マッドでヤベーイやつにしか変身できないんだが   作:ジューク

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どうも皆さん、ジュークです。
今回のストーリーでは、現在上映中の『仮面ライダー-ビヨンド・ジェネレーションズ-』及び『仮面ライダーオーズ10th-復活のコアメダル-』のネタバレが含まれます。事前情報で出てはいますが一応ここに書いておきます。
ではでは、どうぞ。


スレNo.EX6

「オオオオオオ!!!ラァッ!!!」

 

「げはぁっ!?」

 

 

 ヘルライジングホッパーに変身した頼斗の怒涛の連撃に、オウジはよろめいた。先程のメタルクラスタホッパーとは違う、型も無い連撃。しかし、先程までのものとは違うそれだからこそオウジは反応しにくくなっていた。だが、それ以上の原因はオウジの動揺だった。

 

 

「ぐぅっ…なぜ…なぜヘルライジングホッパーを使える…それは並外れた痛みを伴うはず…!」

 

「驚いた。お前が敵を心配してくれるとは結構意外な話だ、なッ!」

 

「ぐはっ!?」

 

「精々やられないレベルで…!」

 

 

【ヘルライジングインパクト!】

 

「壊れろォォォ!!!!」

 

 

 

ヘルライジング
インパクト

 

 

 

 

「ぐぁああぁ!!??」

 

 

 頼斗の右腕に溜まった紅いエネルギー付のパンチを受け、オウジは更に吹き飛ばされた。

 

 

「俺もいるぜ」

 

「!?」

 

 

【EDEN】

 

 

 耀真がキー…エデンゼツメライズキーを展開すると、耀真の周囲から噴水のように血色のナノマシンの柱が立ち上ぼり、蒼白い光で構成された女性のロストモデルが現れる。そして女性がナノマシンの柱の間を縫うように飛び、耀真に何かを謎の言語で囁くと、耀真は柱の内の一本をキーで斬り裂いた。

 

「変身」

 

【PROG RISE!!ARK…!】

 

 

Imagine…Ideal…Illusion…(理想の幻を想像せよ…)

 

EDEN the KAMEN RIDER(仮面ライダーエデン)…!】

 

The creator who charges (楽園を信じ、)forward believing in paradise.(襲いかかる創造主)

 

 

 耀真がキーをベルト…エデンドライバーに装填すると、耀真の体に動脈のような紅い模様が浮かぶ。そして耀真を抱くように後ろからロストモデルが耀真と一体化し、紅い光に包まれる。そして耀真は赤と群青の仮面ライダー…『仮面ライダーエデン』に変身し、オウジに襲いかかった。

 

「ヘルライジングホッパーにエデン…………!?何がどうなっている…!!?」

 

「俺も同じだ。お前を倒し、人々が心から望む、「お前がいない世界」という『楽園』を創る!」

 

「…黙れ!貴様らに楽園など不要だ!!貴様ら平民は、私に跪きさえすればそれでいい!!」

 

「だから!そんなこと死んでもしねぇっつってんだろがああぁ!!!」

 

「ぐっ!?」

 

「これで…終わりにする!!」

 

【ヘルライジングインパクト!!】

 

【エデンインパクト!!】

 

「「うおおおぉオオォ!!」」

 

「ぐぬぅ…!ふんっ!!」

 

 

 頼斗と耀真はそれぞれ朱と蒼のエネルギーを拳に纏い、オウジに叩き込もうとした。が、オウジは目の前に靄を生み出す。そしてそれは不意に膨らみ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

棒立ちした司波深雪を吐き出した。

 

「「ッ!?」」

 

 

 突然の登場に、二人の拳が失速する。オウジはニヤリと笑い、その隙を逃さなかった。

 

 

「ふん!!」

 

「ぅあぁああ!!?」

 

「頼斗!ぅおっ!?」

 

 

 力を溜めたオウジは深雪を巻き込んでエネルギー波を放った。耀真は体をナノマシン化して事なきを得たが、頼斗は吹き飛ばされる。深雪も倒れるが、オウジはすぐに時間を巻き戻し、肉壁として扱える状態に戻した。

 

 

「フン。所詮は平民。こんな替えの効く女一人のために手が出せなくなるとはな」

 

「頼斗、大丈夫か」

 

「…勿の論。ただ…やっぱあの娘を突破しないと無理なのは達也君に堂々と言った手前難しいわ」

 

「せめて、あの娘さえどうにかなれば……!」

 

 

 耀真が顔をしかめて言った時、突如オウジと頼斗たちを遮るように虹の穴が出現する。そして出てきたのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………達也君…!?」

 

 

 目の前にいる司波深雪の兄…司波達也だった。

 

 

「ダメだ逃げろ!深雪ちゃんに手が出せない以上君は戦えない!!」

 

「ハハハ!そうだ。貴様はこの女を殺せない!!貴様は所詮錘に過ぎん!!」

 

「………」

 

「…!」

 

 

 叫んだ頼斗を、達也は先程までとは違う眼で見つめる。その眼を見た頼斗は何かに取り憑かれたように押し黙ってしまった。

 

 

 そして達也は懐から銀色に輝くCADを抜き、深雪に向け、ゆっくりと歩み寄った。

 

 

「なっ!?貴様何の真似だ!まさか………本当に自身の妹を手にかけるというのか!!?…ええい深雪よ!奴を殺せ!!………?」

 

