いつの間にやらメインにしていた『ゆらぎ荘の帝王様』を越してしまった……私が更新していないのが問題なんですけどね!バカめ……。
加賀国国境にて━━━
魔王信長軍の陣とちびノブ一揆衆の陣が向かい合っていた。
魔王信長は今、一番勢力が大きい信長。サーヴァントを擁していない軍勢でもその数は凄まじく、ちびノブ一揆衆の兵数は魔王軍の半分にも満たなかった。
そんな状況では、やはり士気にも影響が出る。
相手はちびノブ一揆衆など恐るるに足らずと意気込めば、ちびノブ一揆衆は勝てるのかと恐怖と不安に苛まれる。
そんな状況の中で、ただ一人笑みを浮かべながら立つちびノブがいた。
「ノブッブッブ」
(訳:ふっふっふ)
そう、晴景である。
晴景はむしろこの状況を好ましく思っているようで、その様子を見たちびノブたちは?を物理的に出しては自分の頭に落としていた。
魔王軍の陣から大量の炊飯の煙が上がる。いよいよ出陣を決めたようだ。
ついに戦が始まる。ちびノブたちは緊張に包まれ、顔色も悪くなっていく。それを見かねた晴景は、手頃な岩の上に立ち一喝した。
「ノッブー!」
(訳:聞け!)
『!?』
「ノブノッブ。ノブブノッブ。ノブノブブブノーブノッブ……ノブナガ、ノブブブノッブッブ!」
(訳:敵は大軍。我らは小勢。この絶望的な死地ではあれど……信長、この名に憎しみを持たぬものはいない!)
ちびノブたちがハッと顔を上げる。手応えを感じた晴景はそのまま続けた。
「ノブブノッブ、ノブノッブノブノブ!ノブブノブナガノッブブノッブァー!」
(訳:我らに自由を、我らに有給休暇を!憎き信長めに一泡吹かせてやるのだ!)
『ノッブ……』
「ノブブ!ノブブノッブ!ノブノッブ!ノブブノッブブ!ノブブ、ノッブノブノブ!ノブブノッブ、ちびノブノブブーブブ。ノブノブノブブー、ノブブノッブァー!!」
(訳:貝吹け!鬨を上げろ!懸からば退け!退かば追い崩せ!是非を、覆い倒せ!天に問う時が来た、ちびノブの自由を守れと望むかと。時成りて後に敵を殲滅する、私の号令に続け!!)
『ノッブァー!!』
士気が高まり、魔王軍一揆衆互いに出陣。そして……
ちびノブ一揆衆、敗北。
晴景は討死し、ちびノブたちの大半も討ち取られたと、魔王軍の陣中にて報告された。
魔王軍はちびノブ一揆衆の砦や城を次々と攻め落とした。ちびノブ一揆衆は前線にある砦と城を全て明け渡すことで講和を計るも、これを魔王軍は一蹴した。
ちびノブ一揆衆弱しと見て、魔王軍はさらに侵攻。さらに一勝を重ね、もはや勝利の雰囲気に酔っていた。
しかし、魔王軍は知らない。全ては一人のちびノブの筋書き通りの流れに動いていることに。
魔王信長軍とちびノブ一揆衆、大一番。
数は初戦のように魔王軍の半分にも満たない一揆衆。此度も魔王軍の圧勝に終わる……はずだった。
ちびノブ一揆衆の鉄砲隊が火を吹く。魔王軍はこれに痛手を負った。
負けじと魔王軍も鉄砲を撃つも、ちびノブたちの身体は小さく、さらにはちょこまかと動くので当たりずらい。
今までと違い、ちびノブ一揆衆の兵は少しも減らなかった。
魔王軍陣中にて、大将はイライラと戦況を眺めていた。
「何が起こっている!今まではこちらが撃てば敵は減っていたはずだろう!」
「は、はっ!しかし、今回は撃てども敵は少しも減らず、正確な射撃でこちらの兵がやられる始末!何か対策を講じねば!」
「ええい、わかっておる!」
将たちが会議を行っている中、伝令が一人陣中に駆け込んできた。
「報告!敵勢、撤退開始!我が軍から離れていきます!」
「なんだと!?あちらが優勢だと言うのに……まさか、実はヤツらの兵も消耗していたのでは?よし、全軍前進!ヤツらを逃すな!」
魔王軍は全部隊をもってちびノブ一揆衆を追撃を開始。しかし、魔王軍は人数が多い分、一揆衆に追いつけていなかった。
「敵方の撤退速度が意外と早く!このままでは逃げられてしまいます!」
「ぐぬぬ……逃げ足だけは早い!前線の部隊に足止めするよう伝えろ!」
魔王信長軍の前線は、本隊の到着を待たず一揆衆へと攻撃を仕掛けた。
全ては、魔王信長軍を確実に全滅させるための罠とも知らずに。
ちびノブ一揆衆の中に、一人の変わったちびノブがいた。死んだと報されていた晴景である。
大将が討たれたと偽の報せを流すことで、敵の勝利を確固たるものと誤認させ油断を誘っていたのだ。これまでの勝利も全てはこの戦のための伏線である。
「ノブッブ!ノッブァー!」
(訳:かかったか!撃てぇ!)
