正直Fateと戦国無双の威を借りてる感が否めませんが、それでも嬉しさが勝る今日この頃。
よろしければ、来たるべき最終回まで、よろしくお願いします。
「戦が連続して起こる所以…ですか」
「そうだ」
「……景虎は存じ上げませぬ。兄様は答えを既に…?」
「答えなど。これは数多の要素が入り乱れたもの、人がその全てを知ることが出来ぬほどに複雑怪奇。だがその一端を掴むことは可能」
茶を飲み干し、再び一服拵える。その間、景虎は晴景が茶を入れる様子を黙って見ていた。そこには、己が知りえぬものの一端を掴んだという兄への急かしが見え隠れしていた。
対して、景虎を待たせてはいるものの晴景は手抜かりなく、急ぎもせず茶を立てた。それを一口飲んだ晴景は、まだ中身の残る茶器を景虎へと差し出した。
景虎は黙って茶器を受け取り、中の茶を飲み干した。深い旨みと、熱過ぎず、しかしぬるいという程でもない温かさを堪能した景虎は、茶器を口から離し、ほうと一息。いくらか柔らかくなった表情と茶器を、晴景へと返した。
「……これは、宇治の茶ですか」
「左様。私はこの茶が最も好みとするところ。楽になったか」
「はい」
景虎の知欲と早った心持ちを、晴景は茶一つで解してみせた。再び一服拵える晴景。今回は立てる最中にも話を続けた。
「話を戻そう。私が思うに、戦とは人の心が強く響く。互いに意志をぶつけ合い、より強き志を示した者が勝つ……しかし、戦とは死を生む。家臣の死、己が斬った者の死…打ち続く戦は意志持つ者の心を蝕み、荒ませる。そして、その荒んだ心が義無き戦を生む」
立てた茶を一口啜り、茶器を置く。その流れは洗練されたもので、一つ一つの動作が完成されていた。
「ではもう一つ問おう……お前にとって、諸芸とは」
「諸芸……遊戯、でしょうか。つかの間の心の休息方法、とでも申しましょうか…」
「ふむ……では諸芸が何たるか、教えよう」
晴景は姿勢を正し、真っ直ぐと景虎の目を見つめる。それに気押されたのか、少々景虎の足が崩れた。
「……茶の湯は禅の修行。御仏を敬うのであれば平静を心がけ、居住まいを常に意識せよ」
「も、申し訳ありませぬ!」
景虎が姿勢を正したのを見、晴景は再び口を開いた。
「諸芸とはすなわち、雅の技。雅の技は公家衆の道楽にあらず。その極意とは、和を愛でる心。人の和は、私が好みお前が息づかせている義にも通ずるものだ。和の心とは、すなわち愛。愛なき闘争では義を語ることはできぬ」
「…………」
「景虎、お前には理解できぬこともあろう。しかし、義を通そうとするならば心得よ。雅の技を極むれば、やがて目覚むる和の心。ゆえに私は芸事を好む。皆で仲良う、雅なる諸芸に打ち込むことができれば、どれほど良い事か」
残りの茶を飲み干し、そばに掃ける。茶の湯は終わった。晴景は姿勢を崩し、景虎もそれに習った。
「景虎よ、そなたにも心得を授けておこう。雅の心は、和の心。互いを尊ぶことこそ、何より大事なのだ。相手を和ませ、自ら和む。皆が和めば、必然的にそれが平和に繋がる」
「心得ました兄上。私も諸芸を嗜んでみまする」
「うむ……しかし、これは強制ではない。お前はお前の答えを得よ。流され、惰性に生きるは無価値……お前は神のごとき才がある。であれば、その力を律することが必要だ。力が正義であってはならぬ。しかし、力はすぐに正義の仮面を被ろうとする。力を制し、義を思え。さすれば、泰平の道は見つかるだろう」
「わかりました兄上!やはり兄上とおると勉強になりまする!」
「……ただ、世の常を語っただけに過ぎぬ。そろそろ評定があるゆえ、私はもうゆく。お前も栃尾城へ戻れ」
「はい!では兄上、さらばです!」
景虎が部屋を出ていく。晴景は凝り固まった身体を解すと、使っていた茶器を叩き割った。
「雅の心は、和の心。しかして、茶の湯を経てもなお落ち着けぬとは……我が恥よ」
自分は長尾家当主。そのようなことで恥を作ってはならない。ゆえに、茶の湯に使った全ての道具を壊し、捨てた。
「景虎よ、お前には私の教えなど授けたくはなかったわ。お前は人がわからぬ。どれもつまらぬ塵芥としか思えなくなるだろう。人の和の尊さをわからねば意味は無いのだ。諸芸を嗜もうと、そこに真の和みが訪れることはあるまい。それは、惰性に生きる無様と何が違うのだろうか」
ただただ、それを変えることのできぬ自分が憎らしい。
晴景はしばらく座ったままだった。しかし、頭を軽く振り立ち上がると、評定のために部屋を立ったのだった。
会話が多くなってしまった。「」内が長いと読みづらくなっちゃうんだがなぁ。
カルデアでの話、いる?
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いる
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いらない
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どうせなら何かのイベントに出して