 

 オウジは深雪に指示を出したが、反応が無い。疑問に思ったオウジが深雪の方を見ると、深雪はCADに指を当てようとした直前で止まっていた。その指先は細かく震えている。まるで、何かに対して必死に抵抗しているかのようだ。

 

 

「…………!!」

 

「何をしている!?さっさとやれ!!!」

 

「………ッ……!!!」

 

 

 そして深雪の指がCADに触れる直前…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

CADを捨てた達也が深雪を抱き締めた。

 

 

 そのまま達也は深雪に叫ぶ。

 

 

「聞こえるか深雪!!」
「俺は司波達也!お前の兄だ!」
「お前は強い!!!こんな洗脳に負けるようなやつじゃない!」
「例え洗脳されようと、俺とお前の間にある絆は消えない!!」
「思い出せ!!!」
「本当のお前を、思い出せ!!」

 

 

―――――――
―――――
――――

 

 

 

 

…ここは…?

 

「貴様は我が奴隷だ。私に従え」

 

…私は、誰………?

 

「貴様ら平民は、私に従いさえすればよい」

 

…奴隷…?

 

「やつらを消せ」

「平民が物を考えるな」

「全てを我が物としろ」

 

…わ、タシ、は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ミ………き…」

 

「………ゆ…き…」

「……みゆき……」

 

みゆき………?

 

「どうした?深雪」

「相変わらず美味いな。お前の珈琲は」

「…この服が欲しいのか?」

 

…あぁ…ワた…ハ…私は…

 

―――
―――――
―――――――

 

「あああぁああアァああァあぁぁアぁあああァあぁア!!!??」

 深雪の悲痛な叫びと共に装着されたマスクに亀裂が走り、次の瞬間砕け散って地面に落ちた。 そのまま深雪は力が抜けたように地面に倒れ…寸前で達也にキャッチされた。

 

 

「深雪!深雪!?しっかりしろ!!」

 

 

 達也が軽く揺さぶると、深雪は眩しそうにゆっくりと閉じていた眼を開け、何かを探すように一瞬辺りを見回す。そして達也を目に留めると、重い口を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………お兄様(・・・)………!」

 

「……よかった…本当に…本当によかった…!」

 

 

 達也はそのまま涙を流し、深雪をしっかりと抱き締めていた。

 

 

「バカな!!!俺の洗脳が解けただと!!?……あり得ない!まさか………貴様も転生者か!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バーカ。そんなんじゃねぇよ」

 

「!?」

 

 

 オウジが振り返った先には、変身解除した頼斗がいた。隣には同じく変身解除した耀真もいる。

 

「魔法さ。彼らの絆がもたらした『奇跡』という魔法がお前の洗脳を上回っただけだ。…まさか、彼に言った言葉を彼に思い出させられるとはな…人生ってのはわからないモンだ」

 

 そう言った彼の腰に赤い光の粒子が集まっていき、仮面ライダー1号のようなベルト…サイクロトロンドライバーが出現した。

 

 

「おっ、それか。だったら俺も」

 

 

 そう言って、耀真は腰にオーズドライバーを装着し、三枚の赤いコアメダルを取り出した。

 

 

「え?オーズってそれ大丈夫なのか?」

 

「ん?あぁ。コイツは平成のライダーであり……令和の時代に誕生した新たなるオーズだからな」

 

「なーるほど。んじゃ、いくぜ!!」

 

「おう!!」

 

 

 強い返事と共に頼斗はサイクロトロンドライバーの両面を叩いて仮面ライダー1号に似たポーズを取り、耀真は赤いコアメダル…タカ・エタニティ、クジャク・エタニティ、コンドル・エタニティコアメダルをオーズドライバーに装填し、オースキャナーを構える。

 

 

 そして二人は、同時にあの言葉を叫んだ。

 

 

「「変身!!」」

 

 

キン!!

キン

キン

 

タカ!!

クジャク!!

コンドル!!

 

タ~ジャ~ドル~

 

【エ~タ~ニティ~!!!】

 

【CENTURY!!!】

 

 

 二人はそれぞれのライダー……耀真は、映司とアンクの絆によって輝かしい姿へと変貌を遂げたタジャドルコンボ…『仮面ライダーオーズ:タジャドルコンボエタニティ』に、頼斗は白を基調としたスーツにクリアブルーのアーマー、赤い複眼とマフラーを持つライダー…2071年の未来からやって来た未来の契約者たるライダーである『仮面ライダーセンチュリー』に変身した。

 

 

「さぁ、今度こそ決着を着けようぜ!」

 

 

生前と現在。
二つの世界。
過去の因縁。

全てを決する最後の戦いの、幕が上がる。

 




さて、いかがでしたか?
次回、オリジナル長編堂々完結です。
50年という節目に誕生した二人のライダー。
対するは、最低最悪の偽者の魔王。
戦いの、そして世界の行方は、如何に。
そして…ネタバレだ!と思った方はすみません。
当初はオーマニキから力を一時的に借り受け、オーマジオウライドウォッチとグランドジオウライドウォッチを使った個人的に考えるガチ最強フォームでいこっかなと考えていましたが、なんか違うなと思いつつオーズの映画を見て感動したため、作り変えました。
では、また次回で。

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