SPIDER-MAN ~Girls band party~ 作:通りすがりのゴキブリ
番外編 エイプリルフール回 シビルウォー勃発?!
某日、海斗の家にて。
俺と千聖は海斗の家のリビングにて二人でドーナツを食べていた。
本来今日は、海斗の家族は家に居ないらしく、俺と海斗の二人だけで秘密のスーパーヒーロー会議を開催するつもりだったが、どうやら千聖もオフだったらしく、ここに向かう時に遭遇して行き先を話すと「私も一緒に行っていいかしら?」と尋ねて来たのだ。
ぶっちゃけ話を聞いただけならば、あの状況で千聖の同行を拒否する事も出来ただろう。だが僕には出来なかった。
だって千聖満面の笑みで「良いわよね?」って連呼して迫って来るんだもん。女優だから表情操るの得意だと思うけど、流石にずっと笑顔の表情から一切動かないのは引くわ。行きたいなら素直に言えばいいのに。
でもここで一つ問題が有った。そう、海斗についてだ。
アイツは何故だか知らないが、千聖を目の敵にしており、常に彼女に対して冷たい態度を取っている。もし俺が千聖を連れて行ったとしても、門残払いされるのがオチだろうし、最悪機嫌を損ねてスーパーヒーロー会議自体が中断されてしまう可能性がある。
だがそこは千聖、抜け目が無かった。
僕は彼女に海斗の事を説明すると、千聖は突如僕に御門違いの事を聞いてきた。
「ねぇユウ。海斗君が好きな食べ物とか、好きな物とか解るかしら?」
「う、うん…あいつはスイーツに目が無かったな…特にドーナツとか。」
それを聞くや否や千聖はミ〇ドまで猛ダッシュ。ドーナツの3個セットをマッハで購入すると、僕に案内させ、海斗の家の前にまで共にやって来たのだ。…何故そこまで僕にかまう?
因み今日のスーパーヒーロー会議、千聖も居る事は海斗にRINEで連絡済みだ。最初は凄く嫌がっていたが、ドーナツの話をちらつかせれば不承不承ながら了承した。
やはり海斗はドーナツなどの甘味物には目が無いらしく、千聖の事は納得していない様子だが、ドーナツには罪は無いと言わんばかりに何処か楽しみにしていた。
だがどうやら海斗は今日、外せない用事が有るらしくスーパーヒーロー会議に少し遅れるらしい。よって僕と千聖は先に海斗の家に行き、ドーナツを食べる事になったのだ。因みに先に家で食べている事に関しては海斗から許可を取っている。
しかし…海斗、いくら何でも怖すぎね? だってわざわざこっちに電話で「赤と白のスプリンクルの付いたドーナツは残しておけ、もし食おうものなら地獄の火が降るぞ」って言うんだから。地獄の火って…中二病的と言うか…でも海斗なら本当にやりかねないからな‥‥
そして現在
「千聖は何を食べてるの?」
「私はポン〇リングね。ユウはオール〇ファッションよね?」
「うん、やっぱりドーナツと言ったらこの二つだよね。」
「ふふふ、そうかしら。」
そして暫くリビングでドーナツを食べながら談笑する事数分、僕の食べるスピードが速いからか、僕の分のドーナツは殆ど無くなっており、千聖のドーナツも半分程になっていた。
…何と言うか…食い足りない。やっぱり一つだけじゃお腹が満たされないのだ。
そこで必然と目が行くのは残された海斗の分のドーナツ、あいつのお気に入りの赤と白のスプリンクルの付いたドーナツ。
「…食べたいなら食べればいいじゃない?」
「…良いの?」
「良いも何も遅れた海斗君が悪いんだし、買って来た私が良いって言うんだから良いんじゃないかしら?…それに…貴方の事なんだから足りないのでしょ?」
千聖が魔女を彷彿とさせる囁きで僕を誘惑する。
…そうだ、食べれば良いんだ。このドーナツ…こんなに美味しそうじゃないか。
僕は思うまま、箱から海斗の分のドーナツを手に取る。
そして自分の皿に乗せ、口の運ぼうとしたその時。
「…ただいまー、ユウ。白鷺が買ったドー…ナツ……」
まるで神様は俺がこれからすべき行動を嘲笑うかの様に、最悪のタイミングで海斗が帰宅してしまった。
リビングに入るなりドーナツを食べようとする海斗、だが海斗が見た光景は赤と白のスプリンクルのドーナツがテーブルに置かれている光景ではない、僕が…小林ユウがそのドーナツを食べようとしている光景だった。
部屋の空気が凍り付く。
「ユウ…解っているよな? 赤と白のスプリンクルが付いたドーナツの最後の一個…お前たちが食べたらどうなるか…俺が電話で言った事、覚えているよな?」
「…あまり良く覚えていないけど…確か、地獄の火が振る…だっけ?」
「ああ、その通り。」
お互い静かに受け答えする僕と海斗。
千聖はドーナツを頬張りながら僕達の様子を伺っている。
千聖…君はこのドーナツを食べて良いと言ってくれた。…君の厚意を無駄にはできない。
僕は静かに、自分の意思を込めながら赤と白のスプリングが付いたドーナツを口に運ぶ。
「……!」
「地獄の火…か…そりゃ傘も持ってないし、困ったな…」
瞬間、海斗の静かな瞳が、確な殺意と怒気に溢れた物に変わった。
「そうか?…傘くらいで済んだら良いな…俺は嵐が起こるのを感じているよ」
お互いの視線がぶつかり合う、正に一触即発。少しでも気を抜けばこの部屋が血の海になることを察したのか、千聖は絶望に満ちた悲鳴を上げた。
「…いやぁぁぁぁぁぁあ!!!」
自分のドーナツを守る為に戦う海斗、千聖から貰ったドーナツを守る為に為に戦う僕…
正義と正義の戦いが、今始まる。
「始まらねーよ!何だよコレ!おい!出てこいや!ゴキブリ!」
は、はい…
「何だよコレ!何なんだよコレ!台本貰ったときから思っていたけど、マジ何なんだよ今回の話!」
いや、その…エイプリルフールなので、シビルウォーの特別映像を参考にしまして…
「いやいや!もっと他に有っただろ?! ホラ、例えばリサさんのクッキー女王とか、それこそ千聖の悪い魔女とか!マジカル蘭とか!」
いや、あの世界観は流石にぶっ飛び過ぎて作者にはキツ過ぎますって。
「…はぁ…まぁ良い、そんな事よりお前に苦情来てるぞ。」
苦情? 一体誰から?
「…リサさんから。」
……oh…
「…ねぇ…ゴキブリ…」
これはこれはリサ姉様。今日はどうもお日柄も良く…どんなご用事で?
「アタシってさ…この作品のメインヒロインだよね?」
も、もちろんでございます!
「じゃあさ…なんで本編に出てないの? ユウから聞くに、元から出す気なかったみたいじゃん。」
そ、それは…ち、千聖さんの方が個人的にこの話は書きやすく…
「……次の番外編‥‥アタシの事ちゃんと出してね、メインヒロインとして。」
……クレーム女王‥‥
「あ?今何か言った?」
い、いえっ!何もっ!畏まりましたっ!
この小説って…
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面白いし、続きを読みたい!
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つまらん、はよやめろ。