もしも毘沙門天の兄が勇将だったら   作:サンサソー

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さて、ちびノブで癒されよっと…。

追記
カルデア家の労働体制を書き忘れていました。投稿日中に修正。1月14日、最後の方を修正。


カルデア家、会合

晴景が魔王軍と戦っている間に、ちびノブ一揆衆側に変化があった。

 

西の極楽浄土の僧が兵を率いて、村を焼きちびノブたちを襲っていたのだ。

 

そこへカルデア家の者たちが現れ、土方と共に僧兵たちを追い払った。

 

これにいたく感動したビッグノッブ。勢力も最小である自分たちが、対等な立場で協力を申し出るのは悪手。

 

幸い、魔王軍撃退の報せが入ったことで一揆衆の威は示せた。自分たちから傘下に入れば、まだ良い扱いを受けることができるかもしれない。

 

しかし、ビッグノッブの思惑は良い意味で裏切られることとなった。

 

カルデア家当主たる藤丸立香は、まさに良君であった。

 

家老マシュとやらがちびノブたちに提示した労働体制は以下の通り。

 

・残業無しの週休二日制

・夏休みには家臣一同での佐渡旅行

・足軽平等スタート功績にて侍大将への昇格あり

 

落ちた。ちびノブたちの心は一瞬にして掌握されてしまった。

 

立香の人の良さと誠実さは僧兵との戦いで確認済みであるし、何より自分たちが懐いている土方の仲間であるという。

 

これはもう、ちまちまと一揆している場合じゃないよネ!

 

しかも、あの憎き織田信長が自分たちと同じ足軽。これほど愉快で喜ばしいことはない。

 

そんなこんなで、ちびノブ一揆衆はカルデア家の傘下に下った。

 

そして日は変わり。カルデア家の者たちは再び加賀に訪れていた。

 

一揆衆たちの砦や城の再建状況などを確認すると共に、挨拶をしそこなった客将との顔合わせのためである。

 

「客将……どんな方なんでしょうか」

「土方さんが言うには、サーヴァントみたいだね」

「こんなところに所属しておるし、儂ら並に変人だったりしてな」

「ちょっとノッブ。儂らって、もしかして私たちも入ってます?ノッブと一緒にされるのは勘弁したいのですが」

「もちろん入っとるわ。是非もないよネ!」

「ちょっと面貸しなさいノッブ。今日という今日はぶっ飛ばしてやりますよ」

「後世の弱小人斬りサークルの沖田じゃあ、現在進行形で戦国の世である知名度補正マシマシの今の儂に勝てるわけないじゃろ!」

 

ギャーギャーと騒ぎながら、2人は屋敷の庭へと出て行った。これから顔合わせだというのに、どこまでも自由人である。

 

「ど、どうしましょう殿!沖田さんと信長さんが……」

「まあ、良いのではないですか?今回はカルデア家当主と客将の顔合わせ。全ての将が揃うなど、圧力をかけに行くようなものですし」

「でも来て結局合わないのは失礼なんじゃ……」

「あの2人は捨て置いて行きましょう。そろそろ刻限です」

 

立香とマシュは白髪の女将、()()()()に背を押され客将の部屋へと入った。

 

しかし中には誰もおらず、ただ書物や地図が山のように積まれているだけだった。

 

「まだ来ていないのでしょうか。姿が見えません」

「少し待とうか」

 

顔合わせの報せは相手にも伝わっているはず。ならばすぐに来るだろうと、3人はその場に座り部屋の主を待った。

 

 

 

 

 

来ない。

 

実に一刻は過ぎている。争っていた沖田総司と織田信長も合流しており、会話でもしながら待っていたのだが、いつまで経っても誰かが来る気配はない。

 

「……いったいどれほど待たせる気ですか!」

「私たちもやるべき事がありますし……帰りますか」

「無駄足とか業腹なんじゃけど」

「うつけは黙っていてください」

「お主、儂への当たり強くない!?」

 

いよいよ腰を上げて帰ろうとする。信長は襖へと歩こうとして、足元にあった厚い書物につまづいた。

 

「あ」

 

信長が積まれた書物へと勢いよく倒れ込み、上半身が埋まってしまった。

 

「何やってるんですかノッブ」

「お、おおう……まさか転んでしまう…と…は……」

 

ノッブが目を開けると、目の前に顔があった。巨大な目に開いた口。普段見ているようなとぼけた顔が、今回は凄まじく恐ろしいものに見えた。

 

「の、の、ノブブブァァアアアッ!!?」

「ノッブ!?奇声なんか上げてどうしたんです!?」

 

沖田とマシュが信長の足を掴み引っ張り出すと、書物の山も崩れた。それにより、中にいた者の姿も顕になる。

 

「……ちびノブ?」

「はい、殿。服装がノブ選組に酷似したちびノブです。入ってきた様子はないですし……初めから居たのでしょうか」

「………………」

「……何か喋るどころか身動ぎひとつしませんね。まさか死んでます?これ」

「いや、奴らは死んだら塵になるから違うじゃろ」

 

信長が恐る恐る近づいていく。真っ白な目と口は開きっぱなしで、書物に半身を埋めたまま動かないそれをツンツンとつついてみた。

 

「………………」

「ホントに何も反応がないんじゃが。え、死んでる?」

「たった今、自分で否定してませんでした?」

 

今度は景虎が顔をつついてみる。指先に空気の動く感触はある。どうやら呼吸はしているようだ。

 

「……これって寝てるんじゃ?」

「いやいや、目と口開けたまま寝るなんてありえんじゃろ」

「ちびノブって目と口閉じれましたっけ」

「目は閉じれたはず。口は知らないけど」

「とりあえず起こすぞ。何か部屋の主について知っているかもしれんしの。ほれ、起きろ!」

 

信長がちびノブの体を強く揺する。

 

次の瞬間、ちびノブの手が動き信長へと太刀が振るわれたのだった。

 




不定期更新とありますし、大丈夫なはず。
皆さんは福袋引きましたかね。私はメリュジーヌ出ました。石を貢いだ分が無駄になって、嬉しいような悲しいような。

タイトル「勇将」を変えるか否か

  • 勇将
  • 義将
  • 心将
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