もしも毘沙門天の兄が勇将だったら   作:サンサソー

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長く期間が空きすみません。
活動報告を見た方もいるかと思いますが、受験によって全ての作品を投稿できずにいました。
これからまたボチボチ続けていきます。よろしくです。
今回は会話多めです。


波乱の評定

越後の春日山城にて、カルデア家の面々が集っていた。

 

サーヴァントの面々がそろい踏み。その中には晴景の姿もあった。

 

ちびノブ一揆衆の客将であった晴景は、その忠誠を立香に捧げカルデア家の家臣となった。

 

得た役は、ちびノブ兵を纏め斥候等を行わせるちびノブ大将である。魔王軍との戦果を考慮し、軍師としての活躍が求められたのだ。

 

「それでは本日の評定を始めたいと思います」

 

カルデア家当主である立香に最も近い存在、マシュ・家老・キリエライトが評定の開始を告げる。

 

真っ先に声を上げたのはカルデア家のサーヴァント森長可だ。

 

「おう!次はどこを攻めるんだ?」

「はい、我がカルデア家は、関東一円、甲斐、越前、越中を押さえ、駿河、美濃、近江の国と隣接しております。次に攻めるのはこの三国のどれかということになるでしょうか」

 

マシュの出した案に、次々と家臣たちが三国についての意見を出し始めた。

 

「駿河の水着信長はまあアレじゃ……割とどうでもええじゃろ」

「では尾張の本物信長……でしたっけ?そちらから攻略しましょうか?それにしても、本物ってなんですかね」

「近江ってーと、浅井……いや、長政はもう死んでたか?チッ、親父の借りを返し損ねたぜ」

「長政か…………」

 

少々俯いた信長。何やら因縁があったことを思わせるが、そんな事をしている場合ではない。

 

「ノブ、ノブブノッブブ。ノブノブノーノブブ、ノッブノブブノブブノーブノブノー」

「ここに、その長政とやらはいねぇ。まずは方針を決めねぇと、あっという間に強大な勢力に先を越されちまう……って言ってるぞ」

「わかっとる……というか、なんでそこまでわかるんじゃおぬし」

「なんとなくそう言ってると感じるんだよ」

「なーんか納得いかんの……んお?」

 

渋い顔をしていた信長の背後。いつの間にか立っていた晴景が、刀を振りかざしていた。

 

「は……は!?」

「ノッブ!」

(訳:死ねぇ!)

「よっと」

 

信長の首が切断されるかと思いきや、景虎の槍が滑り込み間一髪刃を防ぐことに成功。晴景は刀ごと弾き飛ばされた。

 

「ノッ!」

(訳:グフッ!)

「今だ!取り抑えろ!」

 

外に控えていたちびノブたちが押し入り、晴景の上に積み重なっていく。瞬く間にちびノブの小山が形成された。

 

「……またか」

「はい、越後のちびノブさん再びの発作です。やはり信長さんと一緒に居てはいけないのでは……」

 

度々起こっている越後のちびノブによる信長襲撃。今回は、晴景の中に溜まっていた怨念が、注告を聞いてもなおぐだぐだとものを言っていた信長へキレた晴景の隙をつき表に出たようだ。

 

「方や軍師に方や元戦国大大名。どっちも外せるような人材じゃねーけどな」

「おい勝蔵!元は余計じゃ!」

「だって大殿、殿様に下克上されちまってるじゃねーか」

「む…ぬぐぐ…」

「それに大殿は殿様のサーヴァントってやつなんだろ?ならその指示を聞き入れる立場なんじゃねーのかよ」

「ぐ…ぐぎぎ…!」

「森くん、それ以上は」

「おう!殿様がそう言うならやめるぜ!」

「……ほんと、なぜマスターはこうも勝蔵を手懐けられるのか…」

 

騒ぎにも一段落がつき、マシュは気を取り直して口を開いた。

 

「んんっ!それでは、評定の続きを。近江の国は偵察に出てもらったちびノブさんたちによると、謎の魔力障壁に阻まれ、近江がどういう状況なのかまだ判明していません」

「魔力障壁のう……って、え?偵察?あいつらそんなことしてんの?」

「はい。越後のちびノブさんの采配で諜報の得意なちびノブさん達を集めてちびノブ忍軍としてカルデア家では働いていただいています」

「そういや以前も監察の仕事をさせたが、なかなか優秀だったぜ、あいつら」

「新撰組の隊士としてもわりと優秀でしたよね。もうこっちのノッブ要らなくないです?」

「え?わしから生まれてわしより優秀とか、藍より青し的な感じ?」

「なるほど、うちの軒猿みたいなものですね。確かにあのなりで忍びとは誰も思わないでしょうし、うってつけかもしれませんね」

 

少々話が脱線してきた。越後のちびノブの二の舞いを生まぬよう、マシュは心を鬼にして会話をバッサリと切った。

 

「とにかく!近江は引き続きちびノブ忍軍の皆さんに調査を続けて頂こうかと思います」

「んじゃま、ここは軍を三つに分けたらどうだ?物資には余裕があんだろ?」

 

マシュへ織田吉法師が提案する。囚われの身でありながらここまでの自由が許されるのも、カルデア家の特色だ。余程の敵意を持つものでない限り、または拘束する理由がない限りある程度の自由が保証されている。

 

「はい、実は佐渡で金山が見つかりまして、かなりの余裕が出来ました」

「え?ほんとにあったの?金山?」

「やはり……」

「金山とはやったじゃねーか、殿様!で、オレ、欲しい流行りの茶器があんだけどよ」

「そこ、流れるように無心しないように」

「だがてめぇだって酒とか欲しいんだろ!」

「………………いえ?」

「タメがなげーんだよ」

 

再びの脱線。いい加減マシュもムカムカしてきたが、自分はしっかりして先輩の役に立とうと話を戻した。

 

「とにかく!今のカルデア家であれば、三方に軍を展開することも不可能ではないかもです!」

「ではわしは、尾張方面に出張るとするかの。なんといってもわしのホームグラウンドじゃからな」

 

織田ノッブ、尾張方面。

 

「そういうことなら俺は駿河で頼むわ。あの国がどうなっているか気になるしな」

「では、儂も付き合うとしよう」

 

織田吉法師・李書文、駿河方面。

 

「となると、俺たちは近江か?」

「ということになりますかね。出遅れた分、沖田さん大勝利しちゃいますよー!ところで、なんで土方さんは足軽じゃないんですか?」

「土方さんは敵対勢力からの登用ではなかったので、大将からキャリアスタートして頂きました。越後のちびノブさんも同様の待遇をしています」

「せ、戦国格差社会……!?」

 

土方歳三・沖田総司、近江方面。

 

「では、私は本軍を預かり立香の指揮を仰ぎましょう。どこを攻めるかはお任せします」

「オレも軍団とかめんどくせーから、殿様と一緒で頼むぜ!殿様の近くの方が、手柄も立てやすそうだしよ!」

「うん……じゃあ、頑張っていこう!天下統一を目指して!」

「はい、皆さんでカルデア家をますます盛り立てていきましょう!」

「それでは各々方、抜かりなきよう!」

『おー!』

 

かくして、カルデア家の方針は決まった。しかし、彼らはまだ知らない。

かつてない脅威が、一歩、また一歩と迫っていることを。

 

 

 

「ノ…ブ……」

(訳:重…い……)

 

 




合流したことで、ゲームと同じような場面が多くなってきた……自分なりにいい感じにアレンジ…出来ればいいなぁ。

タイトル「勇将」を変えるか否か

  • 勇将
  • 義将
  • 心将
  • 他の案(活動報告へGO)
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