SPIDER-MAN ~Girls band party~   作:通りすがりのゴキブリ

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どうやらバンドリの小説の中で一番人気なのがこの小説らしいので、こちらをメインにするか考えています。


お気に入り登録して頂いた方々誠にありがとうございます。

そして評価を頂いた「藤木真沙」さん、「志無」さん、「マーボー神父」さん、「グルッペン閣下」さん、誠にありがとうございました。

また、仮面ライダーウィザードとのクロスオーバー「バンドリ!マジックパーティー」も良かったらご覧ください。


一応進展は有ったみたいで良かったよ。

翌朝

 

「ふああ~」

 

羽丘学園の校門前にて、僕は歩きながら盛大な欠伸をかます。

 

あー、眠たい。なんせ昨日はパトロールに出て、隣町で強盗が発生した通報を聞いた後、無事に何とか止めたは良いものの、その直後に強盗が起きた場所の周辺でギャング同志の抗争が起きている通報が入ったのだ。

 

それを止めるのに少し手こずったせいか、撤収時間が遅くなり、本来ならば午前1時頃に帰宅し、就寝する予定だったが、昨日パトロールを終えて帰宅できたのは午後4時頃、日が昇りかけた時間帯で帰宅して、睡眠…いや、殆ど仮眠を取ってそのまま通学している感じだ。

 

学校に行きながらスパイディ業って本当にキツイ‥‥それが平日なら尚更だ。

 

あー、学校辞めてー‥‥

 

「なんだよ、もしかして睡眠不足か?」

 

心の中で愚痴りながら、教室へ向かっていると、後ろから海斗に声を掛けられる。

 

「あのな‥‥僕が昨日寝た時間、今朝の4時だぞ?!逆に睡眠不足にならない奴いたら化け物だろ?!」

 

「え?今朝の4時?おかしいな‥‥俺寝たの夜の1時頃だったぞ‥?」

 

「そりゃそうだろうな、何せ僕がギャング達の抗争を止めるために必死に戦っている時、お前は既に夢の中だったからな!」

 

「いや、ゴメンって‥‥一応寝ない様に我慢はしたんだよ?」

 

僕より3時間程早く寝て、スッキリしているであろう顔で言い訳を口にする海斗に殺意を覚える。

 

「何が『我慢した』だ!僕が戦っている中でグースカピースカ五月蝿いイビキかきながら寝落ちやがって!」

 

そう、昨日戦っている間にインカムから聞こえる海斗のイビキはマジで五月蝿かった。

 

こっちは神経を集中しているのに耳元の通信機からグースカピースカと騒がれ、たまったもんじゃない。

 

「まぁまぁ、昨日の今井さんの件に免じてその辺は許してくれや」

 

「まったく‥‥」

 

海斗の発言に呆れつつ、教室に入り、自分の席に着く。

 

くそ…今井さんの件で海斗に借りを作ってしまったから、寝落ちた事に強く言えない…!

 

もしや海斗、初めからこれが目的だったとかじゃないよな?だとしたら抜け目の無い奴だよホント。

 

「‥‥あ、俺ちょっとトイレ行ってくるわ。」

 

突然海人はそう言うと、椅子から立ち上がり、教室から出ていってしまった。

 

‥‥アイツ絶対にトイレでエロ動画見一発抜きに行っただろ‥‥

 

はぁ・・・・まぁ、どうであれ、あいつのお陰で僕と今井さんの距離が縮まったのは本当の話だし、その辺は感謝しておくか。

 

「お、ユウじゃん!おはよー!」

 

すると、噂をすれば影と言わんばかりに、黒板前で女子グループと話していたリサさんが話し掛けて来る。

 

「ああ、リサさん。おはよう。…その、昨日はゴメン急なバイト入っちゃって…」

 

「ホントだよー!急に帰っちゃうからマジでビビったんだからねー!」

 

