もしも毘沙門天の兄が勇将だったら   作:サンサソー

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二か月もの間空きすみません。とりあえず活動報告にある通り、本能寺終わるまでこちらのターンです。いろいろ展開をため込んでるので消費していきます。


掛かれ柴田

緊急事態が発生。春日山城では急遽評定が行われていた。

 

「大変です先輩(との)!カルデア家の領地に、何者かが攻め込んできているとの知らせがちびノブさんたちから!」

「なんと、ちょうど三方に軍を配したこの機にですか……手薄になったこの本陣を狙ってでしょうか?」

「へっ!そんなの皆殺しにしちまえば一緒だろ⁉殿様、さっさとぶち殺しに行こうぜ!」

「まだ敵軍の全容も知りえていないというのに……マシュ、敵軍の規模はいかほどなのです?」

「そ、それがですね。報告によりますと、攻め込んでいる敵対者は…その、たった一人と」

 

 

 

 

 

そのころ、戦場となっている領内にて。

 

重厚な鎧を身に着けた荒武者が、鬼の如く行く手を阻む全てを薙ぎ払いながら進行していた。

 

「カカレェ……、カカレェイ…!」

 

足軽兵の銃撃や弓矢が荒武者を襲う。しかし、それはまったく堪える様子もなくただただ前進する。

 

為す術もない力の権化かとも思われたが、唯一歩みを遅くする事もあった。

 

「ノッブァー!」

(訳:撃てぇ!)

 

数多の銃声が一斉に轟く。その銃弾は多少なりとも荒武者の肉を打ち、前進を阻んでいた。

 

晴景率いるちびノブ部隊である。晴景はちびノブの報告から敵をサーヴァントと断定。景虎をぞんざいに上階へと投げ捨て、ちびノブ兵の指揮を執り足止めを決行していた。

ちびノブは個々がサーヴァントですら面倒くさく思わせるほどの戦闘能力を有す。いかに猛き英霊と言えどもちびノブらの一斉掃射を受ければダメージが通る。

 

「オオォ、オオオオオオッ‼」

『ノッブー⁉』

 

しかしやはり足止めが限界。数多の銃弾を浴びせようが、荒武者は怯みこそするものの勢いは衰えなかった。いや、一歩踏み出すごとに増している。その一振り一薙ぎでちびノブ兵は空を舞った。

 

「ノブァブァ!ノッブァー!」

(訳:怯むな!撃ち込めぇ!)

 

再び銃弾の雨が降り注ぐ。荒武者も強力で迎える。その繰り返しであったが、ようやく援軍が駆け付けた。

 

「皆は下がりなさい!あとは我々が引き受けます!」

「足軽の皆さんはこちらに!」

「おお、武将方が駆け付けてくれた!」

 

景虎を先頭にカルデア家の将が到着。足軽やちびノブ兵を下げ、晴景の隣についた。

 

「あれが敵将ですか……む?はて?あの鎧姿、どこかで…」

「あん?ありゃあ……なんだよ、柴田のおっさんじゃねえか!」

「知り合い?」

「おうよ。うはははは!殿下にぶっ殺されたと思ったら、こんなところにいたのかよ!元気してたか!」

「織田の柴田勝家……手取川以来ですね…」

 

荒武者の名が判明した。

 

柴田勝家。織田家の家老を務めた古株、そして『鬼柴田』と名を轟かせた豪将である。上杉に逢うては織田も手取川。能登の七尾城の救援にきた織田軍を率い、上杉謙信と激突した。結果、七尾城は陥落。水攻めに苦しめられながらも謙信の追撃を躱し、撤退を成功させた。

 

「カカレェ……、カカレェイ…!」

 

新たな敵を感知したのか、柴田は地を踏み鳴らし火花を散らす。晴景は立香やマシュを背に立ち、景虎と長可が前へ出る。

 

「これ以上進ませる訳にはいきません。ここで仕留めます!」

「悪く思うなよ、柴田のおっさん!そんじゃあ、いくぜえええええ!!」

 

先制を取ったのは長可。長槍を振り回し豪快に柴田を薙ぎ払わんとする。しかし柴田が力で押されるはずもなし。刀に赤黒の雷を纏わせ弾き返した。

 

されど大振りの攻撃は景虎にとって絶好の機会。闘気が込められた鋭い一刺しが柴田の胸に炸裂。地に後をつけながら後退させた。

 

