい!入渠ドックが修理中で…!」
走りながらそう弁解する翔鶴。
…何なのだろう、修理する場所が修理中とは。
また陸奥の第三砲塔が修理中に爆発したのだろうか…それならまだましなのだが。
そんなことを考えていたその瞬間。
急に嫌な予感がして、翔鶴が走って来るルートの床を見る。
ここで言うのもなんだが、彼女…翔鶴はとても運が悪い。
妹の瑞鶴が幸運艦と呼ばれるその裏で、避けた不幸がまるで吸い寄せられるように翔鶴に向かっていく。
というより、瑞鶴の不幸が翔鶴に向かっていくからこそ瑞鶴が幸運艦と呼ばれるのだが。
彼女たち艦娘は、艦装に記憶された前世の特性や記憶の一部を引き継いだ少女たちだ。
それはつまり、時には運の悪さも引き継いでしまうということで。
もう一度言おう。
翔鶴はとても、オサレに言うならディ・モールト運が悪い。
嫌な予感がしてふと見た床。
そこにはほんの少しだが、何かをふき取ったような跡。
「…あ、翔鶴、そこさっき妖精さんがバケツの中身零して…」
「え?…きゃあ!?」
龍驤の注意空しく、翔鶴が拭き取れきれなかった高速修復剤に足を滑らせた。
助けに行きたいが、その距離10メートル。限界突破しようが俺の身体能力ではとうてい間に合わない。
「こける…!」
翔鶴がそう確信して目をつぶった瞬間、彼女の後ろから手が伸び、翔鶴の襟をつかんで引き留めた。
「翔鶴、大丈夫?」
「…あ、
一航船の『正規空母 赤城』。彼女も空母機動艦隊の一員である。
別の鎮守府では『妖怪食っちゃ寝』やら『正気食う母』やら『ボーキサイトの女王』やら呼ばれているらしい。
…まあ確かに大破するとやたらと資源を使うが、何も赤城に限らず空母全体がそうなので気にしていない。
それに、うちの赤城はとても頼れるエリート艦娘だ。
翔鶴や瑞鶴だけでなく多くの空母たちからも加賀と同様、一目置かれる存在だ。
それもそのはず、彼女と加賀は空母のエリート『一航戦』の二人なのだから。
…ちなみに龍驤も一航戦に所属していた時期があって、それ相応の活躍もしたそうな。
「すまん赤城、俺の注意不足だ」
少し気を使えば翔鶴を危険にさらすこともなかったので、礼を言う。
ちなみにすぐさま瑞鶴が翔鶴のもとに駆け付けたのでもう安心だ。
幸運艦の内の誰かと一緒だと翔鶴の不運が相殺される傾向にあるらしい。
なので、できる限り幸運艦の誰かを翔鶴とペアになるようにしている。
最近だと、雪風がいつも翔鶴と一緒に居るらしい。
…少し、いやかなり心配だがどうも効果
「いえ、これに関しては私の方に非がありますので…」
「ん?何でだ?」
赤城は一瞬翔鶴を見て、小声で耳打ちしてくる。
「…妖精さんが零したバケツ、私のだったので」
「…ああ、そういうことな」
うちの入渠ドックは二つしかないので、急ぎの時は必然的にバケツ…高速修復剤を使うことになる。
そして今回、龍驤の改二祝いと赤城と翔鶴の修復が被ってしまい、急遽バケツを使うことになった。
今回の事件は、そのせいで引き起こされたものだったようだ。
「…まあ俺が妖精さんたちを急かしたせいでもあるから、気にするな」
「…はい」
あとで妖精さん達に侘びの菓子でも渡そう、と思いながら会話を打ち切る。
「そら、翔鶴。龍驤に一言どうぞ」
「あ、はい!…えと、龍驤さん」
「うん?」
「何度も言われたかもしれませんが…おめでとうございます!」
「あ、私からも。おめでとう龍驤」
「ありがとな、翔鶴、赤城。…いやいや、何度言われても慣れへんな~。へへへ~」
翔鶴と赤城のその言葉ににやけながらも、龍驤がそう答える。
「龍驤さん!」
「おぅ!?…なんや、どしたの?
今度は工廠の入り口の方から声が響く。
見れば、独特の防具(かなりイケてる)を頭部に付けた少女、『装甲空母 大鳳』が駆け寄ってきた。
「私も居ますよ!」
「
その大鳳と共に駆け寄ってきたのは、日の丸鉢巻を巻いたポニーテールの少女『軽空母 瑞鳳』。
「どうしたじゃありませんよ!龍驤さんの改二祝いに来たんです!」
「ほぅ…そらまたなんでや?」
「祝わないわけないじゃないですか!仲間なんですから!」
「ふーん…」
大鳳、瑞鳳の感情のこもった説得を生返事で聞いている龍驤。
…ああ、多分本当の理由違うんだろうな、と思いながらも口にはしない。
「…で?実際のところどうなんや?」
「「改二で本当に胸が大きくなるのか確認しに来ました!」」
「ははは二人とも素直でええなー。…ほら、見ての通りや」
「「龍驤さん…!」」
いけない。この会話は持つもの(主に五十鈴とか。何がとは言わない)と男が聞いちゃいけない話だ。
龍驤の一言を聞いた二人の様子から見ても、その深刻さが伝わってくる。
「…ま、実はうちそんなに気にしてないけどな!」
「「えっ!」」
「嘘だろ!?」
「うっさいで提督!」
「「そうです!」」
「…すまん」
まさかの言葉につい反応してしまった。…やばい、瑞鶴たちの目線が痛い。
「なくてもええんや。あってもなくても受け入れてくれる人はおる…多分な」
「「龍驤さん…!」」
どこか遠い目で、そう告げる龍驤。
感極まったのか、大鳳と瑞鳳が泣いている。
…いい話なのかな?コレ。
…まあとりあえず、最後に回していた瑞鶴の番が来た。
「…瑞鶴」
「…はーい」
小さな声でやり取りする俺と瑞鶴。
「コホン!…龍驤さん!」
「お?なんや、最後は瑞鶴か?」
「ええ、私で最後です。改二おめでとうはさんざん言われたと思うので、私からは別の言葉を」
「うん?」
「これからも、よろしくお願いします!龍驤さん!」
「「「「よろしく!!」」」」
瑞鶴の言葉と共に、空母の皆が声を合わせる。
その声を聞いて、しばらくぽかんとしていた龍驤だが、数秒してにかっと笑ってこう言った。
「任せとき!改二になったうちの実力!見せたるでぇー!」
~未艦~
~以下、聞き流してもいい話なので見たい人だけどうぞ~
エ口い人は言いました。
おっ○いには男の夢が、ちっぱ○には男のロマンが詰まっていると。
千差万別があるとはいえ、女性の胸の大きさは個人差がある。
それこそ天と地ほどの差が。
だがそれで天ばかり見ても良いのだろうか?
憧れを抱き天を見るのもいいが、遠き地平線の彼方を見渡すのもまた一興。
これを読んだあなたにもそれが分かる時が来ることを祈っています。
つまり何が言いたいかというと胸がでかけりゃいいってもんじゃないということをどうか分かって欲しい。