私怒ってます! と言わんばかりに、リサさんがむっつりとした表情を取る。可愛い。

 

「本当にゴメン。昨日急に避けられない事情が有って…」

 

「あははー、良いよ。昨日凄く急いでいたし、避けられない急用が入ったんでしょ?」

 

「う、うん…まぁそんな感じ…」

 

確かに…昨日はいきなり通報が入り、大急ぎで現場に急行した為、リサさんを置いて行く形になってしまった。

 

まだ、話したい事が有ったのに…悪い事をしたものだ。

 

そう言えば昨日、何の話をしようとしていた時、出動したんだっけ?…そう…確か…スパイダーマンの写メが欲しいとか、写メあげるとか言った気がするけど…

 

「それで昨日話そうとしていた事なんだけどさー。」

 

「あ、うん…」

 

僕が昨日の事を内心反省していると、丁度その事についてリサさんが話題を振って来た。

 

「RINE交換しない?」

 

「え?」

 

写メの事を要求されるのかと思ったが、てっきり違う内容で思わずきょとんとしてしまう。

 

「RINE、お互い交換していた方が色々連絡とるのに便利でしょ?だから交換しよ?」

 

「え?別に良いけど‥‥昨日話した写メの件は‥‥」

 

「え?!もしかして、もう貰えたの?!」

 

「いや、一応写メの事は伝えておいたけど、まだ…貰ってないんだ…」

 

リサさんのリアクションに思わずビビってしまう、一瞬僕の両肩を掴んで詰め寄りそうな勢いだったからね。一瞬恐怖を覚えたわ。

 

「あ、あははー、まぁいきなりは厳しいよねー。最近のスパイダーマン忙しそうだし。」

 

「その…ゴメン。」

 

「いや、いーよいーよ!気長に待つし!」

 

先程の気迫からは信じられない台詞だな…なんか「一日でも早く欲しい!」と言うオーラが漏れているぜ、リサさんよ…

 

もしかしてRINE交換したいのも、スパイダーマンの写メ送るのに便利だからって理由かな?

 

でも今井さんのRINE‥‥

 

「ゴメン話が逸れちゃったね、えっと‥‥確かRINEだっけ?いいよ、交換しよ。」

 

「本当?やった!」

 

 

こちらもリサさんのRINEを貰えるのは嬉しい、ちょっと待ってね‥‥今QRコード出すから‥‥って近い近い!

 

 

…あ、やべ…リサさんからなんか良い匂いがする…シャンプーかな?って何を考えているんだ俺は?

 

「‥‥?どうしたの?ユウ?」

 

「え?!いや、何でもない!何でもないから!」

 

ヤバい!リサさんが良い匂いで呆けていたなんて知られたら絶対軽蔑される!

 

内心パニックになりながらも、僕とリサさんはRINEのIDを交換したのだった。

 

 

***

 

そして何時もの如く昼休みの食堂。

 

「まぁそう機嫌悪くするなよ、ユウ。」

 

「‥だって‥‥リサさんが‥‥」

 

僕は若干ブルーな気持ちで、学食限定のオムライスにケチャップを大量に掛け、スプーンでパクリと豪快に口に運ぶ。

 

‥‥しょっぱい、ケチャップ掛けすぎたか‥‥

 

僕がこうして半ばヤケクソ気味にオムライスを食べているのにも勿論理由は有る。

 

そう、僕は今日、昼休みに入った直後、全身全霊の勇気を出してリサさんをお昼に誘った。

 

でもリサさんは友達と食べる約束をしていたらしく、僕はあっさりと振られてしまったのだ。

 

 

畜生…一緒にお昼食べれたら、色々スパイダーマンについて話せたのに…

 

「まぁでも、お前と今井さん、一応進展は有ったみたいで良かったよ。」

 

「進展?何言ってんだよ、一応話せるようにはなったけど、そこまで距離は縮まっていないさ。」

 