「カカレェ……、カカレェイ……!」

「なんとも頑強な…私の全力の突きであの程度ですか」

「うはははは!さっきのなんだよ柴田のおっさん!雷なんて出せたのかよ!」

 

余裕があるかの如く振る舞うも、内心には少々焦りがあった。いかにバーサーカークラスのサーヴァントとはいえ、あまりにもダメージを負わせられない。狂化のスキルでステータスを上昇させているとはいえ異常だ。

 

しかしそれでも、この二英霊はそういった手勢に劣ることは終ぞないだろう。

 

「簡単には死なねぇみてえだけどよ……コイツをやれば柴田のおっさんでもキツイだろ!?うおおおオオオヒィヤッッハアアアッッ!!」

 

宝具展開。眼光を赤く染め、長可は柴田へと愚直に突貫。柴田も赤黒い魔炎を纏わせ迎撃の体勢をとるが、長可は狂笑に付した。

 

「防御は無駄、鎧も紙くず同然!嗤え、『人間無骨』!!!」

「ヌ…ウオオオオ!?」

 

槍が柴田の腹を抉り、血の洪水を起こした。深手に大きく怯んだ柴田へ、次なる槍が迫る。

 

「取った!これで終わりです!」

 

銀閃が一筋、狂光を失った柴田は膝から崩れ落ちた。

 

「やれやれ、ようやく止まったか…。流石は掛かれ柴田ってとこか?織田家中じゃ気合い入ってた方だしな、柴田のおっさん」

「一歩ごとに力を増していたようですが、もしや何かの宝具の効果だったのでしょうか…?」

 

警戒を解いている二人。しかし晴景はピクリと動いた柴田の指を見逃さなかった。

 

「ノブブッブ!ノブブノブブァー!」

(訳:浮かれるな!油断は敵ぞ!)

『!?』

 

確かに致命傷を与えたはず。しかし柴田、折れた膝を立て剣を支えにその巨体を揺り起こした。

 

「………ェ、…………レェ、…………カカレェッ!」

 

魔力が放出される。猛り狂う赤黒の雷光と共に、柴田は戦場に返り咲いた。

 

「また動き出した!?」

「おいおいおい!手も足もちぎれかかってんだろ!?気合い入りすぎだぜ、柴田のおっさん!」

「し、しかも、身体も大きくなっているような!?」

「このまま進ませるわけにはいきません!ここは私の宝具を使ってでも……っ!」

 

魔炎が立ち上り雷光が迸る。それらは剣へと収着し、禍々しい狂剣の刀身を形作った。

 

「備えなさい!来ます!」

「カカレェ…!カカレェイ……!!信長様、コノ権六二イイイッッ!!」

 

石 灯 籠 斬 り

 

「オ任セアレェエエエイ!!」

 

大上段からの叩き斬り。絶大な魔力を伴った一撃が襲う。その場もろとも全てを薙ぎ払うかと思われた。

 

小さな体躯が躍り出た。晴景である。

 

『!?』

「カカレェェエエエイイッッ!!」

 

皆が驚愕する中、柴田のみは意に介さず振り抜かんとする。晴景は刀を合わせるが、その剛力に敵うはずもない。しかし横に流せば立香らが危ない。で、あれば。

 

「っ!な、なりませんッ!」

 

刀が弾かれる。しかし晴景は微動だにせずその一撃を受け入れた。

 

鎧はノブに在り

 

魔力の激流を一身に受ける。脆弱なちびノブボディはみるみるうちに削られ、しかし晴景、声一つ立てず。

 

鎧は胸にあり。己の心こそ、何にも代えがたい最強の鎧なのである。それも敬すべき主人と仲間が守る対象であれば。

 

魔力の渦が収まれば、そこに立つものはいなかった。魔力が尽きたか柴田勝家の姿はその場に無く、晴景の姿も僅かな着物の切れ端を残し消えていた。

 

伸ばしていた彼女の手は空をきり、やがて静かに落ちる。再び空いた心の穴に、困惑よりも先に顔から何かが地に零れたのだった。

 

 

 

 

 

 

「対象、未確認生命体特殊個体の回収完了。摩玖主本能寺へ帰還する」

 

 




ところで皆さん福袋やアーキタイプ、新水着とかどうでした?
私は福袋でアルジュナ・オルタや水着武蔵ちゃん、そして開幕の10連でそれぞれアーキタイプとレディ・アヴァロンを迎えました。石は有り余ってるので伊吹姉さん待ち。
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