鉄砲隊の銃撃が雨のように降り注ぐ。魔王軍前線部隊はたちまち壊乱した。
「なに!?前線部隊がやられそうだと!?ぐぬ……すぐに援軍を出せ!我らが到着するまで耐えさせろ!」
本隊から次々と援軍が送られていく。しかし、少量ずつの援軍などなんの意味も成さない。それどころか、返ってちびノブ一揆衆を有利に立たせる結果となる。
「ノブブ……」
(訳:頃合か……)
本隊の兵数が少なくなってきたことを確認した晴景は、遠くからでも見えるように大きな狼煙を上げた。
「そろそろ我らも到着だ。小賢しい一揆衆どもに目にものを……む?」
魔王軍本隊、その後方が何やら騒がしい。大将のもとに伝令兵が駆け込んできた。
「後方に多数のちびノブ出現!一揆衆の別働隊です!」
「なんだと!?後方には我らが侵攻してきた土地しか無い!敵にも動きは無かったでは無いか!?」
ちびノブは倒れるとき、塵となる。しかし、自爆した場合は地面から生え、復活するのだ。魔王軍の鉄砲に合わせて自爆し、兵を損なわないまま数を減らしていた。戦場に死体を残さないちびノブの生体が魔王軍の目を欺いていた。
復活したちびノブたちが別働隊を組み、魔王軍本隊を追撃したのだ。
「奇襲により兵が混乱しております!このままでは…!」
「ぐぬぬ……すぐさま陣を抜け前に進め!後方の敵部隊から離れ、前線と合流するのだ!急げ!!」
魔王軍本隊は、前線部隊と合流し兵の補充・安定を計る。しかし、晴景率いる一揆衆はそれを読み、壊乱した魔王軍前線部隊に攻め込み壊滅させていた。
魔王軍本隊が飛び出したのは一揆衆本陣の眼前であった。前方の本隊、後方の別働隊。魔王軍は挟撃の形で身動きが取れなくなってしまっていた。
「なんだ……なんだこれは!?我らの方が兵力は上だったはず!一揆衆ごときに、なぜ我ら魔王軍が…!」
「報告!我らが軍のちびノブ兵たちが次々と離反!攻撃を仕掛けてきます!」
別働隊による奇襲の中、別働隊の内にいた工作隊が魔王軍ちびノブ部隊と接触。離反の工作を施していたのだ。
度重なる援軍と離反により、ついに数の差まで逆転した。この絶望的な状況では、魔王軍に成す術はなく。
「ノブ!ノブブノブノブブノッブ、ノッブァー!」
(訳:全軍!魚鱗の陣で敵軍を分断、殲滅せよ!)
『ノッブァー!!』
こうして、最大の勢力を誇っていた魔王信長の軍は、最小の勢力と言っていいちびノブ一揆衆によって大敗した。大将は討死、ちびノブ兵を除いた大半の兵は戦場に没した。
これにより魔王信長の兵力は削がれ、ビッグノッブ・土方によるカルデア家との交渉材料としても価値を見せたという。
初めてこんな団体戦を書きます。まあ、ちゃんとできているかは自分では分からないですが……。
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