「いや、そうでもないぞ、だってお前達名前で呼びあっているじゃないか。」

 

「そ、それだけで距離が縮まったなんて…それにアレは今井さんがフレンドリーだから…」

 

そう、全く話さないクラスメイト同士が偶然共通の話題を見つけて話せる間柄になっただけ、今井さんがフレンドリーだから進展が有る様に見えるだけで、海斗が期待している程距離は縮んでいないはずだ。

 

「でも、今朝みたいに話掛けられる時点で、今井さんからは友達として認識されているのは確かだと思うぜ。」

 

「そ、そうなのかな…」

 

確かに、リサさんなら話して10秒で友達とか有り得そうだ。

 

なんせ昨日、急に話し掛けて来た俺に対して驚いたり、引いたりする事も無く普通に話して、挙句はRINEすら交換‥‥

 

 

アレ?

 

 

 

「オイ海斗…何でお前今朝リサさんが俺に話しかけて来た事知ってるの?」

 

「え?あー…」

 

会話の途中で突如感じた疑問を口にすると、海斗は「やっちまった」と言わんばかりに頭を抱える。その姿はまるで悪戯が失敗した子供の様だった。

 

「さてはお前…今朝俺とリサさんの会話盗み聞きしていたな?」

 

「ゴメン!その…悪気はなかったんだ!」

 

思わず語気が強くなってしまい、海斗は僕が怒っていると錯覚したのか、勢いよく手を合わせて謝罪する。

 

「…あ、いや…別に怒っている訳じゃないんだ。でも、何故にわざわざトイレに行くなんて嘘を?普通にあの場で聞いていれば良かったのに。」

 

「それは‥‥その‥‥」

 

 

気まずそうに口ごもる海斗、何か言いずらい事情が有るのか?

 

 

「その…俺が居たら邪魔になるかもって思って…でもだからと言ってお前がリサさんが仲良くやれているか心配だったし…」

 

その答えを聞いた瞬間、頭に有った苛立ちが少しづつ消えて行く。なんだよ、そういう事だったのか。

 

「気を遣わせて悪かったよ、ありがとう。」

 

「お?!一つ貸しか?なら今度ラーメンでも…」

 

「奢らないよ。」

 

全く本当に調子良いんだから…

 

だが内心僕の事を気に掛けてくれた海斗に感謝を抱きながら、オムライスの最後の一口を頬張る。

 

やっぱりしょっぱいな…

 

口の中いっぱいに広がるケチャップの味を感じながら、少しずつ昼休みは過ぎていくのだった。

 

 

 




最後までご拝読ありがとうございます。

皆さんこの作品のスパイダーマンのコンセプトは「どんなに理不尽に叩きのめされても、何度も立ち上がり、強くなる。」です。それ故に、もしかしたら読者の皆様が、読んでいて辛いと感じる事も有るかと思いますが、このコンセプトは原作や映画にも有るように、「スパイダーマン」には欠かせない重要な点と作者は考えています。

勿論決して理不尽ばかりではなく、ちゃんと救済が有る様に書いて行きたいと思うので、そこはどうかご理解願います。

また、この物語の主人公で、ピーターパーカー的な立ち位置の小林ユウ君ですが、彼に関しては「ヒーロー」として華やかな一面だけでなく、男子高校生と言う思春期特有の自己顕示欲や性欲などと言った「人間」としての一面も多く書いて行きたいと思います。

ご感想や評価お待ちしています。

色々スパイダーマンの小ネタを挟んで来たけど、この中でどのオマージュを見てみたい?

  • 雨の中、逆さ吊りのユウとリサがキス
  • ベランダで千聖をウェブで引き寄せてキス
  • テンションが上がり、町中で闇落ちダンス
  • 池にドボンしたユウをミッシェルが救出
  • 背後から車が飛んで来て、ユウがリサを庇う
  • 列車の暴走を怪力で止める
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